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自分でバトルストーリーを書いてみようVol.17

1 :気軽な参加をお待ちしております。:04/12/01 10:30:43 ID:???
 銀河系の遥か彼方、地球から6万光年の距離に惑星Ziと呼ばれる星がある。 
 長い戦いの歴史を持つこの星であったが、その戦乱も終わり、
 平和な時代が訪れた。しかし、その星に住む人と、巨大なメカ生体ゾイドの
 おりなすドラマはまだまだ続く。

 平和な時代を記した物語。過去の戦争の時代を記した物語。そして未来の物語。
 そこには数々のバトルストーリーが確かに存在した。
 歴史の狭間に消えた物語達が本当にあった事なのか、確かめる術はないに等しい。
 されど語り部達はただ語るのみ。
 故に、真実か否かはこれを読む貴方が決める事である。

 過去に埋没した物語達や、ルールは>>2-5辺りに記される

2 :気軽な参加をお待ちしております。:04/12/01 10:31:47 ID:???
ルール

ゾイドに関係する物語なら、アニメや漫画、バトスト等何を題材にしても良いです。
時間軸及び世界情勢に制約は有りません。自由で柔軟な発想の作品をお待ちしています。

例外的に18禁描写はご遠慮下さい。

鯖負担の軽減として【450〜470Kb】で次のスレを用意する事。
投稿された物語の感想等も大歓迎です。

3 :気軽な参加をお待ちしております。:04/12/01 10:32:19 ID:???
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.16(前スレ)
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1099232806/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.15
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1097215306/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.14
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1094509409/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.13
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1092163301/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.12
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1089854742/-100
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.11
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1086517669/l50
自分でバトルスト^リーを書いてみようVol.10
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1082898104/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.9
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1079611268/l50
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.8
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1074016593/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.7
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1067667185/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.5 (実質Vol.6)
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1063986867/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.5
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1059948751/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.4
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1054241657/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.3
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1008860930/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.2
http://salad.2ch.net/zoid/kako/998/998659963.html
自分でバトルストーリーを書いてみよう!!
http://salad.2ch.net/zoid/kako/976/976898587.html

4 :気軽な参加をお待ちしております。:04/12/01 10:32:58 ID:???
作品保管所

名無し獣弐氏の過去ログ保管場所
http://sak2-1.tok2.com/home/undecidedness/storage/story.html(現在更新停止中)
にくちゃんねる過去ログ
http://makimo.to/cgi-bin/search/search.cgi?q=%8E%A9%95%AA%82%C5%83o%83g%83%8B%83X%83g%81%5B%83%8A%81%5B&G=%8E%EF%96%A1&sf=2&H=ikenai&andor=and

5 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/01 20:52:06 ID:???
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 エネミオライッ乙!エニタイムファイッ乙!
 ⊂彡


6 :ブッフバルト ◆zU0dfI0D8Y :04/12/03 08:28:22 ID:???
うちに遊びに来ないか?こんな遅くにわるいんだけど
ざっと10人はあつまるから!皆で夜景をみながら
いっしょに夢について語り合おう。
で、それを実現させようじゃないか
すてきな事だと思わないかい?
きっとどんな夢でも叶うはずさ。僕の夢?
えっとね、それはね。君と
てを取り合って今日星空を見る事さ
くさいセリフだって事はわかってるよ
だって自分でも恥ずかしいんだから
さぁ、答えを待ってるからね
いつまでも。

7 :悪魔の遺伝子 613:04/12/04 18:45:03 ID:???
第13章:恐るるべきはZiユニゾン

「ちょっと待ってよこれ!!」
「これ一体どういう事だよ!!?」
とある街のゾイドバトル会場。そこでマリンとルナリスの2人は係員に食ってかかっていた。
「どういう事…とは一体何ですか?」
「何ですか…って!何よこの今回の私達の試合の賭けの倍率よ!!10:3ってどういう事よ!!
まるで私達の方が大穴みたいに書かれてるじゃない!!相手はただのライガーゼロフェニックスって言うのに…。」
「しかし…私どもに言われましても…。」
そもそも、ゾイドバトルと言う奴は競馬や競輪などの様な、国家によって運営される国家公認の
ギャンブルと言う側面も持っている。それ故に試合前に、賭けの倍率と言う物が発表され、
観客等はゾイド券を購入し、自分の勝つと思ったチームに金を賭けるのである。そこでの収益金が
社会福祉等に使われたりするのであるが、そんな事はこの際どうでも良かった。マリンとルナリスの
2人は自分達に賭けられたその賭けの倍率に不満があったのだ。何故なら2人と相手チームとの
賭けの倍率は先程申された様に10:3。その内10の方がマリンとルナリスの方なのであるが、
相手がライガーゼロフェニックスであるに関わらず、この倍率にされた事は2人にとって屈辱でしかなかった。
「何でこんな事になるのよ!!相手はライガーゼロフェニックスじゃない!!」
「何でこんなバカな事が…。」
「バカはお前らの方だよ!!」
「ん!!?」
背後から聞こえて来た声に反応し、マリンとルナリスが振り向いた時、そこには対戦相手であるライガーゼロフェニックスの搭乗する2人の姿があった。
「バカってどういう意味だよこら!!」
「バカだからバカって行ったんだよバカ!!」
「バカってのはねぇ!!バカって言った方がバカなのよ!!それに私等はライガーゼロフェニックス
なら今まで腐る程倒してきた!!なのに何でこっちの方が弱い者扱いされるのよ!!」

8 :悪魔の遺伝子 614:04/12/04 18:47:41 ID:???
マリンとルナリスが怒るのも無理は無かった。確かにライガーゼロフェニックスならば、
以前の獣王教団所有のライガーゼロフェニックスを腐るほど破壊していたし、ハイGホエールに
おいてズィーアームズの所有するゾイドとの戦いなど、ライガーゼロフェニックスより遥かに
恐ろしい相手と戦ってきたのである。そんな彼女等にとってライガーゼロフェニックスに格下扱いされるのは我慢ならかった。
「フン…これだからバカは困る!ゾイドバトルは日々進歩してるんだ!俺達のゼロフェニックスを
お前らの知っているゼロフェニックスと一緒にしては困るぜ!!ハッハッハッ!!それにだ!
何だよお前らの乗ってるゾイド。ゴジュラスギガとデスザウラーか?おめでてーな!それで勝てると
思ったら大間違いだぜ!!デスザウラーなんぞ最後はやられるに相場が決まってるし、特にギガなんか
お笑いだ!緑色って何だよ!青汁かよお前!バカじゃねーの?緑色ってのはザコキャラのポジションなんだぜ!」
「まあそう言う事を俺達がこれから試合で思い知らせてやるぜ!!ハッハッハッハッ!!」
「何を!!逆にこっちが痛い目に合わせてやるわよ!!」
「それは楽しみなこった!!ハッハッハッハッハッ!!」
ゼロフェニックスに搭乗する2人は高々とした笑い声を上げながら立ち去っていたが、マリンとルナリスの苛立ちは治まらなかった。
「ったくしゃーない!!こうなったらマジで試合で思い知らせてやるぞ!!しかも私のハーデスをバカにしたアイツ等…絶対にゆるせん…。」
「分かったよルナリスちゃん!!こっちだって私の…そして曾お婆ちゃんのカンウをバカにされて頭に来てるんだから!」
「しかしちゃん付けはするな!!」
その時、やはり例によってルナリスの鉄拳制裁がマリンの頭を襲うのであるが、苛立っていた為、特に力が入っていた。

『さあさあ!!本日の試合はふたりはゾイキュア対フェニッカーズです!!ちなみに実況は
私、イチロウ=フルタチ、そして解説は新Ziプロレスのシテツ=ヤマモトさんです!!』
『よろしくお願いします!』
「あら…あの人達ここにも来てたんだ…。」
「つーかゾイキュアってどういう意味だよ。しかも何かいつの間にかチーム名として定着してるし…。」

9 :悪魔の遺伝子 615:04/12/04 18:50:09 ID:???
それぞれカンウとハーデスに乗り込んで戦闘フィールドへ入場した2人は実況解説のアナウンスに
眉を細めていたが、突っ込んだ所で何か返答が来るワケでも無いので2人は周囲を見渡し始めた。
「それにしても…。ここでの試合は割と趣向が凝らされてるな〜…。」
「だよね〜…。まさか廃墟と化した街をそのまんまバトルフィールドにしちゃうんだから…。」
確かに今回の試合の戦闘フィールドは通常の闘技場によって行われる物では無く、廃墟そのものを
使用した物であった。周囲には巨大なビルの残骸が幾つも並び、大小様々な瓦礫が転がっていた。
これは真っ平らな通常バトルフィールドと違い、それらの障害物をしっかり考慮して戦わねば
ならぬと言う事を意味していた。逆に言えばそれらの障害物を上手く盾にする事も出来る故、考え方次第では自らを有利にも不利にも出来る環境であると言えた。
「それにしてもフェニッカーズってのは何処にいる?」
「レーダーで一応位置は確認できるけど…、別に行動はしてないね。こっちから行ってみる?」
戦闘開始のゴングは既に鳴っているにも関わらず、行動を開始しないフェニッカーズに2人は不気味
に感じていた。と、そう思われた時、フェニッカーズの物と思われる2つの反応が猛烈な速度で移動を開始したのだった。
「来たよ!!そこのビルの上!!」
「ん!!」
カンウが指差した方向にあったひときわ高いビルの残骸の上には、太陽を背にして立つライガーゼロの姿が確かにあった。
『さあ!!両チームのゾイドが睨み合っております!!激戦を予感させます!!』
「よう…。良く臆せず来る事が出来たな〜…ザコ共…。」
「ザコはどっちだよ…。」
フェニッカーズのライガーゼロパイロットは相変わらずマリンとルナリスを見下していた。しかし、カンウとハーデスはすぐさまライガーゼロをロックオンしたのだった。
「これで一発でカタ付けたるよ!!!」
カンウが頭部側面に装備したカノンダイバーのミサイルランチャー、そしてハーデスの頭部ビーム
ガンがライガーゼロ目がけて発射された。これらはカンウとハーデスにとっては小技的な小火器で
あるが、他のゾイドにとっては充分一撃必殺の威力のある強力な物だった。しかし、ライガーゼロパイロットの顔に焦りの表情は無かった。

10 :悪魔の遺伝子 616:04/12/04 18:52:27 ID:???
「ふ…少し遊んでやろうと思ったが…。その減らず口、すぐに叩けなくしてやろう!!行くぞ!!」
「おお!!」
ライガーゼロがカンウのミサイルとハーデスのビームを軽々とかわした直後、後方からもう1人の
乗るフェニックスが飛んできたのだ。そして、2機が上下に重なる様な体勢を取り、2機が一瞬輝いたと思った時、ライガーゼロフェニックスへ合体したのだった。
「行くぞぉ!!Ziユニゾン!!ライガーゼロフェニックス!!」
「何カッコつけてるんだ!!そんなの一発で落としてやる!!」
『出たぁぁぁ!!!ライガーゼロとフェニックスが合体し、ライガーゼロフェニックスとなったぁぁ!!しかしそれもつかの間、ハーデスが襲いかかるぅぅぅ!!!』
空中のゼロフェニックス目がけてハーデスが飛び上がった。ズィーアームズの航空隊相手にも
圧倒的強さを見せ付けたダブルウィングスラスターの推力により、見る見るうちに接近する。
「これで一撃必殺!!!」
ハーデスが大きく腕を振り上げた。そのまま高速で手刀を叩き込み、一発でカタを付ける。ルナリス
はそう考えていたのだ。しかし、その期待は大きく裏切られてしまった。なんとゼロフェニックスは
数あるズィーアームズ航空隊ですらかわす事の出来なかったハーデスの手刀をすれ違うように軽々とかわしていたのだ。
「な!!!」
「だから言っただろうが!!減らず口を叩けなくしてやると!!」
ハーデスとすれ違った後、ゼロフェニックスは地上目がけて滑空した。そして滑空したままカンウ目がけて突っ込みを掛けたのだ。
「速い!!!」
彼等の乗るライガーゼロフェニックスはマリンの知るライガーゼロフェニックスの動きを遥かに
超越して俊敏かつ鋭い物だった。カンウは慌てて横に跳ぶ。しかし、ゼロフェニックスは猛烈な速度で急旋回し、レーザークローの体勢に入っていたのだ。
「行くぞ!!ストライクレーザークロー!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」

11 :悪魔の遺伝子 617:04/12/05 09:28:25 ID:???
ゼロフェニックスのストライクレーザークローがカンウへ襲いかかった。しかし、マリンは悲鳴を
上げつつも操縦桿を前に倒し、ゼロフェニックスのレーザークローがカンウへヒットする前に
逆にカンウがゼロフェニックスの右腕を掴み、そのまま逆に柔道で言う“一本背負い”の体勢で投げ
飛ばしたのだった。見事に投げ飛ばされたゼロフェニックスはそのまま宙を舞い、地面に叩きつけられると思われたがすぐに体勢を立て直し、綺麗に着地していたのだった。
『おおおっとぉぉ!!!ライガーゼロフェニックス!!カンウの見事な一本背負いですら意にも介しておりません!!このゼロフェニックスはなでここまで強いのかぁぁ!!?』
『これはゾイドの性能だけではありませんよ。パイロットの腕もなかなかの物です。』
「どうだ?声も出まい…。ハッハッハッハッ!」
ライガーゼロフェニックスに乗る2人は唖然とするマリンとルナリスに対し笑っていた。
「何故だ…。何故お前達のゼロフェニックスはそこまで強い…?」
「だから言っただろう?ゾイドバトルは日々進歩しているのだと…。だが、一応説明しておいて
やろう…。このライガーゼロフェニックスは君等の知っている従来型のゼロフェニックスとは根本的に違うのだよ。」
「根本的に…違う?」
「そうだ…。根本的に違うのだ。そもそも我々のライガーゼロフェニックスの強さの秘密!それはZiユニゾンシステムにある!!」
「Ziユニゾンシステム!!!って何?」
                   ずげげげげっ!!!
その時ライガーゼロフェニックスは見事なすっ転びを見せ、その極端な反応にマリンとルナリスはゾイド共々戸惑っていた。
「おいおい!!別にそこまで驚く事かよ!!」
「そ…それはこっちのセリフだ!!もう良い!!わからんと言うのならばそこもしっかり説明してやる!!」
ゼロフェニックスのウチ、ライガーゼロに搭乗するパイロットはゆっくりと機体を起こすと、試合中であるにも関わらず説明を始めたのだった。

12 :悪魔の遺伝子 618:04/12/05 09:31:07 ID:???
「Ziユニゾンシステムとは違うゾイド同士を合体させる事でゾイドコア同士の共鳴を起こし、その機体ポテンシャルを何倍にも高めるシステムなのだ!」
「何だ、フェニックスシステムとそう変わんないじゃん!」
「変わるわボケェ!!何倍もだぞ!!Ziユニゾンシステムはゾイドの機体ポテンシャルを何倍にも高めるのだぞ!!」
ゼロフェニックスの2人は思わず取り乱していたが、すぐに落ち着かせると、ゼロフェニックスの各種砲塔をカンウとハーデスへ向けたのだった。
「分かったかな?これがZiユニゾンシステムと言う物だ!!ゾイドの力を何倍にも高めるZiユニゾンシステム搭載機に従来型ゾイドが勝とう等と…笑止千万!!!」
「偉そうな事言ってからにぃ!!」
ゼロフェニックスの砲撃を体を横に傾けるだけの動作でかわしたカンウはすぐさまゼロフェニックスへ向けて跳び、その大きな口を開けた。
『さあ!!一時中断されてはいましたが、今試合再開です!!驚異の新技術、Ziユニゾンシステムにゾイキュアはどう立ち向かっていくのかぁ!!!』
「そんな翼なんて簡単に砕いてやるんだからぁ!!と言うか実況解説の人!!いい加減ゾイキュアの意味教えてよ!!」
カンウはギガクラッシャーファングでゼロフェニックスの翼を噛み砕こうとした。しかし、その直前に
2機が瞬時に分離し、その攻撃を回避していた。分離すると言っても、ただ分離するだけでは無く、
フェニックスはグライディングモードへ、ライガーゼロはテレストリアルモードとなっていた。
「よし!!俺はデスザウラーの方を倒す!!ギガはそっちに任すぞ!!」
「おう!!」
グライディングモードフェニックスはそのままハーデスへ向けて物凄い速度で上昇して行ったが、
テレストリアルモードライガーゼロはカンウの方へ背中のフェニックスキャノンを向けた。
「言っておくが例え分離していてもこの状態ならばZiユニゾンシステムの効果は変わらない事を忘れるな?」
「きゃぁ!!!」
ゼロの撃ち込んだフェニックスキャノンをカンウは体を後ろに大きく反らす、俗に言う“マ○リッ○ス
避け”でどうにか回避していたが、フェニックスキャノンから放たれたエネルギーはカンウの背後にあったビルに大穴を空けていた。
「なんてこったい!武器の威力もあがるのね?」

13 :悪魔の遺伝子 619:04/12/05 09:34:24 ID:???
マリンはやや青ざめていたが、その隙を許してくれるゼロパイロットでは無かった。
「その程度で取り乱すようではまだまだだな!!」
「ってきゃあ!!」
ゼロのストライクレーザークローがカンウへ襲い掛かった。カンウは慌てて体を横に傾けてその攻撃を
かわすが、ゼロのストライクレーザークローは巨大なビルを一撃で打ち砕く破壊力を見せていた。
「そんなもん食らったら痛いじゃ済まないんじゃないの?」
「“食らったら”じゃなくて、“食らう”んだよバカ!!」
「バカって言った方がバカ・・・ってきゃあ!!」
ゼロはスピードを維持したままのスライディングで高速反転し、再度カンウへ飛び掛っていた。
その上でストライクレーザークロー攻撃である。カンウはまたも体を横に傾けてその攻撃をかわすが、
スピードもさる事ながら、ビルも一撃で砕くレーザークロー攻撃は恐怖以外の何物でも無かった。
『おおおおっとぉぉぉ!!!!凄い凄い!!かつてエナジーライガーすらも圧倒した事のある
カンウをライガーゼロが圧倒しています!!と言うかこれがライガーゼロの動きかぁぁ!!!?』
『まさに恐るべきはZiユニゾンシステムですね!ライガーゼロをここまで速く強くしてしまうこのシステム・・・、マリン選手に勝ち目はあるのでしょうか?』
一方、上空ではハーデスとフェニックスの大空中戦が展開されていた。音速を超えた2機の空中戦は見ている者にとっては優雅であったが、ルナリス本人にとってはそうでは無かった。
「クッ!!何てスピードだ!!」
「ハッハッハッハッハッ!思ったよりやるようだね〜!しかし、元々超重量級のデスザウラーを高出力スラスターで無理矢理飛ばすなんて、愚の骨頂とはまさにこの事だ!」
「んだとぉぉ!!!?ミライロさんの作ったダブルウィングスラスターをバカにするなぁ!!!」
「そのなんとかとか言うのが何かはわからんが、そういう口はこちらに追いついてから言ってはどうかな?」
フェニックスの速度はハーデスのそれを遥かに凌いでいた。通常フェニックスの飛行速度と言えば、
精々マッハ2程度でしか無いはずであるが、Ziユニゾンシステムによって強化されたこの
フェニックスの飛行速度は直線的においても、旋回性においても、通常のフェニックスの数倍にも強化されていたのだ。

14 :悪魔の遺伝子 620:04/12/05 09:37:36 ID:???
「そろそろ君も落ちたまえ!」
超音速を維持したまま180度旋回したフェニックスはそのままハーデスへ襲い掛かった。そして翼に装備された機銃、フェニックスレイを高速連射したのだ。
「うわ!!!コワ!!」
ハーデスは思わず両腕で胸部や頭部をガードしつつ、回避行動を取っていたが、フェニックスレイから
高速連射されたエネルギー弾の雨は確実にハーデスの超重装甲を削り取っていた。やはりフェニックスも基本ポテンシャルだけでは無く、武器の威力も上がっていたのだ。
「ハッハッハッハッハッ!やはり君ごとき私達の敵では無い!」
「ったく冗談じゃないぞぉぉぉ!!!!」
逆上したルナリスはさらにハーデスの出力をさらに上げた。ダブルウィングスラスターからさらに
巨大な炎が吹き上がり、物凄い轟音と共に速度を上げて行く。しかし、頭に血が上りすぎたが故に大切な事を見落としていた。
「あ〜あ〜良いのかな〜?そんなに速度上げる事ばかり考えていて・・・。前をよ〜く見る事だね〜・・・。」
「な!!!」
その時ルナリスは愕然とした。なんとハーデスの正面には巨大なビルがそそり立っていたのだ。
ハーデスは慌てて回避行動を取るが避けられない。ついにはハーデスが物凄い勢いでビルに衝突し、さらに崩れた瓦礫の下敷きになり、その行動を停止してしまった。
『おおおっとぉぉぉぉ!!!!ハーデスがぁ!!ルナリス選手が自滅してしまったぁぁぁ!!!』
『さすがのデスザウラーでもあそこまで見事にビルに衝突したら一溜まりも無いでしょうな〜・・・。』
「アッハッハッハッハッハッハッハッ!!バカだ!!コイツ本当にバカだぁ!!勝手に自滅しやがったぁぁぁ!!!!」
「あああ!!!そ・・・そんな〜!!」
フェニックスとゼロ、双方のパイロットは共に笑っており、逆にマリンは今にも泣き出しそうな顔になっていた。
「さ〜て・・・後はコイツを片付けるとするか〜・・・。」
「ヒィ!!」
フェニックスとゼロのパイロットは不気味な笑みを浮かべつつマリンの方を見つめており、マリンはカンウ共々悪寒を感じ、思わず身震いしていた。
「よし!!再度合体行くぞ!!合体後はエネルギーチャージ開始!必殺のチャージミサイルで奴を木っ端微塵にしてやる!!」
「おうよ!!」

15 :恐怖の亀裂 702:04/12/06 00:53:25 ID:???
結局交渉は難航を極め結局海上に上がってもらう事で何とか相手の了解を得れた。
しかしその理由は…詐欺でしか無く「ずっと潜っていると目が痛くなってしまいますよ?」と言う一言が決め手だったと言う事でやはり相手の精神年齢が低い事が最大の攻略ポイントだった様だ。
しかし海上に出たスクイドクラーケンとベルゼンラーヴェ搭乗者一行が目にした者はまたしても巨大な巨大な海蛇の姿だった。

「獲物から出て来るなんてラッキーだわ!」海蛇は舌舐りを為て海上を高速で泳いで来て居る。接触は免れないだろう。
かなり大変な状況だが更にこの一言が事態を混迷の際に叩き落とす。「おばちゃん誰?」スクイドクラーケンの一言は海蛇の心に深い傷を負わせたようだ。
「ムキーーー!!!足1本で止めようと思ったけどあったまきたわ!貝殻も残さずバリバリ食べてあげるわよっ!」完全に頭に血がのぼっている様で交渉とはいかないだろう。
「なあ?これって?絶体絶命とちゃうっ!?」マリエラは冷や汗を流しながらファインに聞く。「聞かなくても見た通りであります…。パパ…もう直ぐ貴方に会いに逝けそうです…。」触腕に巻き付けられたままの機体では本当に手も足も出ない。
「こらっ!勝手に逝くな〜〜〜っ!」ベルウッドから突っ込みの大ハリセンが飛んで来る。交渉中に奪われていたらしい。「っ!パパ?何処に居るの!?」周囲をきょろきょろするスクイドクラーケン。

その様子を見ていた全く関係無い漁師は気が触れるような光景に神に救いを求めて祈りを捧げたという。あれだけの巨体が動き回っているのに津波が起こらない。
普通に考えればラッキーな事だが現実に有り得ない状況は普通の人には耐え難い精神的負担になる。祈る事しかできないのは当然なのだろう…。

スクイドクラーケンの触腕の拘束が緩む。その隙に一気にアーバレストで離脱を試みるが…更にスクイドクラーケンが握り直した事でスクイドクラーケン毎1km飛び上がってしまう。
「なに!?あんなチビッコにこんな事がっ!?」海蛇の方は如何やら虚を突かれたらしい。もう一度拘束が緩んだので素早くスクイドクラーケンの後方に移動しもう一度アーバレストを起動しスクイドクラーケンを陸に押しやり機体は海蛇に直進する。
「あんたね!私の獲物を逃がしたのはっ!?」海蛇が睨み付ける。その時蛇に睨まれた蛙の気持ちが少し解ったような気がした…。

16 :恐怖の亀裂 703:04/12/06 01:20:03 ID:???
海獣大決戦に間違って乱入してしまったベルゼンラーヴェの御一行だが…マリエラやベルウッドがあたふたしている中ファインだけは妙に冷静だった。
「おいっ!主!何か手が有るのかっ!?」そう聞くベルウッドに「成功すれば…であります。」真っ青な顔に任せてくれと言うポーズ。余りの頼りなさに唖然とする2人。
そのままマリエラとベルウッドは死の宣告を受けた重病人のように固まってしまう。「あら〜?固まってしまったみたいでありますね…。それではこっちは気張って逝くのでありますっ!」

海蛇は完全に目標をベルゼンラーヴェに代えている。小さな戦闘ゾイド風情が食事の邪魔をしたと御立腹の様だ。
しかし直ぐに海蛇は立ち止まり矢の様に飛んで来たベルゼンラーヴェをひょいっと避ける。「やるじゃない?羽根も使わずそんな事をするなんて…。」
お返しとばかりに尾を海上に出して叩こうとする。「うわっ…っと危ないでありますねぇ。」巨大な尾が迫って来た為風圧が凄まじく羽根の翼面効果で労せず回避が出来る。と言うより吹き飛ばされただけだが。
「それでは!やってみましょう!」機体周辺に術式文字の羅列のリングが6つ発生してそれが門を創り出す。

施設格納庫内にてそれと同時に同じ門がベルゼンラーヴェ用の武器が置いて有る所に現れる。「ほ〜〜大したもんだ!いい眺めだなあ…ってあぶなっ!」
整備班長は即今日3度目の退避命令を出す。門の向こうに見えたのは巨大な海蛇と大海原とも成れば当然だろう。何をしたいかは解るので武装のロックを外して持ち出し待機状態にして有る。
撃ち出しもできるのでそっちにして驚かすかと整備班長は射出スイッチを満面の笑顔で押した。

「ひょええええっ!?射出でありますかぁ〜っ!?」中身を捕まえようとした矢先に武器を射出されてしまい大慌てのファイン。
それとは正反対に武器の到着で一寸先の希望を見出したベルウッドとマリエラは元気を取り戻す。「「ビークワイエット!」」
「わざわざ横文字ぃ!?」とそんな事聞かなくとも既に行動に移してはいる。今の自分の力で武器を取り出す為知っている場所とその場を繋ぐ穴を作れる事が取り敢えず確認できた。
後は武器を手に取って…問題が起きる。「この後に及んでデカブツとチャンバラを為ろと…?」手に握った武器とは持ち手を付けて握れるようになったソードレイだったのだ。

17 :恐怖の亀裂 704:04/12/06 02:31:38 ID:???
「「この役立たずっ!!!」」マリエラの拳とベルウッドの大ハリセンがダブルコンビネーションでファインに直撃する。
流石に振り回された上にそんな事を言われれば表情にでてしまう苛立ちの証拠。ファインの側頭部には血管が浮き上がったいか怒筋ができていた。
「だあああああああああああああああああっ!!!」そしてあっさり限界を迎える。余りの大声に2人が黙る。

「思惑通りにいかないからって人に当たらないっ!大体操縦も為ないのに一々不都合をパイロットに押し付けられては困りますっ!!!」切れた割りには真面なお説教が飛んで来る。
何も言えずに頷くベルウッドとマリエラ。それを見て多少気が張れたのか深呼吸をして息を整えたファインは言う。「銃火器なんて限界突破の大物には全く通用しないですよ。」
そう言ってソードレイを構える。「ザイン!」その掛け声と共にソードレイから荷電粒子が発射される。それがベルゼンラーヴェの全長の倍ぐらいの長さになった所で刃になる。

「あら?そんな短刀で私に勝負を仕掛ける気?嗤っちゃうわ〜。」海蛇が尻尾をちらつかせて挑発する。しかし挑発有る無しに関係無く仕掛ける気の相手には通用しない。
そんな中発生した刃には未だに荷電粒子が流し込まれ少しづつ圧縮が進んでいる。それを確認した後にベルゼンラーヴェは海蛇に突撃する。
しかも途中で海中にダイブすると言う荒技付きでだ。

当然荷電粒子は海水と反応してしまう為…「あちゃちゃちゃちゃっ!?何て事すんのよっ!!!」周囲の海水温度が急上昇。海蛇は余りの熱さにのた打ち始める。
剣を構成する荷電粒子を海水の焚き出しに使用した後熱さで混乱している海蛇の尾を目の前にもう一度刃を創り出す。「さあて…蛇皮の財布を強請られまして…ね?」ファインのその言葉に凍り付く海蛇。
「やーねあたしは”海蛇”よお門違いじゃないかしら!?」必死に講義するがそんな物に耳を貸す者は居ない。「えっ!?真逆っ!?本気っ!?いやぁ〜〜〇漢よ〜〜。〇〇魔よ〜〜!!!誰か助けてぇ〜〜〜っ!!!」
そう言って海蛇は一目散に逃げ出してしまう。ボロクソに言われながらも海蛇を追っ払う事に成功する。舌先三寸とは言うが演技次第ではいけるものだと感心するベルウッドとマリエラだが…。
「惜しいでありますね〜あれくらいの大きさなら遊んで暮らせるぐらい財布が作れるのに。」本気だったらしい。

18 :恐怖の亀裂の作者:04/12/06 02:43:34 ID:???
次は迷子完結編ですw

鉄獣28号さんへ

此方でも遅ればせに新スレ乙です。
早速来たネタがZi-ユニゾンでびっくり。しかも乗って居るパイロットがかなりやばげみたいで…。

因みに前スレのブレードさんですがあの人はRDに勝て無いと言うより器用貧乏で戦術が成ってない気がちらほらと…。
無駄に対応策が機体に有る為どれを使おうか迷っているのではないかと?予測しています。
シールド張ろうか?それともビームで迎撃?みたいな感じで。そんな事をしている暇にRDに…。おのれRD許すまじ!

19 :悪魔の遺伝子 621:04/12/06 09:31:47 ID:???
ゼロパイロットの呼びかけに答え、フェニックスパイロットは機首をゼロへ向けた。そのまま再合体
した後にのチャージミサイル攻撃で一気に止めを刺すつもりであった。しかし、このゼロフェニックス
はZiユニゾンシステムの恩恵により、フェニックスキャノンやフェニックスレイですら相当に威力が
高められていた。そして元々チャージミサイルはフルチャージ状態ならばゴジュラスギガのゾイド核砲
一発分に相当する威力を持つ超兵器である。それがさらにZiユニゾンシステムで強化された今の
チャージミサイルの威力は想像を絶するものであるはずである。いや、下手をすれば周囲一面が吹き飛ぶかもしれない。
『おおおおっとぉぉぉ!!!!カンウ絶対絶命かぁ!!?』
「ハッハッハッハッハッハッ!!行くぞ行くぞ行くぞーっ!!」
「きゃぁぁぁぁ!!!いやぁぁぁぁぁ!!!!」
マリンはもう完全に泣き出していた。そして高速で走るゼロへ向けてフェニックスが空を切り、合体の体勢を取っていた。
「行くぞぉ!!Ziユニゾ・・・。」
「今だぁ!!!」
「は!!」
その時だった。なんとゼロとフェニックスが重なる直前の一瞬、ビルの瓦礫の下敷きになり、機能停止
したと思われたハーデスが瓦礫を吹き飛ばしながら飛び出し、物凄い勢いでフェニックスをガッチリと掴んだのだ。
「はっはっはっはーっ!!つっかま〜えた!」
「な!!何だとぉ!!?」
「ルナリスちゃん!!無事だったのぉ!!?」
「ちゃん付けすんな!!」
フェニックスを捕まえたハーデスの中でルナリスは笑い、マリンも嬉し泣き状態になっていた。
「き!!貴様!!自滅したはずでは!!?」
「芝居を芝居と見抜けない奴にはゾイドバトルは難しい。」
「し!!芝居ぃ!!?芝居だとぉ!!?じゃ・・・じゃあビルに突っ込んだのも機能停止のフリをしたのも芝居だったと言うのかぁ!!?」
「そうだ。全てはあんたを捕まえる為の芝居さ!」
『おぉぉぉぉっとぉぉぉ!!これは凄い凄い!!ルナリス選手の超頭脳プレーだぁぁぁ!!!』

20 :悪魔の遺伝子 622:04/12/06 09:32:43 ID:???
ルナリスは不敵な笑みを浮かべ、フェニックスパイロットはそれまでの余裕ぶりからは想像も出来ない程愕然としていた。
「ひ!!卑怯だぞぉ!!!そんな・・・そんな事・・・。」
「はぁ!?卑怯?お前ルールブックもう一度読み直したほうが良いぞ。言っておくがルールブックに“死んだフリをしてはいかん”と言うルールは無い!!」
『確かにその通りであります!!ゾイドバトル公式ルールには確かに“死んだフリをしてはいけない”というルールはありません!!』
『ルナリス選手の行為はルールに反していないのですから、これを卑怯と呼ぶのはお門違いでしょうね・・・。』
「そ・・・そんな〜・・・。」
もう後の無くなったフェニックスパイロットは完全に真っ白になっていた。そしてルナリスはなおも不敵な笑みを浮かべていた。
「フッフッフッフッ!これでもう私の勝ちだな・・・と言いたい所だがしかし、ただ捕まえただけでは
いかんだろう・・・。コイツはブロックスだ。下手をすればバラバラになって脱出とかするかもしれん。」
「(ギクッ)」
「つーわけで、変な事出来ないように翼でも折っとくか!」
「きゃぁぁぁぁ!!!!やめて!!お願いですぅぅぅぅ!!!!!」
「ダメ!」
試合前とは打って変わって弱気になったフェニックスパイロットは必死に哀願していたが、今更許して
もらえるはずが無く、フェニックスの翼はハーデスによってバキバキと砕かれて行った。
『フェニックスの翼がハーデスに破壊されたぁぁぁ!!!これで実質的にフェニックスは戦闘不能となります!!』
『これは一転してフェニッカーズ不利になりましたね〜・・・。』
「ち・・・畜生・・・、なんてこった・・・。」
残されたゼロパイロットはうろたえていたが、ゼロは直ぐに一歩前に踏み出した。
「ふっざけるんじゃないぞぉ!!言っておくか奴を倒したからと言っていい気になるな!!俺一人でも貴様らをまとめてぶっ殺せるだけの力はあるんだからなぁ!!」
「そんな事言って足が震えているのは何処のどなたかしら〜?」
「うう!!」
確かにライガーゼロの足は震えており、やはり精神的な動揺を隠せないのが目に見えていた。
それに対しマリンは恐い程の不敵な笑みを浮かべ、カンウを一歩一歩前へ踏み出させていたのだ。

21 :悪魔の遺伝子 623:04/12/06 09:34:35 ID:???
「うふふふふ・・・。確かに最初は戸惑ったけどさ〜・・・、その位の実力で私達を倒そうなんて片腹痛かったわね〜・・・。」
「そ・・・その位の実力ぅ!!?つーか目が!!目が石○賢っぽくなってる!!!」
やはりゼロパイロットはうろたえ、ゼロも怯えるように一歩一歩踏み出していた。
「さぁ・・・覚悟は良い?」
「ふ・・・ふざけるなぁぁぁぁ!!!!お前らまとめてぶっ倒してやるぅぅぅぅ!!!」
『おおおおっとぉぉぉ!!!逆切れかぁ!!?はたまたヤケクソになったかぁ!!?ライガーゼロがカンウへ飛び掛ったぁぁ!!!』
精神的な動揺があるとは言え、その時のゼロの突っ込み速度は半端な物では無かった。しかし、マリンにもカンウにも動揺の色は無かった。
「この程度の速度なんて・・・ハイGホエールでの戦いに比べればどうと言う事は無い!!料理人を舐めるな!!」
「なんでそこで料理人が出てくる!!?」
カンウは体を横に傾けるだけの動作で軽々とゼロの突撃をかわしていた。そしてそのまま通り過ぎていくゼロの方へ素早く機体を反転させたのだ。
「Ziユニゾンは無いけどねぇ!!こっちにだってギガスパワーってもんがあるのよぉ!!」
マリンはカンウのギガスパワーシステムを発動させた。カンウの背中に装備された4つのゾイドコア
ブロックとカンウのコアが共振反応を起こし、出力が数倍にも跳ね上がる。そしてカンウの咆哮と共に余剰エネルギーがカンウの各部から放たれ、輝いている様にすら見えた。
『出ました出ましたぁぁぁ!!!!カンウの奥の手!!ギガスパワーが発動だぁ!!』
『確かにこれならばZiユニゾンにも対抗できるかもしれませんよ。』
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
マリンが気合を入れると同時にカンウはゼロを追撃した。ギガスパワーを発動させたカンウの速度はおぞましく、瞬く内にゼロに追いついた。
「そ・・・そんなバカなぁ!!!」
「食らいなさい!!!」
カンウの口が大きく開かれ、ギガクラッシャーファングがゼロへ襲い掛かった。しかし、ゼロはその一発を間一髪でかわしていた。
「ハァ!ハァ!どうだ・・・。なんとかかわしたぞ・・・。」

22 :悪魔の遺伝子 624:04/12/06 09:37:38 ID:???
ゼロパイロットはほっと胸をなでおろし、息を切らせながらカンウの方を向いた。が、その時彼は
愕然とした。カンウの口にはゼロが背中に装備していたフェニックスキャノンといくつかのブロックが食わえられており、さらにカンウはそれをやすやすと噛み砕いたのだ。
「多分これでもうZiユニゾンって奴は出来なくなったと思うけど・・・どうかな?」
「ううう!!!!」
確かにその通りだった。ゼロの出力は見る見るうちに低下していき、もはやただのゼロに戻ったのだ。
『おおおっとぉぉ!!!無敵と思われたZiユニゾンが破られたぁぁ!!!絶対絶命だぁ!!!』
「さあて・・・。私等を散々バカ扱いした落とし前・・・、付けてもらいましょうか?」
「い・・・嫌だ・・・助けてくれぇ!!」
ゼロは思わず逃げ出そうとした。しかし、Ziユニゾンが解除された今のゼロのスピードでは
カンウを振り切る事など到底出来る物では無く、あっという間に回り込まれてしまった。それだけでは
無い。さらにカンウの“鉄破微塵切り”の技で、魚を捌いて刺身にするように、目にも留まらぬ速度でその他の装甲も全てそぎ取られてしまったのだ。
「ほうら言ったでしょう?料理人を舐めるなって…。それにあんただって、Ziユニゾンとやらが
無くなったら全然じゃない…。あんまりそう言うのに頼りすぎるのはどうかと思うよ。」
「は・・・はは・・・。」
ゼロパイロットが恐怖におののいた顔でマリンの方を見ると、彼女はニッコリと微笑んでいた。そしてゼロパイロットはゼロ共々頭を下げたのだ。
「ご・・・ごめんなしゃい・・・。」
「ごめんで済むかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
こうして、ゼロはカンウの天導山おろしによって天高く投げ飛ばされ、宙を舞うのであった。

「それにしても・・・Ziユニゾンか・・・。厄介な物が出て来た物だ・・・。」
「だよね・・・。何か次もまた苦しい戦いになりそうな気がするよ・・・。」
今回の戦いはどうにか勝利をもぎ取る事が出来た二人。しかし、脅威の新技術Ziユニゾンの存在を二人は脅威に感じていた。

23 :鉄獣28号:04/12/06 09:50:37 ID:???
これにて第13章は完結。一応Ziユニゾンに関した話の序章編と言う事で。
ちなみにいくつか補足させていただきますが、
今回出てきたライガーゼロフェニックスは青い奴です。
まあこれに関しては”ファイヤー”が付いていない時点で想像は付きますか?

それと、Ziユニゾンに関してですが、自分のバトストではフューザーズと違って
既存のチェンジマイズやフェニックスシステム等も普通に人々の記憶に残ってると言う事になってるので、
そういった事柄と差別化を図る意味で公式設定以上にパワーアップする事にしてます。

>>恐怖の亀裂作者さん
海蛇が出てきたという事で、何か以前も海蛇型のゾイドが出ませんでしたっけ〜?
と言う事を思い出したりしなかったり・・・。祈りだす漁師・・・と言うより
そこに漁師がいる時点で笑いました。しかも海蛇の皮で色々なものを作ろうとするし。

24 :恐怖の亀裂 705:04/12/07 04:00:14 ID:???
そんな頃…地下水脈最深部と思われた場所にて。
「あの〜?そこを退いてもらえますか?」非常に申し訳なさそうな声が突然ルナルティアマット内に響く。
その声を聞いてグウェインは「如何言う風に退けば良いかな?」平然と正体不明の声に受け答えをするグウェインにロバートは驚いた顔をする。
「あんた…良くもまあそんな声に簡単に受け答えするな?」そう言うロバートにシーっと合図を送ると帰ってくる声を待つ。

「いえ…私の頭の上にいらっしゃるので動けないのです。」「そうか…それはすまなかった。」そう言ってルナルティアマットを浮上させると…。
その真下に綺麗な模様の巨大な貝が有る。巻き貝の種類だが如何やらオウムガイの種類のそれらしい。「驚いたな!?スクイドクラーケンとは…実在しているとは思いもしなかった。」
貝が水中に現れ下にダイオウイカと凄まじい姿で現れる。しかもルナルティアマットが産まれたばかりの蛇に見える程の巨体だった。「ひえええええ!?でかいっ!」ロバートも感嘆の声を上げる。
「すいません…私達は無駄に大きくて申し訳ないと思うばかりです。」何故か平謝りなスクイドクラーケン。もうここには戻らないらしいので去って行った大穴に機体を沈める。
「これで爆破の余波を完全にやり過せるな。棚から牡丹餅とはこの事だ。」

「ちょっと待て!あんた何であいつの種類が一発で解ったんだ!?」ロバートから当然の質問がグウェインに飛んで来る。「そうか?それはな…こう言う事だ。」
そう言って1つのモニターを指さす。それは何処かの情報端末に繋がっておりその画面には…”怪奇大集合!貴方の写真が歴史を変える!”と言うページが映し出されている。
「実はな…この手の話には興味が有ってな。まめなチェックは欠かさない事にしてある。」それを覗くロバート。「嘘だろ…たった今見た奴が海岸に居るなんて…。」ライブ映像だ。
映像の提供先はネオゼネバス帝国軍湾岸警備局第342番監視所とある。「そう言う事だ。」グウェインは頷いた。

一方その頃海岸にて迷子の方のスクイドクラーケンは件の監視所の局員と話している。嬉しき事は言葉が通じる事。悲しき事は絶望的なサイズ差。
局員は映像を送りながら気が狂いそうな心を勇気で押し潰し果敢にもしりとりをしている。映像資料としては奇跡に近い否人間型知的生命体との貴重なコンタクトだ。

25 :恐怖の亀裂 706:04/12/07 04:54:28 ID:???
そんな場所にベルゼンラーヴェ一行が到着する。「ノコギリガザミ!次!あんたの番だ!」突然監視員にしりとりを振られたファインは思わず言ってしまう。「ミカン…って負けたぁ!?」
「「このアカンタレェェェェエ!!!」」ベルウッドとマリエラから当然とも言うべき突っ込みが飛ぶ。今回ばかりは逆ギレは無しだ。責任は本人に有る。
中央大陸処か惑星Zi単位でそれを見ていた者は総動員で突っ込んでいたに違い無い。

しかし「ん〜?ん〜?ン〇ゥール!」と答えるスクイドクラーケン。そんな事はお構い無しらしいが人の名前は如何かと思う。
折角続けてくれているので前の事は何一つ無かったかの様に再開されている。当然大恥を掻いたファインはそのまま参戦。
脂汗をかきながら答えてるその様はマリエラとベルウッドの目には滑稽に映る。どうも思惑通りにいかないしりとりは余り得意ではないらしい。
その上監視員の腕が立つのも問題だった…。

当然三人も居るという事でマリエラとベルウッドも参戦させられていたが彼女達は簡単にすらすら答えるばかりかマリエラに到っては今まで言った言葉にチェックを入れている。
2回までなら許してくれるが3回目は許してくれないらしい。「また”る”!?…ルードヴィッヒ32せぎっ!?」突っ込みの入った音だ。
「何処の人やねん?32世ってそんなに続いた貴族は居らんで!大体途中で別の名前がはいっとるやろ!」鋭すぎるマリエラの突っ込み。
「え〜…じゃあルイスAZ対ゾイドカービィひぃいいいっ!?」「お主…それも最期が”ン”だ!」ベルウッドからは衝撃波+口を左右に引っ張られる。
「じゃあ…ルソン島。」始めからそれを言えば良いのにと思うその他大勢。「随分とマイナーやな。」

結局十数分も苦難のしりとりを強いられているファイン。それ以外は全く躓く事無く続くのだから有る意味恐ろしい状況だ。
しかし如何やら保護者のお迎えが来たらしくファインにとってはめでたくしりとり終了となる。更に2回り以上大きいスクイドクラーケンの登場に呆けた様に見入る。
「どうも…息子がご迷惑をお掛けしました…。迷子になったまま帰って来ないので待っていましたら2万年程立っていたらしくて。」
スケールも段違いだ。迷子の子供を2万年も待っている親。親の気もしらずに2万年寝ていた子供…眩暈がするぐらい酷い忘れ様だと思う。

26 :恐怖の亀裂 707:04/12/07 06:01:49 ID:???
「2万年程度じゃその巨体は埋まらない筈では?」当然の質問をしてみるファイン。
すると「丁度その頃大規模な地殻変動が有りまして…その時に…。」今まで寝ていたとは思えない記憶力の親クラーケン。
何処かの奴はずっと起きていたのに自分の名前を忘れていた呆けだったから偉い違いだ。

結局居場所を替えるらしく海に泳ぎ去って行くがその際に親の方から貝殻の破片を3枚を進呈してくれたのでありがたく頂くファイン達。
「しっかしでかいなぁ?これで皿を作ったら何枚できるやろか?」裏側の真珠の輝きにうっとりしながらマリエラが言う。
実はしりとりを始めていた監視員にも1枚渡っていたがどうにも困った顔しかできない様だ。それもその筈で1枚の大きさが30mも有れば流石に引く。
下手すると廃棄物を捨てていったに過ぎない可能性すら有るからだ。

「加工はできるみたいやな。良かったでぇ〜これがまた例の物みたいに錬金以外では加工できへんかったらどないしよう思うてましたところや!」
訳も解らず引きずり回された末にどでかい荷物を背負いながらフラフラとアスピトルテの外套で飛ぶベルゼンラーヴェ。速度も今一だがこのジャンボ貝殻の破片を落したら被害も大きい。
一般的な被害+貝殻の破片の紛失のコンビは非常に不味い。旧対戦時は派手にドンパチを繰り返してきたらしいがその結果致命的なレベルにまで自然が減少。
その為に野生ゾイドが激減という憂き目に遇っている。今では拠点防衛線以外では派手に暴れる事それ事態が厳罰を持って処される状況ですらある。戦争で有ってもだ。
そう言う訳で速度はそれ程速くできないのだが流石にイライラしてきたので高速飛行許可が降りた瞬間連続アーバレストで元居た場所に戻る事にする。

当然慣れてないベルウッドとマリエラはひぃーとかうーとか言って呻いているが一刻を争う状況になっていると非常に困るので無視する。
たとえその後怪我をする状況に成ってでもだ。両手と両足で貝殻の破片を3つ重ねて抱いて飛んで行くベルゼンラーヴェの姿はさぞかし面白い格好だった事だろう。
しかし格納庫に到着した途端後ろから強烈な突っ込みとコクピット外からの強烈な蹴りを喰らって錐揉み回転で落下時の安全用マットに沈むファイン。
第3の敵が居た様である。「今週は女難だってなお前。」占いのページを見せて整備班長は言った…。

27 :恐怖の亀裂の作者:04/12/07 08:11:50 ID:???
と言う事で…文章が短すぎてもなんなので先に居た人達&ゾイド降臨…。
ネタの始末にもってこいです彼等は…_| ̄|○

鉄獣28号さんへ

ユニゾンつえええ〜〜!!!でもできなくなった途端駄目駄目にwやはり名無しの敵ではその程度が限界なのでしょうか?

28 :悪魔の遺伝子 625:04/12/07 09:18:08 ID:???
第14章:チーマーな奴

あくる日、マリンとルナリスの二人は試合と試合の合間にゾイドバトルの試合を観戦していた。
「次の試合はダークスパイナー&キラードーム組対ゴジュラス&アイアンコング組だって。」
「結構普通な試合だよな・・・。」
観客席で二人は串に刺した焼き魚に噛り付きつつ、試合パンフレットを見つめていた。とはいえ、
一般の人達にとってならばいざ知らず、二人にとってはぬるいと感じるような試合が多く、イマイチ乗り気になれなかった。が、しかし・・・
「わぁぁぁぁぁ!!!!!」
「すげぇぇぇぇぇ!!!!!」
「信じられねぇぇぇ!!!!」
「つかありえねーだろあんなの!!!」
と、突然観客達が騒ぎ始めたのだ。それに反応した二人は慌てて試合場の方を見た。
「な!!なんと!!」
その時二人は驚いた。ダークスパイナーとキラードームの合体したキラースパイナーがゴジュラスと
アイアンコングの2機を圧倒していたのだ。しかも普通の圧倒の仕方では無い。キラースパイナーから
ワイヤーを通して伸びた2つのジャイアントクラブがそれぞれゴジュラスとアイアンコングを掴み、締め付けつつもブンブンと物凄い勢いで振り回していたのだ。
「う・・・ウソだろ・・・?」
「何でダークスパイナーとキラードームにこんな力が・・・、ハッ!!!!」
二人ははっとなった。2体のゾイド同士が合体し、常識を超えた力を生み出す物として、二人には知るあてがあったのだ。
「まさかZiユニゾン!!?」
その瞬間二人の声は見事に重なった。二人にはそれ以外に考えられなかった。確かにダークスパイナー
とキラードームは電子戦機である反面、同時に高い戦闘力を持った機体であるが、かと言っていくら
何でもゴジュラスとアイアンコングの2機をまとめてブンブン振り回すなどと普通ならばありえない。
しかし、ゾイド同士の合体によりそのポテンシャルを数倍に引き出すZiユニゾンシステムを使用しているのならば話は別。と、そう考えていたのだ。
『やりましたぁぁぁ!!!キラースパイナー強い強い!!この試合はアルティメットチーマーズの圧倒的勝利に終わりましたぁぁぁ!!!』
試合終了後、ダークスパイナーとキラードームに搭乗し、チーム名“アルティメットチーマーズ”の二人はヒーローインタビューを受けていた。

29 :悪魔の遺伝子 626:04/12/07 09:19:06 ID:???
『こちらが今回の試合の勝利者、アルティメットチーマーズのビルト=バリアンさんと、ミレイナ=ラッカスさんです。』
『イェ〜イ!!』
『ノリノリだぜー!!』
試合場の大型テレビモニターに映されたのはリポーターのインタビューに答える何か凄いケバイメイク
を施したヘビメタロック歌手みたいな二人の男女だった。しかも格好だけではなく、口調やしぐさもノリノリである。
「な・・・何か凄い人達がいるよ・・・。」
「本当だ・・・、思わず目をそらしたくなる・・・。」
ビルトとミレイナの凄い格好とその行動口調にマリンとルナリスは開いた口が塞がらなかった。
『そ・・・それにしても凄い格好ですね〜・・・。』
『そりゃもう当然よぉ!!俺達チーマー系Ziファイターだからな〜!!』
『イェ〜イ!!』
「なるほど・・・だからアルティメット“チーマー”ズか・・・。」
彼らの言葉にルナリスは納得している様子であるが、マリンはさっぱりワケが分からなかった。
「ねぇねぇルナリスちゃん。“チーマー”って何?」
「ちゃん付けするな!」
ルナリスは例によってマリンの頭を小突いた。と、その後で彼女はマリンにチーマーについての説明を始めたのだった。
「何というかよ、不良の世界にも大きく分けて二種類の人間がいるわけだ。いわゆるヤンキーと呼ばれるタイプと、連中みたいなチーマーと呼ばれるタイプの2種類だ。」
「だからどう違うの?」
「急くなよ。まあ何というかな?ヤンキーと呼ばれるタイプの不良はお前でも何と無く分かるよな?」
「うん!ルナリスちゃんみたいなタイプだよね?」
その時またもマリンは頭を小突かれた。
「いい加減ちゃん付けはやめろ!とはいえ、とりあえずその返答はあながち間違ってはいない・・・。」
「イタタタタ〜・・・。じゃ・・・じゃあチーマーってのは何なの?」
「チーマーってのはな・・・。強いて言うなら“都会派の不良”だ。だからあんなケバケバしいメイクとか凄い服装とか着てるだろ?」
「確かに凄い格好だよね〜・・・。」
マリンの考える不良のイメージとは、ガクラン着て、髭生やして、頭は黒髪のリーゼントと言う物
だったのだが、テレビモニターに映し出されるチーマーと呼ばれる不良はそのイメージとは根本的に
異なる物であり、前述の通り下手をすればヘビメタロック歌手にも見えてくる程の凄い連中であった。

30 :悪魔の遺伝子 627:04/12/07 09:21:24 ID:???
『次の貴方方の対戦相手はチームふたりはゾイキュアですがその辺はどうお考えですか?』
『そんな事言うまでも無くバリバリだぜぇぇ!!!』
『もう勝率100%って感じぃ!!』
「ブッ!!」
その時マリンとルナリスは思わず食っていた物を噴出していた。
「ちょちょちょちょちょちょちょっと待ってよぉぉぉぉ!!!マジ!?その話マジなのぉぉぉ!!?」
「つーかゾイキュアの意味マジで教えてくれ!!!!」
有無を言わせぬその決定に二人は思い切り取り乱していたが、アルティメットチーマーズのビルト&ミレイナの二人は思い切りやる気であった。
『それでは今回のインタビューはここまでです!皆様!また次の試合でお会いしましょう!』
『イエ〜イ!!!』
ヒーローインタビュー映像はここで終了したがマリンとルナリスの二人は青ざめた顔になっていた。
「嫌だよ・・・、私あんな不気味な連中と戦いたく無いよ・・・。」
「わ・・・私もだ・・・。そりゃ私も元不良だが、こんな私でもチーマーは怖い・・・。」

それから、2人は道をトボトボと歩いていた。
「やっぱ明日連中と試合か〜…。」
「しかし…、決まったからにはちゃんとやらんといかんよな〜…。」
2人はイマイチ乗り気ではなかった。アルティメットチーマーズから発せられる気に違う意味で押されていたのだ。
「にしても…連中のキラースパイナーの強さ…、あれは半端じゃないぞ。恐らく…いや、あれは絶対に
あの時のゼロフェニックスの様にZiユニゾンシステムとか言う奴を組み込まれたゾイドだ。」
「だよね…。確かにゴジュラスとアイアンコングを一度に軽々振り回すなんて普通の力じゃありえないよ…。」
2人は改めてZiユニゾンシステムを驚異に感じていた。このままZiユニゾンシステムを積んだ
ゾイドが増えれば、それまでは何でもなかった様なゾイドですらもの凄い強敵に早変わりするはずであると2人は考えていたのだ。

31 :悪魔の遺伝子 628:04/12/07 09:24:36 ID:???
「けど…確かにあのキラースパイナーも凄いけどさ…、それ以上にあの2人が怖いよ…。」
「確かに…、あれは正直怖い。」
2人はキラースパイナー以上にアルティメットチーマーズのビルト&ミレイナのケバイ格好を思い出し、
思わず青ざめていた。自称チーマーな彼等の姿は正直近寄りがたい…と言うより近寄りたくない格好であり、流石の2人もこれには恐れずにはいられなかったのだ。
「これは上手く作戦を立てて臨まんといかんな〜…。」
「だよね〜…。」
と、2人が腕を組んで考え込んでいた時だった。ふと目を開けるとある光景が目に飛び込んできたのだ。
「おうおう何ヨソモンが偉そうに道歩いてんだよテメーラ!!」
「ヒィ!!ごめんなさい!!」
なんと細い路地の向こう側に、不良っぽい何か悪そうな男数人に、メガネを掛けていかにも大人しそうな感じの2人の男女が絡まれていたのだ。
「あらら〜…何かやってるよ〜…。」
「何処の街にもいるもんだなああいうのが…。私が言う立場では無いが…。」
2人は眉を細めていたが、見るに耐えなかったか、彼等の方へ向かっていった。
「ハイハ〜イ!そこまでそこまで〜!」
「もう5時だ〜!子供は家に帰る時間だ〜!」
「ハァ!!?何だてめぇはぁ!!」
手をパンパンと叩きながら近寄ってくるマリンとルナリスの2人に不良はガンツケした。しかし、2人は笑っていた。
「何だテメェ等は…。」
「テメェ等もヨソモンかぁ!?」
「そんな事はこの際どうでも良いでしょ!ホラ見てよ、もう5時だよ。子供は家に帰る時間だよ!」
「テメェ等の方がよっぽどガキじゃねぇかオラァ!!!」
不良達は2人を脅そうと賢明に威圧していたが、全く臆することのない2人に逆に苛立って来ていた。
「くそぉぉぉ!!!もうムカツクガキだぜ!!ぶっころしてやるぁ!!!」
不良の1人がそう叫び、腕を大きく振り上げた。が、その時には既にマリンのデコピンが不良の額にヒットし、その不良はそのまま気絶していた。

32 :鉄獣28号:04/12/07 09:38:32 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
惑星Ziのまだ見ぬ神秘を垣間見た気がします。
いったい彼らはどのくらい生きているのでしょうか?
軽く億単位行ってたりして

>ユニゾンつえええ〜〜!!!でもできなくなった途端駄目駄目にwやはり名無しの敵ではその程度が限界なのでしょうか?

まああくまでそれはユニゾンの恐ろしさをアピールし、新たな強敵を予感させる為だけの存在ですし。
パイロットとしても典型的な機体性能におぼれていたタイプと言う感じです。

33 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/07 17:33:18 ID:???
「し…師匠、年上にも限度ってモンがあるんじゃ…」
「限度? 秩序と言う言葉が意味を持たぬこの時代において、愛に年齢制限などありはしない」
 ショックを受けたような顔のオリバーを前に、リニアは語る事を止めない。
「確かに、助けられた事がきっかけではあった…しかし、彼は本当の意味で『良い男』だった」
 思い出を偲ぶリニアの表情は穏やかだった。とてもオリバーが入り込む余地などありそうに無い。
 この時初めてオリバーは、「別の意味での敗北」を知ったのである。
「師匠は、彼の事が忘れられないのか?」
「ああ。無理に忘れる必要もあるまい…研究所の壁を眺める人生を送っていた私に
初めてできた、大切な思い出だからな…」
 彼は思った。彼女の思い出を壊すのは止めよう――自分はこの少女に言い寄ってはならない、と。
「そっ、か。…きっと彼も、師匠の事は好きだったと思うよ」
「ははは、嬉しい事を言ってくれるな。…今でも時々、期待を込めて呟いてしまうんだ、あの言葉を」
「あの言葉…?」
 寂しそうな笑み。そんな顔をしたリニアも息をのむほど美しく、オリバーの胸にある何かを締め付ける。
「そう。彼はいつも『ロリコン』と呼ばれると、そう言った奴をピコハンやハリセンでタコ殴りにしていた…
…禁句って奴かな。それで私は時々呟いてしまうんだ、『戻って来い、このロリコンオヤジ』って…
そうしたら、何処からかルガールが現れて『私をロリコンと呼ぶな!』なんて言ってくれるんじゃないか――そんな気がしてな」
 オリバーの脳裏に、2年前一度だけ聞いたルガールの声が甦る。

 〔――貴様を倒す為ならば、私は喜んで『悪』にでもなろう…!〕

 身体が震える。寒いからではない――リニアの想いはあまりに切なく、悲しい。
 本当に震えたいのは彼女の方だろうに。そんなそぶりは全く見せない彼女の心はきっと、
ルガールの事を思い出すたびに、その名を聞くたびに泣いていたのだろう。
 そう思うと、寒気にも似た堪えがたい感情が背中を這い登ってくるような気がした。

34 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/07 17:40:40 ID:???
 自分は、「彼」の代わりには到底なれない。だが、寂しい笑顔のまま凍り付いたリニアの心に
ほんの少しでも光を灯したい。暖かい、光を――。
「師匠、俺は…」
 言いかけて、こちらへ戻ってくるエルフリーデの姿が見えた。と、オリバーは急に恐ろしい現実を思い出す。
 砕け散った自分の心を繋ぎ止めてくれたエルフリーデ。そして、例え片想いでも構わないから
その心を救いたいと思ったリニア。
 二人の魅力的な少女を前にして、オリバーは惑う。もはや優柔不断であることは許されない。
 ――俺は選ばなければならないのか。例えどちらを選んでも、誰かを…何かを傷つけるであろう選択肢を…。

「ボス、連中の居所は掴めましたか?」
「焦るなよ、シヴァ。今からちょっと、『世界一の情報屋』に行ってこようと思うのでな」
 イフリート、シヴァ、ラムゥの3人を連れたオレーグは、デイビッドの家のドアを叩いた。
「デイビッド=オタッキー! カーティスだ…情報を探しに来た!」
 家のドアが凄い勢いで開き、怒りの形相でデイビッドが出てくる。
「だ・れ・が、オタッキーじゃ(#゚Д゚)ゴルァ!! 俺はデイビッド・O=タック!覚えとけイモ野郎!!」
「貴様、ボスをイモ野郎だと!?」
 デイビッドに掴みかかろうとするシヴァを、オレーグがいさめる。
「いいさ、その程度の小言をお前に吐かれた所で苛立ちもしない。…情報を渡してもらうぞ、タック」
 地下街であれほど激昂していた少年とは思えないその態度。平時であればオレーグは、まさしく
王者の風格さえ漂わせる男だった。
 その威厳ある命令に圧倒されたのか、デイビッドは数歩後退る。それは嫌々ながらも、オレーグ達を
「事務所」に招き入れる意思表示だった。
「それで? どんな情報をお望みだって?」
「円卓の騎士――奴らの巣を探している」
 デイビッドは飲みかけのカフェオレを吹き出した。
「なっ、馬鹿かお前は、馬鹿か! そしてお前は馬鹿か!そんな事はいくらなんでも知らん!!」

35 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/07 17:44:22 ID:???
「それを調べるのが、お前の役目だろう?」
 そう言われたデイビッドの返答は意外な物だった。少なくとも、オレーグにとっては。
「…もう調べてる。しかも、2人に依頼されてな。だが、一向に奴らのアジトは掴めないし
入ってくるのはガセネタばかりさ。Zちゃんねるを見たか? 最近の事件で物凄い荒れようだ」
 情報の収集が難しい、という事か。しかしオレーグが気にしたのは、自分以外の依頼人2人のことだ。
「残りの二人とは…いや、情報屋は依頼人についての情報を明かさないのだったな」
「そーゆー事。知りたけりゃ自分で聞き込みでも何でもするんだな」
 用は済んだとばかりに、PCに向き直ってキーを叩き始めるデイビッド。ここで情報が得られないとなると、
オレーグはもう他に有力な情報屋を知らない。
「地下市街の情報屋も、騎士のせいであらかた全滅…八方塞がりとはまさにこの事だな」
 仕方ない、とばかりに両手を挙げ店を出るオレーグ。その視線が捉えたのは、雑踏の中から
こちらに歩いてくるオリバーの姿。
 他に居た依頼者――オレーグの頭の中で、全てが繋がった。マキシミンは何と言っていた?
 騎士に敗れ、プライドを傷付けられたオリバー。情報の依頼者としてこれほど相応しい者はいない。
「と、言う事は…もう一人の依頼者が、マキシミン=ブラッドベインだったと言うわけだ」
 既に彼はこの世にいないが――不謹慎とは思いつつも、オレーグは薄い笑みを浮かべる。
 情報屋が客を失礼な態度で突っぱねる理由は一つしかない。その客に情報を渡したくないからだ。
 だがオリバーとデイビッドは旧知の仲である。自分に教えなかった情報を渡すとすれば、彼以外にいない。
「…オタク君、お前には悪いが俺は行かせてもらおう…その必要が、ある」

「よう、オリバー。表で誰か見なかったか?」
「いや、誰もいなかったと思うが」
 オリバーが入ってくる時、オレーグ達は隠れていた。元はゲリラ戦を得手とした彼らの隠れ方は、
よほど注意して見なければ見つける事はできない。
 オリバーに続いてリニア、エルフリーデが入ってくる。そしてその二人を目にした途端、
デイビッドの表情が一変した。

36 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/07 18:07:48 ID:???

「お、お、お、おにゃのこ!? ウヒョ―――ッ!!!」

 吹っ飛ぶようにコケるオリバー。デイビッドが巨体を揺らして二人の少女に迫る。
「何だ? オリバー、こいつは大丈夫なのか?」
 胡散臭そうにリニアが訊いた。苦笑しつつもオリバーは、弁解にならないフォローを入れる。
「ああ、気にしないでくれ。滅多に部屋から出ないモンで、同年代の女の子を見るのが久し振りなのさ」
 立ち上がって二人をじろじろと眺めるデイビッド。彼が近付くに連れ、ここに入った時からリニアが感じていた
鼻を刺すような臭いが強くなる。
「おい、ハァハァしてないで情報を見せてくれ」
 痺れを切らしたオリバーが3度ほど蹴りを入れ、ようやく少女達から目を離したデイビッド。
しかし彼の異常な視線を受けエルフリーデは完全に怯えてしまっている。
 そんな彼女達の前で、デイビッドの表情が「情報屋の顔」に戻った。
「…さて、騎士についてのどんな情報が知りたい?」
「切り替えの早い奴だな…連中のアジトはまだ解らないか?」
「残念、本拠地はまだ解ってないんだなぁ〜…でも」
 オリバーが落胆の色を見せる前に、デイビッドは中央大陸の地図を取り出した。その地図の一箇所に、
油性インキを垂らしたような赤い点がある。
「…全世界で活動を展開する連中だ、前哨基地はどうしても必要になる…そんな内の一つを、俺は発見した」
 またZchの情報だろうか――だが、そんな事はどうでもいい。目の前に、宿敵の元へ続く確かな地図がある。
「旧時代の要塞遺跡、マウントアーサ。ここに騎士の一人が潜伏しているって情報だ」
 マウントアーサ要塞がかつてどれほどの強固な要塞であったか、知る者はいない。しかし、その遺跡が
相当大規模な物である事はオリバーも知っていた。
「ここに…奴らの仲間が居るのか。デイビッド、実は、マキシミンが――」
 言いかけたオリバーを、デイビッドが手を上げて制止する。
「俺の情報力でその事を聞いていないとでも? …惜しい男を亡くしたよ。口は多少悪かったし
無駄に熱血漢だったけど、俺の数少ない友達の一人だった」
 淡々と語るその言葉の一言ごとに、苦しさが滲み出ている。
 オリバーは決意を固めた。この戦いはもう俺自身のプライドだけでなく、マキシミンの死と犠牲者全ての為の戦いだと。

37 :Innocent World2書いてる物体:04/12/07 18:14:39 ID:???
復活、そして>>1スレ立て乙セイバー。

>>鉄獣28号氏
Ziユニゾンである! 正直、究極のユニゾンゾイドはケンタウロスだと思う昨今。

>>恐怖の亀裂作者氏
大きさのインフレというかつての悪夢が思い出される巻貝…

38 :恐怖の亀裂 708:04/12/08 04:01:11 ID:???
「ふん!私のハリセンを盗むとは良い度胸だ!」蹴りを入れたのに手をパンパン叩いて埃を落としてラフィーレが言う。
全く酷い日だ…サーラを引き取りに来ただけなのにとんでもない厄介事に巻き込まれてしまっている。話を聞けば余計に腹立たしい事この上無い話を聞かされる。
マットに沈んで操り糸が切れた人形なポーズのファインを見て気を紛らわすラフィーレ。

彼女だけではない最早ここに居る限り一蓮托生と言う事で重要職務者から順に事実を公表していたらしい。
その効果も有り誰もが言い知れない怒りを覚えている様だ。この世界とは縁も所縁も無いよそ者に自分達の行動の選択権を奪われていた事になるからだ。
マットに沈んでいる奴の平行世界での存在という事が更に怒りに拍車を掛ける。ファインの性格は勝手気ままだが最低限の周りとの調和を崩さない様に努力している跡が有る。
だがそいつは勝手気ままにこっちの行動を監理している事になる。嫌な言い方をすれば相手がゲームのシステムでこっちはNPC(ノンプレイヤーキャラクター)と言う状態だ。
与えられた選択しか出来ないのでそこに自身の意志が在ろうとも結局は操り人形という事だ。

まあそれ以上は深く掘り下げないのはゲームの内容の所為だ。それを当て嵌めると最大の被害を被っているのはファインの可能性が高い。何度死んで居るか解らないレベルの経歴。
それと戦闘回数。たった7年少々で3000回を超えて居る。継続戦闘回数も含まれるが略休み無しで年中戦闘をしている回数だ。その上無理矢理生かされているなら気が触れていても文句は言えない。
「結局周りには迷惑を掛けっぱなしか…大馬鹿者めっ!」アービンは沈んでいるファインを蹴り起した。

「あたたたた…それは酷いであります。」首の筋を摩りながらファインは起き上がる。状況はやはり最悪で敵対戦力の湧き方がおかしくなっているらしい。
施設内での出現が全く無くなった変わりに外を封鎖する様に数を増やしている。寄生体や異形や古代種戦闘ゾイド等々。
数十の包囲網を形成し隙間無く組織的に機能しているらしいとなれば指揮官らしき者が必ず居る筈と確認を執ってみると…最後尾に居る者の姿を見て額に手を当てる。
「…あれはレッサーデビルの類でありますね。」殺気を押し殺す苦悶の表情。腕を組む姿は苛立ちを隠せないらしい。

39 :恐怖の亀裂 709:04/12/08 04:47:10 ID:???
「ふん…真逆あんな人間の駒として動く事に成ろうとは!腹立たしい!」ザイデルは腹を立てて居た。
その理由は簡単でこれだけの数を有象無象と彼の陣を跨いで行ったスクイドクラーケンにある。
実質はレッサーデビルのザイデルよりスクイドクラーケンの方が遙に強いので口出しが出来なかった事が余計に悔しいらしい。
「しかしじきに終わる!彼処から出てくる奴そっくりの奴を捻り潰して終わりだ!」気を取り直した彼の口からは生唾が溢れんばかりだった。

「ふん…レッサーデビル如きが妾に楯突こうなどと!格の違いを教えてやらねばならぬようだな…行くぞ!主よ…って何をして居る?」
ファインの方を見やるとあっさりフェニスに捕まり逆さ簀巻きにされている。「お主は学習せんのか?同じパターンでいつも捕まっておるのう…。」
やってられんと言うポーズでベルウッドは言う。「パブロフの犬と言う奴でありますよ…くそっ!」何とも情けない犬である事だ。
「本当に捕まえ甲斐の無い奴ね?あんたって…。」それをやりたかっただけなのかフェニスはそれをおいて去って行く。

「おう!あの貝殻は早速使わせてもらったぜ!こんな武器ができたから使ってくんな!」整備班長特製リフレクションレーザーポッドと言う名前らしい武器を手に持って居るベルゼンラーヴェ。
あの貝殻の裏の真珠の輝きの部分は”反射”の効果を持っているらしい。自然に染みついた能力故に制限無しらしい。素晴らしい装備だ。
「ついでにあれも完成してるぜ?あの悪魔野郎にぶっ放してやんな!」肘から下を完全に覆える何かを肩の装甲の後ろに付けている。
「あれでありますか…くくくくく…。」嫌な嗤い方をするファイン。相当相手にとってはやばい代物らしい。マリエラを何とかコクピットから降ろし出撃準備完了だ。

「だああああ!連れてかんかい!これでもそいつの制作者やで!」しかし戦闘要員として不合格な彼女はどうあっても連れては行けない。
相手がデビル等の悪魔系統なら真っ先に呪殺術式の獲物にされてしまうからだ。趣味として人付き合いを行うデーモンとは違いデビルは純粋な破壊者だ。
相手の破滅しか願わない奴には遠慮が出来ないのでデビルに殺される前にベルゼンラーヴェの高機動戦闘で死んでしまう可能性すら有る。
「そう言う訳で…アロンジィィィ〜〜ッ!!!」格納庫を跳び出すベルゼンラーヴェ。

40 :恐怖の亀裂 710:04/12/08 05:47:15 ID:???
アーバレストの効果でカタパルトからの射出よろしく跳び出すベルゼンラーヴェ。今を持って宣言するが100〜600km/h圏内での空中機動能力はエナジーライガーや空戦ゾイドよりも高い。
次の瞬間進行方向の逆に全力で機動できるのだから当り前だろう。一般の機体と違い”旋回”をする必用が全く無いからなので今一番ベルゼンラーヴェの機体で有用性のある物がアーバレストである。
事実上コアの動力のみで無限機動できる装備なので遅れに遅れている宇宙開発の分野でもゾイドが簡単に使用出来る夢の技術。それ故この程度ならお安い御用だ。

「聞いてねえぞ!奴が弦状空間跳躍出来る何てよ!行けっ!そいつを叩き落とせ!」ザイデルの指令を受けて飛行できる物が迎撃に飛ぶ。
しかし有り得ない場所からの攻撃に晒されその数は見る見る減っていく。「何だぁ!?あの小さい機体はぁ!?」ベルゼンラーヴェの後方に連結の要領で繋がれていた機体。
5機のストームラプターである。機体サイズが小さくはあるが出力はデスザウラーに並び圧倒的な飛行能力を持つ空陸両用ゾイド。サイズに対する危険度はレブラプターを軽く凌ぐ。
弱点もサイズの関係上の火力不足程度なので当り前に強い機体だ。

相手を押し潰す様な戦闘スタイルのデビルには部隊の指揮は全く向いていない。指示その物に穴が有るので数千対6の物量差にも係わらず減るのは自分の手駒のみ。
更に悪い事にベルゼンラーヴェにはニュークリアインフェルノを始め1対多を視野に入れた武装が山程有る。その上にこれを携帯しているのだから始末に終えない。
「カラミティシャドウ!ウェイブレイダー!フルバーストッ!!!」2挺の銃が狙いもろくに付けず無差別発砲される。劫火の火球は思い思いに地表に降り注ぎその周辺を焼き払う。
ウェイブレイダーの弾丸は光の矢尻と化し弾が砕け散り弾丸の役目を終えるまで相手に致命傷を与え続ける高機動誘導弾。その軌跡は物理法則を無視し直角はおろか135度ぐらいまで平気で曲る。
密集陣形の包囲網を波縫い、半返し縫い、本返し縫い、かかり縫いと駆け抜ける。

「…だから向いてないって言ってるのだ!」ザイデルの手駒は30分程で念入りにとどめを刺された。しかし本人の実力は手駒の3倍は堅い。
選び抜いた寄生ゾイドを自身に同化させて傍らの巨大な獲物を振り上げ構える。

41 :恐怖の亀裂 711:04/12/08 07:07:47 ID:???
「カルナバルのバルバロイ(蛮人)ザイデル参る!」同化終了と共に寄生ゾイドはあらぬ姿へとその身を変えて宙に躍り出る。
「どわああああっ!?」同じくアーバレストを使用出来るらしいので一気に間合いを詰められてその獲物…大金槌でナイスショットとばかりに飛ばされる。
瞬間的に十字封剣の八封輪形態で直撃を受け止めるが受け止めた右手が痺れる。TFSの影響で機体が動くとそれと同じ様にパイロットも動くのがその原因だ。
「1785ヤード程か?ゴルフボールに例えれば。やっと停止したか…。」ベルウッドはアーバレストを弱めに使用して飛距離を縮めていた。

大金槌よりシールドらしきエネルギーの流れが見える。それに保護されながら変異を続ける姿。
背を食い破り現れた大剣型のブースター2機。頭部はザイデル自身の顔に似てきて竜とも牛とも見える風貌になっている。
腕部と脚部が山の様に盛り上がり太くがっしりとした物に変わる。胴体には肉厚の胸板型装甲。元の機体の火器は全て膝下に移植している。
その両足からハイブリットレーザーガンが容赦無く発砲される。

それを躱して痺れた右腕の変わりに左手で八封輪を投擲するベルゼンラーヴェ。周囲に散蒔かれた術の力を吸い取り回転力を上げて飛ぶ八封輪。
ザイデルに激突するが大金槌のシールドに阻まれて接触はできない。やがて回転力を失いベルゼンラーヴェに戻る八封輪。「如何やら正真正銘の化け物でありますね…。」
十字封剣を肩の装甲に収納すると槍杖を呼び出し周囲に浸透しているザイデルの力を逆に利用するべく付加する。「うぬぅ!?我が力を流用したか!小賢しい!」
ザイデルは槍杖が彼の大金槌と同様のシールドを発生させているのを見て嗤う。本物に勝る力は無いと踏んだのである。

蚊帳の外に出されたストームラプター5機だが注意深くザイデルの動向を監視している。「本物の化け物は面白い事ができるものだな。」
ラフィーレは呟く。ザイデルのシールドを構成する粒子は術的な力が付与された光の粒子。しかも荷電粒子だったのだ。
「これが本当の荷電粒子シールド。くっくっく…。」フェニスが笑う。洒落にもならない犬も食わない喩え。しかし荷電粒子である事がベルゼンラーヴェ側に優位に働く。
機体の数ヶ所にある荷電粒子吸入コンバーターの存在である。ザイデルはゆっくりファインの右手が治るのを待つ。

42 :恐怖の亀裂の作者:04/12/08 08:06:22 ID:???
鉄獣28号さんへ

究極チーマーズ!何か楽しそう…。
流石にあのサイズの物はそんなに居なさそうです。良く考えれば地下に恐竜型ゾイドの生活圏であるマグマ溜まり等があるので。
精々どんなに多くても5桁では無いでしょうか?

Innocent World2の作者さんへ

オリバーさん板挟み。別な方向に修羅場に突入予定が有りっ!?
アイデア次第ではもっといける筈。巨大な物には建造物など含めると既に小惑星並みの物を出していた事に自分も気付いてなかったです_| ̄|●
あの最終兵器…。

そろそろ…
【人名?】
クロノスプレンダー:時計だらけの世界クロックスクリームの住人で身の丈40m強の時計を心臓とするエルダージャイアント
かなり理知的でエントヴァイエン程ではないが魔術の才もある、時間を巻き戻しとかもできるので実はガチで最強の方
高貴なレビデルト様:当然本名はレビデルトでピエロ顔で紳士服背に翼とアバンギャルドなアークデーモン
実は方向音痴で執事のグレイド無しでは外出はおろかトイレにも行けない高貴な御方、それでも実力の方は鳥の眷属随一だったりする
伊達で高貴では無いらしい、その他人の名前を無理矢理しかも恥ずかしい漢字に変換してしまう
余談だが鳥の眷属は一様に鳥型至上主義
グレイド=バラン:レビデルトの執事を勤めるグレーターデーモンで巨獣種(ベヒモス)からの転更者
ピッチピチの執事服は何と巨大化しても破れない優れ物、壁抜けや高速移動とかなりの芸達者だが仕える御ぼっちゃまの所為で恥を晒しまくっている
【ネタ】
愚例度=馬乱:レビデルトがグレイド呼ぶ時の名前
巨獣種(ベヒモス):巨大な体躯を持つ魔族の総称で姿は色々
グレーターデーモン:アークデーモンよりは格が低い存在で立ち位置が非常に微妙なレベルの強さを持つ
デーモンより遙に強いがアークデーモンより遙に弱い上強さのインフレ状況の彼等のレベルでは下手するとドングリの背比べ的な差らしい
レッサーデビル:デーモンとは似て非なる種族、非常に好戦的かつ破滅的思想を持つ存在
初期の種族的優位はデビルに有るが順位が上るほどデーモンの方が強くなる他知能はデーモンの足元にも及ばない

43 :悪魔の遺伝子 629:04/12/08 08:49:29 ID:???
「え…?」
「街でカタギの衆相手にデカイ顔してるだけの不良なんてこの程度だよ!」
唖然とする不良達とニヤニヤ微笑むマリンとルナリス。と、その時不良の1人が倒れた不良を担ぎ上げ、皆逃げ出したのだった。
「お…覚えていろテメェ等ぁぁぁ!!!」
「ゴメン私記憶力の自信ないから!」
「ちゃんと次からは5時に家に帰れよー!」
不良達の月並みな捨て台詞に適当に答えつつ、マリンとルナリスは手を振って見送っていた。
その後で口をあんぐり開けていた先程不良に絡まれていたメガネの男女の方を向いたのだった。
「大丈夫だった?」
「は…ハイ…。」
「あ…ありがとうございます!そ…そして…す…すみません!」
「ハッハッハッハッ!謝る事なんて無いよ!」
思わずお辞儀をしていたメガネの男女にマリンとルナリスは軽く笑っていた。
「そ…それでは僕達はここで…。」
「ああ!もう不良に絡まれないように気を付けろよー!」
申し訳なさそうに帰っていくメガネの男女をマリンとルナリスは笑顔で見送っていた。と、その時マリンが何かに気づいた様子だった。
「ん…あれ…?」
「どうしたマリン。」
「いやね…さっきの2人…誰かに似ていた気がしたのよ…。」
「似ていたって…誰に?」
「いや…それがなんとも言えなくて…。」
マリンは目を瞑り、腕を組んで考え込んでいた。が、すぐに目を開け、はっとなっていた。
「そうだ!何か違和感感じると思ったらアイツ等だ!!あのアルティメットチーマーズの2人に似てるんだよ!!」
「ハァ?」
ルナリスはんなわきゃねーだろ?と言わんばかりの顔で眉を細めた。
「お前何言ってるんだよ。全然雰囲気違ってたし、連中はさっきのアイツ等みたいに弱々しく無かっただろ?アイツ等服装とかも普通だったし。」
「確かにそうなんだけどさ…、何か引っかかるのよね〜…。でもやっぱり似てると思う。」
「他人のそら似だろ?つかそろそろ行くぞ。」
「う…うん…。」
マリンはなおも何か引っかかる所があるものの、2人はそのまま立ち去っていった。

44 :悪魔の遺伝子 630:04/12/08 08:51:17 ID:???
それから、先程マリンとルナリスの2人に助けられたメガネの男女は何かケースの様な物を持っていそいそと歩いていた。
「さっきは大変だったね…、何処の誰かは分からないけど、あの2人が助けてくれなきゃ大変な事になってたよ…。」
「けど、明日は大切な試合の日だから明日に備えて練習しないと…。」
と、その時だった。2人の進む道正面の闇の中からあの時の不良が現れたのだ。
「ああ!!!!」
「よぉ…そんなに急いで何処に行くんだよ?」
恐る恐る下がろうとするメガネの2人に対し、不良等はゆっくりと歩きよっていた。
「ん?何だお前等がその何か大切そうに持ってる箱はよぉ…。」
「こ!これは…。」
「おらぁ!!渡せ!!」
不良は力づくに無理矢理2人からケースを奪い取った。2人は慌てて取り戻そうとするが、別の不良に押さえ込まてしまった。
「か!!返して!!それは…。」
「さ〜て…何が入っているのかな〜…?」
「金でも入ってると良いよな〜!」
不良は笑みを浮かべながらケースを空けた、しかしその直後彼等は拍子抜けした。そのケースの中には彼等の期待する物は入っていなかったのだ。
「な…なんだこりゃぁ?」
「これは…化粧道具かぁ?」
「お前男のクセに何化粧なんかしてんだよぉ!!」
その時メガネの2人の男の方は顔面を思い切り殴られた。女の方は慌てて倒れた男の方に駆け寄るが何もすることが出来なかった。
「まあいい…。コイツはもらって行くぜ。」
「こんな物でも質屋に売れば金になる。」
「じゃあな!オカマ野郎!」
ケースを取り上げたまま不良は笑いながら去って行ったが、メガネの2人はやはり何もする事が出来なかった。

「さ〜て、メシも食ったし、宿に戻ったら明日に備えて作戦会議でも行こうかね〜!」
「でもあのZiユニゾンシステム搭載型キラースパイナーとはどうやって戦えば良いだろう…。」
「と言うかそれ以上に乗ってる奴らの方が怖いだろ…。」

45 :悪魔の遺伝子 631:04/12/08 08:53:42 ID:???
マリンとルナリスの2人はやはり不安に感じていた。確かに明日行われる試合の対戦相手である
アルティメットチーマーズの使用するキラースパイナーは通常のキラースパイナーと違い、
ゴジュラスやアイアンコングを一度にブンブンと軽々振り回す事から合体時の出力は桁違いに
高い物となっている事は想像に難くない。無論それ以上にチーマー系の格好をしたビルトとミレイナの2人に対しても驚異に感じている事は言うまでも無い。
「あ〜あ〜…何か明日の試合不安だな〜…。」
「ん?」
2人がたまたま街の外を見た時だった。その街の外に広がる広野を走るダークスパイナーとキラードームの姿があったのだ。
「あれってまさかアルティメットチーマーズの機体じゃない?」
「た…確かに…そうだ。あのチーマーっぽいエンブレムマークは紛れもなく奴等のだ…。にしても…何か動きがおかしくないか?」
2人はそのダークスパイナーとキラードームの動きに違和感を感じていた。その2機の動きはいつ転けてもおかしくないほどぎくしゃくしていたのだ。
「それにしても何であんなにぎくしゃくしてるんだろう…、昼に見たのとは偉い違いだよ…。」
「あ!ついには本当に転けやがったぞ…。」
ルナリスの言う通り、目の前の2機はステーンとギャグマンガの様な転び方を見せていた。そして2機のコックピットがゆっくりと開いたのだ。
「一体誰が乗ってるんだろう?」
「違う奴が乗っていると言う事は確実だろうが、何、あれ程下手な操縦をする奴の顔を見てやろう…。」
2人は何やら好奇心あふれた顔で双眼鏡を手に持ち、2機の方を見つめていた。
「いたたたた〜…。また転けちまった…。」
「やっぱりメイク無しじゃダメだよ私達…。」
「あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
マリンとルナリスの2人は思わず叫んだ。何と2機から現れたのは先程不良から助けたメガネの男女だったのだ。
「ちょちょちょちょちょっと待ってよ!!貴方達ってさっきの…。」
「ああ!!君達は…。」
慌てて駆け寄ったマリンとルナリスにメガネの男女も驚いた顔になっていた。
「これって一体…何で…何て貴女達がアルティメットチーマーズのゾイドに乗ってるの…?」
「ってああ!!!!マリン!!コイツ等の着てる服見ろよ!!」

46 :悪魔の遺伝子 632:04/12/08 08:56:03 ID:???
その時マリンとルナリスはまたも驚いた顔になった。2機に乗っていたメガネの男女の服装は紛れも
無くアルティメットチーマーズの着ていたチーマー風のケバケバしい服装だったのだ。
「こ…これって…。」
「そのゾイドと…その服装…。」
「そ…そうです…。」
唖然とするマリンとルナリスにメガネの男女は申し訳なさそうな顔をしていた。そしてマリンがメガネの男女を指差しながら口を開いたのだ。
「盗んだね?」
                     ずげげげげっ
その時メガネの男女はど派手にすっ転んだ。そして2人の掛けていたメガネが外れたのだ。
「ち…違います!!これは私達の物です…。」
「私達の物って…、あああああああああああ!!!!!」
またもマリンとルナリスは驚愕の叫び声を上げた。メガネを外した2人は紛れもなくアルティメット
チーマーズのビルトとミレイナからメイクを取ったらこんな感じになると言う顔をしていたのだ。
「って事は何か…?まさかとは思うが…あんたら2人がまさかアルティメットチーマーズの…。」
「そ…そうです…信じられないとは思いますが…確かにその通りです。」
その時2人はあんぐりと口を開けた。
「お…おい…何てこったよこりゃ…、マリンの言ってた事が本当になっちまった…。」
「私もビックリだよ…。」
唖然とするマリンとルナリスに対し、昼間とは別人とすら思える程の2人は申し訳なさそうにメガネを拾っていた。
「まさかあの凄いチーマーな2人の素顔がこんなだったなんて…。」
「と言うか人格すら変わってない?」
マリンとルナリスはなおも信じられないと行った風な顔をしていた。確かに目の前の2人は紛れもなく
ビルトとミレイナなのであるが、素顔の2人は昼間の凄いメイクをしていた時とはうってかわって
弱々しく、外見からも内面からも覇気が全くと言って良い程感じられない大人しい青年と言った感じだったのだ。
「それにしても何でアンタ等の操縦するダークスパイナーとキラードームはあんなに動きがぎくしゃくしていたんだ…?」
「そ…それは…。」
「奴等に…メイク道具を取られたから…。」
「ハァ?メイク道具を取られた…って…?」

47 :悪魔の遺伝子 633:04/12/08 08:59:24 ID:???
それからマリンとルナリスはビルトとミレイナから、あの後不良に再度襲われ、メイク道具を取られた事を聞いた。

「なるほど…連中まだ懲りてなかったんだな〜…。」
「でも何でメイク道具が…?」
と、その時ビルトとミレイナは思わず地面を殴りつけていた。
「アイツ等のせいだ!!アイツ等にメイク道具さえ取られなければこんな事にはならなかったんだ!!!これじゃあ明日の試合にも出られない!!!」
「メイク道具が無いと試合に出られないって…、まさか…。」
「そうよ!!!こんな弱虫でゾイドの操縦もまともに出来ないタダのグズが私達の正体なのよ!!」
ビルトとミレイナの2人はそのまま泣き崩れてしまった。しかし…
「あ〜あ〜…ざまぁねぇなぁ…。言って置くが自分のケツは自分で拭けよバカ!」
ルナリスの非情な言葉にビルトとミレイナは一瞬硬直した。しかし、その直後すぐさまルナリスは笑みを浮かべたのだった。
「…とか何とか言い放ちたい所だがよ…、試合は明日なんだろ?そのメイク道具を取り戻す手助けくらいはやってやろうじゃんか…。」
「ええ…?本当ですか…?」
ビルトとミレイナは思わず顔を上げた。
「だってな〜…、このままじゃ私等も不戦勝になっちまうからな〜…、それじゃあ面白く無いじゃねーか!」
「え…?不戦勝って…まさか…。」
「まさか貴女方がチームふたりはゾイキュア!!?」
「だからゾイキュアってどういう意味だよ!!しかももう完全にチーム名にされてるし…。」
いつものお約束パターンにマリンとルナリスの2人は眉を細めていたが、マリンはビルトとミレイナに手をさしのべた。
「とにかくさ!正直こんな状態の貴方達に勝った所で嬉しくないワケよ。」
「ほ…本当ですか…こ…こんな僕達の為に…。」
「別に良いって良いって!あんな奴等程度なら問題無いって!でもなぁ、お前らはメイクをする事で
自信を付けて昼間のあの時のような凄いテンションになるって事なんだろうが、素顔に対しても自信を持ったらどうだ?」
「え…素顔に対しても自信を…?」
ルナリスはゆっくりと頷いた。
「そうだ。昼間の試合を見ての通り、お前らは元々実力があるんだ。ならばメイクなんぞせずとも、素顔のままであの力を発揮する事も不可能では無いはずだろう?」
「そ…それは…。」

48 :鉄獣28号:04/12/08 09:23:20 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
早速新たな戦いと言う感じが出てきましたね。結構ご無沙汰なゾイドもいますし。
ゲームに例える所も良かったです。

>>Innocent World2作者さん
昔の思い出のシーンは何か良い話みたいな感じですね。あとデイビットも本当に
良いキャラしてます。その上切り替えも早いとは・・・
次の目的地はマウントアーサの様子ですが、早くも激戦の予感。

>究極のユニゾンゾイドはケンタウロスだと思う昨今。

まだ先になると思いますが、いずれはケンタウロスを登場させる予定はあります。
もちろんユニゾン+4体合体によって旧大戦のそれを遙かに上回る怪物に・・・

49 :恐怖の亀裂 712:04/12/09 04:13:10 ID:???
「待っていて貰えるなら丁度良いでありますね…。」右手をプルプル振って手の痺れがとれているか確認する。
如何やら痺れはとれているらしいので槍杖を両手に構え直す。するとザイデルの方も申し合わせたかの様に大金槌を構え直す。
「ふふふふ…3分!生き延びて見せろぉぉぉぉぉぉ!」ザイデルは猛然とベルゼンラーヴェに襲い掛かった。

ザイデルの獲物は大金槌。鉄槌部分以外は重さや構成金属の比重等にも寄るが大体柄などの方が受ける衝撃は少なくて済む。
大金槌を振り上げた瞬間を狙いファインはザイデルの懐にベルゼンラーヴェを飛び込ませ槍杖の2発と最期に距離を開ける為のサマーソルトキックを放つ。
全く手応えらしき物は無く。距離のみが開き目標を失った大金槌の一撃が地表を派手に砕く音のみが周囲に響き渡る。
しかも偉く大音量だ…良く見れば約30m以上離れているベルゼンラーヴェの足元までが罅割れて凹んでいる。真面な一撃を喰らえばゾイド程度の装甲なら叩き割られてしまうに違い無い。

「やはりエクスカリバーは威力が違う!ふはははは…。」今妙な言葉を聞いた気がするファイン。横目でベルウッドを見るとやはり怪訝そうな顔をしている。危険が危ないと告げているが…やっぱり聞いてみたい。
脳の中身が微妙に変な方向に行きつつあるファインは思い切ってザイデルに尋ねてみた。「エクスカリバーって剣じゃ無いのでありますか?」

そうすると…「その通りだ!当然デビルの俺には使えん!しかし有る方法なら使用出来る!それはこれだぁ!」大金槌の外層が思い切り砕け飛ぶ。
その中に在った物は一振りの剣が突き刺さった巨大な岩盤だった。「「おおっ!?」」思わず目から鱗が落ちるような気分になるファインとベルウッド。
正直感動する使い方。とある話が本物であるならば切り付けた物を石化させてしまう剣で王者の印嘗てそれを引き抜いた者がその国の王に成れるとまで言われた一品で巨人族を討伐した偉大な剣。
抜けないのであればその石化の力が及んでいる岩盤毎剣としてでは無く大槌として使用する。ナイスなアイデアだ。

だが…それは非常に危険な事である。下手にちょこんと出ている刃に切り傷を付けられてしまうと問答無用で石化。
ついでに岩盤自体の堅さも朝辺りに使用した世界樹の棍棒ファランクス並の常識外れの堅さを持っていそうである。

50 :恐怖の亀裂 713:04/12/09 05:03:58 ID:???
巨大岩石ハンマーのエクスカリバーが振り回されその攻撃がベルゼンラーヴェを襲う。横スイングなら下段から思い切り柄を叩き上げる。
縦なら左右に払うか避ける。出来過ぎた玩具を振り回し攻撃するザイデルの顔は嬉しそうに見えるのは気の所為だろうか?良く見ると本当ににやけている。
ちょっと頭にきたファインは「あっ!?」と空を指差す。当然ベルゼンラーヴェも同じ行動をするのでザイデルは横目で指差す方向を見る。

次の瞬間…ザイデルは方をポンポンと叩かれそっちを振り向く。目の前のベルゼンラーヴェが居ないのでそこに居るのだろうと攻撃体勢を執って振り向く。
当然の様に”指”がザイデルの頬に刺さる。問題なのは突き刺さった物がメインアームの方のハイパーファルクスだった事だ。
「ぬおおおおおおっ!?頬が!頬が!」頬に横穴を開けられてザイデルは地面を転がり回る。「お主…正々堂々とはいけないのか?」呆れた口調でベルウッドは言う。
「いやはや…そう言われましてもねぇ?」困った顔をするファイン。如何見ても真面にぶつかって勝てる相手では無い。

しかもこう言う時に”つき”に見放されている事が多く今回ものた打ち回っているザイデルの動きに巻き込まれるなら兎も角エクスカリバーの岩盤部分を諸にベルゼンラーヴェの後頭部に喰らう。
地面を擦って200m程移動させられる。「またでありますか…人を呪わば穴二つ。痛いですねぇ〜とほほ。」目に涙を浮かべながら機体を起き上がらせるファイン。
一方ザイデルの方も立ち上がっておりその目はやっぱり血走っている。デーモンより知能が低いと言うがそれでも人間よりは上だ。しかしそれを余り使わないのがデビルという者らしい。
「うおおらあああああああ!」エクスカリバーが炸裂する。大地に大穴を穿ち飛び散る岩盤で目眩ましを作る。

その一瞬の間隙を縫ってシールドを纏ったザイデルの超重量の体当たりがベルゼンラーヴェに炸裂する。
その一撃で空中に放り出されたベルゼンラーヴェに計ったかの如く体当たりの際に空中に放り投げたエクスカリバーが上から追撃する。
「うがあ…!?」エクスカリバーに一撃で地面に深々と沈むベルゼンラーヴェ。悪鬼呪法の効果で破壊こそ逃れているがフレームはガタガタ。装甲は破損寸前。
たった2発の攻撃でベルゼンラーヴェは絶体絶命の状況に叩き落とされた。

51 :恐怖の亀裂 714:04/12/09 06:19:13 ID:???
「バルバロイを名乗る割りには理に叶った的確な攻めをしてくる!抜け目の無い奴よ!」ベルウッドが毒吐く。
しかし何時まで経っても止めの一撃が振り下ろされる事は無い。ザイデルが叫ぶ。「立て!この程度で終われると思うな!3分はとうに過ぎているわっ!」
3分1ラウンド制と彼は言っているらしい。自らが決めたルールに法り攻撃を仕掛けてこなかったのだ。

荷電粒子コンバーターが作動してシールドの効果が数倍になって周囲を砕く事でようやく立ち上がるベルゼンラーヴェ。
罅割れた装甲を纏い立ち上がる機体は満身創痍と言うより最早亡霊にすら見える。しかも何を血迷ったか槍杖を締まってしまい握り拳を構える。
「ほう…エクスカリバー相手に徒手空拳と来たか!面白い!」エクスカリバーを振り回してザイデルが迫る。

「ぬう!?掠りもしないだと!」今度はその連激を全て躱されて逆にザイデルの方がバランスを自ら崩す。そのザイデルの目に移ったのはアッパーカットを繰り出しているベルゼンラーヴェの拳。
シールドで直接の接触によるダメージは無いが見事に決まったアッパーカットはザイデルを空中に吹き飛ばし地面に尻餅を付かせるには充分な威力だった。直ぐに起き上がり構え直したザイデル。
今度はベルゼンラーヴェの方から挑み掛かる。拳だけでは無く蹴りや肘打ち等も織り交ぜてのクロスレンジでの攻撃。もう一発エクスカリバーを喰らえば間違い無く砕けてしまうだろう機体。
しかし攻撃の手は緩む事無く続く上に良く見ればストライクレーザークロー等と同じ構造の肘と足と膝と拳。

遂にはエクスカリバーより漏れるエネルギーを転用したシールドを取り払う事に成功する。「何と…シールドを退けるとは!しかしそれでこそ叩き潰し甲斐が有るという物!」
エクスカリバーを振るう速度が速くなる。今まではシールドの常備発生を重視していた今までと違い猛然と振るわれるエクスカリバー。
それを前に踏み出す事で避けるベルゼンラーヴェ。恐ろしい光景に見えるがここでベルゼンラーヴェは退くとエクスカリバーの直撃で沈む。
長柄の獲物であるエクスカリバー…大槌である事が長所であるが攻撃時において長獲物に有る共通の弱点は作用点にある攻撃部位が強力な反面攻撃範囲が内側に無い事に有る。
その為に残った長柄を使って相手との距離を離す事が重要なのだ。

52 :恐怖の亀裂の作者:04/12/09 07:26:33 ID:???
鉄獣28号さんへ

ギャップがwジェミーもびっくり!?
でも歩かせる事さえ難しいって…。如何なることやら?

53 :悪魔の遺伝子 634:04/12/09 11:04:37 ID:???
ビルトとミレイナはまたも黙り込んでいた。しかし、その時マリンは2人の手を引っ張ったのだ。
「とにかくここで考えていても仕方がない!だから早いところそのメイク道具とやらを取り返しに行きましょうよ!」
「は…ハイ!」

町外れの古びた工場跡に不良グループのアジトはあり、何十人という不良がそこに集まっていた。
「男のクセに化粧道具持ってた奴がいたとはな〜…。軟弱な奴が増えた物だ…。」
「コイツは明日一番で質屋に持っていくで決定だな!」
「ハッハッハッハッハッ!」
そこに集まりたむろする不良等は笑っていた。と、その時だった。
「お…お前らはぁ!!」
「ギャ――――――――――!!!!」
と、突然外から叫び声のような物が響き渡ったのだ。
「ど!!どうしたお前らぁ!!」
「ひ!昼間のバケモノ女2人がいきなり殴り込んで来やがったぁ!!」
「な…なんだとぉ!!?」
「あっという間に5人やられたぁ!!」
そう、突如として不良グループのアジトに乗り込み、大暴れしていたのはマリンとルナリスだった。
「ヒィ!!やっぱ強いぞこいつらぁ!!!」
不良グループはマジでビビっていた。確かにマリンとルナリスは元々超人的な力を持つ上にそれまでも
数々の修羅場をくぐってきている為、何十人という不良を相手にしても全く苦にしていなかったが、不良達にとっては恐怖以外の何者でもなかった。
「それにしても…しっかりやってるかな〜あの2人…。」
「心配だよな〜…。」
不良達を殴り倒しつつ、2人はその様な事を呟き合っていた。もちろん2人はただ殴り込んだワケでは
無い。2人が派手に暴れて不良達を引きつけているウチにビルトとミレイナにメイク道具を取り戻させると言う作戦だったのだ。

「ハァハァ…。それにしてもあの2人大丈夫かな…。」
「とにかく今はメイク道具を…。」
マリンとルナリスが不良達を引きつけている間、ビルトとミレイナは裏口から不良グループアジトへの
潜入に成功していた。そして不良達に見つからないようにメイク道具を探していたのである。
「あ!あった!」
2人はついに発見した。なんとテーブルの様な物の上にメイク道具の入ったケースが置かれていたのだ。

54 :悪魔の遺伝子 635:04/12/09 11:06:05 ID:???
「早く!見つからないウチにこれを…。」
2人はいそいそとケースに近寄った。が、その時だった。
「待ちな…。」
「!!!!」
そこには数人の不良が待ちかまえていた。そしてその不良の集団の中心に立つ、リーダーと思しき大柄な男がケースを手に取ったのだ。
「まさかこんな物の為に取り返しに来るとはな〜…。」
「うう…。」
不敵な笑みを浮かべる不良達とは違い、2人はうろたえていた。しかし、その時2人はマリンに言われた事を思い出していた。
「(自信を持つんだ…、素顔の自分に自信を持つんだ…。)」
2人は震えながらもその様に必死に念じていた。しかし体のふるえは全くと言って良い程止まら無い。
「お前らもバカだよな〜…。わざわざこんな物の為に死にに来るとはよ〜!」
「こんな物がお前らにとってそんなに大切な物かぁ?男のクセに化粧なんかするオカマ君!?」
「アッハッハッハッハッハッ!!」
不良達は2人をバカにするように笑い声をあげた。しかし、2人は恐怖心でその場を動けない。と、その時だ。不良の大柄なリーダーが床にケースを落としたのだ。
「オラ!文句あるなら何か言って見ろよ!こんな物の為にわざわざ来たんだろう?こんなくだらん物の為に…。」
リーダーは2人をあざ笑いながらケースをグリグリと踏みつけた。と、その時2人の目が大きく見開いた直後、下に俯いた。
「ふざけるな…。」
「ハァ?」
不良達はなおもあざ笑っていた。しかし2人は違った。
「それはお前達にとっては確かにくだらん物かもしれない…。しかし…こっちはそれに命賭けてるんだよ…。命賭けてるんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「!!!!!!!」
2人が顔を上げた時、その顔は豹変していた。それまでの覇気など全くない大人しい弱虫の顔では無い、
昼間のゾイドバトルの試合に出ていた時の様な強気で堂々としたチーマーの顔になっていたのだ。
「な…なぁ…ど…どうしたお前ら…。」
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「行くぞど腐れ野郎!!!!」
2人の豹変ぶりに驚いた不良達へ怒りに満ちた2人はそのもの凄い形相のまま跳びかかった。そして2人同時にリーダーの顔面を殴りつけたのだ。

55 :悪魔の遺伝子 636:04/12/09 11:07:38 ID:???
「ふご!!!!」
その時他の不良達は愕然とした。身長は2メートルを超え、体重も100キロは有にあるリーダーが
5メートル以上も吹っ飛んだのだ。ビルトとミレイナの2人はただ顔と性格が豹変しただけでは無かった。その強さも全くと言って良いほど別物であったのだ。
「おらぁ!!!次はどいつだぁ!!!!」
「バリバリだぜぇ!!!」
「な!!何だお前らはぁ!!!」
不良達は2人の豹変に全くワケが分からないまま次々に殴り倒されていった。今の2人は本当に強かった。例え相手が凶器を持っていても全く意にも介していなかったのだ。
「ひ!ば…バケモノ…。」
「こらぁ!!待ていオラァ!!」
顔から鼻血を出しながらもなんとか起き上がったリーダーはケースを大事に抱えたまま逃げ出した。無論その後を2人が追う。
「ハァ!ハァ!何だあいつら…いきなり別人みたいになりやがった…。」
リーダーはそのまま必死になって外に出た。しかし、その直後さらに彼は愕然とした。なんとそこには
倒された不良の山の上に座り込み不敵な笑みを浮かべているマリンとルナリスの姿があったのだ。
「あ〜らボク〜?そんなに急いで何処に行くのかな〜?」
「ひ…ヒィ…。」
リーダーはガクガクブルブルと震えていた。そしてその背後からビルトとミレイナの2人も現れたのだ。
「さあさあ…それ…返してもらおうじゃねーの!」
「じゃないとボッコボコよー!」
「ひ…ヒィィィィィ!!!!!!母ちゃん助けてぇぇぇぇ」
リーダーはそのままケースを放り投げ、泣きながら走り去ってしまった。
「あらら〜…デカイ図体しておきながら本当にだらしない男だな〜…。だがこれで明日の試合はOKだな!」
「ああ!」
マリン&ルナリスとビルト&ミレイナは互いに笑っていた。
「しっかりやれた様だな…。」
「ああ!本当にアンタ等には感謝しているぜい!しかし、試合は別だゼィ!」
「そうそう!本気で行かせてもらうわイエ〜イ!!」
「そ…そりゃ当然だろ…と言うかじゃないと困る…。」
ケースを取り戻せた事に安心したのもつかの間、それまでとは打って代わって強気でチーマーなノリになったビルトとミレイナにマリンとルナリスは唖然と眉を細めていた。

56 :悪魔の遺伝子 637:04/12/09 11:09:21 ID:???
「で…でもさ…貴方達だってやる時は出来るじゃない!メイク無しでも!」
「あ…、そ…そうだった…、俺達メイクしてないの忘れてた〜…。」
「あわわわわ〜…。」
その時それまでとは打って代わってビルトとミレイナはへたり込み、覇気のない弱々しい2人に戻ってしまった。
「あ〜あ〜…、やっぱメイク無しじゃダメなの〜?」
「明日の試合しっかり頼むぜ〜…。」
マリンとルナリスは困った顔をしながらヤレヤレのポーズを取っていた。

その翌日、ゾイドバトルスタジアムでは朝も早くから満員状態となっていた。
『さあさあ!!これよりふたりはゾイキュア対アルティメットチーマーズの試合を開始します!!
実況は例によって私イチロウ=フルタチ、そして解説は新Ziプロレスのシテツ=ヤマモトさんでお送りいたします!!』
『よろしくお願いします!』
「やっぱりこのチーム名で決定見たいに言われてるし…。」
「つーかゾイキュアの意味少しくらい教えてくれよ…。」
控え室に置かれたテレビを通してフルタチとヤマモトの話を聞いていたマリンとルナリスは早くも
テンションが下がっていた。が、これから試合と言う事もあり、何とか立ち上がり部屋を後にするのだった。
「と…とにかく行きましょう…。」
「あ…ああ…。」

『それでは出場選手&ゾイドの入場です。まずはゾイドバトルに新風を巻き起こすチーマー系Ziファイターチーム!アルティメットチーマーズの入場です!!』
『アルティメットチーマーズと言えば先日の試合においてゴジュラスとアイアンコングを同時に
振り回すと言う大暴れを見せてくれました。今回も一体どんな活躍を見せてくれるのでしょうか!』
その様なアナウンスが響き渡ると同時にゲートが開き、アルティメットチーマーズのダークスパイナー、そしてキラードームが観客の拍手を浴びながら意気揚々と入場してきていた。

57 :鉄獣28号:04/12/09 11:23:16 ID:???
済みません正直に白状いたします。この二人の元ネタはダッ○○四○郎に出てくるパン○ローだったりします・・・orz

>>恐怖の亀裂作者さん
中に石化させる剣の入った金槌怖ぇぇぇぇ
にしても、伝説の剣が何か岩に刺さっていて、選ばれた者しか抜けないと言うのは
よくある話で、かつそういう時は無理に抜こうとせずに回りの石を削ればいいんじゃないの?
と言うツッコミもあったりしますが、それをまさに実践したと言う感じですね。

58 :恐怖の亀裂 715:04/12/10 04:16:55 ID:???
何方かと言うと押している様に見えるベルゼンラーヴェだがコクピット内が更なる戦場と化している。
周囲は配線の断線で周囲の壁には電気が走り回っている。断線時の予備機構としてコクピットの壁面を通り道に流用できるからだが走っている電気が撥ねて体に当たったりするので集中力が削がれる。
その上極小規模の火災と断線時のバイパス操作をミスって発生したエラー等ととても操縦だけに集中する事ができない状況だったりする。
パンチの接触時を狙ってハンドコンソールでエラー処理を続けるファイン。ベルウッドは断線箇所の補修とエラー処理。出撃前に何とか取り返したアサガオライガーは消化作業と忙しく動き回っている。
実の所それが災いしてザイデルに対しての攻撃自体にクリーンヒットは無く距離を開けようとするザイデルに必死に纏わり付いている戦況だ。

「しぶとい!だがっ!」エクスカリバーが大地に降りろされる。足元から吹き飛ばせば距離が開くとザイデルは考えたのだろう。だがその認識は甘かった。
それと同時にその動きを察知したベルゼンラーヴェはザイデルの後方に素早く回り込みがっちりと背中から脇を通してザイデルを羽交い締めにする。
その際背の大剣型ブースターのバックファイアに当たらない位置に機体を潜り込ませてある。当然…「おのれ!離さんか!鬱陶しいっ!」
ブースターを吹かして空中に飛び振り落とそうとする。「掛かった!でいっ!」ファインは脚部のアーバレストを左回転に成る様に調節して使用した。

各々が出力が不安定かつちぐはぐなので直に左回転を始め不安定な上昇を始める。アーバレストを止め今度はベクトルを揃えて最大出力で使用する。それと同時にベルウッドは「グラビティ1!ボトム!」重力操作術式をコクピット使用する。
対称の下の向きに重力を固定する事で空中で起こり得るトラブルを排除する。特に血流の変化による症状レッドアウトとブラックアウトは致命的な物になる。今回の攻撃では必ず何方かが発生するので予備策を予め執る算段だ。
ついでに遠心力の効果も同様に打ち消すので同じく目が回ると言う事も無い。ベルゼンラーヴェの足の向きを変える事で上昇していた機体は一気に下降を始めて重力加速と推力による地表への激突に到る。
羽交い締めの関係上ダメージはザイデルの頭部に集中しその衝撃が波及する前に逃げるベルゼンラーヴェ。

59 :恐怖の亀裂 716:04/12/10 06:00:54 ID:???
衝突まで待ちそれを確認後に逃げる…当然完全にダメージを防げる訳では無くベルゼンラーヴェの関節各部から負荷による放電が起こっている。
だがそれで終わりにする訳が無い。少ないチャンスをものにする事が生き残る為に最も必用な事。運の良い人間は無意識の内にものにしている事だが大半の者は自力で何とかしなければならない。
直に空中にジャンプしザイデルの居る方向へ最高速での飛び蹴りを決めて間合いを開ける。

「…知らない様でルールという物を知っているな。」ザイデルは首の辺りを摩りながら立ち上がる。あれだけの事をしてその程度のダメージしか与えてないのかとファイン達はげんなりする。
ザイデルの言うルールとはダウンと見なされる行為が成されてなければ問答無用で攻撃ができるピットファイト寄りの物らしい。”動き続ける者はダウンと認めない”以外は略ルール無用に見える。
「関節技やらの類は跳び付いてと言う事でありましょうか…?(汗)」ザイデル相手に組み付きからの関節技はまず無理だ。その姿を見ると関節部が異様に膨れているので掛ける意味すらない。
押し倒してなら何とかというレベルなのでもう手の内から関節に対する攻撃は締める物では無く打撃等の攻撃に絞る事にする。

相手があんな致命的な武器を使っているのだからとファインは整備班長特製の武器を使用する。腰部の収束砲身が射出され微妙な位置に停滞する。それはリレーワイヤーでベルゼンラーヴェに繋がれている。
「細工物か?受けて立とう!」正々堂々のザイデル。対して思い切り後ろ向きなベルゼンラーヴェ。見た目も凶悪なので何方が悪者かはぱっと見初めてで解る人間はいないだろう。
ついでに答えは何が如何あれ何方も悪者なので白黒では無く黒々だ。リレーワイヤーのリレー部分には例の殻の裏面が有り次のリレーワイヤーの方向にレーザーを屈折させる様に調整されている。

ベルゼンラーヴェの攻撃が始まる。リレーワイヤーに添って強力なレーザーが収束砲身に注ぎ込まれると約3倍程に密度が上った状態で発砲される。
それだけでは無く回避行動を阻害する様に収束砲身を移動させ包囲照射を敢行するその数は4機。「ぬおうっ!?」シールドの発生が収まっている事もありダメージを受けるザイデル。
急遽シールドを再発生させるがそれまでの間に体には浅いが治療修復に時間の掛かる火傷跡が残る。

60 :恐怖の亀裂 717:04/12/10 07:01:16 ID:???
間髪入れずクレセントレールビームガンを発射する。整備班長特製リフレクションレーザーポッドの攻撃もそのまま続ける。
今回は相手を動けないようにしてからの攻撃なので外す事は無い。シールド自体の出力は如何やらエクスカリバーの石化の力を応用した物らしく堅牢な防御力を誇る。
「がぁっ!」ザイデルは呪殺術式を行使してファイン本人を狙う。

「っ!?来ましたねっ!」最もイメージし易い姿の死神が3人ファインの周囲を旋回している。片手に鎌を持ち開いている方は青い火のカンテラを持ち揺らしている。
そして…「今死ぬと出血大サービス!指定した他の奴等も道連れにしてあげるよ!さあ死んだ死んだ!死ぬなら今がチャンスだよっ!」お前等はサービス商品のセールスマンか?と思わせる御誘い。
はっきり言って死んだ時にこいつ等に連れて行かれると思うと不安に思ってしまう。そこで「貴方達は本当に死神でありますかぁ?証拠が欲しいのでありますが?」突然ぶっきらぼうに言ってみる。
すると「「「何を言いますかっ!こう見えても私達は”死神三羽烏”と呼ばれる程の手練ですよ?」」」胸を張って3人同時に言う。それを聞いていて正直に「「こいつ等は…馬鹿だ!」」と思うファインとベルウッド。
「なら証拠を見せて頂きたいのでありますが?如何ですか?……と言う事で?」ファインが3人の死神に提案すると「「「合点承知!!!」」」勇んで何処かに行ってしまう。
「お主…仮にも神に何を吹き込んだ?」ベルウッドが聞くと「実は…。」

「ぬおうっ!?おのれ!あの男目っ!!!うわっ!?」声の主はヴィゾールの剣。死神三羽烏は証拠を見せろとファインに言われサービスの方を先に行うと言う本末転倒な事をしている状況である。
馬鹿は馬鹿でもホームラン級の馬鹿だったらしい。しかし彼等は人間専用の死神だったらしく惜しくも約束は果たせなかった様だ。「おのれファイン!許すまじ〜〜〜〜!」
何とか死神を退けヴィゾールの剣は復讐を誓うのであった…。

その顛末をザイデルは見ていてこう言う。「お主も中々の悪よのう?」その言葉に反射的に「いえいえ御代官様こそ…。」何かのお約束が交わされて戦闘が再開する。
「…恐るべし人間よ。我の術で他の者を消そうとするとは。」悪知恵の働くファインに支配力や拘束力が無い死神の招喚は無駄だった様だ。

61 :恐怖の亀裂の作者:04/12/10 09:08:31 ID:???
鉄獣28号さんへ

遂に対決…如何なるのか?
ゾイキュアの意味を知る事は出来るのか?とこっちの方も気になりますw

62 :悪魔の遺伝子 638:04/12/10 09:17:24 ID:???
「いよっしゃぁ!!!テンション120%!!バリバリ行くぜぇ!!」
「イエ〜イ!!!」
今日のビルトとミレイナの2人は準備は万全と言わんばかりの凄いメイクが施されていた。そしてそのメイクによって自信を付けている2人は本当に強気で堂々としていた。
『それでは続いて対戦相手のふたりはゾイキュアの入場です!!』
もう一方のゲートが開くと同時にカンウとハーデスが入場してくるのであるが、その直後皆は拍子抜け
してしまった。なんとカンウとハーデスはもはや各々の特長とも言える物となっていた各強化パーツのほとんどを外した状態で入場して来たのだ。
『おおおおっとぉ!!これはどうした事でしょうかぁ!!!カンウとハーデスがほとんど丸腰デフォルトの状態で入場しております!!』
『もしかしてパーツを装備する時間が無かったのでしょうか?』
「お…オイオイ…。」
「どうしたのよこれは…。」
前述の通り皆は本当に拍子抜けしていた。カンウは今や特長の一つともなっていた背中のMBユニット
やマグネッサー3Dレーダー、そして4つのゾイドコアブロックと飛燕の翼、肩に装備していた月甲の
装甲、挙げ句の果てには、本来対小型機用として頭部側面に装備していたミサイルランチャーや胸部
側面の70ミリマシンキャノンまでオミットしており、辛うじて残っている物と言えば、キャノピーと
脚部に装備した集光パネルに、腕に装備していた凱龍輝の集光パネル付き尾部装甲くらいである。
背中には何やら見慣れぬ物が装備されている様子であったが・・・、そして一方ハーデスもやはり
ステータスの一つとも言える物になっていたダブルウィングスラスターとテラティックレールライフルを外していたのだ。
『こ…これは一体どういう事でしょうか?何故強化パーツを外しているのでしょうか?』
フルタチの皆の気持ちを代弁したこの言葉に対し、マリンはこのように答えた。
「まあ何というかね、私達、初心に返ってみようって気になったのよ…。」
『初心…ですか?』
「そう!初心!最近はこういう色々な強化パーツに頼りガチになってる所あったからね、あえて
そう言うのを外して、そのゾイドが持つ基本能力で勝負って言うのに立ち返ってみようと考えた訳よ!」

63 :悪魔の遺伝子 639:04/12/10 09:18:57 ID:???
「これは私達自身へ渇を入れる意味もあるな!あまりパーツに頼りすぎると足下すくわれるなんて
パターンなんかもあったりするし!(まあミライロさんの作ったダブルウィングスラスターを外すのは正直名残惜しかったが…。)」
『そ…そうなのですか…。』
フルタチ等は唖然としていたが。装備を外して心機一転したカンウとハーデスは自らの爪と爪同士を
ガンガンとぶつけ合って気合いを入れていた。ちなみに外されたMBユニットなどのパーツは何処へ
行ったのかと言うと、ゾイドバトル委員会によって運営されるパーツバンクに預けられていたのである。
“パーツバンク”とはその名の通りパーツの銀行であり、Ziファイターやその他の人々の持つゾイドのパーツ等を預かり、管理してくれる所なのである。
「お…オイオイ…。マジかよ〜!」
「テンション下がっちゃうわ〜ん!」
何故パーツを外していたのかと言う説明を聞いても、ビルトとミレイナの2人は納得がいかなかった。
確かにそれまで装備されていたパーツを外し、ほとんどデフォルトに近い状態で戦う事は、マリンと
ルナリス本人にその気は無くとも、ビルトとミレイナにとってはバカにされているも同然だったからだ。
「まあ良い!!ならば俺達が奴等をパパーンっと倒してぇ!!そんな事では勝てないぞって所を見せてやろうじゃんかぁ!!!」
「同感だよイエーイ!!!!」
その様に自分を奮い立たせる意味を込めて2人で盛り上がるビルトとミレイナであったが、マリンとルナリスはそんな2人の姿を見て唖然としていた。
「や…やっぱあのメイク怖い…。」
「私だって怖いよ…。あんな近寄りがたい…いや近寄りたくないメイクしてる奴と闘うのは嫌だ…。」
と、その様にテンションが高いんだか低いんだが良く分からない展開となっていたが、試合開始のゴングと共に両者の試合が開始された。
『さあ!!ゴングと共にふたりはゾイキュア対アルティメットチーマーズの試合が始まりましたぁ!!!』
『驚異の合体ゾイドに対し、ほとんどの武装を外したほぼデフェルトの状態で挑むふたりはゾイキュア!一体どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!』
と、その時だ。試合開始早々ハーデスが後ろに下がったのだ。それにはまたも皆拍子抜けした。

64 :悪魔の遺伝子 640:04/12/10 09:22:47 ID:???
「お…オイオイ…そりゃどういう事ジャン!!?」
「そうそう!またテンション下がっちゃうわん!!」
その様に愚痴る2人であったが、マリンはこう答えた。
「でもさ、貴方達2人の乗るゾイドはそれぞれ別々の2機のゾイドだけど、合体したら1機になるじゃない…。なら私達も1対1で戦おう、そう考えたのよ。」
『お!!おおおお!!!何という事でしょうか!!相手と同じ条件で戦おうというスポーツマンシップにあふれた精神!!これは感動します!!』
『素晴らしい!素晴らしいですよ!』
フルタチとヤマモトはマリンの言葉に感動していたが、マリンとルナリスの考えは別の所にあった。
あえて1対1で臨む事も、パーツを外した事同様に自らに渇を入れ、己を鍛える為であったのだ。
「ま・・・まあ良い・・・。ならば早いところお遊びはそこまでにしとけって思い知らせ!片割れのデスザウラーを引きずり出してやろうじゃねーかイエ〜イ!!」
「バリバリ行くワヨ〜!!」
ビルトとミレイナの二人はなおも高いテンションのままそれぞれあるボタンを押していた。と、その時
ビルトの搭乗するダークスパイナーの背中に装備されたジャミングブレードが外れ、後ろに下がったのだ。
「よし!!こちら“ジャクシンガル”の準備は完了したぜイエ〜イ!!」
「ならばこっちも行くよベイベー!!“キルベリアン”発進!!」
その様な号令と共にミレイナのキラードームがブースターをふかして飛び上がり、ダークスパイナーの
背中へ接続される形でドッキングしたのだった。そして彼等の会話から察するに“ジャクシンガル”
とはビルトのダークスパイナーの愛称、“キルベリアン”がキラードームの愛称の様である。
「合体完了!!!合体ジャクシンガルだぜイエ〜イ!!!!」
「うう・・・、やっぱりこのノリには付いて行けん・・・。」
勝手に盛り上がるビルト&ミレイナにマリンとルナリスは近寄りたくない思いで繭を細めていた。
しかし、目の前のキラースパイナー=“合体ジャクシンガル”の出力はZiユニゾンシステムにより、
出力が合体前の数倍になっているという、それまで彼女等の知っていたキラースパイナーとは比べ物に
ならない力を持っており、それがさらにハイテンションなビルト&ミレイナとの精神リンクによりその性能は想像を絶する物となっていたのだ。

65 :悪魔の遺伝子 641:04/12/10 09:24:38 ID:???
「おいマリン気を付けろよ!!アイツ等見掛けはチャラチャラギャーギャーふざけてる様に見えるが半端じゃねー事は確かだぞ!!」
「わかってるよ・・・。」
マリンは一度深呼吸してどうにか自らを落ち着かせ、カンウ共々構えを取った。
「(あいつ等のあのチーマー的な凄い格好やメイクノリはただ自らの自信を付けさせる為だけの
物じゃない・・・、あれは恐らく今の私達が思っていた様に相手を威圧すると言う意味も込められいるのだと思う・・・。ならば・・・、気落ちしたら負けよ!)」
マリンは真剣な顔になっていた。しかしビルト&ミレイナは違った。二人はなおもハイテンションのまま合体ジャクシンガルのガトリング砲を向けたのだ。
「行くぜベイベー!!後で泣きを見ても知らねーぜイェ〜イ!!」
「キャハハハハハ!!落ちちゃいなよぉ!!!」
「く!!」
合体ジャクシンガルのガトリング砲は弾丸の射出速度や威力も遥かにパワーアップしており、並みの
攻撃ではビクともしないはずのカンウの装甲を削り取っていた。カンウも思わず片膝を付く。
「うわ〜・・・なんつー威力でしょこれは・・・。」
『これは凄い凄い!!!!単なるガトリング砲ですら凄い威力です!!』
『改めてZiユニゾンシステムの恐ろしさを実感させてくれますね!』
「合体ジャクシンガルのガトリング攻撃に耐えるなんてぇ!!やはり頑丈さが取り柄の様だねぇ!!しかし!!いつまで耐えられるかなイエ〜イ!!!」
合体ジャクシンガルはまたもガトリング砲一斉射を開始した。カンウは慌てて横に跳んでかわすが、合体ジャクシンガルもガトリング砲を連射しながら旋回してカンウを追尾する。
「キャァ!!もうなんっつー連撃よこれ!!」
「どうだぁ!!近寄る事も出来んだろう!!?確かに格闘戦に持ち込まれればお前のギガの方がまだ有利かもしれんが、出来るかなぁ!!?」
「キャハハハハハ!!無理無理!!己を鍛えるとか言って火器を外したのが裏目に出ちゃったねぇ〜!!」
ビルト&ミレイナはなおもハイテンションのまま矢継ぎ早の攻撃を続けた。確かに全ての火器を外した
今のカンウは格闘戦しか出来ず、今の接近できない状況では砲撃から逃げ回る事しか出来なかった。
ましてや合体ジャクシンガルのガトリング砲は実弾兵器であり、Eシールドも集光パネルも意味が無いのである。

66 :鉄獣28号:04/12/10 09:37:53 ID:???
ここで一度ニュートラルに近い状態に戻してみたのですが、これが後々思わぬ方向に・・・

>>恐怖の亀裂作者さん
戦いは戦場で起こってるんじゃない!!コックピット内で起こってるんだ!!
って感じでしょうか?何か色々大変そう・・・。
それとお代官様の下りは笑いました。

67 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/10 16:00:58 ID:???
前スレが昇天しましたよ

68 :恐怖の亀裂 718:04/12/11 08:01:04 ID:???
チクチク攻めても埒が開かないという事でベルゼンラーヴェは距離を取りカラミティシャドウを撃つ。
火球がザイデルに着弾し劫火にその身を包み込む。一発で倒せる訳では無いがシールドを多少でも削れれば良いと効果の程を確認してみる事にした様だ。
「…変化無し。一発では無駄玉でありましたか…?あれは?」シールドは微妙にではあるが削る事ができていたらしい。
だが直にエクスカリバーから流れ出る石化の力を帯びた荷電粒子がそれを補う。効いていないと言うよりシールドの回復力が異常だったのだ。

元々あの大槌を構成する程の岩盤を結集させる程の力を持つエクスカリバーの力シールドを構成する粒子1つにしても相当の防御力を誇る。
呪殺系の術が効かないと解るやザイデルの使用する術式は降魔陣の招喚に切り替わる。降臨した魔法陣より一定時間別の術式を乱射させる強力な術式だ。
魔法陣から高圧縮された闇が吐き出される。威力こそ違えどこれはアビサルストライクだ。存在し得ない物を物理的に顕現させるこの手の物は衝突時に純粋な物理エネルギーに分解されて各々の効果を目標にダメージとして与える物だ。
それ故エントヴァイエンが放った物は周囲が放電現象を起こしていた。例に漏れずザイデルの物も周囲に放電現象を起している。

人間とは違う者で有る為魔法陣は一気に数個出現する。生命体としての差と言う物だろう。今度は逆に攻められる側に成るベルゼンラーヴェ。
普通の射撃なら軸をずらすだけで充分回避できるが厄介な事に或る種の波動のレーザー等は可視光線の辺り具合で屈折する為結果として多少の追尾性を持つ物が在る。
理論とすれば狙った目標から反射する可視光線を通り道にするらしいとの調べだが避けれる事からそれは完全ではないらしい。まあそれは置いておいても同じ理論で飛んで来るのだから溜まった物では無い。
少々の回避では充分軌道修正できるらしく本当に追尾してくるアビサルストライク。速度が遅いのが更に問題になる。

「やられた…逃げ道が無いでありますね。」余りにゆっくりな速度は高速で移動できる存在にとってはそれこそ”壁”になる。しかもそれは爆弾付きの爆裂壁。
動きに制限が掛けられ更に効果持続中は切れ目無しに蛇の様に動くアビサルストライクの闇。その密度が増えてベルゼンラーヴェのサイズでは抜けられなくなっていた。

69 :恐怖の亀裂 719:04/12/11 09:10:37 ID:???
「あ〜〜面倒でありますね。勿体ないですがいきましょう!」ベルゼンラーヴェはニュークリアインフェルノの発動準備を済ませる。
「お〜〜!忘れておった!主よ!たしかエネルギーバイパスを繋ぐ事ができたから一定時間置けば使用回数制限は一応無くなっておるぞ!限度は変わらんがな。」
ベルウッドが突然思い出した様に言う。無知なる事は悲しき事生死を分けるこんな所で貧乏性を露呈してしまうファイン。
「そう言う事は先に教えて貰いたいものでありますが…?」それに「何を言うか!何も聞かなかったであろう!それに…お約束だ!我慢せい!」
”お約束”の一言であっさり非難を切り抜けられてしまった。

先ずは正面の闇同士が接触したのを見計らいニュークリアインフェルノを叩き込む。アビサルストライクへの接触も有るのでベルゼンラーヴェもダメージを受けるが相手は消えるので交換率は悪くない。
正面の次は背後に迫る者。今回は相手が”闇”という存在が確定してない虚数存在。実数のニュークリアインフェルノの物理反応に押し潰される様に消滅する。陰と陽に分かれる対存在同士の接触はお互いの消滅で幕を閉じる。
今回も例外は無く発動最終段階を迎える事無くアビサルストライクと共にニュークリアインフェルノは消滅する。

「…闇を持つ物が!陰を持つ物が陽を!光を操るだとっ!」ザイデルは驚きを隠せない様だ。「空け下級悪魔が!古来より魔術師の杖たる魔導機は力の道標!力の性質を望む物に変える存在だっ!」
懇切丁寧に罵りながらの講釈が耳に染みるファイン。対照的に術者との戦闘に不慣れなザイデルは明白にすっぱい顔をしている。まあ2人掛かりプラス使用する術に穴らしき物が無いのだからしょうがない。
ベルウッドが作ったその隙を逃す程運は良くないファインはそれに漬け込み「ウェイブレイダー!!!」ウェイブレイダーを左手に構えて3発撃つ。その弾丸はアビサルストライクを吐き出す魔法陣を全て打ち砕く。
まだまだ後手に回ってはいるが少しづつ状況は明るくなりつつある。後はザイデルの手の内を全て知る事さえできれば良いのだが…。

如何見ても余裕がまだ有るザイデル。手傷を負ったもののそれ以降のダメージは無いのでゆっくりとだが確実に傷は塞がっていく。
一撃でシールドを打ち破りその上ダメージを与える事ができれば状況は変わる。

70 :恐怖の亀裂の作者:04/12/11 09:28:07 ID:???
鉄獣28号さんへ

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 丸腰!丸腰!丸腰!
 ⊂彡
何時かは成ってしまう丸腰状態挑む勇気はあの2人届く?

71 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/11 14:12:15 ID:???
「え? こっちにお迎えが来る? …う〜ん、困ったなぁ」
 口にする言葉と裏腹に、ジークフリートの顔は明るい。
 その部屋は、既に地上の大部分が廃墟と化したマウントアーサ要塞遺跡の一室だった。
「…じゃあ、迎え撃つ準備でもしとくよ」
 軽薄な口調で言う彼に、通信機の向こうにいる相手は不機嫌そうな声を出す。
<お前があの子供に負けるとは毛頭思わんが…例の“天使”もそちらに向かうとの事だ>
 その言葉を聞いて初めて、ジークフリートの顔が曇った。
 これまでも、活動を始めた頃から「彼女」は騎士達の邪魔をしてきた。“剣”の力を封じてしまう
相手に対しては、流石の騎士もあまりに分が悪かったのだ。
「けど、今回はこっちの準備も万全だ…僕が仕留めてやるよ、“天使”リニア=レインフォード」
 暗い笑み。人間であれば成人したばかりの頃かと思わせる端正な顔に、不自然な歪みは浮いて見えた。

「今直ぐ行く!? …馬鹿だな、お前はまだ騎士に勝てない」
「でも、今直ぐに行かなければ奴に逃げられてしまう!」
 実力の差を知るリニアと、焦るオリバーの言い合い。狭いデイビッドの部屋では、
二人の声は余計に大きく聞こえた。
「奴らの使っている前哨基地の情報が手に入っただけでも充分な収穫だ! …お前を、死なせたくはない」
 最後の一言に、オリバーは返す言葉を失う。――そんな言い方は卑怯だ。
 黙りこむオリバーに、リニアはただ一言「帰るぞ」と言う。だが、彼はここで退く気などさらさら無い。
 ――師匠が俺を止めるのなら…気付かれないようにやるだけの事だ。

 先日の襲撃で看板が吹き飛んだTASHIROの屋根裏で、オリバーはただ耳を澄まして階下の音を聞いていた。
 リニアが自分の部屋に入り、眠りに就いた所でここを脱け出す。目指す先はただ一箇所だ。
 ――別れ際に彼の事を心配そうな顔で見ていたエルフリーデは、もしかしたら全てを見越していたのかもしれない。
オリバーはきっと一人でも敵に挑むと。彼のプライドの高さを、最も身近に知る者だったから。
 もしマキシミンが生きていたのなら――そんな考えを、オリバーは捨てきれない。
きっと、店の外で彼と待ち合わせて一緒にマウントアーサへ向かってくれただろう。示し合わせたように、
二人していたずらっぽい視線を交わして。

72 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/11 14:16:53 ID:???
 だが、マキシミン=ブラッドベインは彼と待ち合わせてもいなければ、店の外で彼を待ってもいない。
 死んでいるのだ。
「よし、師匠は寝たな」
 注意深く、階段が軋まぬ様に一階へ降りるオリバー。裏口のドアを開け、愛機を起動する。
 イクスのドラムコンデンサーが低い唸りを立てて動き出した。ゾイドに乗ってしまえば
リニアが起きても逃げ遂せる事ができる。
 しかし彼女は目を覚まさなかった。初めて他人に語った自らの過去を、暗い夢の中で振り返っていたからだ。
 イクスが荒野へと走り出る。すると、どこかで見た覚えのある機体が彼を待ち構えていた。
 紫と暗い緑、濃紺に身を染めて闇に紛れていた機体はゴジュラスギガ。そして、その後ろには3機のフューラータイプが
付き従っている。3機はそれぞれが違うアーマーユニットを装備していた。
「やはり、俺の勘は正しかったな」
 その声が、濃紺のギガの正体をオリバーの記憶から引っ張り出した。2年前の戦いでルガールに手を貸した、
あのギガだ。まさか、この声の持ち主があのギガのパイロットだったとは。
「…オレーグ=カーティス。俺にまだ何か用があるのか?」
「ああ、ある。騎士の居場所をオタクから聞いたのだろう? 我々も、同行させてもらう」
 柔らかい月明かりを背に、オレーグのギガは殺気を発していない事が一目で解った。少なくとも、敵ではない。
「復讐…の、為か?」
「フッ、お前とて同じだろう」
 どちらからとも無く、5人の復讐者は一列に並んで広大な荒地を走り始めた。

「ん、んん〜…僕の読みは正しかったようですねぇ」
 遥か遠くから超長距離スコープでオリバーたちを監視する者。それはデッドボーダー初号機を駆る
ヴォルフガングと、ノートパソコンに何か熱心にデータを打ち込むシュバルツバルトだった。
「彼ら、マウントアーサに向かってますね〜。…お尋ね者が一気に4人も追加されて、全く幸運」
 既にヴォルフガングは勝ったつもりでいる。当然かもしれない。機体の性能と彼の腕を考えれば、
円卓の騎士といえどそう勝てるものではないはずだ。

73 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/11 14:21:28 ID:???
 それでも、シュバルツバルトは一抹の不安を拭いきれずにいた。
「あの化物が、いくらなんでもそう簡単に倒されるだろうか?」
 考えても解らない。やがてオリバー達が充分に距離を離し、ヴォルフガングがスコープをしまう。
「…出撃です。今日こそ、『人間の失敗作』を退治しましょう」
 溜め息をつき、シュバルツバルトはノートパソコンを畳んだ。
 ――どうしてこの男の言葉は、いちいち癇に障るのだろう?

 夜明けまでにはまだ3時間近くもある。オリバー達は、明るくなる前に要塞へ突入し
一気に勝負を決めようと考えた。
 近付いてみると、随分風化が進んだとは言えマウントアーサはまだまだその巨大さを失っていない。この要塞の
どこに敵がいるのかなど、考えても解らないだろう。
「さぁて、魔王の城にご到着…って訳だな?」
「ここはまだ『城』じゃねえよ。せいぜい前線基地ってとこだな」
 オリバーのイクスとオレーグのギガを先頭に、5機のゾイドが基地のメインゲートをくぐって
内部に入り込む。最初に見えた場所は、砂だらけで今にも崩れそうだが広大な格納庫だった。
「なるほど、基地に敵襲があったときは直接出られるって訳か。…ま、奇襲を掛けられた時にゃお手上げだがな」
 突然オレーグが「おい!」と通信機に呼びかけ、シュトゥルムユニットを装備した機体のパイロットが「はっ」と応じる。
「イフリート、先頭を代わって壁をぶっ壊せ。どうせ地上部分にいる訳がないんだ――探すなら、地下だ」
「了解、ボス」
 赤みがかったシュトゥルムが前に出た。エクスブレイカーが一閃し、格納庫の壁が崩れ落ちる。その向こうには
どうやら人間が通る為らしい通路があり、ゾイドが通れる場所ではないように思えた。
 しかし、イフリートがもう一度壁を破壊すると――細い通路の向こうに、もう一つの格納庫が見える。
「どうしてか知らないが、通路一つ隔てて格納庫があるなんて情報は地図に無いんだよなァ…
隠蔽されるような区画。要するにそこは、よっぽど大事な物があるって事だ」
 壁の大穴を通り、5機のゾイドが奥の格納庫に踏み込む。そこは壁も劣化しておらず、
埃だらけのクレーンなどがぶら下がっていない代わりに、部屋の中央には巨大な円形テーブルのような物があった。

74 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/11 14:34:43 ID:???
「これは…何か彫ってあるな。…『KNIGHTS OF ROUND』」
「円卓の騎士が彫りやがったのか。決まりだな、ここに奴らのうち一人は居る」
 円形のテーブル。まさしくそれは、「円卓」と呼ぶに相応しい物だった。
 そしてその巨大な円卓が、オリバー達の目の前でゆっくりと床に沈み始めた。
 ――否、床を通り越して地下へと沈み込んでいく。
「こいつは驚いた、この円卓が超巨大エレベーターって訳か!」
「奴ら、やっぱり地下にいると言う事だな。要塞の地下部分は殆ど劣化が進まず、
昔のままの姿を保っているとも聞く」
 10mほどの落差から、5機のゾイドが回転する円卓の上に降り立つ。これだけの衝撃を受けても、
エレベーターが止まる事は無かった。
 回転しながら下降を続ける円卓。5分もする頃には、要塞の地下へ続く入り口が見え始める。
「よし、わざわざドアが開くまで待っててやる義理は無い――イフリート、斬れ!」
 再び閃くエクスブレイカー。エレベーターの一角ごと扉が切り落とされ、通路が開かれる。
 5機のゾイドは勢いよくその通路を走り出した。

「ふ〜ん…? “天使”は来ないのか。まあ、余計な客は増えたみたいだけど…」
 要塞内監視カメラの映像を見つつ、ジークフリートは何かのスイッチをぱちぱちと入れていく。
「じゃ、力試しって事で…」
 ジークフリートの入れたスイッチは、要塞防衛用のスリーパーゾイド(無人機)を起動する物だった。すぐに
モニターの中でも、ギガやイクスと無人機の大群が格闘を始める。
「まったく、“天使”が来ないんじゃわざわざ仕掛けておいたトラップも意味が無いよ」
 残念そうな口調と逆に、ジークフリートの顔は終始楽しそうだった。
「この程度のゾイドを突破して来れないようじゃ、面白くないからね…」

 イクスが狭い通路を走り抜け、カッターフェアリングが数機のガイサックを吹き飛ばす。しかし
通路を埋め尽くす無人の小型ゾイドはあまりに数が多く、このまま格闘戦を続けては日が暮れてしまうだろう。

75 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/11 14:55:56 ID:???
「おい、ちょっと退きな!」
 クラッシャーテイルで今しも5機のゾイドを葬ったオレーグから、唐突に通信が入る。
「何をする気だ?」
「まあ見とけって。滅多に見られない、コイツの最終兵器さ」
 ゴジュラスギガが前傾姿勢をとる。追撃モードとも違い、頭部から尾までが一直線に伸びた姿勢。
 そしてその巨大な口に、青白い光が集束し始めた。
「…おいおい、嘘だろ?」
 オリバーはその射線上から飛び退きつつ、冷や汗が垂れるのを感じた。
 ――聞いた事が無い。つーか、ゴジュラスギガに荷電粒子砲って…。
 放たれた荷電粒子の奔流は狭い通路の幅いっぱいに広がり、その機体より前にいた者全てを焼き尽くして
奥の暗がりへと駆け抜けていく。
 地の底から響く轟音と共に、マウントアーサ要塞が振動した。
「ハァ…雑魚を纏めて吹っ飛ばすってのは、ある意味での快感だねェ〜〜」
 壁面が大きく削り取られて少し広くなった通路には、僅かなスリーパーゾイドが残るだけ。3機のフューラーが
瞬く間にそれらを片付けると、オレーグのギガは発射態勢を解いて歩き出す。
「さーて、邪魔者の掃除は完了した! ウォーミングアップには多少物足りないが、
これ以上増える前にさっさと進もうではないか」
 前を平然と走っていく4機を目に、取り残されたように動けないオリバーはただ見せ付けられた力に愕然とする。
 ――これほどまでに…自分の知らない所に、強力な力は存在していたのだ。
 この大破壊も当然の事といわんばかりに平然と歩むオレーグ達。オリバーの身体が、自然と震えていた。
「ふ、ふふ…凄いじゃねーか」
 この震えは恐怖から来るものではない。言うなれば、ある種の「武者震い」である。
 いつか自分も、本当の強さを手にする。誰にも負けない強さを――。
「おい、どうした? 駆動系に異常でもあったか?」
 歩き出さないオリバーに、オレーグが声を掛ける。「なんでもない」と早口に答え、彼はイクスを走らせた。

76 :悪魔の遺伝子 642:04/12/11 17:31:40 ID:???
「どうだどうだぁ!!いつまで逃げ回れるかなぁベイベー!!?」
「キャハハハハ!!!!もう一度ギブアップして、武装を再装着してから再挑戦したらぁ!!?」
と、その時だった。それまでガトリング砲から逃げ回っていたカンウが突如として動きを止めたのだ。
『おおおっと!!これはどうした事でしょうか!!カンウがガトリング砲から逃げるのをやめたぁ!!』
『かといってギブアップシグナルも出してはおりません。何かするつもりなのでしょうか?』
「無理無理!この状況で何かする事なんて絶対無理だぜイェ〜イ!!」
「そうそう!!大方ヤケクソにでもなったんでしょう?」
ビルトとミレイナはやはりハイテンションのまま笑い続けていた。が、マリンの方もニヤリと笑みを浮かべたのだ。
「まあ確かに今のカンウは丸腰だから距離を取られると流石に辛い・・・。けど、武器の代りと言っては何ですが、こんな物はどうでっしゃろ!」
今まで誰も気にも留めてはいなかったが、カンウの背中には砲身を取っ払ったバスターキャノンの様な物が逆向きに付けられていたのだ。
『あ・・・あれは一体何でしょうか・・・?逆向きに取り付けられているのでは後ろにしか攻撃出来ませんよ!』
『う〜ん・・・、こればかりは流石の私も分かりませんよ・・・。』
フルタチとヤマモトはカンウの背中の装備にサッパリ訳が分からないと言う様子であったが、ビルトとミレイナはなおも笑っていた。
「オイオイオイ!そりゃ一体何のつもりだいベイベー!!」
「そうそう、そんな逆向きに付けてちゃ攻撃なんて出来ないよ〜!キャハハハハ!!」
「いや、これは確かにバスターキャノンに似てるけど別に武器なんかじゃないよ・・・。」
「え?」
マリンの一言に皆は一瞬疑問深そうな顔になり、黙り込んだ。と、その時カンウの背中に装備された
2つの逆向きに取り付けられた砲身無しバスターキャノンが火を噴いたのだ。
「これは武器なんかじゃない!強いて言うなら“バスターロケット”だよぉぉぉぉ!!!!」
「お・・・おおおおおおおおおおお!!!!!!?」
なんとバスターキャノンに様に見えたそれはロケットブースターであったのだ。そしてそのバスターロケットの推力によりカンウは物凄い勢いで飛び上がった。

77 :悪魔の遺伝子 643:04/12/11 17:33:00 ID:???
『なんとなんとなんとぉ!!カンウが飛び上がりましたぁ!!今度はカンウが飛ぶ番かぁ!!?』
『しかし、装備に頼らないと言っておきながらこんな事をしても良いのでしょうか・・・。なんか矛盾しているような…。』
「良いんだよ!!その代わり奴のカンウには飛び道具の類は全く付いていない!!それで良いだろ!!?」
『ま・・・まあ・・・確かにそうとも言えますが・・・。』
フルタチとヤマモトは口を挟んできたルナリスのフォローに見事言いくるめられていたが、確かに
その通りと言えばその通りであると言えた。追加装備を外したとは言え、ハーデスには元々持っている
装備である大口径荷電粒子砲やその他各種ビーム砲やミサイル等は残ったままとなっている。しかし
カンウは集光パネルを除き、追加装備を全て取っ払った今、全くの丸腰である。無論武器の類は全く
装備してい無い。ならば代わりにブースターを追加して機動力を強化しても文句は無いであろう。
また、脚部側面部には集光パネル以外にも飛燕の主推進装置であり、凱龍輝の脚部内側に装備する分の
イオンブースターも補助推進装置として装備されていた。ちなみに、背中にはもう一つ、4つのゾイド
コアブロックを外した代わりにカンウの背中の後部ウェポンラックにはネオコアブロックが2つ装備
されている。これはもちろんいざという時の為のギガスパワー出力増幅用の物なのだがこれが
外されなかった理由も、やはりゾイドの基本能力を高めるだけで武装として見なされなかった事と、滅多に使用しないと言う点もあった。
「武器は全く搭載して無いけどその代わりロケットブースターで空をも飛ぶ!気分は○人28号ね!」
「空を飛んだ位でなんでぇ!!こちらが迎撃出来ないとでも思ったかベイベー!!!」
合体ジャクシンガルはすぐさまガトリング砲を上空のカンウへ向け、合体ジャクシンガルの内、
キルベリアンの操縦を担当するミレイナがガトリング砲の引き金を引こうとした。と、その時だった。
「あ!そう言えば思ったんだけどさ!ダークスパイナーがキラードームと合体する時に外したジャミングブレード、あれどこに行ったの?」
「ノンノン!そんなの気にする事なんて無いぜベイベ・・・。」

78 :悪魔の遺伝子 644:04/12/11 17:34:52 ID:???
マリンの問いかけに対し、ビルトとミレイナは目をつぶり、そのような事を言いながら人差し指を左右に振っていた。しかし、そこに大きなスキが出来たのである。
「今だぁ!!!ロケットチャージィィィ!!!!」
『出たぁぁぁ!!!!速攻でカンウの大技が出たぁぁぁぁ!!!』
その一瞬のスキを突き、カンウはバスターロケットの出力を最大にし、合体ジャクシンガルへ向けて急降下した。
「んん!!!」
「うわっとぉ!!!!」
今度ばかりは流石のビルト&ミレイナも驚いていた様子で、それまで一歩もその場から動かなかった合体ジャクシンガルは大きく横に跳でカンウの急降下をかわした。
「きゃぁぁぁぁ!!!!」
せっかくの急降下アタックをかわされたカンウはバスターロケットの角度を変えた噴射によって床への
激突を防いでいたが、今度は試合場を覆う分厚き超合金製の壁への激突の危機が発生していた。
『おおおっとぉ!!!このままカンウ壁に激突してリタイヤかぁぁぁぁ!!!!?』
「うわっとぉ!!!!」
壁に激突する直前、間一髪で両足を前に出したカンウはそのまま足の裏に装備されたブースターで
逆噴射を行い、ギリギリ壁への激突を防いでいた。その後でカンウは思い切り壁を蹴り、合体ジャクシンガルの方へ跳んだのだ。
「運の良い奴だなベイベー!!」
「まあね・・・、やっぱりぶっつけ本番じゃ駄目だったね・・・。」
「なんと?」
マリンは舌を出し、頭をかきながら申し訳なさそうに笑っていたが、ルナリスを除く皆は少し唖然と
していた。一方カンウはと言うと、何かの準備体操のつもりなのだろうか、その場でピョンピョンと軽く跳んでいるのあった。
「そんじゃあ気を取り直して・・・行きますか!」
マリンが操縦桿を前に倒すとそれに同調したカンウは物凄い勢いで駆け出した。
「な!!速い!!!!」
「しかしそう簡単にはやらせんぜベイベー!!!」

79 :悪魔の遺伝子 645:04/12/11 17:37:19 ID:???
無論すぐに合体ジャクシンガルのガトリング砲が来た。周囲に夥しい程の発射音が響き渡り、
合体ジャクシンガルの足元には多数の薬莢が転がり落ちる。そしてカンウはそのままガトリング砲に
さらされ、蜂の巣にされると思われたその時だった。高速連射されたガトリング砲から放たれた砲弾が
カンウへ着弾すると思われたその時、その銃弾がカンウの体をすり抜けたのだ。
「な!!」
「えええ!!!!」
ワケの分からない展開にビルト&ミレイナは困惑した。そして合体ジャクシンガルの眼前にあるカンウの姿は陽炎の様に薄く揺らいでいたのである。
「こ!!これはまさか噂に聞く残像って奴かベイベー!!!?」
「あったり〜!」
「うおわぁ!!!!」
カンウはいつの間にかに合体ジャクシンガルの背後に回りこんでおり、思わず驚いた合体ジャクシンガルはすぐさま飛び退いた。
「なななな・・・こりゃ一体どういう事だぜベイベー・・・。」
「ままままままさか幽霊・・・?」
「うんにゃ違うよ!」
我が目を疑う思いでガクガクブルブルしていた二人に対し、マリンはニッカリ笑っている。
『こ・・・これは一体どうした事でしょうか!一瞬消えたかの様に見えたカンウが突如として合体ジャクシンガルの背後に現れましたぁ!!』
『こ!!これはまさか拳法で言う所の竜王残像では!!?』
『竜王残像!!?』

竜王残像
中央大陸拳法の総本山である竜王流に伝わる奥義の一つ。目にも止まらぬ程の高速で動く事により
残像を作り出し、相手を幻惑するという技である。無論これを会得するには超人的な体術を要し、
単なる直線的な足の速度だけでは無く、瞬発的な動作の速さなど、様々な要素を鍛える必要がある。
                      鋼獣書房刊「信じがたい拳法」より

『わ・・・私はそういう古武術に関してはうといのでよくは分かりませんが、とにかく凄いと言う事ですねヤマモトさん!!』
『ハイ!それ以上に凄いのは彼女です!!達人と呼ばれる物ですら十年近い修行を要す竜王流の技をこの若さで会得していようとは・・・。』
「う〜ん!貴方達の言ってる事、半分当たってるけど半分外れ!私が使った技の正式名称は“幻惑残像ギガスミラージュ”って言うの!」
『は・・・。』
マリンの言葉に一瞬周囲は沈黙した。

80 :鉄獣28号:04/12/11 17:49:33 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
石化金槌の次は何か凄い術出してきましたねカラミティーシャドーが。
この戦いはどう進むのでしょうか?

>>Innocent World2作者さん
早速敵要塞へ突入。第一関門の小型スリーパー軍団はどうにか出来た様子ですが
騎士も恐れるリニア無しに何処まで頑張れるのでしょうか?

81 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 17:53:56 ID:???
(無名兵士)

「作戦開始10秒前・・・5、4、3、2、1、作戦開始!前進!」
ノイズが激しいが中隊長からの通信が物語るように中隊は前進を始めた
目の前に広がる山の裾野に布陣する敵の陣地を粉砕するのだ。
望遠スクリーンでは山のいたるところで砲弾が炸裂しているのが見えた
彼のいる中隊の任務はこちらからみて右翼のカバーである
事前情報では敵の防御陣地はそう厚くは無いらしい・・・

彼とその搭乗機であるイグアンが森の切れ目へ差し掛かった途端、敵が見えた
「畜生!待ち伏せだ!!各機散開!!」
彼のイグアンは目の前に敵の砲弾が炸裂したあおりで吹き飛ばされた

「大丈夫か!? 畜生!・・打ち返せ!!!」
小隊長が彼のイグアンを立ち上がらせ敵に向けてミサイルを叩き込む
他の機体も敵に負けじとミサイル、ビーム、機関砲、ありとあらゆる火器をぶちかました

ふいに警告音が鳴り右側面に目をやった途端!
一番右翼にいた新米のイグアンの頭が弾けとんだ

82 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 17:54:44 ID:???
「・・・・だ」
「何!?何だって!」
「・・・・・・ゴジュラスだ!!」
実際彼は目にするのは初めてだったが噂には聞いていた
小型ゾイド乗りにとって出会ったら逃げるしかないという事も。。。
「畜生なんでこんな大型に気付かなかったんだ!!」
敵も馬鹿じゃない。俺達を罠にはめやがったんだ

「俺達じゃ撃破できないぞ!!・・・各機後退せよ!!」
「大隊本部応答せよ!こちら第5中隊・・」
中隊長はそれ以上言う前にそいつに叩き潰されてしまった

そいつの攻撃力にはまったく呆れるとしか言い様が無かった
後退しようにも気付いた時には敵の十字火線に捕らえられていて身動き一つできない
俺たちは言い様にあしらわれ破壊された
「畜生!このままじゃ全滅だ!!」


「こちら大隊司令部・・・全軍前進を止めろ・・今の持ち場を確保しつつ後退しろ・・以上」
ふいに入った通信が戦場全体でやばい事が起きているらしい事を伝えていたが
持ち場を確保しろだと・・?こいつを目の前にして言えってんだ!!

すでに中隊の半数以上が破壊されてしまっているうえに最悪な事に
やつの背後からもう1体のゴジュラスが・・・
「あんな奴2体も相手にできるか!お前等後退しろ!!」
敵の小型ゾイドも我々を叩きつぶすつもりだろうか次つぎと前進してくる

83 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 17:56:35 ID:???
(・∀・)カコイイ!

84 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 18:02:00 ID:???
「戦いつつ後退しろ!」
お互いにミサイルを乱射しビームを浴びせる。。。
その度に機体が爆発し炎上していく。。

「味方だ!!援軍だぞ!!!」
スクリーンに映し出された映像にはたった一機ではあるが
赤く塗装された中型ゾイドが敵に向かって射撃しながら突撃していくのが見えた

「こちら大隊本部直轄のレッド1。お前等じゃ奴に勝てん!まかせろ」
敵小型ゾイドを弾き飛ばしながらゴジュラスに向けて突っ込んでいく
ゴオオオオオオオオオオオオォォォォ
まさに地響きのような咆哮とはこの事だろうか
腹部装甲を貫かれ何なのか見当もつかない液体を辺りに撒き散らしながら
そいつは咆えた

「よし!反撃だ!!撃ちまくれ!!!!!!!」
「おいレッド1!!!後ろ・・・」

目の前に展開された光景を彼は当分忘れることはないであろう


85 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 18:04:35 ID:???
----------------------------------------------------------

「レッド1沈黙しました・・・」
「ゴジュラスを1機破壊したそうだな」
「報告によればもう1機に後ろから文字通り引き裂かれたそうです・・・」
「やつに格闘戦で勝てるのは当分この方面には配備されない」
「この方面での敵の増援が多数確認されています。我々は前進しすぎたのです・・」
「だが後退もできん。前進以外道はないんだ。戦力を再編し反撃の準備を急がせろ!」
「・・了解しました」

----------------------------------------------------------

マルダーに引っ張られている兵員輸送車の車体の上で
煙草の煙を思いっきり吐き出している彼の姿があった。
「おうまた生き残ったようだな」
なじみの整備兵に声を掛けられた彼は不機嫌そうに答えた
「・・・・・相棒は帰ってこなかったけどな」
「・・・・・また新しいのが着たら整備してやるさ」

まだ彼には次の戦いがありそうだ


86 :恐怖の亀裂 720:04/12/12 03:13:44 ID:???
ふと周囲の気配とレーダーを照らし合わせると存在しているものの位置が数ヶ所ずれている事を知るファインとベルウッド。
「しまっ…!?」その声は最期まで口には出ず急激な上昇による加速に意識と体が引き剥がされた。

意識は如何やら各々別の所に流れ込んでしまっていたらしい。「むう!?何故主の体にっ!?」ベルウッドは意識等の不可視エネルギーの自衛手段を各々が無意識に使用したらしい事を確認する。
「コンフューズポゼッション(混線憑依)が起こったか!?」当然声はファインの物である。その存在自体が意識に近いアサガオライガーだけはそれを免れたが良く見ればベルウッドの体はピクリとも動いていない。
「ここには妾と主だけし…もしや!妾のコアが意識を取り戻すというのか?」精霊という形で剥離した意識は完全に独立した物として存在する。これまで意識が全く無かった本体のベルゼンラーヴェ。
偶々ゾイドの方に意識が飛んで行ってしまったファイン。問題はそれを理解できるかに掛かっている。

周り一面に昨日の夜に見たベルゼンラーヴェの記憶がちぐはぐなステンドグラスの様に貼り付けられている。ファインはその端に浮いていた。
「また…嫌な予感がしますが?」そんな事を口走るからそれは本当の事になる。目の前に突然現れる2つの影。何方も微妙にファインに似せた化け物。
1つは燃える赤を身に纏う獣。もう1つは深緑に身に纏う竜。4つの目がファインを確りと捕らえる。次の瞬間我先にとファインに襲い掛かって来た。
「でええええっ!?またこんな目に遭うのでありますかぁっ!?」因みに端に居たりする彼等。当然逃げ道は前のみ捕まる可能性も多々有る。

「この場はっ!」ダッキングでそれを何とか躱す。2つの影は世界の端に激突し顔を抑えて痛みに床で転がり回っている。
その隙に世界の中心に向かって疾走する。追い付かれたら如何なるか解った物ではない。突然放り込まれたこの場には混乱するばかりだ。
壁の記憶の切り貼りは無秩序に並び風景も代わる代わる別の物に変わるので目に痛い。突然何かに足を掛けられて前のめりに転ぶファイン。
足を見ると…緑色の蔦に足を絡め取られている。「ひいいいいっ!?捕まったぁ!?」絶望的状況に突入開始の予感がちらほらする。
相手が自分に似ている…ファインの頭の中には近親憎悪の方しか頭にない様だった。

87 :恐怖の亀裂 721:04/12/12 05:51:06 ID:???
そしてもう片方の足に熱量の全く無い紅蓮の炎が巻き付く。「両足縛られたぁ!?」
しかし手繰り寄せると言う事は無いらしい。その先を恐る恐る振り向くと…2匹が喧嘩をしていた。
仲が悪いらしい。その間に足に絡まった蔦と炎を取ろうと試みるファイン。しかしどういう訳か取れない。
「ん〜とれないみたいであります…ってその部分が同化していますが!?」

同化何て物は早々簡単にできる物では無い。リアルタイムでの細胞レベルでの安定化を根幹としてその後侵食体の注入。
そして拒否反応を起させず侵食する絶妙の侵食速度の維持。寄生体の同化も同じくしてそれを行っている。しかしこの侵食スピードは異常だ。
まるで彼自身その物と言うべき侵食の速度を持っている。「そう言う事でありましたかっ!」訳の解らない場所。
異質な疑似存在。そして異常な侵食速度。「ここは…誰かの意識の中!風景から考えれば当然ベルゼンラーヴェのコアでありますね!」

気付かれては成らない事を気付かれたらしく喧嘩をしていた2つが一斉にファインに向かって飛び掛かってくる。
「喧嘩両成敗っ!!!」意識存在の世界であれば状況の選択に他からの介入の余地は無い。「シレナディス!マルアクト!」
本来物理空間では呼び出せないカラミティシャドウとウェイブレイダーの真の姿を呼び出す。真なる姿は真なる名前に呼び出されると言う事だ。

場面は元の世界に戻る。「何と扱い辛い!妾には反応が速すぎる!」体を動かした通りに動くベルゼンラーヴェ。ベルウッドの操縦は動くだけで手一杯の状況だった。
ザイデルもエクスカリバーを構え直し様子を見ている。「ほう…さっきの一撃が思いも寄らぬ事態を引き起こしたようだな。」ザイデルの口元が緩む。
ザイデルは存在位置をずらす術式でレーダーの表示する位置から離脱したザイデルはベルゼンラーヴェの後方からエクスカリバーの一撃をアッパースイングで叩き付けたのだ。
悪鬼呪法機関でダメージの修復が進んでいた為と狙い澄ました胴体に穴が有った事でダメージの分散や直撃の回避により破壊こそ逃れたがその打ち上げ速度は瞬間的にマッハ2程までに達していた。
それの初速によりコンフューズポゼッションが起こったという事だ。直撃を避けても意識が飛ぶ様な一撃を放つザイデルの腕力は驚異的なものだ。

88 :恐怖の亀裂 722:04/12/12 06:58:21 ID:???
「今は虐め甲斐が有りそうだな…。」わざと当てない様にザイデルは地上に降りたベルゼンラーヴェに攻撃を仕掛ける。
「如何した?殺気までの威勢は何処に消えたのだ?使い手1人でこうまで動きが変わるとは愉快愉快!」エクスカリバーを直撃の1歩手前に振り下ろす。
飛び散る岩を避ける事が出来ずに成すがままのベルゼンラーヴェ。嬲り殺しの状況が続く…。

ファインの意識の目の前に現れた本来の姿の邪神2体。水に覆われた炎の大蜥蜴と光を纏い風の皮膜を持つ翼竜。
その2体が赤い獣と緑の竜に襲い掛かる。喧嘩が一転して壮絶な潰し合いを始める。しかし真なる姿をもった邪神2体の方が苦戦している。
その内「望み選べ!我らの姿を!貴様の影に負けぬ強い意志を持った姿を!」と救援要請が来る。そこで大変な事を忘れていた事に気付く。
神とか悪魔とかそう言った者はそれを書いた若しくは描いた姿になっている。つまるところ…”本当の姿”何て物は持ち合わせていないのだ。
呼ぶ者のイメージこそが”真実の姿”になるのである。呼ぶ者の心に宿るイメージが重要だったのだ。

当然ファインは何処ぞの書物やらの挿絵を基準にしているのでできた形の完成度が極度に低いと言う事で慌ててその姿を妄想してみる。

「…やり過ぎでありましたか(汗)」思い切り趣味が色濃く出ている。恥ずかしくて目も当てられない様な姿をしている。
カラミティシャドウの方は黒い軍服を着込み周囲に水に包まれた炎の結晶を周囲に漂わせた女性。ウェイブレイダーは対照的に白い軍服で風と光の巨大なリングの中心に居坐っている。
今度は逆にあっと言う間に2つの影を始末してしまう。「如何して…そんな姿に?」頭の中のイメージは水に包まれた炎の結晶と風と光二つのリングしか考えていなかった筈のファイン。
カラミティシャドウとウェイブレイダーは声を合せて「「掟だ!」」で済ませてしまう。良く言う天使やらの姿の概念と同じらしく男性が呼べば女性の女性が呼べば男性のと言う決まり事らしい。
「確か…つがいだったのでは?」それには「「我等の類は雌雄同体だから問題無い。」」これも一言で済まされた。
最期に”これ”を聞く「軍服…の方は?」それには…「「我等の趣味とお主の無意識の願望だ!」」と答える。
ファインはオチまで付けてくれてありがとうと思うより他は無かった。

89 :悪魔の遺伝子 646:04/12/12 08:00:07 ID:???
『マリン選手の言った“幻惑残像ギガスミラージュ”とは一体何の事なのでしょうか?』
『は!!分かりましたよフルタチさん!マリン選手の言った“幻惑残像ギガスミラージュ”とはマオ流格闘術に含まれる技の一つです!』
『なんと?マオ流格闘術ですか!?』
『ハイ!マオ流格闘術は膝カックンなどをはじめ、子供の遊びを技として昇華させたユニークな技を
持っている一方で、様々な格闘流派の良い点をバランス良く混ぜ合わせた超人的とすら思える程の
超高度な技も存在するのです。そしてその創始者であるマオ=バイス(スタンティレルから改姓)は
中央大陸の“竜王流”、西方大陸の“神聖寺”、そして東方大陸のカランの塔と言う三大大陸超人拳法
総本山の免許皆伝者でもあったと伝えられます。ならばそれらの技に告示した技があっても不思議ではありません!』
『なるほど・・・、やはり私には古武術に疎いので細かい所までは良く分かりませんが、マリン選手の
言う幻惑残像ギガスミラージュとは竜王流の竜王残像をさらに昇華させた技と言う事なのですね?』
『おそらくその通りでしょう。』
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
フルタチとヤマモトの二人の会話に観客等も驚きの声を上げていた。
「まあこの私ですらアイツについて良く分からん時あるからな・・・、服の袖の中とか服の袖の中とか服の袖の中とか・・・。」
試合場の隅に立つハーデスの中でルナリスも眉を細めていたが、カンウは両手の爪をガンガンとぶつけ合っていた。
「ねえねえ!もう試合再開しても良いの?」
「し・・・試合再開って・・・。」
「な〜んだ!実況解説のオジサン達の話をみんなして聞いていたからてっきり試合中断してるのかと思ったよ!んじゃあ・・・。」
その時カンウは再度合体ジャクリンガルへ向けて物凄い速度で跳んだ。
「舐めるなベイベー!!!」
「例えあんたが凄い修行とやらやっていたとしても!!こっちだってバリバリじゃーん!!」
カンウへ向けて合体ジャクシンガルのガトリング砲が火を噴く、しかしカンウは右斜め前に跳んで
かわすとその場でスライディングしつつクルリと一回転し、合体ジャクシンガルの背後を取ったのだ。

90 :悪魔の遺伝子 647:04/12/12 08:01:59 ID:???
「ハァ!!!」
「うぬぅ!!!!」
背後を取ったカンウの突きが合体ジャクシンガルを襲う、しかし合体ジャクシンガルはそれを素早く跳んでかわした。
「チ!外したか!」
「今のは危なかったぜベイベー!!しかし機動力ならこっちだって負けてないぜ!!」
「にしても・・・、あんたわざわざ背後に回りこんで攻撃するなんて意外とセコイのね・・・。そういうバリバリじゃない事って嫌いだよあたいは!」
「ゴメンね!!でも!!セコイ戦法は私のスタイルですからー!!!残念!!」
それと同時にカンウは素早く腰を下ろし、足払いで合体ジャクシンガルを襲うが合体ジャクシンガルは素早く跳び上がる形でかわした。
「ったくそう言うバリバリじゃない戦い方は嫌いだと言ったじゃん!!!」
「何でもバリバリしてりゃ良いって物じゃ無いでしょ!!?」
カンウの足払いをかわしたのもつかの間、今度はカンウのクラッシャーテイルが上から下へ掬い上げる様に合体ジャクシンガルを襲ったのだ。
「うおわぁ!!!!」
空中にあり、姿勢制御の利かない合体ジャクシンガルは思わず体の重心を必死に傾けてその攻撃も
どうにかかわした。しかし、無傷とは言えず、僅かにかすっただけで合体ジャクシンガルの分厚い脚部装甲を深々と抉り取っていたのだ。
「さ・・・流石だぜベイベー・・・。」
「やっぱり格闘戦に持ち込まれたらこっちが不利だわイエ〜イ!!」
「ビビッてるんだか喜んでるんだかようわからん・・・。」
どうにか姿勢を正して着地した合体ジャクシンガルは大急ぎでカンウから距離を取っていたが、マリンとカンウは眉を細めたままだった。
『武装はまったく装備していない為、緒戦はカンウが不利であると思われましたが一矢報いましたね!』
『やはり格闘戦になれば、例え相手がZiユニゾンシステムで数倍にパワーアップしたゾイドであって
もまだカンウの方が一歩リードしている事は確実でしょう。カンウには単純なパワーだけで無く、その
パワーをフルに生かせるだけの経験とテクニックもあります!しかし、それが分かった以上合体ジャクシンガルもそう簡単には格闘戦に持ち込ませてはくれないでしょうね!』

91 :悪魔の遺伝子 648:04/12/12 08:03:48 ID:???
「確かに解説のオッサンの言う通りだぜベイベー!!」
「Ziユニゾンで数倍パワーアップしてもなお格闘戦ならあんたの方がこっちを随分と上回ってるみたい・・・けど、こっちだってそう簡単には勝たせないよイエ〜イ!!!!」
そして合体ジャクシンガルが一吼え上げると同時に2つのジャイアントクラブがカンウへ向けて
発射されたのだ。超合金ワイヤーで繋がれたジャイアントクラブはうねりながらカンウへ突き進む。
「こんな物!!ガトリング砲に比べればぁ!!!避ける事なんてぇ!!」
確かにジャイアントクラブのサイズから考えればガトリング砲に比べれば回避は容易と思えるかもしれない。しかし・・・
「だがそうは問屋は卸さないぜベイベー!!!!」
カンウは横に跳んでジャイアントクラブ攻撃をかわしたかに見えたが、なんとジャイアントクラブ
そのものがブースターを噴かして軌道を変え、カンウの方を追撃してきたのだ。
「え!!えええええ!!!!?」
「まだまだあるわよイエ〜イ!!」
なおもカンウを追撃するジャイアントクラブは今度はその状態のままガトリング砲攻撃を始めたのだ。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「今だぜぇ!!!」
思わず悲鳴を上げるマリンに対し、合体ジャクシンガルはジャイアントクラブをカンウ目掛けて叩き付けようとそのブースターの速度を上げた。
「いい加減にぃ!!!」
それそのものが超高速の質量砲弾と化したジャイアントクラブがカンウに叩き付けられると思われた
その時、そのジャイアントクラブがカンウをすり抜けたのだ。いや、正確にはすり抜けたと錯覚させる程の速度でカンウが回避していたのである。
「ち!!!またそのなんとかかんとかミラージュかベイベー!!」
陽炎の様によどむカンウの虚像を貫いた後、ビルトは周囲を慌しく見渡し、ミレイナはレーダーや
センサーをにらめっこをしていた。虚像をいくら貫いた所で虚像は虚像。幻でしか無いのだ。故に二人は実像であるカンウ本体を探していた。
『カンウの姿が消えましたぁ!!!一体何処へ行ったのでしょうかぁ!!』
『しかし、あれだけの事をやるには相当な体力を消費するはず、ましてやパイロットに掛かるGも凄まじい・・・。』
と、その時だった。合体ジャクシンガルの背後にカンウが現れたのだ。

92 :悪魔の遺伝子 649:04/12/12 08:06:19 ID:???
「背後にいるぅぅぅ!!!」
「また背後から攻撃かよぉ!!相変わらずセコイぜベイベー!!」
合体ジャクシンガルはその場で高速反転しつつジャイアントクラブをカンウへ叩きつけようとした。しかし、またもそれはすり抜けられた。
「またなんとかミラージュしやがったぜベイベー!!」
「だから言ったじゃないの!セコイ戦法も私のスタイルだって・・・。」
周囲に響き渡るマリンの声を残し、カンウはまたも姿を消した。ビルトとミレイナは再度索敵を行う。
「ん?」
このまま雲を掴むかのような鬼ごっこ(?)が延々と続くかに思えた時、ビルトが何かに気づいていた。それは何も無いはずの空間にかすかに光の帯が引かれていたのだ。
「(何だあの光は・・・。まさか!!)おい!!ジャイアントクラブのコントロールをこっちに貸すんだベイベー!!」
「え!?」
「良いから貸せベイベー!!」
ジャイアントクラブのコントロールを強引に奪い取ったビルトは何も無いはずの空間にジャイアントクラブを撃ち込み、物凄い速度でジャイアントクラブが空を切った。
「きゃぁ!!!」
と、そのようなマリンの悲鳴と同時にカンウが突如として何も無い空間から現れたのだ。そう、これは
ジャイアントクラブの発射によって超高速移動中のカンウが妨害され、肉眼で確認できる速度にまで低下した事なのである。
「今だぜベイベー!!」
肉眼で確認できる速度に低下したカンウへ向けてまたもジャイアントクラブが襲い掛かった。
しかしカンウに直撃すると思われた直後、それはまたもカンウをすり抜けてしまった。が、その直後で
もう一方のジャイアントクラブがカンウを襲い、その首をガッチリと掴んだのだ。
「あああ!!!!ウソォ!!!」
『おおおおおっとぉぉぉ!!!!マリン選手とカンウの幻惑残像ギガスミラージュが破れらたぁぁぁ!!!』
『なるほど・・・一発目を避けさせて安心させた所で二発目を当てる・・・。考えましたな・・・。』
「う・・・ウソでしょ?何で・・・何でこんな・・・。」
マリンの精神的な動揺は大きかった。それだけ幻惑残像ギガスミラージュに自信を持っていたのだ。

93 :鉄獣28号:04/12/12 08:17:49 ID:???
うわぁぁぁぁすっげぇミスしてしまいましたぁぁぁぁぁ!!!
>>90の真ん中辺りの一説、
>上から下へ掬い上げる→下から上へすくい上げる
    ×          ○
と訂正します。我ながら余りにも情けないミス・・・・orz

>>恐怖の亀裂作者さん
幽体離脱(?)みたいな感じですか?
今度は精神戦と言う奴に突入でしょうか。

>>81
渋いいのキタァァァァァァ!!!!
アメリカの戦争映画にありそうなシーンですよね。それ。

94 :恐怖の亀裂 723:04/12/13 03:40:34 ID:???
「とんでもない所に放り込まれたみたいでありますね…。」周囲を見回しながらファインは呟く。
何故か定位置とばかりに傍に陣取る2体の邪神。カラミティシャドウは右にウェイブレイダーは左に居る。唯でさえ現実から引き離されつつある状況に輪を掛けて異質な取り合わせ。
冗談で済むなら済んでくれと思ってしまうのだが「如何やら貴様…コンフューズポゼッションに陥ったらしいな。」カラミティシャドウが言う。
「こんふゅーずぽぜっしょん?」ファインは初めて聞く言葉で頭の中に疑問符が沸き上がる沸き上がる。彼の脳内は疑問符の宇宙と化していた。

余りにも理解の無いファインにウェイブレイダーから助け船が出る。「一定の頭数の生物が同じ衝撃で意思と肉体が離れた時に手近な対称に意思が間違って入ってしまう事だ。これで解らぬならもう言い様が無い。」
解らなければ説明するだけ無駄だと遠回しにウェイブレイダーは言っている様だ。助け船じゃないのかと何か嫌な感じのする2人?はて?2人と言って良いのか?それとも2体が適切なのだろうか?別の疑問が沸いてくるが頭が痛くなるだけなので考えない事にしたファイン。
そうなればそうなればで新たな疑問が出て来るのは必然である。憑依と言うのだからベルゼンラーヴェのコアの中と言うのなら機体に取り憑いている筈なのだが?外が見えないのはおかしい。

「それは意思のサイズ差だ。意思という物の強さ自体はともかくお主の方が圧倒的に小さい故外に出る程波及力が無いと言う事だ…我等の一応の主というに情けない…。」カラミティシャドウは嘘泣きをしながら言う。
ここに来て何で彼等(彼女等)が微妙な態度を執るか解ったような気がする。ファイン自身の性格を更に遠回しで攻めているような気がする。
「酷い話でありますね。」何気なく中心部に向かっているが道が開けている訳でもなく壁有り扉ありと御丁寧な構造をしている。
「面倒でありますね…蹴ったら壊れるとありがたいのですが。」壁に蹴りを入れようとした時に2人に押さえ付けられる。

「何をしようとしている!!!下手に傷付けたら意思や精神に損傷を与えかねんのだ!」カラミティシャドウは右腕をがっちり極めて言う。
「本当に良かった…偶然とは言え我等を呼び出してくれて。下手をするとお主自身も傷付くのだぞ?」蔑むような目で見るウェイブレイダー。

95 :恐怖の亀裂 724:04/12/13 05:14:59 ID:???
このまま野放しにするのは危ないという事でファインは水の縄で縛り付けられ風のリングに乗せられて移動している。
「こんな所でも狂犬病の犬並の扱いでありますか…。」暴れるからしょうがないと言う事だろうか?本人の安全も兼ねているのでファインが何を言おうと暴れようと縛られっぱなしだ。

「まあ仕方がない…あんな下らん奴に喰われるよりはましだ。それ故我等は貴様を主とした。自らの足で歩かなくても良いから楽ではあるしな。」
さらっと本音を話してしまうカラミティシャドウ。真逆決め手に”歩かなくて良い”が有ったのは正直驚くがそれにウェイブレイダーが付け足しの言葉でフォローする。
「それはそれとしても驚くべき事だ。我等を同時に精製するとはな。謀られた様に何の問題も無くそうなったのだからな。聞けば本当に謀の一部かもしれないというが?」
それにファインは答える。「十中八九謀でありましょう…そこに至る経緯と対称は違って居たみたいでありますがね。」
エントヴァイエンの顔を思い浮べて腹を立てるファインだがしかしその顔は自分の顔。そんな状況を滑稽に思えて逆に笑い出してしまうファイン。

「そろそろ中心だ。如何やら我等は立ち入れぬ場所らしい…。」カラミティシャドウの言葉と共にやっと拘束状態から解放されるファイン。
「気を付けてな。この先の選択が大きな分岐点である事は明白。お主の今後にも係わってくるぞ?」ウェイブレイダーはそう言って手を貸しファインを立ち上がらせる。
「「行けっ!それ程時間は残されていないぞ!」」そう言うと2体の邪神は霞が散るように姿を消す。そして…右手の甲の輝眼に2体邪神の力を示す4つの属性の印が重なった状態で内側に彫り込まれていた。

中心部に足を踏み入れるとその場は一面の花畑。咲いている花から予測すればニクスの数少ない草原地帯の風景だ。
火山活動等が活発なニクスでは食料調達の為限界レベルまで土のある場所は農地にされている。大異変の影響で更に減った自然。
察するにこの情景は結構以前の風景。最低でも大異変前の物だと容易に推測できる。その花畑の中心部に彼女達は居た。
恐竜の尾や角を生やした子犬を抱いている少女。その表情は暗く落ち込んでいる様だったがファインの気配を感じてか子犬が嬉しそうに吼える。
それに気付いて振り向いた少女の顔は見慣れてきた顔だった。

96 :恐怖の亀裂 725:04/12/13 06:03:39 ID:???
「…でもちょっと雰囲気が違いますね。こんにちは。」そう言ってファインは挨拶をすると「こんにちは…昨夜はありがとうございます。」突然頭を下げる少女。
幾つかの不自然な事が1本に繋がる。彼女はベルウッドだ。正確には自身が言っていた”2人になった”と言うもう1人の事だ。
ベルウッド本人はベルゼンラーヴェの精霊としての存在でもう一人の…本来のベルウッドの体を間借りしている様だ。
そして恐竜の尾を振り嬉しそうに吼える子犬こそコアの主であるベルゼンラーヴェである。何故子犬の姿なのかは謎であるが…。

「…そうだったのですか。何か変だとは思いましたが。それで納得できました。」嬉しさ半分残念半分といった感じで言う。
「所で…お名前は?」ここで筋道を立てて話さないと後で混乱してしまうので慎重に聞いてみる。
もう1人のベルウッドは「ベルウッドで良いんです。本名はベルウィート=ラムホーネンですから。愛称です♪人によってはもっと短縮してベルって呼ばれていました。」
言葉の節々に嬉しいと言う感情が見え隠れする。ベルウィートの腕から跳び出しベルゼンラーヴェが跳び付いてくる。そしてファインの顔をペロペロ嘗め続けるので質問は中断される。

「ふふふ…喜んでいますね。きっと貴方を気に入っているのですわ。」何か目上な感じと言うか上品な感じがするベルウィートの物腰や動作。
顔をノンストップで舐められながらファインは記憶を手繰ってみる。少ししてある話に辿り着くファイン。
ラムホーネン一家殺人事件。殺人は殺人ではあるが相手はキングゴジュラス。偶々避難中の一家の目の前でキングゴジュラスの戦闘が始まっただけと言うのが真相だ。
しかしこの事件が後の最終決戦に繋がったと言う話も有る。徹底否交戦を唱えていたので邪魔だったから戦闘に巻き込ませたと言う噂が今の所最有力とされている。
他にはゼネバスよりだったから邪魔だった等幾つもの仮説が立てられ少し前の新聞で記事を見た記憶がある。

ベルゼンラーヴェが一声吼えると「解りました。少し失礼いたします。」そう言ってベルウィートは中心部から出て行く。
それと同時に急速に消えて行く花畑。ファインの元から少し離れてベルゼンラーヴェは一応の真の姿に戻る。
「待たせたな…用件の方は解っている。しかしこのままでは何も変わらん。お前は撰ばなくては成らない。」

97 :恐怖の亀裂の作者:04/12/13 07:44:24 ID:???
鉄獣28号さんへ

久々に分身!でも移動パターンを読まれちゃって鋏でがっちり。
これからはもう一踏ん張り…踏ん張れライガーゼロ!みたいな感じで我慢比べかそれとも?

Innocent World2の作者さんへ

マウント・アーサ要塞突入。強力な味方?と共に騎士の元へ!いざいざいざ!
オリバーさんは機体の関係上戦果はそれ程でも無い様ですが…と言うより前作からのオレーグさんのギガが弾けすぎ。
今回は荷電粒子砲をバリバリ撃ちまくる!?

無名兵士の作者さんへ

2度目の出撃キターーー!!!今度はレッドホーンが…。
如何やら毎回最前線に放り出される主人公が運が良いと言うより悲惨に見えます。
悪運ばかり強くても目にするのは壮絶な光景だけ…頑張りが報われる日が彼に来るのでしょうか?
イグアン2体目昇天!?…南無〜。

98 :悪魔の遺伝子 650:04/12/13 09:12:21 ID:???
「光だぜベイベー!!」
「光?」
「そうだぜベイベー!!アンタが高速移動する場所にはかすかに光の尾を引いていたんだぜベイベー!!」
「光の尾・・・ってまさか集光パネルで・・・。」
マリンは絶句した。暗い所で光る物を動かすと光の尾を引く様に、カンウに装備された集光パネルの輝きが高速移動の際に光の尾として残っていたのだ。
「そ・・・そんな・・・。これは流石に盲点だったわ・・・。集光パネルがまさかこんな形で仇となるなんて・・・。」
「もっとも!こっちとしても光の尾からあんたの位置を測定して、さらに当てる事が出来たのは殆ど運が良かったってもんだからなベイベー!!」
その直後、カンウの首を掴むジャイアントクラブとは別のもう片方のジャイアントクラブがカンウの
背中を掴んだのだった。しかし、カンウも逆にジャイアントクラブに掴みかかる。
「こ・・・こんなものに捕まったくらい何さ!こんなのすぐに引っぺがして・・・。」
「そうはさせんぜベイベー!!!」
「!!!!」
合体ジャクシンガルはジャイアントクラブの基部から伸びる2本の超合金ワイヤーを掴むと、そのままグイッと引き始めた。そしてなんとカンウが宙に浮いたのだ。
「え?え?あれ?」
ワイヤーを引き続ける合体ジャクシンガルと宙に浮いたように引っ張られるカンウ。マリンはあっけにとられていたその直後、カンウは物凄い勢いで振り回されていたのだ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「どうだぜベイベー!!!これぞ必殺ジャイアントクラブトルネードだぜイエ〜イ!!」
『おおおおおっとぉぉぉぉ!!!これは凄い凄い!!!合体ジャクシンガルがカンウをブンブンと物凄い勢いで振り回しております!!!』
『先日の試合でゴジュラスとアイアンコングを同時に倒した技ですね。一見単純ですが結構効くと思いますよ!』
そしてカンウを振り回し続ける合体ジャクシンガルの振り回す速度はどんどんと上がっていく。
が、マリンとていつまでも受け手に甘んじているワケでは無い。すぐさま背中のバスターロケットを噴射して脱出を図ろうとしていたのだ。しかし・・・
「この技がだた振り回すだけだと思ったら大間違いだぜベイベー!!!」
「んぐ!!!」

99 :悪魔の遺伝子 651:04/12/13 09:13:57 ID:???
試合場に重金属同士がぶつかり合う鈍い音が響き渡った。なんとカンウが試合場を覆う壁に物凄い勢い
で叩き付けられたのだ。しかしそれでも振り回す速度は落ちない。合体ジャクシンガルはカンウを振り回しつつ、何度も何度も壁に叩き付けていたのだ。
『何度も振り回す振り回す振り回すぅぅぅ!!!!何度も叩き付ける叩き付けるぅぅぅぅ!!!!これは痛い!!真に痛い!!カンウ絶体絶命かぁぁぁ!!!?』
『しかしその一方でルナリス選手は今だ傍観を決め込んでいる様子ですよ。』
「さあどうだぜベイベー!!!」
「いい加減にギブアップしちゃいなよキャハハハハ!!!!」
その後もカンウは振り回され続け、何度も壁に叩き付けられた。しかし、そんな状況であるにも関らずルナリス共々ハーデスはその場から動く事は無かった。
「(絶体絶命だと・・・?ふ・・・世迷言を・・・。それは奴の目を見ていればそれが良くわかる。奴の目は
今にもやられそうになっている目では無い。ピンチに陥りながらも何かを狙っている目だ・・・。)」
ルナリスが今だ動こうとしない理由はそこにあった。彼女はマリンを信じていたのだ。
「おいおいおい!!!まだギブアップしないのかぁ!!お前も強情だぜベイベー!!」
カンウを振り回し続けつつも困った顔をしていたビルトとミレイナであったが、その時カンウは両足を大きく振り上げたのだ。
「ん!?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
マリンはカンウの足の裏に装備されたブースターを噴射した。そして振り回されている状態のままカンウはさらに回転していくのだ。
「お・・・おい!!!」
「ちょ・・・ちょっと!!!これって・・・。」
どんどんと速度を上げていくカンウにビルトとミレイナは戸惑った。周囲には空を切る音が響き渡り、
カンウから発生するGに今度は逆に合体ジャクシンガルの方が耐えられなくなり、カンウに引っ張られ
ていたのだ。合体ジャクシンガルは必死に体勢を整えようと踏ん張るが止められない。
「今っだぁ!!!!」
カンウは背中のバスターロケットを噴射し、急降下した。その後で両足でガッチリと床に踏ん張った後、
自らを振り回していたエネルギーを逆用して合体ジャクシンガルを振り回したのだ。

100 :悪魔の遺伝子 652:04/12/13 09:15:48 ID:???
『おおおおっとぉ!!!今度は逆にカンウが振り回し始めたぁぁぁぁぁ!!!』
「うわわわわわ!!!!!」
「も・・・もうたまらん!!!!」
合体ジャクシンガルはカンウを掴んでいたジャイアントクラブを離し、どうにか脱出し、その場に着地したが、その時既にカンウが合体ジャクシンガルの背後に回りこんでいた。
「ええ!!?いつの間に!!?ベイベー!!?」
「マオ流格闘術奥義ぃ!!!」
「お・・・奥義ぃ!!?」
“奥義”と言う言葉に反応し、ビルトとミレイナの二人は驚愕のあまり一瞬硬直した。そしてカンウの足が合体ジャクシンガルの左足を襲い・・・
「膝カックン!!」
「膝カックン!!?」
奥義と聞いて凄い技を想像していたビルトとミレイナは拍子抜けした。しかし、その直後に
合体ジャクシンガルの左足の間接はガクッと折れ曲がり、左にバランスを崩し、大きく倒れこんだのだ。
『出たぁぁ!!!マオ流格闘術奥義膝カックン!!一見馬鹿らしい技ですがかなり効いています!!』
『こういう子供の悪戯すらも技として昇華させてしまったのがマオ流格闘術の特徴の一つですからね〜!だからこそ恐ろしい!』
確かに膝カックンとは、膝の裏側を軽く蹴る事で相手の膝をガクッと曲げると言う、恐らく多くの人が
やった事のある、もしくはされた事のある悪戯である。今マリンとカンウの行った事はまさしくこれだったのだ。
「ち・・・畜生!!やっぱりコイツセコイ奴だぜベイベ〜!」
「だからセコイ戦法は私のスタイルだって言ったでしょ!!?」
「!!?」
倒れこんでいる合体ジャクシンガルが起き上がる間も無くカンウがその大きな口を開けていた。そのまま噛み砕こうと言うのである。
「行っくよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
合体ジャクシンガルが回避する間も無く、カンウの大きく開かれた口からそのギガクラッシャー
ファングによって噛み砕かれる・・・と思われ、ビルトとミレイナは思わず目をつぶった。しかし・・・
「え?」
「あれ?」
合体ジャクシンガルはカンウの牙によって噛み砕かれてはいなかった。

101 :悪魔の遺伝子 653:04/12/13 09:18:06 ID:???
「は・・・ハハ・・・。」
「も・・・、もしかしてノーコン・・・?」
ビルトとミレイナはヤケクソになった様に笑っていた。しかし、その直後、カンウの両手に何かが握られている事に気づいたのだ。
「私、こんな物取っちゃいましたけど〜・・・。」
「え・・・。」
その時二人は絶句した。カンウの両手に握られていた物とはジャクシンガルとキルベリアンを繋ぐ連結部とその他いくつかのサーボモーターであったのだ。
「あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・。」
「ああああああああああああ!!!!!!」
その事に気付いた途端、ジャクシンガルとキルベリアンの合体が解け、そのまま崩れるように倒れこんでしまった。
『決着が付きましたぁぁぁ!!!!チームふたりはゾイキュアの逆転勝利です!!!』
試合終了のゴングが流れると同時に周囲から拍手が巻き起こった。そしてカンウは両腕をグルグルと回していた。
「あ〜あ〜・・・、何か思ったより手こずっちゃったな〜・・・。」
「ふ・・・負けたぜベイベー!」
「やっぱりあんた達は強いよイエ〜イ!」
「あ・・・そう・・・ありがと・・・。」
ビルトとミレイナは勝者であるマリンと称えた言葉を残すが、やはり悔しいのだか喜んでいるのだかノリノリなのだか良くわからない言葉にマリンは眉を細めていた。

それから数日、その街でのバトルをある程度こなした後、マリンとルナリスは新たな街へ旅立とうとしていた。
「お〜い!!!」
「ん?」
突然後ろから呼び掛けられた声に2人が反応し、後ろを向いた時、なんと2人の後をビルトとミレイナ
が追い駆けてきていたのだ。ちなみに今の2人はメイクしているチーマーバージョンである。
「ちょ…ちょっとまってくれベイベー!」
「あんたらどったの?」
マリンとルナリスはいきなり駆け付けてきたビルトとミレイナの2人に少し驚いた顔をしていたが、その時さらに驚く事をビルトとミレイナは言ったのだ。
「お前ら色々旅とかしてんだろベイベー!!」
「なら私達も付いていくよイエ〜イ!!」
             「な…なんだってぇぇぇぇ!!!!!?」
ビルトとミレイナの爆弾発言にマリンとルナリスは思わず驚愕の声を上げていた。

102 :鉄獣28号:04/12/13 09:33:09 ID:???
明日の書き込み分で一段落付きます。その後で短いお話を挟んでまた長い話を書くつもりです。

>>恐怖の亀裂作者さん
いわゆる以前はこういう姿だったのよ〜的なお話ですか?
まだキンゴジュがブイブイ言わせていた時のニクスでの風景とか・・・

103 :恐怖の亀裂 726:04/12/14 05:23:53 ID:???
「また唐突に…それにしても何で有んな姿でここに?」逆にファインが聞いてみると「…あいつは何も知らない様で全部を覚えている。無利して押さえ込んでいるから押さえ込み易いようにしたまでだ。」
素っ気なく答えるベルゼンラーヴェの意識体。体という枷が無いだけ伝えたい事がダイレクトに翻訳されて届く。「で?本題にいきましょう…選択とは一体何の事でありますか?」時間は余り無い筈なのに妙にゆったりとした気分で話している。
その理由はこう言う事である…。

「うぬう!またしてもそれかっ!」飛んで来る岩の塊を八封輪で打ち砕きアーバレストで凝りを取るベルウッド。遂先までと違いメインに放り込まれた所為か機体の動きには切れが無い。
大体TFS(トレースフィードバックシステムの略)の操縦方法はシステムこそ簡単だが操作性は抜群に低い。昨日今日の使用経験で自由に扱える程簡単な物では無いと言う事だ。
ファイン等は機体操縦の訓練過程で取り敢えず程度にまで動かせる様に教えられるが訓練無しにベルウッドがベルゼンラーヴェを動かせるのは術式介入と今の体…ファインの体の慣れ具合の賜物だったりする。
「妾には無理だな…。」1分も経たずにギブアップ状態のベルウッドだったが右手に急に光が宿り甲の輝眼に4つの印が交わった法印を確認する。
「主よ…相当あの番いに気に入られたようだな!」もう少し踏ん張ってみようかとベルウッドはファインの体で身構えた。

「うわっ…何か変な感じでありますね。節々に痛みが走りますが?」そう言うファインに「体の方がダメージを受けたのであろう。取り敢えず選択すべき事は二つに一つ。このまま死ぬか?私と彼女を起こして戦うか?だ。」
「…それは二つに一つと言うより”死にたくなければ起きて戦え”って命令の間違いではっ!?」如何考えても選択の余地が無い臭いがプンプンする。幸いあれから実質1分も経っていないらしい。まだ猶予は有るが撰ぶ答えは決まり切っている。
「もう少し考えても良い。今ここでもう一度立ち上がれば十中八九その後もこの手の存在と争う事になる。最悪それ以上の事を強いられるそれでも…生きるか?」
とんでもない脅しを掛けられる。しかし生きる事を止める度胸を持つ程肝はすわっていないファイン。つまり生きる事に死ぬ事を選択する程の重みが有るらしい。

104 :恐怖の亀裂 727:04/12/14 06:05:58 ID:???
何時か人には何かを撰ばないと成らない時が来る。それも唐突に訪れるものだ。
それはレストランでメニューを選ぶ時。それは道に迷った時に右に曲がるか左に曲がるか?他愛も無い事にも思えるがそれはその後の人生の一幕を選んでいるのである。
そんな選択の中には突如馬鹿げた事を…無理や無茶を選択せざるを得ない時も有る。ファインに今回迫られる選択は何方も無理無茶無謀がぎっしり詰まっているらしかった。
簡単に纏めると…”生きるのを諦めて痛い思いをしてから死になはれ”と”略定まったろくでもない人生を全力で生きろ!”と言う物だ。とっても無責任極まりない選択肢しか残っていないらしい。

ファインは溜め息を吐いてその後言う。「選ぶは1つ!その先がどんなに苦痛と苦難しかなくても…生きる!指が1本でも動くなら選択の余地は無い!」きっぱり言い切った。
精一杯言葉をナルシズムとロマンチシズムに固めて”俺って格好良い!!!”と思いながら力一杯虚勢を張ってでも生きる事を選んだ。
何方に転んでも結果がゼロならゼロ以外が出る可能性が或る方を選ぶ方が無難だと彼は思う。それにそれ以前の問題で”死ね”と言われてはいはいと死ぬ奴等居ない。
それを天秤に掛けても意義が出ない程の信念でも無い限り。

「そうか…生きる事を選ぶか。ならば止めはしない!また今までと同じく何方かの死で終わるまで付き合おう…。」
話が終わったのを感じたかベルウィートが戻ってくる。それを確認して諭す様にベルゼンラーヴェは話す。「もうここには居られ無くなった…解るな?」
それを聞いて少し寂しそうな顔をするが直に笑ってベルウィートは「大丈夫ですよ。時間はずれてしまいましたが元に戻るだけですから!」語尾に加わる息が強い。彼女の方も腹を括ったらしい。
「ならば!吼えろ!心の奥底から立ち上る意思を強さを込めて叫べ!」その声を合図にその場の2人と1体は思い切り吼えた。

物の2分程でベルゼンラーヴェをいたぶるのに飽きたザイデルは止めを刺そうとベルゼンラーヴェに迫る。
その時突然強力な力を発生させながら強烈な音量で吼えるベルゼンラーヴェ。機体から溢れてしまった力はその足元を数cm砕き宙に舞い上がらせる。
「何!?如何したというのだ!以前は少しの間だけだったのに今回は長い!」ベルウッドは自分を取り巻く状況に焦ってしまう。

105 :恐怖の亀裂 728:04/12/14 07:30:08 ID:???
倒れていたベルゼンラーヴェは機体を独りでに立ち上がらせるがその状況は少々違う。
両手両足で大地を掴み猛獣のような構えで立ち上がったのだ。その顔と同じく狼の様に天に吼えるベルゼンラーヴェ。
「おのれ!寝ていた本体の方が目覚めたかっ!」ザイデルはエクスカリバーを大上段に構えて渾身の一撃を振り下ろす。

しかし既にエクスカリバーの炸裂する地点にはベルゼンラーヴェの姿は無い。次の瞬間ザイデルの目には少なくとも右目には何も映らなく成っていた。
「ぬおおおおおっ!?目を抉られたか!」左目に辛うじて映った姿は狼の如く素早い動きでベルゼンラーヴェの巨体が動き。その左手のハイパーファルクスが右目を潰したと言う事実だけだった。
厳重に厳重を重ねて3倍の密度で発生させていたシールドを易々貫いての芸当。それがその一撃に込められた力の強さを物語る。
更に離れた場所に降り立ったベルゼンラーヴェが吼えるとその牙と口中が鏡面状にコーティングされザイデルに噛み付きを行う。

その狙いは徹底的に頭部に絞られ遂にその牙はザイデルの左の角を捕らえる。そして噛み付いてから角を軸にベルゼンラーヴェは半回転して後ろに回り込むとその牙に目に見えない大きさの穴よりレーザー光が漏れ出す。
レーザー光はその後鏡面の牙と口中を跳ね回りながらザイデルの角を攻撃する噛み付きの圧力と牙が食い込む度に角の中や外に漏れて反射するレーザーの与える効果が高くなる。
やがて限界が訪れ罅割れてザイデルの左の角は折れて砕ける。しかしザイデルも黙っていた訳では無くこの瞬間を待ち望んでいた…。

「ふんっ!!!」烈昂の気合いと共にザイデルは肥大化している肘の強烈な肘打ちをベルゼンラーヴェに喰らわせる。ピンボールの玉がプレイ時に全力で撃ち出される様に弾き飛ばされる。
「ぬおおおっ!?この速度…。」ここでもう一度意識が弾き飛ばされるベルウッド。山肌に叩き付けられてようやく止まったベルゼンラーヴェ。その中では「ううむ…元に戻ったらしいが戻って来ているのか?呆け主は?」
「呆けで悪うございましたね…。」その声を聞き「やっと戻って来居ったか!お陰で妾は酷い目に遭うたぞっ!!!」ベルウッドが答える。
取り敢えずの部分では元に戻ったが状況は随分違う最大の相違点はベルゼンラーヴェのコアの方が完全に活動状態に成った事だ。

106 :恐怖の亀裂の作者:04/12/14 08:41:42 ID:???
鉄獣28号さんへ

決着!膝カックン恐るべし!そして2人は逃げ切れるかっ!?

>いわゆる以前はこういう姿だったのよ〜的なお話ですか?
そう言う話です。捻りも全く有りません。
事件と名を付いたのは偶々被害者がその時ちょっと有名だったからと言う事にして投げっぱなしです。
因みにその事件での一番の被害者は…キングゴジュラスとそのパイロットかもしれません。
何時の間にか犯人扱いを受けていますから。唯進軍して戦闘をしただけなのに…。

107 :悪魔の遺伝子 654:04/12/14 09:41:34 ID:???
「ちょ…ちょっと待て待て!何でそこまで驚いてるんだベイベー!」
「そうよそうよ!しかも顔がつの○じ○うっぽくなってるよイエ〜イ!!」
「だだだだって…ねぇ…。」
「う〜ん…。」
マリンとルナリスの2人は青ざめていた。やはり自称チーマーであるビルトとミレイナのまるで
さながらヘビメタロック歌手っぽいとも言える凄い格好にはビビッており、さらにそんな2人と旅するのは心底嫌だったのだが、それを正直に言えないでもいたのだ。
「だってって…何だ?ベイベー!」
「いや…なんと言うか…その格好さ…。」
「危ない奴と勘違いされそうで…。」
と、2人がその様に言った時だった。急にビルトがマリンとルナリスの肩をバンと叩いたのだ。
「何言ってるんだベイベー!!アンタ等だって俺達と似たようなもんじゃねーかベイベー!!」
              「な…なんだってぇぇぇぇ!!!!?」
マリンとルナリスはまたも驚愕の声を上げてしまった。
「オイオイオイ!一体どうしたんだベイベー!!また叫んでるぜベイベー!」
「そうよしょうよ!と言うか今度は楳○か○おっぽい顔になってるよ!」
「そ…そりゃ驚くさぁ!!!」
「何で私達がアンタ等と似たようなもんなんだよぉ!!」
ビルトとミレイナの2人と一緒にされたマリンとルナリスは本気で怒っていたが、ビルトとミレイナは特に臆する事も無く、さらに言った。
「似たようなもんって…アンタ等自覚してないのかベイベー!?」
「自覚してないのかって…。」
マリンが何か言い返そうとした時、ビルトはマリンの顔を指差したのだ。
「例えば君!!その顔にくっきりと残る二つの大きな傷跡!これは良いぜベイベー!!」
「そうそう!凄味を持っててまさにアウトローって感じよイエ〜イ!!」
「ええええええ!!!!!?」
ある意味凄い事を言われたマリンの目は丸くなり、ガクガクブルブルと震えていた。と、その後ビルトはさらにルナリスの方を指差したのだ。

108 :悪魔の遺伝子 655:04/12/14 09:42:24 ID:???
「次は君!その長い黒髪に黒を基調とした服装が良いぜベイベー!!」
「そうそう!まさに古き良き時代のスケ番を彷彿としてるねイエ〜イ!!」
「ええええ!!!?つーか古き良き時代って…。」
今度はルナリスも目を丸くしてガクガクブルブルと震え始めた。その後でビルトとミレイナがマリンとルナリスの肩にポンと手を置いたのである。
「分かったかベイベー?俺達に言わせればアウトローな奴に悪い奴はいない!と言う事で俺達とアンタ等は仲間何だぜベイベー!」
「あ…アウトローに悪い奴がいないって…それ凄く矛盾してると思うぞ…。」
「と…とにかく逃げましょう!!」
「ああ!!」
とっさにマリンとルナリスは逃げ出した。しかし、ビルトとミレイナは本気で付いてくる様子で、追い駆けてきていたのだ。
「待つんだベイベー!!」
「付いて行かせてよイエ〜イ!!」
「嫌だぁ!!付いてくるなぁ!!」
「キャァァァァァ!!!!!」
それから4人の追いかけっこは結構続いたりする。

109 :悪魔の遺伝子 656:04/12/14 09:56:02 ID:???
第16章:久しぶりに賞金稼ぎとかやってみました

「はぁ…。」
「は〜…。」
「どうしたんだベイベ〜!元気ないぜベイベ〜!」
「誰のせいだと思ってるんだよ…。」
「誰のせいなんだベイベ〜!」
「は〜…。」
結局ビルトとミレイナの2人は付いてきていた。その為にマリンとルナリスはため息が絶えなかった。
ちなみに、カンウとハーデスは先日のバトルの時同様にほぼデフォルトに近い状態にされたまま
であった。これはやはり己を鍛えると決めたマリンとルナリスの決意は本気だったようである。
「あのさ…もうこの際付いてくる事は良いとしても…、もう少し離れて歩いてくれない?それが嫌ならメイク取って!」
「それはダメだぜベイベー!」
「そんな事したらまた弱虫に戻ってしまうよイエ〜イ!」
「は〜…。」
「ハァ…。」
やはりマリンとルナリスのため息は続いた。これはしばらくの間ため息が絶えないのであろう。

それからさらに数日後、マリンとルナリスは仕方無く加えたビルトとミレイナの二人と共に久々に
賞金稼ぎ業に精を出していたりする。と言う事で、早速4人と4機は周辺一帯で大暴れをしている
野盗集団、通称“ベリアル一家”のアジトを付き止め、攻撃を仕掛けていた。
「畜生!!この辺り一帯で鳴らしている天下の大盗賊集団!!俺達ベリアル一家に攻撃するとは何処の馬鹿だぁ!!?」
「こんなバッカで〜す!」
「つーか自分で自分の事を大盗賊とか言うなよ。自信過剰も良い所だ!」
ベリアル一家のボスであり、文字通り盗賊団のボスとしての風格を持つ大男、ベリアル(つーか
そのまんま)が慌てて愛機のブラキオトータスで自然に出来た洞窟を改造して作り上げたアジトから
大勢の部下を引き連れて飛び出して来た時、そこにはその洞窟を護衛していたベリアル一家所有ゾイド
の残骸の上に立つカンウ、ハーデス、そして合体ジャクシンガルの姿があったのだ。

110 :悪魔の遺伝子 657:04/12/14 09:56:55 ID:???
「お!!お前等何者だぁ!!」
「何って・・・、そんなの見ればわかるじゃない!私達はふとどきにも貴方達、自称天下の大盗賊集団ベリアル一家にケンカ売ってるおバカな賞金稼ぎで〜す!」
「イエ〜イ!!」
「元気でやってるかいベイベー!」
マリン達によるベリアル一家の皆様をおちょくるような態度はマリン達の狙い通り彼らを怒らせ、冷静な判断を失わせていた様で、早速一機のジェノザウラーが飛び掛っていた。
「畜生!!俺達泣く子も黙るベリアル一家を舐めるなぁぁぁ!!!」
「あ!こら!!不用意に近付くな!!」
ボスであるベリアルがジェノザウラーに乗る部下を制止しようとした時には既に遅く、その
ジェノザウラーはカンウに飛び掛っていた。しかし、カンウはその場から全く動いてはいなかった。
「(バカが・・・、こっちの動きがあんまり素早い物だから反応すら出来ないみてぇだなぁ!)」
ジェノザウラーに乗る男は笑みを浮かべていた。彼はベリアル一家の中でもランクの高い男で、
愛機のジェノザウラーと共に様々な修羅場を潜り抜け、無論数々の賞金稼ぎも返り討ちにしてきた。
そして彼は自らの操縦技術とジェノザウラーの機動性に絶対の自信を持っていたのだ。しかし、その彼も、今度の相手との間に開く力量差に気付かなかった。
「うう!!?」
案の定次の瞬間彼の目は丸くなり、驚愕していた。彼の乗るジェノザウラーがその場から全く動こうと
しないカンウのキャノピーへ向けてハイパーキラークローを叩き付けようとした時、その絶対回避不能
と思われたはずのその攻撃がスカッとカンウの頭部をすり抜けたのだ。いや、すり抜けた様に錯覚
させる程の速度でカンウがかわしていたのである。そして慌てふためくジェノザウラーの側面に現れたカンウはそのジェノザウラーの首元を軽く叩き、そのまま落とした。
「な・・・何!?今何が起こったんだ!?」
「あああ!!!そんなぁぁ!!何かわけが分からないウチにバッチルさんがやられてる!!!」
「何かよくわからんが滅茶苦茶強えぇ!!」
先程の攻撃は実に一瞬の出来事であった為、大勢のベリアル一家構成員にとっては全く意味不明な出来事であり、それだけ困惑し、恐怖していたのだ。

111 :鉄獣28号:04/12/14 10:07:48 ID:???
一度話を一区切りして、その後でまだ余裕があったので新章も少し書いて見ました。

>>恐怖の亀裂作者さん
精神世界から戻って来たらベルゼンラーヴェが凄い事になっていますね。
もしかしてこちらの方が彼の本当の実力だったりするのでしょうか?

112 :恐怖の亀裂 729:04/12/15 05:16:39 ID:???
ベルウッドは軽口を吐いているが本心は心の底から安心していた…。
”元”の体に戻れたのは何よりベルゼンラーヴェのコアから本来の体に戻ったもう1人のベルウッド。ベルウィートのお陰である。
今彼女はその心の中で現実と向き合い泣いている最中だ。特にその状況を一部始終見ていたベルウッドの記憶を見る事が出来るのだから尚更だろう…。
それを覚悟して受け容れてくれた事には感謝の気持ちで涙すら浮ぶ。
「ん〜?何を泣いているのかな?おぜうさん?」少々意地悪げに声を掛けるファイン。その瞬間ファインの体は衝撃波で宙に浮いていた。

「…それだけ元気が有れば大丈夫そうでありますね。」首が鞭打ちになっていないか調べながらファインは意地悪く嗤う。「ちっ!端からそのつもりであったか!」
ザイデルを完全に無視してのこのやりとりはザイデルを挑発するのには丁度良い寸劇だ。
器用に顔を真っ赤にして突撃してくるザイデル。流石に回復能力が高いのかそれとも重要部位と言う事で緊急に処置したのか目の傷は癒えていた。
しかも動きに隙が無い事からザイデルは挑発に乗ったのではなく武者震いの類らしい事も解る。

一方ベルゼンラーヴェの目に灯った輝きはもう消える事は無い。起動中は不備が無ければずっとこの出力を維持できるだろう。
それ所か…「おや?砕けた筈のミーディアムグロウブが治っているみたいでありますね。これは結構な事で。」これによりベルウッド経由で無くファインは術式行使をできる様になった。
それは”2種類同時に術式を使用できる”と言う事にも繋がる。初心者用の即効性の高い物や重要な術式はベルウッドが受け持ちその他扱える物をファインが使用する。
使えなくなって初めて知る優位な状況。それに胡座を描いていた事を痛感するファインだがそれを直ぐ意識の外に追いやる。

何時の間にか右手に電流が溜まっている。それは輝眼のレンズ体内部の法印を駆け巡っている。
ベルゼンラーヴェが右腕のサブアームを握り拳にするとファインと同じくその甲に法印が現れるとそれより放電現象が発生し周囲が静電気でバチバチと音を立て始める。
「何か随分久しぶりに感じますが…ライトニングブレイカー!参るっ!」同じくザイデルに突撃するベルゼンラーヴェ。
その横で…「お主!名前が違っておるぞっ!!!」ベルウッドの声が響いていた。

113 :恐怖の亀裂 730:04/12/15 06:41:04 ID:???
当然ベルウッドの言葉に等耳を貸さないファイン。と言うより…”次は何て言おうか?”とすら考えている。性根はネタ重視の駄目人間だから馬の耳に念仏と言った所だろう。
ザイデルの拳がベルゼンラーヴェの真横を通り過ぎる。読みが当たった様でその胸ぐらの装甲板に右拳を叩き付ける。

壮大な炸裂音が周囲に響き渡る。落雷の直撃と全く同じレベルの音量で電撃の命中を知らせる。
拳のめり込んだ後が残るぐらい押し込んだ為音量とは裏腹にザイデルの受けたダメージは酷い様だ。
その拳の電撃はザイデルのシールドを接触の時点でダウンさせ略万全の状態でザイデルに流れ込んだらしくザイデルは目を白黒させてその状況を確認している。
戦闘ゾイドでない事から体が動かなく成ると言う事は無いが感電に寄ってできてしまった火傷跡は体の内外に有り嫌な臭いを漂わせる。
しかしザイデルの動きは機械的と言う程能率的で追撃を未然に防ぐ為エクスカリバーを振り払っていた。

「うわっとぉ!?これでもまだまだ元気なご様子で!」緊急回避のアーバレストで一気に距離を置きながら叫ぶ。しかし相手も生態的にアーバレストが使用できるデビルの眷属だ。
追い撃ちを掛けられたら空気抵抗の関係であっと言う間に追い付かれる。その為腰から2挺の銃を取り出し素早く撃つ。元の存在の出力上昇と銃の機嫌が良い為か更に威力の高い状態で撃ち出される弾丸。
倍程の大きさの火球と同じく倍の大きさに成った閃光の矢尻が光の尾を引きながら飛ぶ。火傷に追い撃ちを掛けられるのを嫌ったかザイデルは追撃をせずタイミングを測って両方の弾丸をエクスカリバーで叩き落とす。
「うわ…恐ろしや…。」ファインはその光景を鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で言う。

「ふん!易々とは近付かせんか…成らば奥の手だ!」突然エクスカリバーの剣である本体に力雪崩れ込む。すると周囲に飛び散った岩石や地表に岩石が岩盤から剥離しエクスカリバーに集まる。
それはガチガチと砕けて再結合見る見る内にザイデルの数倍は有ろうかの岩石の巨刀に成る。それを見て呆然としながらファインとベルウッドは声を揃えて呟く。
「「それって結局エクスカリバーを抜く意味その物を闇に葬ってないですか?」」何とも哀れな聖剣。この状況はエクスカリバーの価値その物に対する強烈な反論を見事に形に変えた存在がそこに在った。

114 :恐怖の亀裂 731:04/12/15 08:03:32 ID:???
奥の手がベルゼンラーヴェに振るわれる。「でぇえええっ!?」何とか避けるのが間に合うが背に在る山肌は刃の長さ分すっぱりと裂けている。
ゴツゴツしている割には驚異の切断能力。その跡を見て血の気が引く気分のファイン。ベルウッドは予測の範囲だったらしくそれを見て笑っている。
よくもまあ生きるか死ぬかの瀬戸際で笑っていられると思ったがそれを見て笑っている自分に気付き苦い顔をする。
如何やら自分の方も確りと毒されていたらしい…余り負ける気がしない。それ処か大剣の軌道が見えた気すらした。
もう一度振り抜かれるエクスカリバー。しかしその見えた気は気分では無かった様だ。

刃がベルゼンラーヴェに届く前にベルゼンラーヴェのサブアームの拳がエクスカリバーの岩石の刃の腹を叩き上げる。
「あ…そう言えば陰極呼が何時の間にか使用状態に!?」使用時には時間の流れが実際の感覚として遅くなる。その状況が突然ふっと湧き出していたのだ。
それが終わると時間の流れが元に戻る。「死ぬ気でやれ…こう言う意味だったのでありましょうか?」何となく集中して目を閉じなくても使えるようになっていたらしい。
しかし直に気分を切り替えて真面目に行動の筋道を頭に浮べる。すると「にゃふ〜ん…。」ずっと忘れ去られていたアサガオライガーが鳴く。

「ほうほう…そう言う事か!お主!面白い事を考える。」ベルウッドはアサガオライガーのその一鳴きでファインが何を為ようとしているか解ったらしい。相変らず謎な事をするとファインは思う。
次のエクスカリバーの一撃を合図に行動を開始するベルゼンラーヴェ。次の一連の行動で勝負を決めるのだ。その気合いも在ってか更に行動速度が上る。

空中に跳び出したベルゼンラーヴェは八封輪を投擲する。真っ直ぐ何の捻りも無く投擲されたそれはザイデルに簡単に回避される。ザイデルはここで気付くべきだった事をこれから後悔するのだ。
その後素早く背のアスピトルテの外套を引き抜き両手でブレードアークキャノンを形成する。アスピトルテの外套の刃の翼が放熱フィンとして機能し翼内に内蔵した折り畳み粒子加速レールが上下出連結する。
それを使い粒子加速式レールガンを完成させるとそれにソードレイを番えて準備は完了する。
「第1段階状況終了!これより第2段階状況開始!」番えたソードレイを撃ち出す。

115 :悪魔の遺伝子 658:04/12/15 09:04:13 ID:???
「き・・・貴様等ぁ!!!この天然の要塞とも言える我がベリアル一家のアジトをどうやって突き止めたぁ!!」
「ええとね!三丁目の角を曲がった所にあるタバコ屋のお婆ちゃんに聞いたよ!ここにベリアル一家のアジトがあるって!」
                    ずげげげげ!!!
マリンの返答にベリアルと彼の乗るブラキオトータスを含め、大勢のベリアル一家構成員とそのゾイドがすっ転び、それにはマリン等も驚いた顔をしていた。
「ちょっとちょっと!何でそんなに派手に転ぶワケ?」
「お・・・お前等ぁぁぁ!!!!数多くの追っ手を欺いて来た我々のアジトが何でそんなタバコ屋の
ババァに筒抜けになってるんだぁ!!!まさかそいつはやり手の情報屋かぁ!!!?」
「ハァ?あんた何言ってるの?」
焦るベリアルに対し、マリン達は困った顔をした。
「あんた達まさか私の言った事本気で信じていたの?」
「何ぃ!!?まさかそれは嘘だと言うのか!?」
「うん!」
軽く頷くマリンに対し、ベリアル達は絶句した。
「それにしても本当に信じる奴がいるもんだなベイベ〜!」
「そうそう!本当にこんな完璧にカモフラージュされた要塞がタバコ屋のお婆ちゃんにまで筒抜けになってたら私達もある意味怖いよイエ〜イ!」
「嘘を嘘と見抜けない奴にゾイド乗りは難しい・・・。」
と、あざ笑うマリン等に対し、それまで必死に平静を保とうとしてきたベリアルも怒り心頭となった。
「畜生!!じゃあ本当はどうして俺達のアジトを付き止めたんだぁ!!?言って見やがれ!!」
「ふもとの田町の交番に勤務してるお巡りさんから聞いたよ。」
                    ずげげげげげ!!!
ベリアル達はまたもすっ転んでしまい、またもマリンは驚いた。
「ちょっとちょっとちょっと!また本気だと思ったの?」
「だから言っただろうが・・・、嘘を嘘と見抜けない奴にゾイド乗りは難しいと・・・。」
「まったくお前等それでよく盗賊が務まるなベイベ〜!」
マリン達は今度は困った顔の上にヤレヤレのポーズを始め、それはさらにベルアル達を怒らせた。
「くっぞぉぉぉぉぉ!!!!なら今度こそ本当の事言えぇぇぇぇ!!!」
「わーったわーった!こっちにはね!電子戦のスペシャリストがいるのよ!」
「何?」

116 :悪魔の遺伝子 659:04/12/15 09:07:03 ID:???
ベリアル達は繭を細めたが、カンウは合体ジャクシンガルの、キラードーム=キルベリアンの方を指差していた。
「ホラ!コイツ!コイツが電子戦のスペシャリスト!」
「どうもどうも!イエ〜イ!」
マリンにおだてられたミレイナは思わずピースしていたが、ベリアル達はなおも怒った。
「冗談言うんじゃねぇ!!そんな変なメイクとかしてチャラチャラした奴の何処が電子戦のスペシャリストなんだぁ!!?」
「ハァ!あんた達それで良く今まで盗賊が務まってきたわね・・・、人は見かけによらないって言葉聞いた事無いの?」
「な・・・何?」
マリンの言葉にベリアル達がさらに繭を細めた時、今度はルナリスが言った。
「とはいえコイツの凄さには私等も驚かされたがな!コイツは本当に見かけによらずレーダーの扱い
とか本当に上手いぞ。何しろあんた等のアジトを見付けたのはコイツのおかげだし、ここに来るまで
だって周囲の木々とか岩山に潜んでたお前等の部下とかことごとく発見してたからな〜・・・。」
「・・・・・・・・。」
ベリアル達は絶句していた。確かに電子戦に関してはマリン等もその経験が少なからずあるが、
マリンの場合は補助的と言う点が強く、殆ど以前カンウが装備していたマグネッサー3Dレーダーの
性能とオートマに任せていたと言う感があった。しかしミレイナのそれは違った。確かにそのレーダー
性能に関してもジャクシンガルとキルベリアンが合体した際にZiユニゾンシステムによる出力アップ
により、火器などの威力と共に上昇するのであるが、やはりミレイナの操縦はその性能をフルに発揮
させることが出来ていたのだ。彼女は僅かな変化なども見落とす事無く周囲を調べつくし、かつ的確に
状況や情報をマリン等に伝送したのである。これが電子戦のスペシャリストと呼ばずして何と呼ぼうか?
「つーことで!一緒に警察行こか!?」
カンウ、ハーデス、合体ジャクシンガルはいつでも攻撃できると言った様子で一歩前に踏み出した。
が、しかしベリアル一家の構成員達は降伏するどころかカンウ等へ向けて飛び掛ってきたのだ。
「畜生!!!俺達ベリアル一家を舐めるなよ!!!!」
とはいえ、結果は確認するまでも無かった。もはや数分と経たないうちにベリアルの乗るブラキオトータス以外全滅させられたのだ。

117 :悪魔の遺伝子 660:04/12/15 09:08:57 ID:???
「ア・・・・・・・・。」
「さあ!残るは貴方一人だよ!」
「それじゃあ今度こそ一緒に警察行こか!」
カンウ等はさらに一歩前に踏み出し、ブラキオトータスは思わず後ろに下がっていた。しかし、ベリアルはうろたえる所か逆に笑っていた。
「へ・・・お前等はもう終わりだ・・・。」
「ハァ?終わりはあんたでしょ?」
ベリアルの言葉にマリン達はまたも困った顔をしていた。と、その時ブラキオトータスがさらに後ろへ下がりながらその背中に背負う大砲をカンウ等へ向けたのだ。
「本当にお前等の健闘はここで終わりだ・・・。何故なら俺のブラキオトータスの最終兵器、“対ゾイドICBM”でお前等は跡形も無く吹き飛ぶからだ!!」
「対ゾイドICBM!!?」
マリン等は愕然とした。ICBMとは“大陸間弾道ミサイル”および“大陸間弾道弾”を意味し、
最高飛行速度はマッハ10を超え、射程距離は数千キロ、そして破壊力はメガトン級と言うまさに最悪の兵器なのである。
「オイオイちょっと待てちょっと待て!!何で単なる盗賊がそんな物騒な物持ってるんだよ!!」
「いざと言う時の為の最後の手段さ、それに考え方次第で標的への威嚇にも使える・・・。」
「威嚇にもって・・・この距離でそんな物つかったらあんたやあんたの部下とかもまとめて吹き飛ぶでしょ!!?」
「フ・・・いずれにせよもう俺達ベリアル一家は終わりだ。ならば貴様等もろとも玉砕するのみ!」
「ヒィィィィィ!!!!!マジかよベイベ〜!!」
「お願い考え直してイエ〜イ!!」
何の脈絡も無く登場した超兵器のせいでもはやパニック状態となっていた。そして大騒ぎになる
マリン等を他所に、ブラキオトータスは最大速度で後退を始め、ベリアル自身も対ゾイドICBMの発射ボタンの安全装置を解除していたのだ。
「お前等の頑張りもここまでだ!!死ねぇぇぇぇ!!!!」
「あああああ!!!!!やめやめやめやめぇぇぇぇ!!!!!」
ベリアルを思い止まらせようとするマリン達の必死の呼びかけも空しくブラキオトータスの対ゾイドICBMは発射され、大型のミサイルが高速でカンウ等目掛けて空を切った。

118 :悪魔の遺伝子 661:04/12/15 09:10:06 ID:???
「これでお前等も終わりだな!!あばよ!!」
発射を確認したベリアルはブラキオトータスを反転させ、その場から逃げ出したのだった。彼の大勢の
部下達を置いてである。そして対ゾイドICBMは残された部下達もろともカンウ等を吹き飛ばす・・・と思われた時だった。
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「!!!!!?」
その時背後を向いたベリアルは愕然とした。なんとカンウが対ゾイドICBMを弾頭に衝撃を与えない様に脇で抱える形で受け止めていたのだ。
「あんた仮にも人の上に立つ者なら少しは責任とか感じなさいよぉぉぉぉ!!!!!」
その直後、カンウは対ゾイドICBMの向きを変え、逆にブラキオトータスへ向けて投げ返したのだ。
「え?えええええええええええええええ!!!!!!?」
敵に撃ち出したはずが、今度は自分へ向けて飛んできた対ゾイドICBMの恐怖にベリアルは目が
飛び出さんばかりの顔になり、そしてブラキオトータスは対ゾイドICBMの破裂による大爆発の暴煙に包まれるのであった。

「さあ!キリキリ歩け!」
「ヒィ〜!」
それから数時間後、警察署にまとめて突き出されるベリアル達の姿があった。そして対ゾイドICBMの爆発に巻き込まれ、全身包帯だらけになったベリアルは警官に泣きついていたのだ。
「ヒィィ!!お巡りさん助けて!!あそこにいる人達が怖いのぉ!!!」
「いいから黙って署に入れ!!」
警官に泣きつくベリアルの指差す先にはニカニカと笑うマリン達の姿があった。とはいえ、これでベリアル一家は壊滅し、賞金をもらったマリン達は新たな地へ旅立つのであった。

119 :鉄獣28号:04/12/15 09:19:53 ID:???
短い短編的なこの話はもうこれで完結。次は長い話になります。

後、とりあえず訂正があります。
>>115
>ふもとの田町×→ふもとの田舎町○

>>恐怖の亀裂作者さん
パワーアップした(?)ベルゼンラーヴェも凄いですが、それと良い勝負してるサイデルも
凄いですね。この戦いはどうなるのでしょうか?あとベルゼンラーヴェの放った八封輪と
ザイデルが後悔しなくてはならないと言うのは何を意味するのでしょうか・・・

120 :恐怖の亀裂の作者:04/12/15 09:53:51 ID:???
ああっ!?コンビニで買い出しを為ていた間に…w タイミング悪いぞ!漏れ_| ̄|○
と言う事で大量加筆修正。_| ̄|●

鉄獣28号さんへ

やっぱり逃げ切れなかったのですね…ユニゾンして追い掛けられても酷ですしw
その上確りレーダーも使える上レーダー手の腕も良い…絶対逃げられない気がします。

実はあの機体が強そうなのは2挺の銃と敵にしている相手のとの相性の所為です。
特にかなり前に説明した術等普通なら扱いづらい物が扱い易くなっている空間状態も有りますし…。
ファンブック4基準で性能を表記するとこう成ります。
ーーーーーー
ベルゼンラーヴェ
全長20,3m(最大展開時28,5m) 全高32,4m(最大展開時38,4m) 重量350t 最高速度200km/h(300ノットとマッハ1,2)

格闘 Aー 近接射撃 Aー 中距離射撃 Bー 長距離射撃 ーー
装甲 A Eシールド A 運動性能と操縦性 変動(最大S最低Eー) 
ステルス性 C+ 索敵能力 Aー 電波撹乱 ーー 稼働時間 S+(理論上)
地形適応 低空と深海以外オールA 深海と低空 S+ 

データは内蔵火器のみの状態で2挺の銃と外付け荷電粒子砲は無し。稼働時間の理論上と言うのは操縦方法の関係上で実質Bー以下で3人乗り以上で実現可能
運動性能と操縦性は数値は同じ数値でEーなのはなにも知らない人が乗ると指を動かす事もままならない為。
300ノット=555,6km/h マッハ1,2=1200km/h(高空での速度で計算で低空だと1440km/h)
水中と地上はアーバレスト使用時の速度。 1ノットは1852km/h マッハ1は高空で1000km/h低空で1200km/h

とステータス上は強そうでも機体サイズがデスザウラーより大きいので…はて?と言う結果。
無闇に高い地形適応の中で特に深海と低空が高いのも何がしたいの?と突っ込みを誘う要素ですw
ネタは書き易いですが…。

121 :恐怖の亀裂 732:04/12/16 03:40:32 ID:???
放たれたソードレイは粒子加速レールを速度を増しながら通過流れ込んだ力と粒子により刀剣状の光の矢と化す。
ブレードアークキャノンから放たれた巨大な矢は寸分の狂いも無くザイデルの融合した寄生体のコアを目掛けて飛ぶ。
「見え見えだな…。」それを軽々エクスカリバーで弾く。更にもう一撃その一撃に紛れて飛んで来た2発目も同じく弾く。
「影番えとは姑息な物よ!しかしそれで良い…力無ければ知略と謀略そしてそれに踏みきる覚悟で補うのは当然だ。」
その通で良く言う知恵と勇気で補えと言う精神論だ。

しかしそのままブレードアークキャノン本来の粒子弾を発砲して注意をベルゼンラーヴェに絞らせるファイン。願わくば状況を理解されない事を祈るばかりの状況。
しかしこれが万一ばれてもそれ程問題は無い。その代わり仕掛けがばれる度に方向修正に余計な荒事を為なければならない程度ですむ計画なのだ。
弾かれたソードレイを回収する物体…最初に投擲した八封輪がその光の刃を回収しその場で展開接続し十文字の長刀に再形成される。それは前方にしか注意の向いていないザイデルの背後を襲う。
「甘いわ!道理で最初に誘導せんと思ったらこれかっ!!!」前方に注意を向けたまま左腕の装甲で柄の部分を思い切り叩き跳ね飛ばす。

「第2段階状況終了…第3段階状況開始!」今ので第3段階に作戦は移行する。「天風刃!渦旋斬!」ブレードアークキャノンの接続を解除しレールを縦に再連結してアスピトルテの外套を天風刃状態に形成する。
そして空中でそれを激しく回転させると同時にベルウッドの捕縛結界術式が発動。渦旋斬の効果範囲からザイデルが逃げ出せない様にする。
そろそろザイデルも一連の行動に関連性が有る事に気付いている頃だ。そうなれば当然次のザイデルの行動は予測し易い。

渦旋斬の鎌鼬の渦に対抗しザイデルは猛然と逆回転を始める。「トルネードカウンター!!!」怒号と共に猛烈な竜巻が発生し始め渦旋斬と正面衝突する。
それを確認してファインは渦旋斬の回転数を徐々に上げていく。出力も当然上乗せする。渦旋斬により発生した気流は機体内の荷電粒子コンバーターのエネルギー吸収率を効果的に上げそれが更なる渦旋斬の出力アップに結び付く。
お互い1歩も譲る事無くその正面対決はヒートアップしていく事になる。それがファインの計画である事も知らずに…。

122 :恐怖の亀裂 733:04/12/16 06:12:36 ID:???
周囲は旋風に巻き込まれ目標を見失った鎌鼬がズタズタに地表を切り裂いている。
「「おおおおおっ!!!」」意地の張り合いならファインでもザイデルに劣る事は無い。諦めが悪い。性が悪い。執念深い。
遂に三拍子揃ったファインは負けを考える事は無い。よく諦めがちだった性癖が修正されてしまった為鬱陶しさが当社比100倍。
完全に叩き潰さない限り何度でも纏わり付く嫌な奴にクラスチェンジしたらしい。

2〜3分程意地の張り合いが続くがそろそろ頃合とベルゼンラーヴェ側が攻撃を中止する。それにより必然的にザイデルの竜巻が残る。
しかし…「ぬおおおおおおおおおおおっ!?」意地の張り合いによってザイデル自身が回転して竜巻を起していたので在るからして…当然その本来の威力を発現させる。
それは相殺されていた倍の大きさの竜巻が発生ししかも「と…止まらん!おのれぇぇぇぇぇ〜〜〜!!!」順回転である為ザイデルにその影響が出る。

体が鰭リ上げられ竜巻に巻き込まれて上空に放り出されるザイデル。
その間に八封輪と2つのソードレイを回収して更に強力な武器を作成する。機体のホロテックルーン装甲やその他の装甲も総動員して産まれる一振りの巨大な剣。
剣という割には刃が無い。全てが取り外し可能な武装と装甲で出来た刃無き剣。「我身刃得る事要せず!ソード・オブ・ブレードレス(刃の無い剣)!!!」
本来斬撃を発生させるべき部位に刃は全く無く刀身の反対方向に全ての刃が煌めいている。煌めく刃に更に光が集まり目も眩む程の光が宿る。
「これで…決めますよ!」ソード・オブ・ブレードレスを構えアーバレストでザイデル目掛けて跳ぶ。

「ぬう…全ては囮か!ぬん!!!おおおおおおっ!!!」如何にかして捻り上げられた体を元に戻したザイデルの目の前にはライガーゼロで言う通称ストリップ状態のベルゼンラーヴェの姿が在る。
両腕を使って刃の無い大剣を振り抜く瞬間の映像。幾重もの不自然な行動が重なった事がザイデルの判断を誤らせたのだ。その代償は自らの命。
それを確信した後ザイデルの体は左右に両断されていた…。

「我身刃得る事要せず!去れど我が一撃は姿無き刃なり!無刃両断…完成であります…って痛い痛いっ!?」ベルウッドに後頭部を最弱威力の衝撃波を連射されて頭を抱えてしゃがみ込むファイン。
「おのれい!危ない橋をひょいひょい渡りおって!!!」

123 :恐怖の亀裂 734:04/12/16 07:32:03 ID:???
鬼の形相でファインを睨み付けるベルウッド。如何やらここまで徹底的に攻撃に転じるとは考えなていなかったらしい。
「速く元に戻せ…。」相当御立腹らしいが疲労が先行しているのでダラダラと元に戻しているファイン。それを見て「ほう?また死線を彷徨いたいと見えるが?本気か?」
表情こそ笑っているが声はドスの利いたやけに低い声。「イッイエッサァアアアアッ!!!」その手には危なそうなフォースブリットが握られている。下手すると死ぬ威力だ。
恐怖におののきせっせと機体の装甲とその他を元の場所に戻す。

「ふん!下手に格好を付けようとして1人で終わらせようとするからそう成るのだ!」ベルウッドは疲れ果ててコクピットの床にへばって居るファインを見て罵る様に言う。
もう如何でも良いやと言う状況のファインにはその声は完全に届いていない。そのファインの頭の上に定位置とばかりアサガオライガーが乗り「にゃ〜ん」と鳴く。
取り敢えずは敵戦力の殲滅に成功したらしい。残る雑魚と化した者達はザイデルが1ON1に夢中に成っている間にラフィーレ達に片付けられていた。
そこに敵が居た証は引き抜く者も居ず求める者も無くなったエクスカリバーとその台座周辺の岩塊だった…。

当然ベルゼンラーヴェはメインパイロットのファインがぐでーっと脱力しているので同じポーズで情けなく項垂れている。
今にも地表に溶け込んで消えてしまいそうな程蕩けている様に見える。やはりそうそう全てが変わる様ではないらしい。
しょうがないとヴァイスリヒトのストームラプターに空中から釣り上げてもらいゆっくりと格納庫に戻って行く。
当然その後の格納庫内では吊るし上げにされているファインの姿が見れたという…。

「そろそろ飽きてきたな…終わらせるか。」第9層最深部。一定のリズムで現れる敵戦力に飽き飽きしながらザクサルは目の前の相手の首をディアボロスウイングに捩じ切らせる。
血や機械油を上げながら倒れる寄生ゾイド。もう既に何体の相手を屠殺しているか覚えていない。そもそも彼自身はそんな事を数える神経を持ち合わせてはいないのだが…。
最早自分が戦場に居るという事すら嘘に思えてくる。相手が弱すぎて実感が無いのだろう。
潜入工作や緒戦の1対多の絶望的な状況が常だったザクサルにはここに出てくる者は欠伸が出る程の相手でしか無い…。

124 :悪魔の遺伝子 662:04/12/16 11:10:26 ID:???
第17章:またライオンがわらわらわらって出てきました。

その日、マリン等は普通にゾイドバトルの試合をこなした後、いつもの様に宿をとっていた。そして
夕飯は焼肉である。ちなみに、その時のビルトとミレイナはチーマーっぽいメイクを取った素顔の
状態になっていた。素顔の状態ならば二人はいたってまともである為、マリンとルナリスにとっても普通に接する事が出来るのだ。
「今日の試合もなかなかでしたね〜・・・。」
「あ・・・ああ・・・。」
前述した通り、今のビルトとミレイナの二人はメイクを取った素顔の状態である。二人はいわゆる
多重人格者であり、メイクをした状態と素顔とでは全くと言って良い程性格が違うのである。メイクを
した状態はまるでヘビメタロック歌手の様なバリバリな性格で、端から見ると危ない人の様にも見え、
流石のマリンとルナリスもため息の連続であったのだが、メイクを取るといたって礼儀正しく、そして
控えめで弱気なおとなしい人に豹変する為、今度はそのあまりにもかけ離れたギャップにマリンとルナリスのため息は続いていた。
「と・・・とにかくだ!とりあえず明日は次の町に出発するんだ!その辺良いかな?」
「ちょっと待ってはくれんかね?」
「何だ?って・・・え・・・。」
突然何の脈絡も無く何処からか聞こえて来た謎の声の方向を向いた時、4人は絶句した。いつの間にか
に焼肉を食べていた4人に加わって焼肉を食べる、Xと言う文字がデカデカと書かれた布袋の様な覆面を被ったスーツ姿の大男がいたのだ。
「ああああんたはふふふふ覆面Xゥ!!」
「よ!久しぶりだな!」
「よ!じゃねーだろ!」
その大男こそ、賞金稼ぎ達に仕事を持ちかけ、以前はマリンとルナリスにも仕事を持ち掛けて来た事の
ある謎の覆面怪人“覆面X”であった。そしてあたかも初めからいたかのように振舞う覆面Xをマリンとルナリスは睨み付けていたのだ。
「いやいや本当に久しぶりだねマリン君にルナリス君!しかし君等の噂は聞いてるよ。ハイGホエールで派手に暴れていたみたいだねぇ。」
「その事はゾイテック社が各メディアとかに圧力掛けて巧妙に隠ぺい工作してくれてたのに・・・、それでもやっぱり貴方には筒抜けだったのね・・・。」
「と言うか焼肉のただ食いすんなよ。」

125 :悪魔の遺伝子 663:04/12/16 11:12:32 ID:???
マリンとルナリスが眉を細める中、覆面Xは話しながらなおも焼肉を頬張り続けていた。そもそも
覆面Xはただ賞金稼ぎ達に仕事を持ちかけてくる男では無く、超一流の情報屋としての側面も持って
いる。その情報は時にマリン等を大いに手助けする事にもなっていたのだが、その一方であまりにも全てが筒抜けになっている為に、これはこれでかえって不気味がられていた。
「ったく覆面X!貴方本当に色々知ってるのね〜・・・、貴方がいったいどんな情報網を持って、どういう風に情報を調達してくるのか知りたいよ・・・。」
「全く持ってその通りだ。まるで下着の中まで筒抜けになってるみたいで本当に怖いぞ・・・。」
と、その時覆面Xは首と左手をブンブンと左右に振った。
「確かに君達の気持ちが分からんでもないし、本当に済まないとも思ってる。しかし、私の情報網に関しては決して明かすことは出来ない。」
「ハァ・・・やっぱりそうなの・・・?」
「済まないと思ってるって・・・、本当にそうかよ・・・。」
「あの〜…つかぬ事を聞いて済みませんが…、その人は一体何方なのでしょうか…?」
「え…?」
3人が声のあった方向を向くと、ワケの分からない表情で固まっているビルトとミレイナの姿があった。確かに2人が覆面Xと会うのは初めてであり、自己紹介の必要があった。
「え〜…ではお初にお目に掛かる。私の名は覆面に書かれた文字の通り、覆面Xと言う者だ。以後よろしく!」
「あ…ハイ…よろしくお願いします…、では私の名は…。」
と、ビルトとミレイナの2人が自己紹介をしようとすると覆面Xが手を広げて止めたのだ。
「いや、失礼だとは思うが、君等の名前は存じている。ビルト=バリアン君とミレイナ=ラッカス君であろう…?そして君等はメイクをすると性格が変わる多重人格者であろう?」
「は…ハイ!」
「そこまで筒抜けだったか…。」
「と言うかあんた何時かプライバシー侵害で訴えられるよ…。」
ビルトとミレイナの事についても既に筒抜けにされていた事実にマリンとルナリスは呆れて眉を細めていた。
「ま…まあ良いや…。とにかく覆面X?あんたが来たって事はまた何か仕事とか頼みたいんでしょ?」
「おおそうそう!その件なのだが…。」

126 :悪魔の遺伝子 664:04/12/16 11:14:30 ID:???
「どうせまた変な仕事とかじゃねーだろうな〜…。何かどでかい組織と戦えとか言ったりしてよ。
(ったくこっちはズィーアームズの連中とドンパチやらかしてそれほど時間は経ってないんだ…。もうあんな滅茶苦茶な事は御免だ…。)」
マリンとルナリスは腕を組み、やや不安な面持ちになっていた。覆面Xの持ちかけてくる仕事は、
報酬は高いものの、その仕事内容は大抵かなり大仕事である事が多いのである。実際マリンとルナリス
は覆面Xの依頼により、軍隊並の組織に膨れ上がった暴走族や大手犯罪組織等と戦った事があった。
ハイGホエールにおけるズィーアームズ社との戦いが終わって間もない今、またそんな凄い仕事とか
頼まれたらどうしよう…など、その様な事を2人は考えていたのだ。と、2人のその不安な表情を見抜いたのか、覆面Xは笑顔(?)で手を左右に振っていた。
「安心しなさい!君等の考えている様な凄い仕事では無いから!」
「そ…そうなの…?じゃ…じゃあ…その内容は?」
「ただの野良ゾイド掃討だよ。」
「な…何だ…そんな事か…。」
2人はほっと胸をなで下ろして安心していた。しかし、覆面Xは書類らしき物を取り出しながら言ったのだ。
「あまり油断するんじゃないぞ。たかが野良ゾイド掃討、されど野良ゾイド掃討だ。それと、この仕事
に関してはこの書類に詳しい事が書かれている。あと、現地には他にも頼まれた連中がいくつかいると思うから、まあそいつらとも仲良くしてやってくれ!」
「わ…分かったよ…。」
「それでは!さらばだ!また何時か会おう!」
と、覆面Xがそう言い残した直後、彼の姿はその場からフッとかき消える様に消え去り、思わず4人は
ビクッとして驚いた。そして確かに覆面Xはその場から消えていた。マリンのギガスミラージュの様に
超高速移動により消えたように錯覚させる程の速度で動いたワケでは無い。本当に消えたのだ。
「き…消えた…の…?」
「やっぱり消えやがった…。何者だアイツは…。」
「侮れないわね…。」
その場からかき消えた覆面Xに、ビルトとミレイナはあっけにとられ、状況が全く理解出来ていないと
言う様子で口をあんぐりと開けており、そしてマリンとルナリスは全くと言って良い程得体の知れない彼の存在を驚異に感じていた。

127 :悪魔の遺伝子 665:04/12/16 11:15:31 ID:???
翌日、マリン等は覆面Xから渡された書類に書かれた場所へ向かって、広大な荒野を移動していた。
「仕事は野良ゾイドの掃討だが…、やはりアイツの持って来た仕事だ。油断はしない方が良いだろうな。もしかしたら凄い強力な野良ゾイドとかいるかもしれん!」
「だね!」
4人は一見楽な仕事であると考えた事もあったが、覆面Xの事を思い出すと共に改めて気を引き締めて
いた。と、そんな時だった。マリン等の向かっている方向の先にある岩山から爆発音の様な物が聞こえてきたのだ。
「何だ?戦闘でもやってるのか?」
「まさかもう野良ゾイド掃討が始まったとか?」
「そんな事は無いと思いますよ。書類に書かれていた仕事開始予定日等もまだ先ですし、それに目的地もまだまだ随分と先ですよ。」
「そ…そうなの?」
そしてミレイナはキルベリアンのコンピューターを操作しつつ状況を確認し始めた。マリンがカンウの
マグネッサー3Dレーダーをオミットした今、ミレイナとキルベリアンこそが唯一の電子戦要員として
頼りにされていたのである。ちなみに現在のビルトとミレイナは素顔バージョンであり、これは電子戦と言う事ならば素顔でも出来ると言う事を意味していた。
「あ!どうやら前方数キロ先の所に2つの熱源反応がありますね。確かに戦闘らしき行為をやってる模様です。」
「なら私が少し先行して様子を見に行こうか!」
「ああ!だが確認したら確認したで早く帰って来いよ!」
「うん!」
マリンはカンウの背中に装備されたバスターロケットのスイッチをオンにし、その噴射によって
飛び上がったカンウはそのまま前方へ向かって飛んでいった。そもそもこのバスターロケットは
バスターキャノンを改造し、ロケットブースターとして再構築したと言う割と簡素な物であり、
結構普通な市販品であったりもする。無論その出力はハーデスが以前装備していたダブルウィング
スラスターに勝るべくも無い。と言うより、比べる事自体ダブルウィングスラスターの開発者である
ミライロに失礼であると言った方が良い程性能的には高くない代物である。しかし、それでもカンウ
自信が200トン程度と、ハーデスの半分の重量である為、そのくらいの出力でも充分カンウを飛行可能にさせる事は可能であったのである。

128 :鉄獣28号:04/12/16 12:12:40 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
己の装甲や武装を一まとめにして一つの大剣を作る・・・。
リスクが大きいですが見栄え的には随分カコヨクも思えますね。
戦いそのものはひと段落着いた様子ですが、さらに新たな戦いの予感が・・・。

後、自分、>>120に書かれたベルゼンラーヴェ性能評価に思い切り影響されて、
「よっしゃ自分もそういうの書いてみようか?」とか思ってみたんですが、ダメでしたorz
カンウの場合、基本はギガなんですが作中で語られた通り、内部は思い切りチューンされてる上に
パイロットの精神リンクによる+αの性能変化が激しいので、明確に表記するのは測定不能過ぎて
難しかったりするんですよ。(猛烈に怒ったり、精神的に一皮剥けると急に強くなるのはその為)
まあ取り合えず基本的には単純性能だけでも各能力の点でノーマルのギガより何ランクか上の性能に
なってます。それに加えて精神リンクによる+αがあるので実施的な性能はさらに上になります。
(精神リンクによる+αの有無が、マオ操縦時とマリン操縦時の性能差として現れている)
装甲の物理防御はノーマルと同じS−ですが、“気”を入れると一時的にではありますがSにもS+以上
にもなります。対ビーム防御は集光パネルのおかげで基本的にはSですがその吸収力も精神リンクによって変動します。
恐らくノーマル機と比較して最も異なると思われるのが操縦性です。マオ及びマリン等、カンウが
認めた相手に対しては「その人の為なら死んでもいい」と言う位にまで真剣に忠義を尽くすので
S+になるのですが、そうでは無い人に対しては全力で拒絶し、コックピットから弾き出されるのがオチだったりします。

それと、前々章からロケットブースターを積んで飛行可能になったのですが、その飛行速度は
マッハ0.8位です。(但しこれも精神リンクによって変動の可能性あり)
飛行速度に関して、それを考える参考にロケットについて検索してたんですが、自分が思っていた
以上にスピードが出る事が分かり、結局ロケットでは無く普通のジャンボジェットの速度を参考にしました。

と、こう見てみるとカンウは怪物みたいに思われるかもしれませんが、今まで登場した敵の怪物ゾイド
を含め、世界にはまだ見ぬ強豪が数多くひしめいているので案外そうではなかったりします。

129 :恐怖の亀裂 735:04/12/17 02:21:11 ID:???
しかし…遂に時は来た。彼の望む時が…。

「ふっ…ふふふふふ…ふははははは…はぁ〜はっはっは!!!待っていたぞ!待っていたぞぉ!!!レクス=アームズッ!!!」
ザクサルの歓喜の叫びが辺りに木霊する。それは魔術師でもない彼の狂気が周囲に爆散する事で周囲の寄生ゾイドや異形、邪神すら恐慌状態に陥る程の物だったと言う。
遂にそれ等は逃走を開始してレクス達緊急不戦同盟の脇を擦り抜け完全に逃げ去ってしまう。
その状況を見て「まじかよ…笑い声が魔除け代りに成るって如何言う事ができればそんな馬鹿げた芸当ができるってんだ!」
レミントンの言葉はその場に居る全ての者の代弁だった。

「おじさん凄すぎ…。」イドは魔獣大帝の体である獣魔宮殿デミウルゴスのコクピットで呟く。しかしこうでも言っていないと自分すら逃げてしまいたくなる。
そんな状況に気付いたザクサルは「引け!お前達の機体は邪魔だ!奴の監視をしていろ。もうそろそろ動き出すだろう…。」そう言って獣魔宮殿を下がらせる。
普通なら魔獣大帝がごねそうなのだが「宿命の対決に土足で踏み居る程儂の漢は廃ってないわい!!!」こっちはこっちで確りとした?価値観で自ら引く気だったらしい。
「まあ〜そう言う〜事ならぁ〜お願いしますぅ〜!」レクス達の方は即決でレクスを生け贄の祭壇に突き出す。当然本人の意思等反映される事は無い。
「真逆っ!?強制っ!?」正解!その通りです。

残りの者は機体をヴィゾールの剣周辺に配置し一騎討ちの始まるのを今や遅しと興味津々である。しかし当の本人…特にレクスの方は驚愕の事態である。
そもそもザクサルがレクスに拘る意味すら彼自身は知らない。まあ極端な話ザクサルの逆恨みの疑いが非常に高いのだが…本当に逆恨みだった事がこの言葉で明らかに成る。
「貴様は知らんだろうが…私は今貴様が乗って居るギガに乗る筈だった!ギガの中で唯1機32門コア砲を自由に1門単位で使用出来るそいつを!」この言葉に一同の興味が削がれる。
逆恨み処か嫉妬付きのセット販売。傍迷惑極まりない理由だった。ただギガはここに届かなかっただけの話だ。

身に覚えの無い憎悪に晒され正直思い切り腰砕け寸前のレクスに対して我が時来たりと言うザクサル気持ちの持ち様で既に圧倒的な戦力差が出ている様にも見えた。
しかし勝負は別物である。緊張感が高まり決戦の時は来る。

130 :恐怖の亀裂 736:04/12/17 03:14:16 ID:???
誰かが焚き付ける様に投げたスパナ…それが金属の床に落ち甲高い音を立てる。それが合図と成った。
「「おおおおお!!!」」ディアボロスウイングが飛びギガはサイクロンドライバーを起動する。

今回は当然キングゴジュラスギガではない。そもそもあの形態自体はエルザが仕組んだ物で本質的にはイレギュラーだ。
だからこそサイクロンドライバーβインパクトユニットとその周辺装備のみでディアボロスウイングに挑むレクス。
一方ザクサルのディアボロスウイングは装甲こそギガ同様の古代チタニウム合金製だが本体はギガのスペックに追い付く事で手一杯のブロックス。
外層がギガに成っているだけだ。それでザクサルはスードギガと呼んだ。似て非なる物…偽物という意味でだ。
しかし偽物なりの長所を持って来ているので戦力としてはレクスのギガに劣る事は無い。

サイクロンドライバーのチャージキャノンとディアボロスウイングのソードオフ(切り詰め)バスターキャノンの攻撃が寸分のずれも無く激突する。
ディアボロスウイングのバスターキャノンは収束率を犠牲にして中〜近距離での被害効率を重視した物だ。当然通常の実弾仕様ではなくエネルギー弾を発射する物に成っている。
衝突の鍔迫り合いは一瞬で終わりエネルギーの尽きた双方は掻き消えてしまう。推進ベクトルに対する力を失った瞬間ビームはその状態を維持できなくなるからだ。
ビームと言う状態を維持できなくなった粒子が虚しく散って行く最中2機は格闘戦に移行する。

「はあああ!」ギガのハイハープレスマニュピレーターが唸りディアボロスウイングの禍々しい翼に迫る。しかしそれは尾の一撃で払われてしまう。
実力の差がここに在る。尾等での攻撃は相手に背を向けてしまう為反撃を受け易く早々頻繁に使用するものではない。しかし今の様な状況では尾で払うと言う行動がベストなのだ。
それは…「しゃあああ!!!」尾で爪を払った勢いでその名を示すディアボロスウイングの翼の一撃がギガを跳ね飛ばす。
更にバスターキャノンで追撃する。しかしこれは瞬時に展開されたHEシールドに阻まれる。直に体勢を整えギガクラッシャーファングで翼を狙う。
今度は「カットオフ!」狙われた周辺のマグネッサー接続を切り翼をわざとバラして回避するザクサル。
技術で攻めるザクサルと機転と本能で向かうレクスと言う状況だ。

131 :恐怖の亀裂 737:04/12/17 04:37:43 ID:???
何度も射撃と格闘を繰り返すギガとディアボロスウイング。息をつかせぬ攻防が続くと突然糸が切れた様に動きに支障が出る。
その度にお互い離れて状況が元通りに成るまで待つ。そのタイミングが略同時である為今の所決着は付かない。
上手い事拮抗してしまった戦力はお互いを隙の探り合いに集中させ。次第に手数が激減する。
素早い攻防が終わり一挙一動が気になり始める観衆。そんな中ルディアのみはグラハム同様ヴィゾールの剣の監視を怠っていない。
「如何したのかね?あっちは見どころたっぷりじゃないか?それとも私の技術に不満でもあるのかな?帝国の女士官殿?」嫌味も充分に含んだ質問をグラハムは言う。
「…おかしいんですぅ〜。ピンとぉ〜来ないんですよぉ〜!この壁掛けのぉ〜怪物さんにはぁ〜余りにもボスに適していないのですぅ〜!!!」何時になく言葉に力が篭もっている。

「成る程…確かにそうだな。少し前までは頻繁に物事に干渉していたが急に大人しくなった事は確かだ。上の方でも仕掛けていたらしいが…何か解るかね?」
ここで情報の漏洩は不味いと誰でも思う筈だがルディアには如何しても納得できない事が山の様に有る。幸い相手は今回の黒幕の存在を知らない様なのでそれを交渉材料にグラハムを釣ってみる事にする。
ー数分後ー
「何だと!それは興味深いではないかっ!!!」釣果在り。我大物を釣り上げたりと思うルディア。その一方でグラハムには新たな研究材料が近くに居る事を知り如何にか成らない物かと考え始める。
「魔術師…与太話だと思っていた物が実在した!これ程素晴らしい事は無い!しかし問題はその研究材料の確保だな。賢者の石が何処かで手に入らぬ物か…?」ヴィゾールの剣を監視しながらもとらぬ狸の皮算用に耽り始めるグラハム。
「…全く。あそこのぉ〜化け物さんもぉ〜躍らされてぇ〜いたみたいですねぇ〜。」ヴィゾールの剣を見上げるルディア。

「ふん…儂等の隙を伺っておるようだな。」魔獣大帝は複数有る目を使い一騎討ちと周囲の状況そしてヴィゾールの剣の動向を監視している。監視網は緩める心算は無い。
丁度グラハムとルディアが監視を続けているのでほんの少しの見逃し程度なら何とか成る。だからこそ余計に監視を強める必要が有る。
監視網に頼って監視を怠る等脳は蕩けていない。目の前の勝負を邪魔だてさせない事が第一だからだ。

132 :悪魔の遺伝子 666:04/12/17 10:05:30 ID:???
「いや〜こうして考えてみると空を飛ぶのも久しぶりね〜…。」
大空高く舞い上がったカンウはロケットブースターの轟音を響かせて目的地へ向けて空を斬っていたが、
マリンは何気なく昔を懐かしんでいた。元々彼女はカンウに乗る以前はエヴォフライヤーを愛機として
おり、長距離を移動する際はその飛行形態を多用していたのだ。つまり彼女は飛行ゾイドの操縦技術も
持っている事になるが、エヴォフライヤーを失い、カンウに乗り換えてからはその飛行技術も使う事
無く時は過ぎ、まさにご無沙汰な物だったのだ。と、そうマリンが浸っていた時だった。
「ん?」
カンウが飛んでいる際、下を向いていたマリンがふと上を見上げると、そこにカンウのいる地点より遥かに高い場所を飛ぶ、紅く輝く何かがいたのだ。
「何だろう…。」
太陽光の反射により、その紅く輝く何かが一体何者なのかは彼女には分からなかった。そしてそう
思った直後に、その紅く輝く何かはカンウの飛行速度を遥かに超える速度で飛び去ったのだ。
「うわ速〜!でも一体何だったんだろう…。」
マリンにはさっぱりワケが分からなかったが、カンウはそのまま目的の場所へ向けて飛び続けていた。

「よし、この辺で良いかな?」
2機のゾイドによる戦闘(?)が行われていると思われる地点より少し手前に着地したカンウはそのまま徒歩で現場まで移動を開始した。
「あらあら〜結構派手にやってるかも?」
一歩一歩近付くに連れて爆音等が大きく響き渡っていた。そして一つの岩山を越えれば戦闘が行われていると思われる場所に到達するという所まで来たのである。
「う〜ん…なんかこうコソコソしてるとかえって緊張しちゃうな〜…。でも…。」
カンウは尾を振りながらその場でゆっくりと腰を下げ、脚部のバネと尾を地面に叩きつけた際の勢いを利用して大きく飛び上がり、岩山の上に立ったのだった。
「さ〜て…一体どんな戦闘が行われているのかな〜っと…。」
マリンとカンウは岩山の上から広大な荒野を眺め始めた。そして案の定戦闘を行っている2機のゾイドの姿を見つけたのである。

133 :悪魔の遺伝子 667:04/12/17 10:07:06 ID:???
「あったあった!本当に何かやってるよ!でも何だってこんな所で戦ってるんだろう…。」
2機のゾイドの戦闘を確認したマリンとカンウであったが、特に何するワケでも無く、その場にゆっくり座り込み、なんとのんきに観戦を始めてしまったのだ。
「戦ってるのはライガーゼロとバーサークフューラーか…にしても何かのどかな戦いね〜…。」
マリンの言う通り目の前で展開されている戦いはライガーゼロとバーサークフューラーの物であり、
バーサークフューラーがバスタークローから発射するビーム砲をゼロが回避しながらレーザークローを
叩き込まんとしている戦いが展開されていた。しかし、普通の人から見れば充分苛烈な戦いに感じ
られるその戦闘も、過去に地獄みたいな過酷な戦いをこなしてきたマリンからすればのどかなケンカとしか言いようが無かったりする。
「ちょっと戦い方がワンパターンみたいな感じもするけど…、一休みしながら見る上ではこれでも丁度良いかもね…。」
マリンは右手の掌を顎に付け、その右腕の肘をコックピットの正面パネルに付ける形で寄りかかって
観戦していた。と、その時急にライガーゼロとバーサークフューラーが戦闘を中止し、ほぼ同時にカンウの方を向いたのだ。
「うわ!!見付かった!!?」
カンウは素早く立ち上がり、マリンはいつでも戦える準備を整えていた。目の前に立っているライガー
ゼロとバーサークフューラーが一緒になって攻撃してくるのではないかと考えたからである。が…
「ゲゲゲェ!!!何でこんな所にゴジュラスギガがいんだよ!!!ガミーのおっさんこんな所まで出て来やがった!!」
「チッ!邪魔が入ったか…。勝負は預けるぞ!」
と、ゼロとフューラーのパイロットらしく男2人がその様な事を言い合うと、急いでその場からそそくさと退散していったのだった。
「あの〜…ガミー…って…誰よ…。」
彼等の反応の仕方を見る限り、激しく人違いされている様子であったマリンは開いた口が塞がらなかった。

134 :悪魔の遺伝子 668:04/12/17 10:09:02 ID:???
それから数分後、カンウはルナリス達のもとへと合流していた。
「で?どうだった?」
「うん。何かライガーゼロとバーサークフューラーが戦ってたよ。でも戦闘と言うよりケンカみたいな物みたい…。それに何かカンウの姿見るなりそそくさと逃げ出しちゃったし。」
「それはそうでしょう。ライガーゼロとバーサークフューラーは決して弱い機体ではありませんが、
ゴジュラスギガには敵いませんからね。ましてやそのギガはマリンさんの操るカンウなんですから…。」
「でも何か腑に落ちない点があるんだよね…。」
「腑に落ちない点?」
マリンはカンウごと腕を組み、首を傾げていた。
「何か私のカンウを見た時、ガミーのおっさんがどーとか言っていたのよね…。多分誰かと勘違いしていたんだと思うけど…。」
「まあ他にもゴジュラスギガに乗ってる奴もいるだろうしな。そのガミーとか言うのが誰かは知らんが、
ゼロとフューラーに乗っていた連中にとって天敵とも言える奴だったんじゃないのか?でなきゃそそくさと逃げ出したりはせんだろう。」
「う〜ん…。」
マリンはなおも何か悩み込んでいた。が、何時までも考え込んではいられないので目的地へ向けて移動を再開しながら考える事にした。まあ考えるだけ無駄だったのだが。

「あ!あれですよ!」
ミレイナの行動に合わせ、キルベリアンが前方を指差した先には、荒野のど真ん中にポツンと佇む
仮設の基地らしき建物があった。そしてその周辺には他に雇われた者達の物と思われるゾイドが並んでいたのだ。
「本当にあれが目的地なのか?」
「ハイ!あの覆面Xさんからもらった書類に同梱されていた地図にはそう示されています。」
「なら行こうか…。」
岩山の上から基地を見下ろしていたカンウ等は岩山の斜面をゆっくり駆け下りて行った。

「ストップストップ!一時停止をお願いしまーす!」
ある程度基地に近付いた時、基地の者達が所有している物と思われる数機のゴドスがカンウ等の前に
立ち、そう言ったのだった。もちろん彼等の言葉に従い、カンウ等はその場で停止する。
「貴女方がこの基地に来た目的は例の仕事募集に応募した人ですか?」
「うん!そうだよ。ほら、その証拠に…。」

135 :悪魔の遺伝子 669:04/12/17 10:13:28 ID:???
マリンはカンウのキャノピーを開き、一度外に出ると覆面Xからもらった種類に同梱されていた紹介状をゴドスに乗る者へ見せた。
「おお!それは正しく覆面X氏の紹介状!失礼しました!そのまま真っ直ぐ基地までお進み下さい。」
ようやく分かってくれた様子で彼等はゴドスを横に下げて道を開けた。マリンはカンウのコックピット
内に戻ってカンウを再始動させるワケだが、その時ゴドスに乗っていた男はこのような事を言った。
「しかし、まさか覆面X氏直々の紹介状だなんて…貴女方は見掛けによらず凄い人達なのですね?」
「え…?そ…そんな事…無いよ…多分…。」
ゴドスに乗っていた者達はまるで偉人を見る様な目でマリン等を見つめていたが、逆にマリン等は不気味に感じていた。
「にしても覆面Xの紹介状見た時のあの人達の見る目の変わり様…。やっぱりあの人は凄い人なのかな〜…。」
「やっぱりわからんな…あいつはどうも…。一見ふざけているように見えて瞬間移動みたいな事までやるし…。」
「でも考えていても仕方がありませんし、とにかく基地と言う所に行って受付を済ませませんか?」
「そ…そうだね…。」
そうして、様々な疑問を残しつつも、マリン等はカンウを基地へ向けて進ませるのだった。

「おお!これは間違い無く覆面X氏の紹介状!分かりました。とりあえず仕事に関してはまた後でお伝えするのでしばらくの間ゆっくりしていて下さい。」
「は…ハイ…。」
基地の受付にいた人達も覆面Xの紹介状を見て目の色を変えており、マリン等は複雑な気持ちになっていた。
「やっぱり覆面Xって凄い人なのかな…?何か私わかんなくなっちゃいそう…。」
「しかし…そこを今考えても仕方あるまい。とにかく今はあの人達のお言葉に甘えて一休みだ。」
「ハイ!」
そしてマリン等はカンウ等各ゾイドを基地のゾイド格納庫に停め、休憩を始めるのだった。

「それにしても色々来てるんだね〜…。」
「ああ…こりゃ野良ゾイド掃討っつってもかなり大規模な仕事になりそうだ。」
マリン等は格納庫に並べられている様々なゾイドを見て感心していた。確かに格納庫には大小様々な
ゾイドが並べられており、そのゾイドに乗るZiファイターにも老若男女、様々な人間がいたのだ。

136 :鉄獣28号:04/12/17 10:23:48 ID:???
ああついに本編に登場させちった・・・

>>恐怖の亀裂作者さん
ギガ対ブロックス製擬似ギガ。意外といい勝負になっていますね。
あと近寄りがたいと言うよりもむしろ近寄りたくない笑い声も最高です。

137 :恐怖の亀裂 738:04/12/18 05:35:59 ID:???
サイクロンドライバーが展開して高速回転しディアボロスウイングを襲う。「まだまだぁあああ!」ザクサルはその正方形の頂点4つのドリルの一つを軽く掴む。
その回転力に任せて無理矢理4点のドリルの包囲網を無理矢理脱出する。その読みも的確で放り出される際に横に抜ける位置に移動するドリルに手を掛けている。
不格好に翼を擦りながら脱出に成功したディアボロスウイングはギガに逆襲のバーストクローをサイクロンドライバーの基部に叩き込む。

「ぬうっ!?追加装備全てが古代チタニウム製かっ!味な真似を!」ザクサルは吐き捨てて離脱する。バーストクローの一撃とその本来の真価であるクロー内蔵の火器の一斉発射が炭が付いた程度の跡を残している。
当然基部は勿論周辺にもダメージは無い。無理な体勢からの逆襲は効果が無かったらしい。彩色がそれを別の素材と間違わせたという事だ。
こう言う話は良くある事で先入観から堅牢な部位に攻撃を誘い結果として為ての攻撃を無効化する他弾薬とエネルギーを無駄に消費させる。しかもその効果は相手に余計な警戒心を与える副次的効果も絶大だ。

しかしザクサルはバーストクローが効果が無いのを知ると直に腕部がチェンジマイズしザンブレイカー3機を爪としたスラッシャークローに切り替える。
甲高い金属音が響きザクサルの攻撃をレクスは必死に集中状態に戻したサイクロンドライバー2機とハイパープレスマニュピレーターを使い必死に防御する。
攻め時を間違えないザクサルの攻撃はどんどんギガを後退させ壁際近くの段差部分位追い込む。「うわっ!?」レクスは突然段差に足を取られギガは転倒する。

「しゃあああああ!」仰向けに倒れたギガに容赦無くバスターキャノンの雨が降る。十数発耐えたHEシールドも遂にはオーバーヒートの予兆が始まりレクスは覚悟を決めてシールドをオフにする。
それをザクサルは見逃す筈が無く当然バスターキャノンが放たれる。しかし…「粘る!基本的に攻撃に当たらない機体ではあるが…この様な効果を持っていたとは!?」
ザクサルは忌々しげに呟く。バスターキャノンのビームは事も在ろうかギガの装甲に添って周りに流れてしまっていたのだ。「マグネッサーとの相乗効果で古代チタニウム装甲にベクターイベイドが発生するのは知らなかった様だな!」
レクスは笑う…。

138 :恐怖の亀裂 739:04/12/18 06:19:15 ID:???
ベクターイベイドの効果は強力なマグネッサーで装甲表面に通常とは違う磁界を発生させエネルギーを受け流してしまう現象。
その流れには粒子である限り必ずそれの効果を受けてしまうものだ。一部のギガに見られた荷電粒子砲をHEシールド無しに防いだと言う怪現象の答えである。
その現象に戸惑う間に大抵の存在はギガの格闘攻撃の前に沈む。レクスのギガにはMTS(マグネッサートリートメントシステム)が搭載されている為意図的にそれを引き起こす事ができたのだ。
またも決め手を失ったザクサルはそのままスラッシャークローで攻撃に移る。

レクスは防戦一方ではあったが立ち上がりその場を上手く退避する。
サイクロンドライバーのパイルバンカー機能が距離を取るのに活躍しディアボロスウイングはギガに追い縋る事ができない。
「忌々しい!だが!そろそろ終わらせて貰う!」ディアボロスウイングが突然レクスの視界から消える。残るは風を巻き上げたらしい音と立ち上る埃が雲の様に上に流れている。
強烈かつ圧倒的な殺気を感じてその場を離れるギガ。

次の瞬間にはギガが存在した場所の床に大穴が開いている。更なる殺気を感じその場を離れると間一髪のタイミングでまた大穴が空く。
それは始めの物と違い下から突き上げられた跡が有る。「なっ!?レーダーにも映らない!?上かっ!!!」そしてまたその場から逃げるレクスとギガ。
またしても開く大穴その時やっとの事でディアボロスウイングの姿を確認する。

両足を揃えての錐揉み急降下。その後今度は上空に上る瞬間も捕らえる翼をドリル代りに使用して床を引き裂き上空に舞い上がっている。
「漢の夢だね…。」外野に居るサーベラスの言葉だがそんな事は如何でも良い。恐るべきはそんな事を為ても全く揺るぐ事の無い三半規管を持つザクサルだ。
しかもロケットブースター全開で飛んでいるので非常に位置が捕捉し難い。錐揉み急降下ドリルキックとでも言うのだろうか?
「ひゃーはははははは!!!踊れ!踊れ!踊り疲れる奴は…死有るのみだっ!!!」寒気のする様な凶笑と共にザクサルが落ちる。そして舞い上がる。
床も穴だらけになりもうそろそろ逃げる事も難しくなってきて居る。この攻防が勝負の別れ目である事だけは誰の目にも明らかである。
「喰らえ!」チャージキャノンが火を吹くがあっさり弾かれてしまう始末だった…。

139 :恐怖の亀裂の作者:04/12/18 06:25:55 ID:???
鉄獣28号さんへ

RD!許すまじ!キターーー!!!
何やら待たしてもザビエルの予感!?機体は無くとも布教は続けマース!みたいなっ!?
獣神教だ!!!獣神凶だ!!!獣神強打!!!

140 :悪魔の遺伝子 670:04/12/18 08:29:27 ID:???
そして、外を見るとさらに基地へ入ってくるゾイドとZiファイターの一団の姿が見えていた。
これはこの仕事がどれだけ大規模かを暗示しているかのようですらあった。
「ハァ…やっぱりかなりの大仕事になりそうだ…。」
「伊達に覆面Xの持ち込んできた仕事じゃないねこりは…。」
後から後から次々に基地へ入ってくるゾイドの姿を見てマリンとルナリスはため息を付いていた。
これだけのゾイドを要すると言う事は、それだけ相手の野良ゾイドもかなり大規模な集団であると言う
事を意味しているのだ。これがため息付かずして何をしようか。と、そんな時だった。基地の奥から叫び声が響き渡ったのだ。
「ああああ!!!!ゴジュラスギガじゃん!!まさかガミーのおっさんが来てるのか!?治安局なのに!?」
「ん?」
マリン達が声のあった方向を向くと、そこにはカンウの足下で何か叫んでいる青髪の少年の姿があった。
とりあえずこの基地にいると言う事は彼も一応はZiファイターなのであろうが、マリン等の注目はこの少年に集まった。
「何だアイツ…。お前のカンウに何か言ってるぞ。」
「でもあの声は…。」
マリンは眉を細めた。その少年の声に聞き覚えがあったのだ。そして彼女はそのまま少年の方へ歩み寄る始めたのだ。
「お…オイ…マリン?どした?あんなのほっとけよ。」
「でもちょっとね…。少し気になる事があって…。」
「気になる事って何だ?」
いきなり少年の方へ歩み寄り始めたマリンを呼び止めたルナリスであったが、マリン言葉に彼女も気になり、ミイラ取りがミイラになった現象により共に歩き始めたのだった。
「あれ…マリンさんとルナリスさんは…?」
「何処に行ったんだろう?」
一方、マリンとルナリスとは別の方向に気が向いていたビルトとミレイナの2人は、青髪の少年についても全く気が付く事も無く、そのまま休憩しつつ基地内を歩き回っていた。
「あの〜ちょっと良いかな?」
「ん?ああちょっと君!この辺でゴツイおっさん見なかった?」
「へ?」
青髪の少年に話しかけたマリンであったが、逆に質問されてしまい、目が丸くなった。

141 :悪魔の遺伝子 671:04/12/18 08:31:41 ID:???
「え…あ…そのゴツイおっさんって…?」
「そのなんだ。ヒゲとか生えて、あとカウボーイハットか何か被ってたな!。」
「う〜ん…ヒゲの生えてテンガロンハット被ったゴツイおっさんね〜…。」
「って違うだろ!」
青髪の少年に釣られて考え込んでいたマリンの頭をルナリスが軽く小突いた。
「お前もお前でソイツに用があるんだろ?」
「そ…そうだったね…。あの〜…話は変わってちょっと良いかな?」
マリンが改めて青髪の少年に話しかけようとした時だった。青髪の少年の背後から何やら彼と同じ様な服装をした2人の男がやって来たのだ。
「オ〜イ!そんな所で何やってるんだRD?」
「仕事に関しての細かい説明が始まるまでは自由時間だが、気を抜くんじゃないぞ。」
その2人の男について、1人はRDと呼ばれた青髪の少年と同じ位、もしくは少し年上でオレンジ色の
髪をした男。そしてもう1人は体格の大きな中年の男で、顔に何かマスクの様な物を付けていた。
「ああ!シグマにマスクマン!ちょっとこれ見てくれよ!ゴジュラスギガがあるぜ!って事はガミーのおっさんが来てるって事だよな!治安局員が復業しても良いのかよ!」
「は〜…お前バカだな…。」
「え?」
シグマ、そしてマスクマンと呼ばれた男はRDと呼ばれた少年の言葉に呆れた表情になっていた。
「RD。このゴジュラスギガをよく見るんだ。色も違えば装備も違う。ましてやパトランプも付いていないだろう?」
「え?あ…そ…そう言えばそうだな…?」
マスクマンと呼ばれた男に諭され、RDと呼ばれた少年は頭を掻きながらカンウを見上げていた。
「あ…あの〜…お取り込み中の所済みませんが〜…。」
話が一段落付いた所でマリンが再度話しかけようとした時、シグマと呼ばれた男がマリンとルナリスの方を向いた。
「おお?何方ですかなそこのお美しいお嬢さん方は。イヤイヤ!こんなお美しいお嬢さん方に逆ナンパされるとは持てる男は辛いね〜!」
「そんなんじゃないよ。」
「う…。」
シグマと呼ばれた男は変に気取っていたが、即答されてガックリと肩を下げていた。その後で再度マリンは話しかけたのだった。

142 :悪魔の遺伝子 672:04/12/18 08:34:17 ID:???
「あの〜そこの青髪の貴方…。」
「へ?俺?」
「そう、貴方!」
「何だよ。今度は俺に逆ナンパか?」
               ずげげげげっ!!どかーん!!
その時マリンは度派手にすっ転び、さらに壁に激突してしまったのだった。それには皆驚いた。
「お…おい…大丈夫か?」
「だから言ったでしょ!!逆ナンパ違うって!!」
「それだけ元気ならば大丈夫だな。」
もの凄い形相で起き上がってきたマリンであったが、その姿を見てマスクマンと呼ばれた男は冷静にその様な事を言っていた。
「とにかく!!まちがってたら済まないけど、貴方もしかして、今からしばらく前にどっかの広野で
ライガーゼロかバーサークフューラーのどっちかに乗ってケンカしてなかった!!?」
「ええ!!?あんた何でその事知ってんの!!?」
「ん?」
「何だ?どうした?」
マリンの指摘にRDと呼ばれた青髪の少年は驚いていたが、他の者はワケが分からない様子だった。
「ななな何で俺があそこで戦ってた事知ってるんだ!?あれを知っているのは俺とブレード、そして
いきなり乱入してきたゴジュラスギガに乗ってたガミーのおっさんしか知らないはず!!」
「やっぱり貴方ね!その“ガミーのおっさん”ってのが一体何なのかはわかんないけど、その声と言葉には思いっきり聞き覚えがある!つかブレードって誰よ。」
「ああ!!まさかここに来る途中に戦闘してた奴の1人がコイツか?」
「多分そうだよ。」
ようやくルナリスも事の次第が分かってきた様子だったが、RDと呼ばれた青髪の少年はまだ錯乱していた。
「だから教えてくれ!!なんであんたが知ってるんだ!!?その事を!!」
「何で知ってるからって?そりゃそのケンカをもろに見てたからよ。」
「だからその事を知ってるのはゼロに乗ってた俺とフューラーに乗ってたブレード、そしてゴジュラスギガに乗って…た…。」
RDと呼ばれた少年はそのまま話の途中で黙り込んでしまった。そしてゆっくりとカンウの方を見上げたのだ。
「ま…さ…か…。」
「多分そのまさかだと思うよ私は。あの時貴方達のケンカを観戦してたギガに乗っていたのはその“ガミーのおっさん”とやらじゃなくて私!」
「………………。」

143 :悪魔の遺伝子 673:04/12/18 08:37:00 ID:???
その時、RDと呼ばれた少年、シグマと呼ばれたオレンジ色の髪の男、そしてマスクマンと呼ばれた仮面の男はマリンに注目しつつ、沈黙が10秒間くらい続いた。
「う…うそだろ…?あの時のギガがコイツなんて…。しかもあんたがギガに乗ってるって…。」
「言っておくけどホント!紛れもない現実!この子は間違いなく私のカンウ、そしてて私がカンウのパイロットよ。」
マリンは胸を張った。しかしRDと呼ばれた少年はまだ信じられない様な顔をしていた。そしてその直後にマリンの顔をビシッと指差したのだ。
「信じられない…。俺はまだ信じないぞ…。そもそもゴジュラスギガみたいなゴツイゾイドには
ガミーのおっさんみたいなゴツイ漢が乗らなければならないと言う事が憲法で定められている事を知らないのかぁ!!?」
「憲法にそんな事定められてねーよ!」
その場にいた全員の声がハモリ、RDと呼ばれた青髪の少年は一斉に突っ込まれ、気まずい表情となった。
「まあとにかく。貴方が何を言おうが、この子、カンウは私の愛機なんだからね。」
「う〜ん…。」
マリンの言葉にRDと呼ばれた青髪の少年はまだ納得できないと言う顔をしていたが、シグマと呼ばれた男とマスクマンと呼ばれた男もカンウを見上げていた。
「ゴジュラスギガね〜…。治安局が使ってる奴以外のギガを見るのは初めてだ。」
「すまんな。私の仲間が失礼な事を言って。だが、確かにゴジュラスギガは生産台数が少ない故に
そのほとんどが治安局用となっている。私もこうして個人に所有されたゴジュラスギガを見るのは初めてだ。」
「私はデスザウラーを所有してるけどね。」
「………。」
久々に口を挟んできたルナリスの言葉にまたも3人は沈黙した。
「ま…まあ世の中色々なタイプのZiファイターがいるからな…。中にはもっと凄いゾイドを持つ者がいてもおかしくはあるまい…。」
マスクマンと呼ばれた男は額から一筋の汗を流しながらもどうにか平静を保ちつつ、真面目に納得している様子だった。
「しかし、RD!」
「え?」
急にマスクマンと呼ばれた仮面の男に睨み付けられたRDと呼ばれる青髪の少年は一瞬固まった。

144 :鉄獣28号:04/12/18 08:45:36 ID:???
激しく訂正があります。
>>141の2行目のカウボーイハット→テンガロンハットです。
実は最初はカウボーイハットで書いて、後でテンガロンハットに書き直したのですが、
書き直し忘れた場所があった様子で・・・

>>恐怖の亀裂作者さん
攻撃を反らす凄い防御技術キタァァァァァァ!!!
その一方で相手の方も凄い技を持っている様子ですし。
戦いは一進一退ですか?

>何やら待たしてもザビエルの予感!?機体は無くとも布教は続けマース!みたいなっ!?

お願い・・・そんな事言わないで・・・orz

145 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/18 13:34:20 ID:???
 薄暗く、広い空間。
 マウントアーサの地下にぽっかりと開いた空洞は、かつて新型ゾイドの開発テストに使われていた施設だ。
 そしてそこに、5機のゾイドが踏み込む。
「ここは…やたらと広い空間…」
「コイツも公式記録に残っちゃいないな。恐らくは、公に出来ない実験でもしてたんだろうよ」
 その「公に出来ない実験」が、大戦前のような技術の源となったのだろうか。オリバーは一度、
大戦が起こる直前の技術力が絶頂にあった時のゾイドを見た事がある。
野良ゾイド化した「それ」を破壊するのに、“星光の鎖”の一個中隊が犠牲となった。
 その機体のおぞましい姿は今でも忘れられない。遺伝子操作で作られたという、
どんな動物にも似ていないその異形。
「…何か、気色悪い空気だ」
 オリバーが呟いた時だった。突然、広大な実験場に設置された無数の照明が輝き、
空間の全景と彼らの機体を照らし出す。
 そして、聞き覚えのある声が全周波通信で流れ込んでくる。
<いやぁ〜、古代の代物とは言えスリーパーゾイドじゃ流石に君達を止めるのは無理かぁ。
ま、そうでなくちゃ楽しみがないんだけどね>
 実験場の、オリバー達が通ってきた入り口の反対側にあるドアからデスザウラーが現れる。
その機体は腕に巨大なミサイルを3本搭載し、頭部は前頭部から後頭部にかけて鉄仮面を被った様な
形状をしており、荷電粒子砲の発射口と不気味に輝く紅い目だけが暗い穴のように口を開けている。
 間違いなく、オリバーがかつて見たジークフリートの機体だった。
「…出たか、円卓の騎士!」
 オレーグが舌を鳴らし、背中のバスターキャノンを相手に向ける。――が、動けない。
何か強力な力のようなものが――あるいは、自身の直感がトリガーを引く指を押し留めている。
「相手が多いね…今回は僕も、始めから“剣”を使わせてもらおうか」
 オリバーは全身で、前回と同じ殺気を感じていた。圧倒的な威圧感。
 だが、今回のオリバーは身体の自由を保っていた。ジークフリートの前に
優美な曲線を描く長刀が現れだした瞬間に、エレクトロンドライバーを発射する。
 広がる電光。間違いなく直撃コース――しかし、一瞬の光の後に現れた機体は、
鈍く緑色に光る刀身を持った細身の剣を持っていた。

146 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/18 13:51:32 ID:???
「お目にかかるのは初めてかな、オリバー=ハートネット君? これが僕の“剣”、『ラグナロク』だ」
 『ラグナロク』――その名が意味する言葉は、“秩序の破壊”。
「ほぉー…見た目はただの剣だな? その剣がどんな能力を発揮するのか、見せてもらおうか!」
 オレーグのギガがバスターキャノンを放った。と、直後にタイミングをずらしてミサイルを放つ。
 初弾のバスターキャノンを避けたとしても、左右どちらにもミサイルの雨が迫ってくる回避困難な攻撃。
鈍重なデスザウラータイプでは尚更である。オレーグは当然、敵が装甲の強度にまかせて避けないと踏んでいた。
 ――だが、それは罠だ。バスターキャノンを避けた先にあるミサイルはマイクロポイズンミサイルポッドであり、
一発当てれば命中部分から装甲の劣化が急速に始まる。これを受ければ、次弾に耐えることはできない。
 そしてジークフリートは、オレーグの予想パターンを完璧に裏切った。
「僕も馬鹿じゃないんでね! わざわざ効かないミサイルを撃ってくるなんて思ってないよ!」
 ジークフリートが、突然ラグナロクで目の前の床を切りつける。と、目も眩むような
閃光と共に大爆発が起こり、オレーグの放った全ての攻撃を飲み込んだ。
「何だ? 奴は、何を――」
 爆風の中から、恐るべきスピードで敵が飛び出してくる。その速さはおよそ
デスザウラーの物とは次元が違う。
「――来るぞッ!!」
 改造型デスザウラーの手にしたラグナロクが、高速で振るわれる。その軌跡が
斬ったのは――ゾイドではなく、床。
 ジークフリートはオリバー達の隊列に飛び込むと、直前の床を斬りつけたのだ。
「な…」
 そして――またも巨大な爆発が起こった。衝撃波と爆風が5機のゾイドを吹き飛ばし、
ただその中心で400t超の重量を持つデスザウラーだけが剣を持って立っている。
「この熱量――『核』かッ!?」
 受け身を取って着地し、体勢を立て直すオレーグ。彼の目の前のモニターには、
一瞬前に自分たちの前で起きたのが『小規模な核爆発』である事が映し出されていた。

147 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/18 13:54:40 ID:???
「正解だ! 素晴らしい性能のコンピューターをお持ちのようだね…この“剣”
ラグナロクは、『原子を破壊する』剣なのさ」
 原子が破壊(厳密には多少違う)されると、膨大なエネルギーを発する。原子爆弾の原理だ。
つまり、その能力は――。
「…『格闘戦用核兵器』ってことか!?」
「その通りだ! なかなか察しが良いな、君は」
 ラグナロクの能力は全ての原子を斬るわけではなく、状況によって爆発の規模を調整できる。
それこそ、ダイナマイト程度から戦術核兵器レベルまでその用途は広い。
 そして、その機体は再び剣を振りかぶって迫ってきた。斬りつけられたオレーグが
バスターキャノンで迎撃を試みたが、刀身に弾かれてその砲弾は後方へと抜ける。
「――逃げ切れな……」
「遅いよッ!」
 古代チタニウムに覆われたギガの左腕が、白い閃光と共に吹っ飛んだ。
「装甲の強度は関係なしか!?」
 考えてみれば、原子そのものを破壊する攻撃を受けて物理的な防御など不可能だ。
いかなる装甲も無意味となる剣――イフリートの能力に似ているが、より性質が悪い。
 そのイフリートがエクスブレイカーを振り上げ、ジークフリートの背後から斬りつけた。
彼が旋回する前にその刃は、デスザウラー以上の強度を持った装甲を切り裂いている。
「…俺の能力“アーマーディセクト”も、貴様と似たような力だ。――『いかに強固な装甲をも斬る』力!」
 その力を発動したイフリートの機体は、格闘攻撃に絶対的な威力を得る。
マッドサンダーの装甲すら、その刃の前では紙切れに等しかった。
「当てれば勝ち…ってことか。でもね、君の能力にも限界ってものはある!」
  ガキンッ
「……何だと…?」
 どんな物質も耐えることができないはずの斬撃。それが、ラグナロクの刀身に止められた。
「君は重要な事を忘れていたんじゃないかな? 『この世の力で作り出せる物質なら』何でも斬れる……ってさ」
 再びラグナロクが鈍く輝き、巨大な爆発を伴って振り抜かれる。シュトゥルムのエクスブレイカーは
片方が粉々に吹き飛び、もう一方はアームが根元から折れていた。
 既にその機体は、決定的な武器を持たない。

148 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/18 13:57:57 ID:???
「まず一機」
 カウントを始めるジークフリート。残る2機のフューラーが発動の光を放ち、襲い掛かってくる。
「このォ…よくもッ!」
「何故、能力者を狩るの!?」
 まず、淡いブルーのバーサークフューラーは一刀の元に吹き飛ばされる。
一瞬の間を置いて黄色がかった機体がデスザウラーの正面に飛び込み、
ラグナロクが振り下ろされる。
 しかし、その機体は斬撃と爆発を同時に受けても無傷のまま立っていた。
「何だと?」
「…ッハァァァァァ……!!」
 驚きの表情を浮かべるジークフリートは、目の前の機体が背中に装備した大口径キャノンを
放つところを見た。続いて、コックピットに衝撃が伝わる。
「ラグナロクが斬れない…? 何か、原子でないものがあの機体を覆っている……」
 黄色がかった機体――ヤクトフューラーに乗る少年、ラムゥの能力は“スーパーアーマー”。
その力は、『如何なる攻撃をも通さぬ強度を装甲に持たせる』ものだ。
――少なくとも、ラムゥはそう思っている。
 だが、実際の所は違っていた。装甲の表面を、原子レベルの大きさでありながら
破壊不可能な粒子が覆い、それがあらゆる攻撃を弾き返す。荷電粒子砲でさえも、だ。
「…そのコーティング、いつまでもつか試してみるか!?」
 ラグナロクが振り下ろされる。砲身を狙った一撃だが、その砲身にも能力の効果が及んでおり
キズ一つ付けることができない。
 オレーグに言わせれば、ラムゥは「絶対に負けない能力者」だった。
「あいつ、凄ぇな…」
 爆発を凌いだヤクトフューラーが、再び至近距離で大口径砲を放つ。今度は
ジークフリートが仰け反る番だ。
「僕の能力を…こうも無効化してくるとはッ!」
 だが、ジークフリートの強化された頭脳は既に次の手を考えていた。
 次々と大爆発が起こる。

149 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/18 14:19:04 ID:???
「…? おい、どうしたラムゥ!!?」
 爆風を直接受け続けたヤクトが、突然その場に崩れ落ちる。機体に損傷はない。
 ――それは、計算し尽された攻撃だった。装甲へのダメージは無くとも、熱は伝わる。
核爆発の超高熱を至近距離で与え続ければ、先にコアと融合したパイロットが
ダウンするのは時間の問題というものである。
「あはは……無駄、無駄。僕の“剣”は完璧だ。――これで2機」
「ラムゥーッ!!」
 絶叫するオレーグ。濃紺のギガが輝き、全身の装甲が展開して、内蔵されたミサイルや
ガトリング砲、ショックカノンなどが露になる。
「せめて色々と吐いてから死んでもらうからな…覚悟しとけよ、核兵器野郎!!」
 ギガの全身から、拡散した火線が放射状に広がる。それらが全て途中で
軌道を曲げ、ジークフリートに襲い掛かった。
「へえ、『武器の射線を曲げる』能力か……でも、甘い!」
 デスザウラーがラグナロクを空に突き上げ、空気中の原子を破壊する。一泊置いて、
先程までとはまるで規模の違う爆発が巻き起こり、飛来した弾丸、ビームなどの
全てを飲み込んで巨大に膨れ上がった。
「また、核爆発で攻撃を防いだ!? …どうしてヤツは、至近距離で核爆発が起きても
平然としていられるんだ!!?」
 おそらくは、強化された装甲の賜物だろう。頭部の鉄仮面も、パイロットを爆風から守るためのものに違いない。
 が、「核」を使っている以上疑問は残る。
「…放射能はどうしたんだ、ジークフリート」
 核兵器には付き物の汚染被害が、先程から全く見受けられないのだ。
 そんなオリバーの問いに、ジークフリートはラグナロクを掲げて答える。
「学校も無くなった今という世の中でそんな事を知ってる子供がいたとはね…
…教えてあげよう。いちいち放射能が出てたら僕が被爆してしまうから、爆発の瞬間に
ラグナロクが全ての放射線を吸収しているのさ」

150 :Innocent World2書いてる物体:04/12/18 14:25:20 ID:???
SAGA3…ユニゾン機が基地外的強さなんですが…

>>恐怖の亀裂作者氏
マグネットコーティング…意味は違うがこちらの方がそれっぽい希ガス。

>>鉄獣28号氏
SAGA3でラスターニがギガに乗って来ました('A`)ヴェノム

151 :恐怖の亀裂 740:04/12/19 04:42:02 ID:???
「そろそろ…私もアレの監視に行こう。」ラインハルトのデスサンダーが動く。佳境に入った勝負の結末を見ずに切り上げられる者はそうそう居ない。
シュミットはデスサンダーの動きを知り機体の砲身を旋回させてヴィゾールの剣の方に向ける。「そっちで撃てる様にして置いたから。後は何か有ったら頼むよ。」
軽口を叩きシュミットはラインハルトを振り返らずに見送る。
床に穴の開く轟音に掻き消されそうな音量だがそれは確かにラインハルトに伝わったようだ。

一方…「ドラムはぁ〜鳴り続いてぇ〜いますよぉ〜?そろそろぉ〜おっきのぉ〜時間ではぁ〜?」ルディアはヴィゾールの剣に対して小馬鹿にしたような挑発を繰り返している。
「…おのれ…だが耐えろ…あの男には正直勝てる気がせん。奴の疲弊を待たなければ…。」相当ザクサルにびびっているらしいヴィゾールの剣。
それもその筈で戦力敵には総合計1000倍は超える相手をぶつけている筈なのだがそれをあっと言う間に駆逐されている手前慎重に成らざるを得ない。
必死に挑発に耐えるヴィゾールの剣だった…。

「何時まで逃げ続ける?そろそろ逃げ場は無くなるぞ?」数分以上そんな事を続けて全く揺るぎないザクサルの動き。むしろ少しづつペースが上っていっている。
レクスの方もそれには気付いているらしくその結果がこの間延びした一方的な展開を創り出していた。
レクスに手が無い訳では無い。しかしどの方法を使っても相打ち以上の結果は齎さない。むしろ失敗して無駄骨を折無残に残骸を晒す可能性の方が遙に高い。
しかし突然その状況は終わる。

ザクサルの表情は歪み怒りの咆哮をレクスにではなくヴィゾールの剣に向ける。「貴様あああああ!!!何時まで狸寝入りをしているつもりだ!!!とっくに動ける奴が何を為ている!」
突然何かの方向が変わってしまったらしくレクスは勿論他の者もぽかーんと置いてけぼりを喰らってしまっている。「ああ…大佐が切れてしまった。」一緒にデミウルゴス内のコクピットに居るローキスが呟く。
「貴様に見せるのは勿体ない!先ずは貴様から打ち砕いてやるわ!!!」強い人の特権”御乱心”が発動したらしい。精神錯乱症の気が有ると本人は常々同僚に公言してはばからなかった。
しかも堂々と公衆の面前で平気でやってしまうのも凄い事だ。飽きられた玩具の様にもうレクスは如何でも良いらしい…。

152 :恐怖の亀裂 741:04/12/19 05:11:21 ID:???
「ここまで酷い目に遭わせておいてそれかよっ!!!傍迷惑だっ!!!」レクスの非難は正当だ。だがそんな事を常に常軌を逸している者に言っても無駄である。
ディアボロスウイングは回転しながらそのままヴィゾールの剣を襲う。

しかし目の前に突然何かが現れた様で何も無い空間が回転方向に捻じれてディアボロスウイングの攻撃を受け止めてしまう。
「ふはははは…やってみればできるものだな。柔壁空間も使い様だ。」壁に埋もれたそれが動き出し岩盤が剥き出しになっている場所に巨大な物体が落ちる。
その振動は安定性が最も高いデスサンダーとトライスパイナーカスタムですら膝を突く振動。
柔壁空間の効果で振動を最小限に食い止めてもこれなのだから質量自体が桁違いの物で有る事が解る。

その姿は…とここでその場の全員が呆然としてしまう恥ずかしくも恐るべき格好だった。そして自身たっぷりにヴィゾールの剣は言う。
「刀竜華草型だ!はははははははは…ん?反応が今一だな?」妙な静けさにヴィゾールの剣は逆に困惑する。しかし遂に耐えられ無くなった誰かがそれを言ってしまう。
「ぎゃはははは…何だそりゃ?冬虫夏草の間違いだろ!」それを口火に一斉に笑い声が響き渡る。
「なんとっ!?間違えたかっ!?」器用にも装甲に包まれた頬を赤らめるヴィゾールの剣。しかし実質的には間違えた方が当然強い訳ではある。

MVP級の恥を晒したヴィゾールの剣だが見た目は充分強そうだ。東洋の竜を思わせる上半身に背の部分は茎が伸び盛大に花開く破滅の閃光を齎す花々。
下半身は剣竜のそれに同じく咲き乱れる巨大な花々と刃の如く尖った葉の鎧に覆われている。
全身の鱗も小さい刃の葉でできており頭部だけはグラハムが付けた装甲で息苦しそうになっている状態。以前に無駄と言われた意味がそこには有った。

「まだだ!動いた以上は全て手筈通り行わせてもらう!」ヴィゾールの剣は”仕上げ”を行う…。

地域一帯に弱い地震が起きたかと思うと施設の大型エレベーター”ドールの胃袋”のメインシャフトを突き破り朝方に発生した巨大樹の数分の一の木が現れる。
「ふん…これで良し。後は勝手にあの木が目的を果たしてくれる!奴等との申し合わせど通りにな。地球人もZi人も馬鹿な輩が増えた物よ!」
それはノーブルアーシーズを指す言葉だ。計画の発動…後は時が全てを片付ける。

153 :恐怖の亀裂 742:04/12/19 06:07:37 ID:???
「旅の恥は掻き捨てか?舐めるなあああああ!!!」ここに1人だけ笑っていない者が居る。ザクサルだ。
バスターキャノンが撃ち込まれる。しかし…「何を為ているのかな?真逆こんな適当な姿の物に苦戦するのかな?」
ビームの粒子は葉によって吸収。光合成を得て葉が一段と鋭く成長する。

「しかし貴様は不愉快な存在だ!散々私を虚仮にして笑い飛ばしていたな?その例だ。受け取れ!」
突然ディアボロスウイングの目の前に別の場所へ通じるゲートが開く。「邪魔ならばゴミ箱に放り込めばいい!そう言う事だ!別の世界へ消えろ!ザクサル=ベイナード!!!」
柔壁空間に囚われたディアボロスウイングにそれを回避する術は無い。そのまま闇に放り込まれるディアボロスウイング。
それを見ている事しかできない他の者。戦況は非常に分が悪い方向に流れている。

「ん?何か気になるのか?」ベルウッドがファインに話し掛ける。「ちょっと…(中略)…良いでありますか?」
それに「その程度なら良いだろう…しかし何が釣れるか解らんぞ?」空間振動とゲートの解放に気付いたベルウッドに頼みその道を開いてもらう事にして貰ったのだ。
離れた場所でベルゼンラーヴェの手をその中に突っ込んで獲物を待つ…しかし余計な物を釣り上げてしまうのである。

「ぎゃああああああ!?でたぁぁぁぁぁああああああああっ!!!鬼が出たああああああっ!!!」ファインが悲鳴を上げるのは当然だった。
「黙れえええええええ!!!腐れ死神があああああああっ!!!」ベルゼンラーヴェの釣り上げた物はディアボロスウイング。当然中には彼が居る。
強力な突っ込みを入れられるベルゼンラーヴェ。地面に埋まりピクピク震えている。
その状況を見たザクサルの嗜虐心はむくむくと膨れ上がりスラッシャークローで飽きるまでつんつんとつつかれてしまうのだった。

「いい加減に立て!非常事態だ!」ザクサルに無理矢理地面から引き抜かれ正座の状態で座らされてしまうファイン。
何故かお説教混じりの状況説明に何も口を挟めないファイン。しかも最大音量で周囲にも聞こえる様に喋っているので全ては筒抜け状態になっている。
「…つまりだ!動き出したという事だ!奴がノーブルアーシーズに持ち掛けた”エボルシオンバロック計画”が発動した!猶予は無い!10分以内に準備を為てここに戻って来い!」

154 :恐怖の亀裂 743:04/12/19 06:40:32 ID:???
「何で自分が敵の言う事を…。」「何か言ったか?良いんだぞ?私は貴様の味方を数万殺しても胸は痛まんからな?」
極上の脅し文句で更に優位に立つザクサル。実際やってしまいそうだからとても怖い。その殺気は真夏の太陽の日差しの如く鋭く容赦が感じられない。
「恐ろしい奴よのう…お主本当に奴に土を付けたのか?」ベルウッドがファインに話し掛けると…答えはザクサルから返って来る。
「2日半前は激辛料理を盛られたっけなぁ?それに1日半前はおかしな装備で刻んでくれたなぁ?ねえ?ヘタレ死神ぃぃぃいいいいっ!!!」
怒るのか静かにするのか何方かにして貰いたいファインだった…。

準備に帰ろうとした矢先格納庫から大型搬送キメラブロックスのチャリオットカーゴが走ってくる。
それが示す意味は…「帰って来るな。そのまま準備して逝ってこい。」と言う意味だ。「また生け贄でありますか…とほほほ…。」
そう言いながらも到着した弾薬と装備一式を見て考え始める。装備に似通った物が有るとは言え相対する敵に対してどれが役に立つかは解らない。
その所為で頭を抱えていると…「銃火器。特にエネルギー弾を使用する物は逆効果だ!」以外にもザクサルから答えが出てくる。

それにより装備は略確定する。その全てが実体弾の火器のみを装備し緊急時にのみ装備を許される”AZハイパーナパーム”を6発装備する。
「ふん…妾の特性を吸収し居ったらしいな。あらゆる光を受けてそれを力と変える能力を…。」それにザクサルは興味を持った様で身の毛もよだつ猫なで声でベルウッドに執拗に質問を浴びせる。
そして大方話が済んで…「そう言う事か!ならば余計に貴様には確り働いてもらう事とするか!頼むぞ?魔術師先生!!!」

ディアボロスウイングに掴まれて今日2回目の巨木伐採作業に借り出されるファイン。成長速度は偉大でもう既に山頂を貫いて生えた幹は枝と葉を茂らせて風に揺れている。
「…表層から焼いても無駄だな。何処かにそのウィルスの精製場所が有る筈!そっちをくり抜いたらそれで木は放って置いても問題無い。」
ベルウッドの言葉に「貴様よりそっちのお嬢さんの方が役に立つな…遂に死神も尻に引かれたか?」一々傷付く様な言葉を選んで来るザクサルの言葉に耳栓を付けるファイン。
だが声は充分聞える。「骨伝導スピーカーでありますかっ!?」

155 :恐怖の亀裂 744:04/12/19 07:29:16 ID:???
「さっさと特定しろ!」何故自分にばかり当たるのだろうと思いながらレーダーにサンプルと同じ病原体が大量に有る場所を探すファイン。
「…ここでありますね。」第5層から第6層辺りの中間部に出っ張っている部分が有る事を確認する。
そこに行くと待ち構える影が5つ。「如何やら今回はコア入り見たいでありますね…エルダー5!!!」その姿は前とは似ても似使わぬ姿。
何か大量の生き物がごっちゃになって体を作っている様な状態。しかしその姿がすっきりする。

「忌々しいが連れてきたのが私である以上共闘してやる!4体は任せておけ。残り1体と病巣の排除は確りとしてもらうぞ!」
勝手に作戦のオーダーを決め真エルダー5の4体をエレベーターホール内の更に下に叩き落とすザクサル。ファインとベルウッドの前には病巣を護る1体が残るのみとなっていた。
「さっさと片付けないと無用な悪口で傷付けられてしまうであります!」何かに駆られるかの様にベルゼンラーヴェは残る1体に襲い掛かった…。

「はああああ!!!」槍杖に今一度ファランクスを付加してそれに殴り掛かるベルゼンラーヴェ。唯の球体状態のそれを思い切り内壁に叩き飛ばす。
細胞壁で作られているのも係わらず悍ましく動く瘤上の幹に攻撃を仕掛ける。「残像術式始動!鬼コーチ流乱れ千本ノックテンペスト!」無茶な打撃の連続攻撃を浴びせる。
しかし…「結界が這って有る!這った奴を先に殺らんと無駄だぞ!」ベルウッドが言う。それを言うなら叩く前に言って欲しかったのだが叩くまで解らなかったらしい。
そろそろ戻ってくる頃とその場から逃げると幹に打つかって居る真エルダー5の1体の姿が有った。

少し下では…既に2体をばらして残る2体と戦闘しているザクサル。「速っ…。」それを見ながら目の前の相手に視線を戻す。
球体が割れて中身が現れる。3本の首に各々1本の長く歪んだ角。馬面の半人半獣に無駄に大きい鬣と尾。
「ナイトメア…3つ首バイコーンでありますか!」嫌な姿だ。これから起こり得る事を悪夢とするとそれを運んで来るのが目の前の者だ。
両手のハイパーファルクスを撃ち出す。合計8機がブーストファルクスとして3つ首バイコーンに接触しその体を切り裂く。
しかし直に傷口が修復していくのを見て「間違い無く結界の主は奴でありますね…さっさと仕留めないと!」火器のロックを解除する。

156 :悪魔の遺伝子 674:04/12/19 09:43:44 ID:???
「こちらのお嬢さん方の言葉が本当ならば、お前は約束を破った事になるな?仕事の前に余計な事はするなと何度も言ったはずだぞ!」
「ま…待てよマスクマン!!そ…そんな事言われたって、あの時はブレードの奴が問答無用で仕掛けて来たんだ!俺は被害者だぞ!」
「だからブレードって誰よ…。」
「文脈からすればバーサークフューラーの方に乗っていた男の名前だろうな…。多分…。」
説教を始めるマスクマンと呼ばれる仮面の男と、焦って言い訳を始めるRDと呼ばれた青髪の少年に対し、マリンとルナイリスはやや呆れたような表情をしていた。
「まあ良い。その件に関しては後でみっちり問いつめさせてもらおう。」
と、マスクマンと呼ばれた男はマリンの方へ向き返った。
「君のギガ…確かカンウと呼んでいたかな?」
「う…うん!」
「私の見かけが正しければかなり使い込んであるな?それでいて整備もしっかり行き届いている。よほど大切に使っているのだな?それに…多少カスタマイズされているようだし…。」
「そ…そんな事無いです…。」
おだてられてマリンは頭をかきながら少し恥ずかしそうにしていた。
「だがよ、火器の類は全くと言って良い程付いてないぜ。まあ治安局のギガも同様だが…。」
シグマと呼ばれた男は改めてカンウの方を見上げつつそう言うが、確かに現在のカンウは最近まで使用していた火器の類をオミットしており、ほぼ丸腰の状態だった。
「ああ!!分かったぞ!!」
RDと呼ばれた青髪の少年がマリンの方をビシッとまたも指差した。
「あんたは俺と一緒だ!!俺のライガーゼロと同様に余計な武装を搭載せず、己の爪と牙でのみで戦う!!そんなポリシーを持っているんだろう!!?」
「間違ってはいないが、正解とも言えないな!」
答えたのはマリンでは無くルナリスだった。そして彼女はマリンの頭にポンと手を置いた。
「コイツの場合、己を鍛える事が目的だ。まあ私も似たような物だが…。」
「己を鍛える為?」
「ああ!私もコイツも以前はもっと凄い装備をしていた。私のハーデス…つまりデスザウラーには
飛行用の高出力スラスター。そしてコイツのカンウには電子戦能力と射撃格闘両用兵器マグネイズキャノンやその他色々な装備がなされていた。」
「そ…そんな凄い装備があるなら何で外すんだ?」
ルナリスはクビを左右に振った。

157 :悪魔の遺伝子 675:04/12/19 09:44:45 ID:???
「だから己を鍛える為だと言っただろう?最近その装備に頼りガチになってきたのでは無いかと考えてね…。だから初心に帰ってみるのもどうだろう?と考えたんだ。」
「なるほど…。あえて装備を外したと言う事か。己の力におぼれず、このような英断を下すのはハッキリ言って勇気のある選択だ。」
「だからそんな事無いですよ…。」
ルナリスの説明に対し、マスクマンと呼ばれた男の言ったおだて言葉?にマリンは申し訳無さそうな顔をして頭を掻いていた。
「まあとりあえずだ。私達はこれからこの仕事で共に戦う仲間となるんだ。ならば自己紹介しても悪くはあるまい?」
「そ…そうですね…。」
こうして、マスクマンの一言により、互いに自己紹介をする事になり、まず最初に青髪の少年が前に出た。
「俺はマッハストームのRD!愛機はライガーゼロだ!」
「僕はシグマ。所属は同じくマッハストームで、愛機はレオストライカーだ。よろしく!」
「私はマスクマン。マッハストームのリーダーをしている。愛機はコマンドウルフ。」
「じゃ…じゃあ私はマリン=バイスって言います。愛機は…もう分かりますよね?とりあえずこちらに立っているカンウです。」
マリンの愛機がゴジュラスギガ=カンウである事はもう皆に知れ渡っている事だが、彼女は申し訳
なさそうにカンウの方を指差し、改めて紹介していた。そしてその後でルナリスがカンウの隣に立つハーデスを指差した。
「私はルナリス=バッハード。で、やはりもう知ってると思うが、あれが私の愛機のデスザウラーのハーデスだ!」
そうして、自己紹介を終えたのであるが、その後でマリンがマスクマンに申し訳なさそうな顔で話しかけた。
「あの〜…マスク…マン…さん…?」
「何かね?」
「あの…失礼かと思いますが、ずっと思っていた事があるんです…。」
「そ…それは私も考えていました…。」
「ん?」
今度はマリンだけでなくルナリスも申し訳無さそうな顔でマスクマンの顔を見つめていた。と、その光景を見たシグマが急に笑みを浮かべたのだ。
「おやおや〜?もしかして貴女方はいわゆる叔父様好みって奴ですか〜?」
「ちげーよ…。」
「う…。」
速攻で否定されたシグマはその場で黙り込んでしまったが、マリンとルナリスは再度マスクマンの方を見つめた。

158 :悪魔の遺伝子 676:04/12/19 09:46:00 ID:???
「本当に失礼かもしれないんですが…、聞いてもよろしいですか?」
「な…何だね…?とにかく言ってみなさい。」
マリンとルナリスの2人に見つめられたマスクマンは今度ばかりは流石に戸惑っていた。
「で…では言わせていただきます…。」
「(い…一体どんな事を言うんだ?)」
マリンとルナリスは深呼吸を始め、RDとシグマは緊張した面持ちで息を呑んでいた。その後でマリンとルナリスは一斉にマスクマンのマスクを指差した。
「それはひょっとしてギャグでやっているのですか?」
「ってそっちかいぃぃぃ!!!」
              ずげげげげげっ!!!!どっか〜ん!!!
その言葉にRDとシグマは思い切りすっ転ぶと共に派手に壁に激突し、マスクマンは一体どう
反応すれば良いのか分からないと言った気まずい表情のまま立ちすくむままだった。
「ねえ!貴方の名前といい、そのマスクといい、それは一体何なんですか?やっぱりギャグなんですか?」
「う………。」
マスクマンは答える事が出来なかった。そしてそのまま沈黙が続いた。
「ま・・・まあ何だ・・・。人には触れられたくない過去と言う物があるのだよ・・・。」
「つまり・・・、ギャグで良いのですね?」
「・・・・・・・・。」
二人に睨み付けられたマスクマンはまたも黙り込み、一体どうすれば良いのか分からない気まずい
表情でプルプルと震えており、その額からは幾つ物汗がダラダラと流れ落ちていた。その険悪のムード
にはRDやシグマはおろか、その周囲にいた他の名も無いエキストラなZiファイター達も思わず
黙り込むしかなかった。挙句の果てには人間だけで無く、ゾイド達も黙り込んでいる始末である。
「結局・・・、ギャグでやってるんですね?」
「う・・・あ・・・あ・・・。」
と、マスクマンは体を痙攣させながらゆっくりとある方向を指差し、皆もその方向に注目した。
「おや・・・よく見ればあ・・・あんな所にだ・・・ダークスパイナーと・・・き・・・キラードームが・・・
い・・・いるじゃないか・・・。ど・・・ドラーレスの面々も・・・来てるって・・・事かな・・・?」
「変な所で話そらさないで下さい。て言うかドラーレスって何ですか?」
「それにあのダークスパイナーとキラードームそのなんとかのゾイドじゃなく、私達の仲間の機体です。」

159 :悪魔の遺伝子 677:04/12/19 09:47:58 ID:???
「あれ〜・・・マリンさんとルナリスさん。こんな所で何してるんですか〜?」
噂をすれば影。それまで別の場所へ行っていたビルトとミレイナの二人が丁度良い具合に現れたのだ。
「ん?そこの二人は一体どなたかな?」
「(チッ!カップルか・・・。)」
女性の声=ミレイナの声が聞こえた故にシグマはナンパを狙っていたが、ミレイナのすぐ隣にいた
ビルトの姿に思わず舌打ちをしていたが、ビルトとミレイナが現れた事はマスクマンにとって思わぬ助け舟とも言える物であり、即効で問いかけていた。
「こちらはさっき言った私達の仲間であり、さっき貴方が指差したダークスパイナーとキラードームの所有者であるビルトとミレイナ。」
「そ・・・そうか・・・よ・・・よろしく・・・。」
「あ・・・あの・・・こちらの方達は?」
そうして、マリンとルナリスはビルトとミレイナにもマッハストームの3人を紹介するのだった。
「そうですか・・・よろしくお願いします。」
「(にしても弱弱しい奴らだな〜。こんなのが良くZiファイターとして勤まる物だ)」
礼儀正しく挨拶していたビルトとミレイナの二人にシグマはやや繭を細めていた。確かに今のビルトと
ミレイナは素顔の状態なのだが・・・。と、その時二人はすぐさまマスクマンの方を向いたのだ。
「すみません・・・、ま・・・マスクマン・・・さんでしたよね?」
「うむ・・・そうだが?」
「失礼な事かもしれませんが・・・。」
「(ま・・・まさかこのパターンは・・・。)」
今度はビルトとミレイナに見つめられ、マスクマンは思わず内心焦った。まさしくマリンとルナリスに問い詰められた時と同じシチュエーションだったのだ。そして・・・
「そのマスクから察するに、貴方はお笑い芸人か何かですね?」
「今度はお笑い芸人かぁぁぁ!!!!!」
                ずげげげげっ!!!どっか〜ん!!
このボケにまたもRDとシグマが突っ込みつつ、派手にすっ転ぶと共に壁に激突した。
「オイオイ・・・いくら何でも飛ぶ事は無いだろ飛ぶ事は。しかもさっきと同じパターンだし・・・。」
「いやいや本当にスマン・・・。」

160 :鉄獣28号:04/12/19 10:09:02 ID:???
マッハストームのファン(特にマスクマンのファン)の皆様ごめんなさいorz

>>恐怖の亀裂作者さん
デスサンダーや巨大植物など、懐かしい面々が出てきましたね。
あとベルゼンラーヴェとディアボロスウィングのショートコントは思わず吹きました。

それと、巨大植物はビームで光合成出来るとはまさに全身集光パネルですね。

>>Innocent World2作者さん
危険であり安全でもある核を使いこなせる騎士スゲェェェ!!!!
色々な能力もねじ伏せるし。
一体どうやって勝てば良いのでしょうね。

>SAGA3でラスターニがギガに乗って来ました('A`)ヴェノム

自分はサーガ3はまだ持ってないのですが、そう言う話は聞き及んでいます。
しかし、それはある意味ネタにも使う事が出来ると思いました。
どういうネタに使うのかはまだ先の話ですが。

161 :恐怖の亀裂 745:04/12/20 04:58:28 ID:???
「しかし…這っているとは言っても結界が這いずり回るのは気持ち悪い光景でありますね。」
数種類の結界法陣が瘤の周りを這い回っている。しかも法陣の文字が足代わり成ると言う奇妙奇天烈な状況。
「カラミティシャドウでは燃やしてしまって下に居る筈の味方にまで被害が出そうであります。何とか他の手はないのでありましょうか?」
ファインはそう言いながら八封輪をベルゼンラーヴェに投擲させるがバイコーン自体も強力な結界を張ってそれを防いでいる。

「…ううむ。しょうがない様だな。お主!今から白薔薇を呼び出す!それで何とかするのだ!」唐突にベルウッドがそう言い何やら始めるとベルゼンラーヴェの腹部より何かが這い出してくる。
本来何も無い場所なので当然空間に突然それが現れるような光景になる。茨が元気よく生え出しやがて一番太い茨に蕾が生まれる。

それの蕾が開き白い花を開かせる。しかしそれを狙ってバイコーンは3本の角から電撃を放ってくる。慌てて茨を守る様に電撃を代わりに受けとめようとするベルゼンラーヴェ。
しかしそれも空振りに終わる。電撃は自らの意思で吸い寄せられるように白薔薇に吸収されてしまう。何度となく電撃が迫るがやはり同じ事の繰り返しになる。
突然白薔薇が大きく開いたかと思うとそこから大量の電撃をバイコーンに浴びせ帰す手が現れる。その後その巨大な手のサイズの白薔薇の精霊が花より現れるのだから驚く。
「おおっ!?大きい…場違いな方だけに余計に目立つでありますね。」

そんな悠長な事を言っている場合ではないらしく如何やら両手に抱えた片刃の剣を取れと言うらしい。他に手が有るわけでもないのでそれを受け取るとバイコーンに攻撃しようと飛ぶベルゼンラーヴェ。
その間に白薔薇の精霊は電撃で痺れているバイコーンを自らの茨で雁字搦めにして親指を下に向け”殺っちまいな”とゼスチャーする。「…そんな大胆な。如何して自分の周りに居る女性の方々は1本ネジがぬげぼらはうぁあ!!!」
「一言多い!!!」ベルウッドに熱き修正の衝撃波を貰いながらもその手にした剣を正眼の構えに合せて狙いをバイコーンに合せる。

距離が縮まり刀身と相手との間合いが測れる様になり突きでは効果が薄いと上段に構えて剣を振り上げる。
「一刀両断!ブリュンヒルド重力稲妻落し!!!」その言葉通りの結果になる。

162 :恐怖の亀裂 746:04/12/20 06:03:22 ID:???
無闇矢鱈な加重力での振り下ろしはベルゼンラーヴェが一回転では止まらず数回転してやっと動きが止まる。
その時のバイコーンの姿は回転数+1枚に体が切り裂かれている。そして…各々が重心の傾くままに下に墜ちて行く。
すると…「貴様!良く始末の仕方を考えろ!断片が当たったぞ!」ザクサルの怒声がコクピット内に木霊する。

しかし当の本人達は…心の底で「ばーかばーか!当たってやんの!少しは周りを見ろってんだ!」と思っていたりする。
それはそうとバイコーンが居なく成ったので気味悪く這いずり回っていた結界が消える。そして手に持ったブリュンヒルドで瘤の部分を叩き落とす。
当然これもわざとだ。すると…「貴様!今度は私の獲物を横取りするかっ!!!」と怒りの御言葉が帰ってくるがそれよりもそれが”当たった”事にびっくりだ。
しかし撃墜はしていなかったらしくザクサルが締めの一撃を叩き込んだ様だ。

その頃…「それでは諸君!私は地上に出て久方振りの太陽の光を浴びる事にしよう。それで全ては終わりだ…はーはっはっはっは…。」
ヴィゾールの剣はエレベーターシャフトを器用に上り始めるが…「ひゅぐぅぅぅぅううっ!?」つい先頃ファインが切り落としたウィルスの製造プラントがヴィゾールの剣の顔面にクリーンヒットする。
そして目を回したヴィゾールの剣は地下に轟音と共に墜落する。その時に集中が途切れ柔壁空間も消失したので実弾火器と格闘の一斉攻撃が始まる。
確かにその効果は有るがいかんせんサイズの差が違いすぎる。最大の大きさを誇るデスサンダーのサンダースマッシュを受けても本体にはかすり傷程度のダメージしかない。
当然そこに攻撃を集中するが結局は葉の鱗が覆い隠すまでの間しかダメージは与えられない。

立ち上がったヴィゾールの剣は体を揺らし背の花の花弁を綺麗に開かせると…そこから粒子砲の雨を降らせる。
一撃一撃の威力は微々たるものだが背が巨大なお花畑状態のヴィゾールの剣の花々が撃ち出す粒子砲の数は1回の発射で数万は下らない。
花弁1枚より1発撃ち出されるのだから大事だ。拡散率も高い様だが連射性が高くそれにより粒子の雲がゆっくりと彼等の頭上に降りて来るようなものだ。
「行くぞ!オルディン!直接攻撃に参加できないならば!」「了解!」2機のトライスパイナーカスタムがゆっくりと首を上げる。

163 :悪魔の遺伝子 678:04/12/20 09:30:19 ID:???
壁への激突し様が相当痛そうでありRDとシグマはヨロヨロとしていたが、どうにか無事であった。と、その時ルナリスがRDの方を向いた。
「そう言えばお前、確かRDと言ったな?」
「そ・・・そうだけど・・・?」
「そうか・・・。」
突然ルナリスは腕を組みながら考え込み始めた。
「お・・・おい・・・どうかしたのか?」
「いや、別に大した事じゃないんだがな?一つ気になる事があって・・・。」
「何だよ。言ってみろよ。凄く気になるじゃないか。」
その時ルナリスは真剣な顔になった。そして険悪なムードが周囲を包み込み、険悪な余り全員が劇画調になった。そしてルナリスはRDを指差したのだ。
「お前!!虎猫帽子被った5歳児とか好きだろ!!」
                    ずげげげげっ!!
今度はマリンが壁に激突した。
「ルナリスちゃんそのネタやばいって!!止めた方がいいって!!」
「何だとぉ!!こっちは真面目だったんだぞ!!つーかちゃん付けするな!!」
「ちょっと待てお前等!!俺には何の事だかさっぱり分からんぞ!!つーか俺はロリコンじゃねー!!」

と、基地内は大騒ぎであったが、その様子を基地の近くの岩山の上から双眼鏡で観察する男の姿があった。
「ほほ〜・・・。まさか個人でゴジュラスギガを所有するZiファイターがいるとは驚きです。しかし・・・これは利用価値があると思いますよ・・・。」
男はそのような独り言を呟きながらニヤリと笑みを浮かべていた。

そして日も暮れ、二つの月が輝き始めた頃、基地に集まったZiファイター達は基地内の広い部屋に
集められ、そこで仕事に関する説明会が開かれた。各Ziファイター達は用意されたパイプ椅子に座り、依頼主である基地の人間が彼らの前に立って説明を始めた。
「え〜・・・。この度は当基地へ集まっていただき、まことに嬉しく存じます。そして〜・・・。」
「(なんか長くなりそうだな・・・。)」
などと、基地の最高責任者と思しき初老の男が長々と演説を始め出し、思わずあくびをしてしまう者が
続出し、挙句の果てには皆寝てしまったと言うハプニングが発生した事もあったが、初老の男が引いた
後で、副責任者と思しき中年の男が本格的に仕事に関する説明を始め、皆はやっと長い演説から解放されたと言う安心した表情で聞き入った。

164 :悪魔の遺伝子 679:04/12/20 09:32:26 ID:???
「そもそも我々がここに基地を築いた理由。それはこの辺りの荒野を開墾し、農場を作る為なのです。」
「荒野を開墾して農場を作る・・・か・・・。森林を切り倒して・・・ってのなら文句も出るが、荒野を開墾して農場を作るってのなら結構な事じゃないか・・・。」
荒野を開墾して農場を作ると言う彼等の目的にはルナリスも感心していた。森林地帯の近くでは
火器攻撃は行わなかったりと、彼女は元不良なのに妙に自然を大切にする所があったりする。
これが森林を切り倒して農場を作るとか言う話になったらかなり怒るのであるが、先程の話にあった
通り、何も無い荒野を開墾して農場を作ると言う事ならば別に自然破壊には繋がらない為、彼女も文句を言うはずも無く、むしろ賞賛していたのだ。が・・・、
「ですが、我々が農場を作ろうと考えているこの辺りから、野良ゾイドの群れが現れ始め、我々の
開墾作業を妨害するようになったのです。そこで貴方方を雇ったと言うワケです。貴方方にその野良ゾイドの群れを駆逐していただけると有難いのです。
「なるほどね・・・。野良ゾイド掃討ってこう言う事だったの・・・。」
マリン等はここで改めて仕事内容について納得し、そしてその仕事をキッチリこなそうと決意していた。
荒野から農場を作ると言う作業は、自然を破壊する事無く、人々の食料となる作物を作る事に繋がるの
である。これは惑星Ziにも優しく、かつ人間への役にも立つ事である。そしてマリンは実家が料理店
である故に、食べ物関係の話には特に敏感であり、この話に誰よりも納得していたのである。
「よ〜し!やったるかぁ!!」
「おお!!野良ゾイドなんぞ一ひねりだぜ!!」
「それに破壊した野良ゾイドのパーツとか売っても金になるかもしれねーしなー!」
野良ゾイド掃討と言う割と単純明快な仕事に他のZiファイター達も意気込んでいた。それには基地関係者達も安心した表情になっていたが、副責任者はさらに言った。
「仕事に関してもう一つ言っておきたい事があるのですが、大出力火器の類は可能な限り使用しないで下さい。」
「ええ!!?何故ですか!!?」
副責任者の言葉に、思わず室内にどよめきが起こった。恐らくここに集まったZiファイター達の
所有するゾイドの中にも思いの他火力重視の機体の数も少なくは無かったのだろう。実際かなりのどよめきが起こっていたのだ。

165 :悪魔の遺伝子 680:04/12/20 09:33:42 ID:???
「なぜ大出力火器を使ってはいけないのですか!!?」
「そ・・・それは・・・。」
大勢のZiファイター達に一斉に問い詰められた副責任者はうろたえていたが、その時マスクマンが椅子から立ち上がった。
「下手に大出力火器を使用すれば土地がさらに荒れて開墾作業が大変になる。だから大出力火器の使用は控えるように・・・。という事ですな?」
「そ・・・そうです!その通りです!貴方の言う通りです!」
「そ・・・それじゃあしょうがないな・・・。チマチマ各個撃破しか無いか・・・。」
マスクマンの冷静なフォローにより、副責任者に食いかかっていたZiファイター達は納得し、
あせっていた副責任者はほっと胸を撫で下ろしていた。そして先程のマスクマンの姿を見て、マリン等も感心していたのだった。
「あの人・・・、ただのお笑い系じゃないんだ・・・。」
「あなどれんな・・・。」

それから、おのおのの夕食を済ませた皆はそれぞれ様々な事を行っていた。ある者は明日に備えて
ゾイドの整備をし、またある者はゆっくりと休んでいた。一方マリンとルナリスはと言うと、
それぞれカンウとハーデスに乗り込んで基地からやや離れた場所に移動し、組み手を行っていた。
「や!」
「は!」
「ほ!」
素早く手刀を突き込もうとするハーデスの攻撃をカンウが素早く払いのけ、今度はカンウがハーデスに
関節技を掛ける為に掴み掛かろうとするが、ハーデスはそれを素早くかわす。暗闇の中でそのような
実戦形式の組み手が行われていたのだ。もちろんこれは単なる実戦形式の練習と言うワケでは無く、
暗闇と言う視界の悪い場所で組み手を行う事によって、目に頼らず、気配や空気の流れで敵の位置を
読む力や空間把握能力を養い、それを実戦レベルで発揮出来る様にさせる為という目的があった。
そして暗闇の中、センサーやレーダー等の類をまったく使用する事無く、己の気配とカンだけで
戦う事が出来るならば、理論上は光学迷彩等を装備したステルス機とも戦える事になる。
「や!」
「は!」
「えい!」

166 :悪魔の遺伝子 681:04/12/20 09:34:43 ID:???
静かな暗闇の中に響き渡る重金属のぶつかり合う音と機獣の咆哮、そして二体の巨大な機獣の、
その巨体からは想像も出来ぬスピード感溢れる戦いは互角の内に続いていた。そしてカンウの
ロケットブースター加速式クラッシャーテイルとハーデスの加重衝撃テイルが互いにぶつかり合い、弾き合うと共にカンウとハーデスは飛びのいていた。
「なかなかやるじゃないの!」
「お前もな!」
マリンとルナリスは互いに笑みを浮かべていた。二人は互いに相手が強くなった事に喜びを感じていたのだ。
「よし!次行くよ!!」
「来い!!」
ハーデスへ向けて飛び掛ろうとするカンウへ向け、ハーデスは素早く身構えた。そして組み手は続く・・・、と思われた時だった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
突然そのような女性の悲鳴が聞こえたのだ。言っておくがこれはマリンの物では無い。これは明らかに別の場所から響いてきた悲鳴だった。
「な!!何!!?」
「何だ今の悲鳴は!!?」
マリンとルナリスは組み手を中止し、慌てて周囲を見渡した。と、その時だった。カンウとハーデスの
いる地点から数キロ離れた地点に、野良ゾイドと思われるレオブレイズの群れに襲われているグスタフ
の姿があったのだ。レオブレイズの群れからグスタフは必死に逃げていたが、グスタフそのものが
お世辞にも足の速い機体とは言えず、さらに大きなコンテナの様な物を引いていた為、レオブレイズの
群れに良い様にされていたのだ。レオブレイズの群れも相手はグスタフと言う事で遊び半分で軽く
弄っていると言う感じであったが、グスタフの運命は風前の灯である事は用意に想像できた。
「おい!!あれってまずくないか!!?」
「うん!!今すぐ助けないと!!」
カンウとハーデスは大急ぎでグスタフ救援の為に走り出した。

167 :鉄獣28号:04/12/20 09:47:19 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
一応現在はベルゼンラーヴェ組とデスサンダー組の二つの視点で事が進んでいるのですね?
しかしヴィゾールの剣と言うの凄い・・・

168 :恐怖の亀裂 747:04/12/21 03:37:13 ID:???
2機のトライスパイナーカスタムのレーザー機銃が粒子の雲を振り払う。その幾つかの荷電粒子はヴィゾールの剣の葉の鱗に吸収されるがそんな事を気にしてはいられない。
粒子の雲が完全に降りてきてしまっては持続的にダメージを受け続ける事になり全滅は確実だ。
それを見ながらエルザは砲撃ユニットのグロウエイム状態でしか使用できない物を一斉に発射する。
それは何発かは上手く粒子の雨を通り抜けヴィゾールの剣の背の上で爆裂。プラズママインを降り注がせる。

「うぬ…感付いた奴が居るというのか!?」その通りである。幾ら葉が粒子の類を無差別に吸収できるとは言えそれはあくまで”葉”のはなしだ。
何と言っても花は光合成の為に有るものではない。元々その臭いや密で受粉してくれる者を呼ぶための物だ。つまるところ…「あちちちちちちっ!!!」
花が燃え出した。発火温度に近付いていた花は一気に燃え盛る。「おのれいっ!!!成らば!!!」何と燃え始めた花を花手裏剣として撃ち出してくる。
今度は一面火の海と化す場。しかしそれに対応する策は偶然に執り行われる。

有る一角の岩肌が爆発と共に砕け散りそこから大量の地下水が第9層最深部に雪崩れ込む。
更にその水の中にヴィゾールの剣よりは小さいがそれでも彼等の機体よりは充分巨大な影が流れ込んで来る。
地下水の侵入が終わり水も滴る良いゾイドになった一同の前にその影が唐突に姿を現す。

「ほお〜でかいの〜…。」実は座って戦闘をしていた為に立ち上がればデスサンダーすら優に超す巨体の獣魔宮殿。
魔獣大帝がそう言うだけの巨体を誇る海蛇型ゾイドのルナルティアマット。今までずっと介入のタイミングを測っていたが上からウィルス精製プラントが落ちてきた事から急いでそれの処理に来たのだ。
咥えていたそれを吐き出すとミサイルでそれを破壊して内部のウィルス媒介と触媒を焼き払う。
「くうっ!!!此奴の事を忘れていた!」水を浴び火が消えて更に水の登場により大地から養分を吸収してもう一度花を生やすヴィゾールの剣。
そしてルナルティアマットに向き直り攻撃を仕様とした矢先にルナルティアマットの姿はヴィゾールの剣の視界から消える。
次の瞬間大爆発と共に右腕が肩から消失しているのに気付く。更に周囲を見回すと何時の間にかキングゴジュラスギガが居たりするのは注意力が逸れていた証拠だ。

169 :恐怖の亀裂 748:04/12/21 04:14:36 ID:???
更に上を見ると…「さっきは世話になったなあ?くくくくくく…。」ディアボロスウイングがベルゼンラーヴェの頭部を小脇に抱えながら居る。
「もう嫌…。」どんどん扱いがぞんざいに成っていくファイン。更には怒りに任せてディアボロスウイングにヴィゾールの剣へ向けて投げ付けられる。
「ぬおおおっ!?馬鹿な!?ゲートに放り込んだ筈なのに何故だっ!!!」ヴィゾールの剣の問いに答えるザクサル。
「そいつだ!今投げたそいつが好奇心半分にそのゲートに手を突っ込んだのだよ!お陰で大助かりだ!うわ〜っはっはっはっはぁ!!!」
その高笑いと共にベルゼンラーヴェがヴィゾールの剣の顔面に突き刺さる。

「…抜けられない。成らば?自棄でありますね!」とても投げやり気味な声で言うと機体をブルブル震わせて突き刺さったアスピトルテの外套を振り抜く。
「ぐおおおおおおおおっ!?おのれおのれおのれ!貴様わざとだな!!!」顔面から血の雨を降らして叫ぶヴィゾールの剣。「ウィ・ムシュー!!!」何故かそう答えるファイン。完全に小馬鹿にしている。
「揃いも揃って私を馬鹿にするかああああああ!!!」しかしその体は腰の辺りから動かなくなっている。

そうやって注意がザクサル達に逸れている間にルナルティアマットが巻き付いていたのだ。
そんな中ベルゼンラーヴェは素早くトライスパイナーカスタムに近寄る。「お2人さん!久しぶりでありますね…緊急のお仕事であります!」ファインの声には先の遊びの含みは無い。
「如何言う事だ?」ミルディンが聞くと…「キマイラ要塞が墜ちました。撤退する戦力の援護の為お2人にはヘリックシティ周辺に行って貰わないとならないであります!」
突然地の底からそんな場所に行けと言っても無理に決まっている。オルディンが「真逆…奴と同じ方法で?」それを聞き「オフコース!」にっこり笑ってファインは言った。

そうこう話している内にゲートが開き夜空のヘリックシティが彼等の目に映る。「このサイズのゲートの維持は疲れる!速ういかんか!」その声に急かされて2機はゲートを通り抜ける。
「それでは…御武運を。」それに「任せておけ。必ず逃がしてみせるさ!俺達の名前を言って見ろ!じゃあな!」その言葉が終わるとゆっくりとゲートが閉じていく。
「ふう…疲れる物よ。さて?上手い事時間稼ぎを為てくれたあの蛇には礼を言わんとな。」

170 :恐怖の亀裂 749:04/12/21 04:57:35 ID:???
「礼には及ばんさ…お嬢さん。こっちも仕事でやっているだけだからな。」その声に帝国軍は「あーーーーっ!!!」と声を上げる。
その声は第7小隊のグウェインの物。何時の間にそんな機体を持ってきたのかと目を白黒させる。「そこの機体と一緒だ。取引先は幾つも有る事を忘れた訳ではあるまい?」
ベルゼンラーヴェを指しグウェインは言う。元々フリッケライドラグーンは帝国軍に配備されるゾイドや武装のテストを行う部隊。だからこそ次に会ったときに違う機体に乗っている事は多々有る。
しかし今回は大雨での増水で援軍は無理と言われていたので驚きを隠せない。

「水を行くものなら多少の増水は如何と言う事も無い。それにこの大きさだからな?」「ああ…そうか。」一発で納得してしまう面々。
ヴィゾールの剣の右腕を吹き飛ばしたコンテナミサイル”フレイミーズダート”と言いその大きさと言い戦力としては願っても無い援軍だ。
パイロットも部隊最強と名高いグウェインなら単機での援軍としてはジョーカーと言うより他の言葉が無い正真正銘の切り札な男である。

「とは言うものの…。あの葉を何とかできないと焼け石に水な状況でありますよ?これは…。」そのファインの言葉にルディアは言う。
「折角ぅ〜魔法とかが使えるのにぃ〜…勿体ぶってはいけません〜〜!!!」声が怒っている。お前が何とかしやがれと言っている。
「やっぱり面倒は自分馬鹿りでありますか…。」「急ぐぅ〜!」「イエッサァアアアアア!!!」自棄気味に答えて行動を開始するファイン。

「水が一杯有りますね。と言う事ならば!申・子・酉。」ベルゼンラーヴェが印を結び始める。「させるか!!!」ヴィゾールの剣は葉の鱗をバルカン状に撃ち出してベルゼンラーヴェを狙う。
だが「フレイムブラスター発射!」キングゴジュラスギガの胸部から強烈な可燃性粒子ビームが発射されて見た目”リーフバルカン”を焼き尽くす。しかも吸収されても内部から燃えてしまうらしい。
「如何です!すごいでしょう!これが世界初!ビームなのに燃える火炎ビーム砲の後継機!フレイムブラスターです!はい!」エルザが懇切丁寧に説明する。
すると「おおーっ凄い!」とカイエンから言葉が漏れる。「辰・卯・亥…カイエン少尉。ラミューズさんを連れてきて欲しいのでありますが宜しいでありますか?」
「了解です。」とカイエンは答えた。

171 :恐怖の亀裂の作者:04/12/21 05:31:24 ID:???
鉄獣28号さんへ

レオブレイスが一杯…所で時間軸的にマットの機体の存在は如何なんでしょう?
〇ャマイカン達w(ワッツ)に盗まれた後なのでしょうか?

Innocent world2の作者さんへ

神々の黄昏。その時に人に手渡された剣。
名前ばかりがFF辺りで一人歩きしていたあの剣。相当やばい威力だそうで…。

しかし…ヘタレーニがギガに乗って出て来るなんてwゲームでは結構能力値が高そう。

172 :悪魔の遺伝子 682:04/12/21 09:09:53 ID:???
「こ・・・このままじゃ!!」
「あと少し!!あと少しで基地に着くから・・・。」
さながら汚物にたかるハエの様にグスタフの周囲を取り囲みながら走り続けるレオブレイズの大軍に、
グスタフに乗っていた二人は焦っていた。と、その時だ。レオブレイズの一体がグスタフのコックピットに対し右前足の爪を振り上げたのだ。
「ああ!!」
「もうだめ!!!」
グスタフに乗っていた二人は死を覚悟し、思わず目を瞑った。と、その時だった。物凄い轟音が響き渡ると同時にレオブレイズの一群が巨大な何かにまとめて弾き飛ばされたのだ。
「え・・・。」
「一体何が・・・?」
グスタフに乗っていた二人がゆっくりと目を開けた時、そこにはレオブレイズの群れを蹴散らしたカンウとハーデスの姿があった。
「これは・・・、ゴ・・・ゴジュラスギガ!!?」
「凄い!!デスザウラーまでいる!!!」
グスタフに乗る二人が驚いている間にもカンウとハーデスはレオブレイズの群れを次々叩き壊していた。
「す!!凄い!!こんな暗闇の中でも正確に攻撃を当ててる!!」
暗闇での組み手の成果がこんな所で現れたのか、月明かりすら無いこの暗闇をもろともせずに、
カンウとハーデスは次々にレオブレイズの群れを破壊し、辛うじて残存した野良レオブレイズは
そのまま逃げ出してしまった。しかしカンウとハーデスはレオブレイズを追う事は無かった。
野良ゾイド掃討作戦は明日から始まる事であるし、何よりグスタフを助ける事が目的であったからだ。
そして野良レオブレイズの群れを追い返した後で、カンウとハーデスはゆっくりとグスタフの方を向いた。
「そこのグスタフの人〜!大丈夫〜?」
「大丈夫です・・・、そ・・・その・・・ありがとうございます!」
「いいっていいって!こっちも良い練習になったしね!」
グスタフに乗っていた二人はマリンとルナリスに礼を言ったが、その後でさらに言った。
「あのすみません。一つ聞いても良いですか?」
「何?」
「この辺りに基地があったはずなんですが、場所とかご存知でしょうか?」
その時マリンとルナリスはゾイドごと向き合った。
「基地って言ったら・・・もうあれしか無いよね?」
「ああ・・・。」

173 :悪魔の遺伝子 683:04/12/21 09:10:54 ID:???
グスタフに乗っていた二人の言っていた“基地”と言う言葉について、二人の頭に真っ先に思い
浮かんだのは野良ゾイド掃討、そして荒地開墾の為拠点になっているあの基地しかなかった。
「知ってるんですか?」
「ん?ああ!それがあんた達の目的地としてるのならな・・・。」
こうして、カンウとハーデスがグスタフを護衛する形で基地へ案内する事になった。とはいえ、
グスタフに乗っていた二人のうち、グスタフを直接操縦している女性の方は不安そうな面持ちで周囲を見渡していた。
「も・・・もう・・・襲ってきませんよね?野良ゾイド。」
「多分大丈夫だと思うよ。例え襲ってきたとしてもまた返り討ちにしてやればいい。ん?」
その時マリンが何かに気づいた様子で、カンウごとグスタフに顔を近付けた。
「そのグスタフに付いてるエンブレムマーク・・・、もしかしてマッハなんとかってチームの人かな?」
「え?どうして知ってるんですか?」
「やっぱりそうだったの?というかそれ程驚く事かいな?」
グスタフに乗っていた二人は驚いていたが、それにはマリンとルナリスはやや拍子抜けしていた。
「とにかく、あんた達はマッハなんとかっていうチームの人なのね?」
「ハ・・・ハイ・・・。基地の方で他の皆と既にお会いしたのですか?」
「そりゃそうでしょ。もう仮面かぶった変なおじさんがいて面白いのなんのって・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
マスクマンを遠まわし(?)にバカにしたマリンの言葉にグスタフに乗っていた二人は眉を細めていた
が、その二人もあながちそう思っていない分けでも無い為、何も言い返す事は無かった。

そうして、特に何事も無くカンウ、ハーデス、グスタフの三機は基地へ到着した。
「お!スイート達が買い出しから戻ってきたぞ!」
基地へ到着した早々グスタフのもとへ駆け寄ってきたのはRD等だった。するとRDはグスタフの隣にいたカンウとハーデスに疑問深そうな顔をしていた。
「あれ?何でコイツ等ここにいるの?」
「野良ゾイドに襲われた時にこの人達が助けてくれたのよ。」
「そ…そうだったのか…。怪我はなかったか?スイート。」
と、キャノピーから開いたグスタフからRDにスイートと呼ばれた茶髪の女性が現れ、一安心していた様子だった。

174 :悪魔の遺伝子 684:04/12/21 09:11:59 ID:???
「いや〜もう本当に危なかったよRD!あのゴジュラスギガとデスザウラーがいなかったら正直
危なかったね!にしても…、個人であれだけのゾイドを所有してる何てある意味凄いよあの子達は…。」
「ダンも無事だったか。」
グスタフにスイートと共に乗っていたもう1人はダンと呼ばれた男であり、リーゼントっぽい(?)髪型をしていた。その彼がカンウとハーデスを見上げて感心していた。
「ゴジュラスギガにデスザウラー。確かに素晴らしい機体だと思うよ僕は。ゴジュラスギガはゾイド
本体のバランスが良く、現在は治安局でも採用されているし、デスザウラーも頑丈なボディーに加え、
全身に武器を満載した動く要塞。しかし、それでもライガーゼロの素晴らしさには敵わないね!」
ダンはカンウとハーデスをこう評していたが、彼の言葉から察するに彼はライガーゼロが特に好きなご様子である。
「そら悪かったわね〜…。」
「まあ、そう言う事は個人の趣味だからあんまりとやかく言う気は無いが…。」
いつの間にかそれぞれカンウとハーデスから降りていたマリンとルナリスだったが、ダンの話を聞いて眉を細めていた。しかし、そんな彼女等にマスクマンが歩み寄った。
「とりあえず…、ウチのチームのマネージャーとメカニックを助けてくれてありがとう。チームを代表して礼を言う…。」
「いやいや!そんな事無いですって!」
「こっちとしても軽い練習になったし!」
頭を下げていたマスクマンにマリンとルナリスは申し訳なさそうに手を振っていたが、スイートとダンは少し驚いた顔をしていた。
「声から察するに女性が乗ってると思ってはいたけど…。」
「こんな子供が乗ってたなんて…。」
確かに2人が驚くのもあながち無理な話では無いかもしれない。やはりペットは飼い主に似るなんて
言葉もあったりする通り、ゴツイ機体にはゴツイ人が乗る等と言う先入観を今だに多くの人が抱いて
いるのが実状であり、そう考えている人にとってはマリンとカンウ、ルナリスとハーデスと言う
ギャップに違和感を感じるのは仕方のない事なのかもしれない。が、先程のスイートとダンの言葉は
マリンとルナリスの耳に入っていた様子で、彼女等は2人を軽く睨み付けていた。

175 :悪魔の遺伝子 685:04/12/21 09:14:17 ID:???
「あんまり言いたくないけど…聞こえたよ。」
「あ…。」
マリンとルナリスに睨まれている事に気づいたスイートとダンは一瞬黙り込んだ。
「それはね、確かにゴツイ機体にはゴツイ奴が乗ると言う考えが世間の偏見として今だに色濃く
残っているけど…、だからと言って私達が彼等に乗っては行けないってワケじゃないでしょ?」
「そう…。今までにもこんな奴がデスザウラーに…なんて言われた事あったけど、それってハッキリ言って差別だろ?」
「は…ハイィィィ…。」
「す…済みません済みません…。」
マリンとルナリスはスイートとダンを睨み付けてはいたが、乱暴な言葉遣いにならず、穏便な口調で
説教を始めていたが、その穏便な口調と言う物が逆に2人をビビらせる結果となり、2人はぷるぷる
震えて謝っていた。が、それだけでは無く、マリンとルナリスから発せられる静かながらも同時に殺気立ってもいた2人の気迫にRD等も思わずだまり込んでいた。

とは言え、この事も何かの縁と言う事で、スイートとダンの2人とも互いに自己紹介をしたマリンと
ルナリスは、マッハストームの皆と別れた後でカンウとハーデスを基地の格納庫に停め、おのおのの自由時間を過ごしていた。
「まだ8時…、寝るにはあまりにも早いし…、これからどうしよう…。」
マリンは基地内を何となく散歩していた。一方ルナリス、ビルト、ミレイナは与えられた部屋でテレビ
を見ている。そうしている間にもマリンは特に何をするワケでも無く基地内を散歩していた。そして
彼女が周囲を見ると様々な人々が様々な事をしていた。筋トレをしている者もいれば、ジョギングを
している者もいた。そしてゾイドの整備をしている者や雑談している者など、様々な風景が見られたのだ。
「みんなもみんなで本当に色々な事してるんだな〜…。」
と、マリンが何気なく感心していた時だった。1人のいかにも怪しい男が彼女に近付いてきていたのだ。
「済みません…。一つお聞きしたいのですが…。」
「へ?何?」
いきなり話しかけられた彼女は少し驚いていた様子であったが、男は営業スマイルにも似た怪しい笑みを浮かべていた。

176 :鉄獣28号:04/12/21 09:26:40 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
集光パネル的力を持つと思われた葉っぱも結局燃える。所詮は植物だったと言う事ですか?
しかも今回は超巨大級のゾイドがそろって出てきましたね。
さらにキマイラ要塞が落ちたと言う公式ストーリーと絡んだ話にもなってますし。

>レオブレイスが一杯…所で時間軸的にマットの機体の存在は如何なんでしょう?

マットのレオブーとは全く無関係です。あのジャ○イカンもどき軍団の中の
頭脳労働担当っぽい人の使うノートパソコンの画像の中に色々な色のレオブレイズがいましたし、
レオブレイズレベルの機体なら普通にワンサカいるのでは無いでしょうか?
ちなみに今書いている話にはマットは留守番してると言う設定で登場しません。

177 :恐怖の亀裂 750:04/12/22 04:39:01 ID:???
ここら辺で気付く者も居る事だろうが実はファインは水を使っての攻撃方法の知識は偏っている事は明白だ。
普通映像媒体等でも水を使って攻撃すると言ったら大抵忍術や精霊招喚等しか無い。ここで来る氷は?と言う質問にも答えは有る。
水を氷に変えるには大気の温度を周辺だけでも強烈に下げないとならない為それには大気…つまり風の領域に干渉しなければならない。
それ故に周囲の力の消費は激しくかつ威力が低いと言う事態になる。物理的な観点からいえば水の分子の振動を0にしなければならない為更に時間の領域をも使用している可能性も有ると言う。
印を組みながらファインは冷凍庫は凄いと思っていたりしていた。

カイエンの機体が素早く戦場を離脱して行く。「逃すかぁ!!!」リーフバルカンで攻撃を仕掛けるヴィゾールの剣。しかし「ほう…何やら離脱されると困る事でも御有かなぁああ?」
ザクサルのディアボロスウイングのスプレッドミサイルがリーフバルカンを撃ち爆散。残りの物事焼却する。「ええい!忌々しい!」そして無理矢理ルナルティアマットの拘束を振り解き空中に跳躍する。
今度は…「どうらああああ!!!インベイジョンキャッスル!!!」その更に上より獣魔宮殿が高速で落下してくる。「ぐはぁあああ!!!」盛大な水飛沫と小さな津波を起こしながら派手に新たにできた地底湖に沈むヴィゾールの剣。
彼の行動は全ての者に筒抜け状態だった…。

「…巳・丑・卯…水遁!水迅鎖縛刃!」浮き上がってきたヴィゾールの剣に刃の鎖の鞭と化した水柱が複数襲い掛かる。ヴィゾールの剣の表層を切り刻みながらそれは彼を絡め取る。
「縛刃裂葬!!!」ベルゼンラーヴェがサブマニュピレーターを拳に握るとそれと共に刃と化した水の鞭が一気に絞り上げられヴィゾールの剣を数ブロックの塊に分断してしまう。
それ等がバラバラに地底湖に落ちて行くがファインはまだ何かをしようとしている。今までの経験上この程度で大人しくなってくれる相手では無いと判断したのだろう。他の者も同じ考えだった。
「お見事。何時の間にやらそんな芸当ができる様に成っているとは…相当酷い目に遭ったみたいだな。」グウェインがちゃかすが「本当に酷い目に遭ったのですよ…世界の不幸を一心に背負わされた気分でありましたよ…。」
「ほう?妾を不幸とな?」と突っ込み準備万全のベルウッドが居る。

178 :恐怖の亀裂 751:04/12/22 06:03:22 ID:???
何か変な音がしたがそれを周囲は完全に無視してヴィゾールの剣の動向を伺っていた。
巨大サイコロステーキにしたとは言え生命力の塊の様な存在には致命傷に成るか如何かは疑わしい。
特にゾイドとして調整されている分コアさえ無事なら如何にでも成るのがゾイドでありかれは寄生体の親玉。
確信に近い感覚で再生や強化。若しくは変異するものと考えていたが流石は元締め予想を斜め上に行く姿で出て来た。

「花以外面影ねええええええええええええ!!!と言うより何処からそのパーツ群を持って来たっ!?」レミントンが叫ぶのは無理は無い。
何か奇妙な物体が…と言うより奇妙な台座に乗ったヴィゾールの剣が浮き上がってきたのだ。
最下部には巨大なウミガメ。その上に何処から持ち込まれたかゾイドのマンモスに寄生したと思われる寄生ゾイドが3ダース円陣を組んで上の者を支えている。
マンモスが支える皿にはヴィゾールの剣を守る様に5体の化け物が居る。その中央にサイコロステーキ状のヴィゾールの剣が盛られている。勿論一生懸命強化再生中だ。
はっきり言って美味しそうには見えないし吐き気がする壮絶かつ無駄にシュールな風景…。

「美的ぃ〜感覚がぁ〜疑われますぅ〜〜…。」ルディアはそう言いながらも確りエレクトロンドライバーで攻撃を仕掛けていた。
しかしそれは5体の守護者に当たり更にそれは皿を伝わってマンモスへ。そしてマンモスから巨大ウミガメを伝って地底湖に流れて行ってしまう。
ベルゼンラーヴェは巨大ウミガメに向かってESBストライクを放っているがその周辺が凹むのみで大したダメージを与えていないようである。その上直に元通りに成っていた。
荷電粒子砲や色々な攻撃が撃ち込まれているがどれも効果はいまいちらしい。

「これは間違いな形だがこの形は”世界”を表す物。何処か”世界”の一角でも崩せれば何とか成る筈だ!」ベルウッドがそう言う。
とは言え亀は巨大すぎる。次の階層のマンモスは36体も居る為1体程度倒しても上の部分が揺るぐ事も無いだろう…。となれば目標は5体の守護者になる。
しかしその5体は…「また違う姿でありますがもう安売り状態でありましょうか?それとも本体はヴィゾールの剣とか?」その疑問にザクサルが「その通だ。」
と答えを出してくれる。それを聞いて思い切り溜息を吐いてしまうファインとベルウッドだった。

179 :恐怖の亀裂 752:04/12/22 07:42:56 ID:???
遂に3組目…最早エルダー15である。本来自立意志の強いゾイドが何故簡単に支配下に置けたかがこれではっきりした訳だ。
自分の体なら自由自在に動く筈である。如何やらファインやザクサル。レクス等の行動を予測したのかその5体は一斉に思い思いの相手に襲い掛かる。

「こっちに2体も来るのかよ!」先ずキングゴジュラスギガに2体。デスサンダーに1体。ディアボロスウイングに1体。最期に獣魔宮殿に1体。
残りの者はフリーになるので各々近くの緊急不戦同盟の機体に加勢する。「それでは…行きましょうか。」ベルゼンラーヴェが動こうとするのをルナルティアマットが制する。
「止めておけ。わざわざこの2体が溢れるのは何か策でもあるのだろう。無駄に加勢すると味方を奴の本体の攻撃に晒す可能性が有る。」グウェインはそう言って止める。
しかし…「この場から動かなければ大丈夫なら手は有るのでありますよ?」そう言ってウェイブレイダーを股のホルスターカバーから引き抜く。

各々の相手に向かってリロードをしながら2発づつウェイブレイダーを撃つ。弾倉がマガジンタイプではなくリボルバータイプなのでせかせかしながらだが獣の能力の関係上機体がロックすれば後は自動追尾。
正確に狙いを付ける必用が無いのはこう言う時に嬉しい限りだ。やはり高機動誘導弾は厄介らしく必死になって振り払おうとしている。「くくくく…良いフォローだ!」先ずそれに気を取られた1体がザクサルの餌食になる。
更に止めを刺すようにウェイブレイダーの弾丸が貫いていく。他の相手にも概ね効果が有り既に喰らった者や何とか排除した者がいる。

「だから嫌がらせか!?全く!」レクスの相手は2体。加勢としてシュミットやルディアが居るが相手の攻撃は素早く中々攻撃が当たらない。
その癖堅くてパワーも有ると大型の機体が相手をするのには最も厄介なタイプの相手だ。他にタイプの違いで困っている者は居ないかと見回す。
既にザクサルは片付けているが手伝ってくれる筈は無い。逆恨みで攻撃を仕掛けて来る相手だからまず無理だろう。
他には…何方もパワー畑で苦労している様なので頑張るしかないと悟るレクス。特にここに居た60mをゆうに越す獣魔宮殿は特に面倒そうに見える。
「良く狙って…!でりゃ!」腹部横のガトリング砲が上手い事相手に当たった…。

180 :悪魔の遺伝子 686:04/12/22 09:07:15 ID:???
「失礼かも知れませんが、貴女は緑色のゴジュラスギガの所有者でありますよね?」
「そうだけど…、貴方は誰です?」
「いえいえ、名乗る程の者ではありません。まあバートンとでも呼んで下さい。」
「あの…、それって名乗ってる事にならない?」
マリンは男の異様な態度に拍子抜けしていたが、男はさらに言った。
「済みませんが少し聞いて下さいよ。先程小耳に挟んだのですがね…。」
「ん?何々?」
バートンと名乗った男がマリンの耳に近付け、小声で何か言い始め、半信半疑だったマリンも“小耳に挟んだ”と言う単語に反応して興味深く聞き入った。
「先程何気なく基地内を歩いていた時に聞こえたんですよ…。」
「で?何が?」
もったいぶっているバートンにマリンは少し苛立っていたが、その直後彼の口から出た言葉はマリンを怒らせる物だった。
「格納庫でライガーゼロを持っていた青髪の少年…確かRDと言いましたっけ?あの人がこんな事を
言っていたんですよ。“ギガなんてデカイだけのウドの大木が役に立つのか。アイツデカけりゃ強いと
勘違いしてるんじゃねいーか?それに、あの緑色って何だよ、もっと色考えろよ。緑色ってのやちょい役の色じゃねーか”って…。」
「ななななななな何ですってぇぇぇ!!!!!?あのガキャァァァァァ!!!!もう許せんんん!!!!!」
そのままもの凄い形相になったマリンはかき消えるような速度で走り出し、あっという間に見えなくなった彼女にバートンも少し驚いた顔をしていた。
「何というスピード…。しかし、作戦は成功ですね。さて、次はRDの所に行きましょうか…。」
バートンはニヤリと笑みを浮かべると、そのままクルリと反転し、歩き始めた。

一方RDは自動販売機の前で飲料水を飲んでいた。その彼の前にバートンが現れたのだ。
「お!!お前はバートン!!何でこんな所に!!」
「安心しなさい…。今日は別に戦いに来たワケではありませんよ。ただ何となく通りがかっただけです…。」
「ほ…本当かよ…。というかなんとなく通りがかったって…。」
RDは笑みを浮かべ続けるバートンにうろたえていたが、彼等の言葉を聞く限り2人は知り合いの様子である。

181 :悪魔の遺伝子 687:04/12/22 09:10:21 ID:???
「まあそう慌てずに落ち着きなさい。」
「こ!!これが慌てずにいられるかよ!!」
「ですが、実は少し小耳に挟んだ事があるのですが…。」
「え!!?何!!?」
バートンの“小耳に挟んだ”と言う言葉に反応し、興味が沸いたのか、RDは思わず聞き入っていた。
「緑色のゴジュラスギガのパイロットをしていた金髪で顔に二つの傷のあるお嬢さんを御存じでしょう?」
「ああ…知ってる。」
「そのお嬢さんが貴方のライガーゼロをバカにしてましたよ。あんなの足が速いだけのザコザコ〜って…。」
「ななななななな何だってぇぇぇぇ!!!!?あのガキャァァァァァァ!!!!もう許さんんんんん!!!!!!」
もの凄い形相になったRDは猛烈な速度で走り去った。そしてその様子を見送ったバートンはニヤリと笑みを浮かべ、何やら携帯電話で誰かに連絡している様子だった。
「サンドラ様、作戦は成功いたしました。あとは連中の消耗の度合いと、ブレード次第です。」
「そう、ならばバートンはすぐに帰還しなさい。続きは明日です。」
「ハイ!分かりました。では…。」
バートンは携帯電話をポケットにしまい、またもニヤリを笑みを浮かべた。

時は今より数時間前に遡る。RD等の所属するチーム“マッハストーム”をライバル視し、バートンが所属しているチームでもある“サベージハンマー”と言うチームが存在し、そこで何か陰謀のような物が企まれていたのだ。
「新しい作戦とは・・・、一体何の事か説明してもらいましょうか?バートン。」
「ハイ、サンドラ様。」
バートンの前には、やたら高級そうな椅子に座る、これまた高級そうな服装に身を包み、クルクル
カールした髪型の金髪の女性がいた。バートンの言葉から察するに彼女の名前はサンドラと言う名前で
ある様子で、バートンの上司と言う様子であった。そんな彼女が両手に白い猫を抱えながら、バートンの顔を見つめていたのだ。
「これをご覧ください。サンドラ様。」
バートンがリモコンの様な物を何やら操作すると、モニターにカンウの映像が映し出されていた。
「ゴジュラスギガ・・・。これが一体どうしたと言うの?」
「ハイ。確かにこれはゴジュラスギガですが、治安局の物ではありません。」

182 :悪魔の遺伝子 688:04/12/22 09:11:39 ID:???
「と言うと、これはZiファイターに個人所有された物であると?」
バートンは笑みを浮かべながらゆっくりと頷いた。
「その通りで御座います。そこで私はある作戦を考えたのです。このゴジュラスギガをマッハストームにぶつけ、連中を消耗させた所で一網打尽にする・・・と言う・・・。」
「下らんな!」
バートンの案を一蹴するその様な言葉と共に、彼の背後からクールなイケメン風の男が現れていた。
「たかがゴジュラスギガごときに何をそこまで騒ぐ必要がある。あの程度のゾイドなど連中に噛み付くことすらも出来んだろう。」
「ほ〜・・・では、いつもRDと戦っていながら、治安局のゴジュラスギガが駆け付けて来ると
手のひらを返す様にそそくさと逃げ出してしまうのは一体何処のどなたなのでしょうね〜・・・。」
「う・・・。」
バートンに皮肉めいた言葉を言われたイケメン男はバートンを睨み付けつつ黙り込んでしまった。格好付けていても結構図星だった様子である。
「だが!奴には何の武器も無いではないか!」
慌てて言い返したイケメン男であったが、その言葉にバートンは彼を見下す様な笑みを浮かべるだけだった。
「フ・・・。これだから君はまだまだ甘いと言うのですよブレード。」
「な・・・なんだと・・・?」
バートンにブレードと呼ばれたイケメン男はうろたえていたが、バートンは相変わらずの笑みを浮かべつつリモコンを操作し、映像を切り替えていた。
「ご覧くださいサンドラ様。私はあの後、このゴジュラスギガの過去の公式試合における戦いの様子をある程度調べてきたので御座います。」
「気の利く事ね・・・。」
サンドラは茶を飲みつつ、そしてブレードは納得いかない顔でバートンの用意した映像を見始めたが、
その映像にはカンウの過去の様々な戦いが映し出されており、ライガーゼロのストライクレーザー
クローが自らに叩き込まれる前にゼロの腕を掴み、逆にゼロが飛び掛って来た時の力を利用して一軽く
地面に叩きつけると共に腕ひしぎ十字固めで決めた試合や、ディバイソンを数機まとめて投げ飛ばす等、様々な映像が流されていたのだ。

183 :悪魔の遺伝子 689:04/12/22 09:15:59 ID:???
「これをご覧の通りです。ライガーゼロの攻撃をことごとくかわす運動性能に加え、逆に相手の力を
利用すると言うテクニック。そして重量級のディバイソンを数機まとめて弾き飛ばすこのパワー。
確かにあのギガは武装などまるで付いていない丸腰ですが、この基本能力こそが恐ろしいと私は考えますね。どこかの誰かさんと違って・・・。」
「く・・・。」
ブレードに対する皮肉めいた言葉にもなっていたバートンの言葉にブレードは納得いかない顔で横を向いていた。
「どうです?サンドラ様。いかにマッハストームにユニゾンした機体が2体揃っていようとも、
あのギガと戦えば無傷で済みますまい。そうして消耗した所で我々が乱入して一網打尽にする。と、こういう事を考えた分けです。」
「で、そのギガを連中にぶつける方法は考えてあるわけ?」
「ハイ・・・もちろん。」
バートンは笑みを浮かべていた。そして彼が考えた作戦こそが、マリンとRDにそれぞれ嘘を吹き込んで喧嘩させるという物だったのだ。

そして時は現在に戻り、バートンの作戦通り、それぞれ激怒していたマリンとRDは基地内を爆走して
いた。その様子は他の者も思わず道を空けてしまう程の恐ろしい気迫を放っており、ついに二人は出会ってしまったのだ。
「いたぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「そこかぁぁぁぁ!!!!!!」
二人は更に物凄い形相となり、互いに衝突し合わんばかりの勢いで近づいた。
「あんたぁぁぁぁぁ!!!!よくもウチのカンウを鈍重とかデカイだけで強いとか、緑色だからちょい役だとか馬鹿にしてくれたくれたわねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「お前だってよくも俺のライガーゼロを雑魚呼ばわりしやがったなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
二人の叫び声が基地内に響き渡り、思わず周囲からざわめきが起こっていた。
「ん?何だ?」
「何が起こったんだ?」
名も無いエキストラ的Ziファイター達が慌てて現場に駆けつけて来ると、そこにはいつ殴り合いの
喧嘩が始まってもおかしくない程の険悪なムードで睨み合うマリンとRDの姿があった。

184 :鉄獣28号:04/12/22 09:27:40 ID:???
一応このお話のメインテーマは”カルチャーギャップ”だったりします。
双方の常識等が異なっていた為に、それが考え方の違いとなっていざこざの原因になると言う感じです。
例えばライガーゼロ一体にしても、フュザ組の常識ではRDの乗る機体しか存在しないと思われているのですが、
彼等の知らない所では相当数のゼロが稼働していると言う事にしています。
(だから今までもかなりの数のゼロが雑魚役で登場したりしていた。)

>>恐怖の亀裂作者さん
亀の上に沢山のマンモス・・・。これはいわゆるインド神話における世界の形と言う奴ですね。
しかし、それを上手く崩す事は出来るのでしょうか?
エルダー15?って言う以前出てきたエルダー5より凄そうなのも出てきましたし。

185 :恐怖の亀裂 753:04/12/23 03:59:13 ID:???
「…見ろ。増援だ。」グウェインがルナルティアマットの首を振らせてヴィゾールの剣を指す。
皿の上のヴィゾールの剣のサイコロステーキよりコアがポンポン跳び出している。それはその世界の庇護の元急速に形を持ち始めている。
それを確認した後グラハムから全機体に警告が飛ぶ。「そいつは自分の不要パーツをゾイドとして排除しようとしている!そのコアが出て来なくなる前に叩かないと不味い事になる!」
それを聞いている間に既に数体の後続が完成しヴィゾールの剣の世界より侵略を開始する。

今度の数は6体。それは真っ直ぐにルナルティアマットとベルゼンラーヴェに迫ってくる。「そう言う事だ。最低でも1体は落して貰うぞ。」グウェインはそう言って機体を低空飛行モードに移行させる。
「いくぞ!3…2…1…散開!」グウェインの声と共に2機は散開して相手の出方を見る。

「でええええっ!?全部こっちでありますかぁ!?」6体全てがベルゼンラーヴェに狙いを付けている。「ふはははは!!!少し前のお返しだ!よくも死神を3人も嗾けたな…そのお礼だ!行け!6獣合体アラストール!」
復讐者の名を与えられて6体のそれは1体の戦闘ゾイドになる。切り捨てた不要部の内の戦闘ゾイドとしてのシステムを持った者なのだろう…更に面倒な事に規格統一がされている。
「さしずめ…タイラントブロックスとでも言いましょうか?どわっ!?」胴体や各部には通常の倍以上の大きさのシステムブロックが有りそれの示す規格システムディティールは独特の模様をしている。
周囲を見渡せば数の増えた相手と戦闘している周りの味方。増援は期待できない上に何方かと言えばファインの方がフォローに回るべき立場に有る。うかうかしていられなかった。

突然彼等の最低戦力と見られた第1小隊のプロトY2機に迫る敵機が3本の大口径荷電粒子砲の直撃を受けて数機程が蒸発する。その先には何も存在しないが確かにそこから撃たれた物だ。
リディアの駆る光学迷彩ツインゼネバスユニット装備のデスザウラー。ナイトウォーカーの攻撃である。「ぬうううう!?まだその様な駒を伏せていたか!」ヴィゾールの剣は悔しそうに言う。
本当に彼等の頭数を減らしたかった事が良く解る言葉だ。しかし実は今までスポットの全く当たって居なかった彼等2人も癖のある猛者だったのである。

186 :恐怖の亀裂 753:04/12/23 05:03:28 ID:???
「さて…お嬢様。そろそろ我等も動く時ですな。」「そうね…私達は無駄にこの力を代々伝えて来た訳ではないのだから…。」
その2機は特にエナジーチャージャー以外の変更は無い機体だが問題は乗り手の爺とお嬢様にある。

「我等甲賀の力をZiに伝える者!そこの男の様に忍術を使うのに大した時間は要らないのよ!水遁!連龍撃刀!」
更にヴィゾールの剣の周辺から彼等に襲い掛かろうとする者が水面から発生した龍の大顎に噛み砕かれる。
「流石ですぞ!ミズキお嬢様!それでは不詳カゲヤマ参ります。」その言葉が終わるやいなやカゲヤマの乗るプロトYが掻き消える。
その後何時の間にか現れた霧に巻き込まれた敵は霧が晴れた後物言わぬ屍に変わり果てていた。全て一撃の下に首を跳ね飛ばされている。
多分自身が死んだ事や攻撃を受けた事さえ理解する間も無かっただろう…。

「何と!伝説の霧の暗殺者がこの様な場所に居ったか!」ベルウッドが驚きの声を上げる。如何やらあの爺と呼ばれたカゲヤマは大陸間戦争の頃から活躍していた猛者らしい。
「え〜っと確か槍を持ったデッドボーダーに乗っていたと噂を聞いた事が有りますが…?」アラストールの攻撃をソードレイで受け流しながらファインは言う。
「ファイン中尉。それはデマですぞ。私は終始ジークドーベルに乗っていましたからな。」カゲヤマから通信が入る。その顔を見る限り嘗て鬼人と呼ばれた存在の顔には到底見えない白髪の紳士がカゲヤマである。
更にそう言いながら…2枚のエナジーウイングを切り離してそれを口に咥えるカゲヤマのプロトY。「中佐殿?あれをいたします。了承できますかな?」
その問いにレミントンは「…了承する。その代わり…激しすぎない様にして下さい。」とても暗そうな声で言う。

アラストールが邪魔でその後の光景を結果しか見れないファインとベルウッドだがそれを見た者はヴィゾールの剣も含めてポカーンとしていた。
中央には口にエナジーウイングを咥えたカゲヤマのプロトY。その隣りにはミズキのプロトYがカゲヤマ機と同様の状態で居る。
しかもその2機が通過したと思われる場所には目茶苦茶に引き裂かれたゾイドと床や壁が残るのみだ。「…一体何をっ!?」
大口径荷電粒子砲でもその様な状況は作り出せない。圧倒的な破壊力の物体が無秩序に通り抜けた跡が残るのみである。

187 :恐怖の亀裂 755:04/12/23 06:31:59 ID:???
その状況に到った経緯を聞きたいがアラストールが非常に邪魔くさい。その戦闘行為はブロックス登場時のファインやザクサルに似ている。
その為回避行動で回避しきれない攻撃も上手く受け流す他分離を駆使して攻撃を避けてくる。その行動は戦闘システム周りが結集されているからか彼等の物より的確である。
「系統立てが上手い…やはり単純作業の効率は機械の方が速いようであります!」となればそれを封じる方法を執るしか無い。

方法は二つ。一つは相手の予測速度を上回る事。もう一つは予測を斜め上を行き行動を予測させない事。
何方も今のベルゼンラーヴェならさほど難しい事は無い。しかしそれはヴィゾールの剣に対して何方かの行動を見せてしまう事になる。
だが「面倒なので両方使いましょう!」「何〜〜〜〜〜〜〜っ!?」ベルウッドが驚くのは無理も無い。もうそろそろ今の時点で彼女が使用できる術式でヴィゾールの剣に通用しそうな物は限られている。
アラストールの戦力はザイデル程ではないが充分ベルゼンラーヴェを上回る戦力を有している。特に嫌な目付きのミサイル。
これは強力な誘導性能を持っているだろう。だいたいその目が逐一ベルゼンラーヴェを睨んでいるのだから通常のミサイルと一緒に考えるのは止めた方が良い。

それが一斉に発射される。その時の光景は自らの体液を撒き散らし痛みに吼えながらの攻撃と不快感も併せ持っている。
一気に全方位からの包囲網でミサイルが迫る。それはそのまま着弾して派手な爆発を起す。

しかしそれを見て悲壮感を持つ者は誰1人としていない。それは直に誰にでも見える形で現れる全くダメージを受けていないベルゼンラーヴェ。着弾跡の煤が装甲表面に残るのみだ。
「そう言えば忘れていましたね…あのサイズの炸薬ではダメージを受けない事を綺麗すっぱりと。」その瞬間ベルゼンラーヴェの首が少し傾ぐ。「こんの大ボケがぁ!それでは今までの回避行動の2/3が無意味ではないか!!!」
烈火の如く激昂するベルウッド。「まあまあ…そんなに”ぎゅfさdてかはぁっ!!!」「黙れ!」「まあまあそんなに怒らずげあおksjfはすr…。」もう一発喰らわせてベルウッドが言う。
「おのれ両一日中にこんなに耐性ができているとは。使う回数が多すぎたか!」まるで殺虫剤に耐性ができたゴキブリに言う様にベルウッドは言葉を吐き捨てた。

188 :恐怖の亀裂の作者:04/12/23 06:49:51 ID:???
うぎゃ〜…番号の振り忘れで番号が連投状態に_| ̄|〇
>>179の銃が獣に成ってたし。設定上は問題無いのですが…_| ̄|●

鉄獣28号さんへ

バートンおもすれ〜〜w
簡単に挑発に成功してる。結構あざとい感じがしたマリンさんなのにあっさり引っ掛かってるw

最近は睡眠時間がまた減った…。そしてGCがフル稼働状態。連続30時間付きっぱなしの時も…。
〇パロ〇GCとVS3とGBAプレイヤーで回し使用状態。GCの寿命が極端に減っていそう…。
ス〇〇ボGCなんて十数時間やって未だに2話サブマップ…。何回も出来るのは反則。

189 :悪魔の遺伝子 690:04/12/23 08:50:10 ID:???
「お前よくも俺のゼロをザコと言ったなぁぁぁぁ!!!?」
「そりゃ確かに私はライガーゼロなんて今まで腐る程倒して来たし、もうザコだと思ってる。けどあんたに対して直接口に出して言った覚えは無いよ!!!」
「ウソ付けぇぇぇぇぇ!!!!!」
「ウチのカンウを鈍重だとか緑色してるからってちょい役呼ばわりしたあんたに言われたくないわよ!!」
「そりゃ確かに俺だって今まで何度も治安局ギガの追撃から逃げまくったから、もう鈍重だと思ってる。けどお前に対して直接そんな事言った覚えは無いぞ!!」
「(な・・・なんと・・・。少し思わぬ事になってますがな・・・。)」
野次馬に紛れて喧嘩の様子を傍観していたバートンは少し唖然としていた。無論彼が二人に吹き込んだ
言葉は口から出任せの物である。が、しかしそれと同じ事をマリンとRDはそれぞれ考えていたのだ。
そして、そうしている間にも喧嘩は続いており、周囲の野次馬達も様々な反応を見せていたのだ。
「お・・・おい・・・。誰か止めろよ・・・。」
「いやいや・・・、これはもう少し見ていようぜ。面白くなりそうだ。」
「殴り合いはまだか〜!」
など、彼らは他人事のように二人を煽っていたのだ。そして口喧嘩の末、ついに痺れを切らせたマリンは右腕を大きく振り上げたのだ。
「あんたぁぁぁぁ!!!!!!それ以上ウソのたまうと殴るよ!!!!」
「ああ殴ってみろよ!!そんな細腕で殴られた所で痛くもかゆくもねーよ!!」
今にも殴りかかろうとするマリンにRDは笑みを浮かべててそんな事を言っていたが、彼の考えは間違いであるとすぐに気づく事になる。
「来いよ!!伊達にいつもゾイドバトルで鍛えてるって事を教えてやるぜ!!!!!」
「よぉく言ったクソガキィィィィィィィィィ!!!!!!!」
                ボッゴォォォォォォォォォン!!!!
その瞬間、大爆発にも似た音が基地中に響き渡り、マリンはそのまま泣きながら走り去ってしまった。
「お!!おい!!一体何がどうしたんだ!?」
唖然とし、硬直しているZiファイター達の人ごみを掻き分けてマッハストームの他の皆が駆け付けて来た時、彼は実に恐ろしい物を見てしまうのであった。

190 :悪魔の遺伝子 691:04/12/23 08:52:31 ID:???
「あああ!!!!!RDが死んでるぅぅ!!!!」
皆は愕然としていた。マリンに思い切り殴られたRDの顔は凄い形に変形し、体中の関節があらぬ方向に曲がっていたのだ。
「い・・・一体誰が・・・、こんな事・・・。というか一体どんな凶器を使えばこんな事に・・・?」
マッハストームの皆が唖然としていた時、周囲のZiファイター達は口々に言っていた。
「凶器なんて何も使ってなかったよ。ただの素手だ。」
「あ・・・あの二つ傷の嬢ちゃんがまさかあそこまで強かったとはな〜・・・。」
「人は見かけによらないとはまさにこの事だよな〜・・・。」
Ziファイター達はそう口々に言っていたが、今度はいつの間にかに駆け付けて来ていたルナリスがRDをゆっくり見下ろしていた。
「あ〜あ〜・・・、コイツよっぽどマリンを怒らせる事言ったな〜?」
「え?マリンって・・・、あの人そんなに強いんですか?」
「ああ!ハッキリ言って並の人間が奴に本気で殴られたら即死だよ。超小型アタックゾイドの装甲も普通にぶち抜くし。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
マッハストームの皆は絶句し、ルナリスはヤレヤレのポーズを取っていた。
「はっきり言ってもう助からんよこれは・・・って・・・お?まだ生きてるじゃないか。」
「ええ!!!?」
皆が再びRDの方を見ると、彼はかすかに全身を痙攣させていたのだ。
「くまかかかかかかか・・・・・・・・。」
「生きてる!!RDは生きてるぞぉぉぉぉ!!!」
「何か変なうめき声上げてるけどな。」
「何はともあれよかったよかった〜!」
RDが生きていた事にマッハストームの皆は安心し、他のエキストラ的Ziファイター達は笑顔で
拍手を送っていたが、そんな人ごみの中からいそいそと逃げ出している者がいた。彼こそやはりバートンであった。
「うわ〜・・・、あの小娘あんなバケモンだったなんて〜・・・、これはボロが出る前に退散した方が
良さそうですね・・・、あんな奴に殴られたらたまった物じゃありません・・・。どうせ後はブレードの仕事ですからね〜・・・。」
RDを一撃で半死半生状態にしていたマリンの拳にビビッていたのはバートンも同様であり、
彼は驚愕のまなざしで、全身をプルプルと震わせながらいそいそと退散していたのだ。

191 :悪魔の遺伝子 692:04/12/23 08:54:54 ID:???
「ちぃっくしょぉぉぉぉ!!!!!この落とし前は絶対に付けてやるぅぅぅぅぅ!!!!」
あれからしばらくして、先程のシーンが何ゆえギャグパートだったおかげもあり、何とか復活
出来ていたRDは自室で、皆が思わず耳を塞いでしまうほどの大声を張り上げていた。
「RD!少しは落ち着きなさいよ!」
「そうだ!傷に触るぞ!」
「んな事言ったって、俺は奴に殺されかけたんだぞ!!」
「確かにそうだけど・・・。」
と、その時RDはゆっくり頭をうつむけた。
「それに・・・あいつは俺のゼロを馬鹿にしやがった・・・。俺自身が何かされたり、何か言われたりしても
まだ我慢は出来るが・・・、ゼロを馬鹿にする事は許せねぇ・・・。俺のゼロは・・・、父さんのゼロでもあるんだ・・・。」
「RD・・・。」
スイートが心配そうな眼差しで彼を見つめていた時、今度はダンがRDの肩をボンと叩いたのだ。
「そう!!そうだよね!!その通りだよねRD!!ライガーゼロこそ最高のゾイド!!さらに
父さんの形見だからなおさらだよね〜!!ライガーゼロ馬鹿にする奴は許せないよね〜!!」
「ダン・・・。」
何か妙にテンションの高いダンの態度に皆は眉を細めていたが、逆に彼の行動が重くなりかけていた場の空気を軽くしていた。

一方マリンはと言うと、彼女も自室で怒りまくっていた。
「ったくあのRDってクソガキ本当に頭来るぅ!!!」
「マリンさん少し落ち着いてください!」
「これが落ち着けるワケ無いでしょが!!!」
周囲に迷惑がかかる程の大声を張り上げていたマリンであったが、その後で彼女はゆっくりと頭をうつむけた。
「それに・・・、アイツは私のカンウを馬鹿にした・・・。私自身が馬鹿にされる事くらいなら、今まででも
良くあるからまだ我慢できる。けどカンウを馬鹿にする事は許せない・・・。私のカンウは・・・曾お婆ちゃんのカンウでもあるんだから・・・。」
と、その時ルナリスがマリンの頭に軽く手を添えた。
「まあお前の気持ちもわからんでも無い。己のゾイドに誇りを持つのがZiファイターと言うものだ。しかし、それは奴とて同じだろう?」
「で・・・でも・・・。」
ルナリスはマリンをキッと睨み付け、マリンは一瞬ビクッと震えた。

192 :悪魔の遺伝子 693:04/12/23 08:57:09 ID:???
「でももクソも無い。お前も・・・そして奴もZiファイターならゾイドバトルで決着を付ける事だな。それがZiファイターってもんだろう?」
「ルナリスちゃん・・・。」
「ちゃん付けするな!」
例によってマリンの頭にルナリスの鉄拳制裁が叩き込まれると言うお約束の風景のせいで、シリアスな
雰囲気は完全に粉砕されていたが、これはこれで重くなっていたマリンの気を軽くする結果にもなった。

そして翌日、ついにZiファイター達による野良ゾイド掃討作戦は開始され、様々なゾイドが基地周辺
に展開し、野良ゾイドを策敵、攻撃の準備を取り掛かっていた。これから戦いが始まると言う事もあり、
皆は真剣そのものだったが、その中でも特に極めて殺気立っていた二人がいた。それはマリンとRDであり、カンウとライガーゼロが互いに睨み合いを続けていたのだ。
「こうなったらどちらが多くの野良ゾイドを倒せるか勝負よ!」
「そんな事言われるまでも無い!!俺のゼロが雑魚じゃねぇ事を身を持って教えてやるぜ!!」
「こっちだってカンウが鈍重でもデカイから強いってワケじゃない事を教えてあげるから!!」
マリンとRDはなおも互いを睨み合っていたが、他の皆はその様子を心配そうな眼差しで見つめていた。
「あいつら・・・大丈夫かな〜・・・。」
「気持ちはわかるが・・・今はいがみ合っている場合じゃないだろ・・・。」
「好きにやらせとけベイベー!!!」
「そうそう!!!人は喧嘩して大きくなるのよイェ〜イ!!」
「って誰だぁぁぁ!!!このデー○ン○暮みたいな奴等はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
皆はメイクバージョンビルトとミレイナの姿に驚愕し、その威容に慌てまくっていた。
「誰よ誰よ!!!このヘビメタロック歌手みたいなのはぁ!!!」
「ああ。ビルトとミレイナだ。」
ルナリスは冷静に説明していたが、誰もが信じられないと言った顔をしていた。
「ウソ付けぇぇぇ!!!あんな弱弱しい奴等とこんなバリバリな奴等が同一人物なワケ無いだろ!!?」
「まあ確かにそう考えるのが正しい人のあり方だと思う。だが、奴等は違う。奴等はメイクすると人格が変わるんだよ。」
「その通りだぜベイベー!!!」
「がんばっちゃうよイエ〜イ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

193 :鉄獣28号:04/12/23 09:07:54 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
今回は新顔祭りですね。ヴィゾールの剣から出てきた巨大ブロックスの合体版とか忍者さんとか・
あと、デスザウラーツインゼネバスって確か以前の電ホビに乗っていた
カスタマイズパーツのボツ案にあった背中に大型キャノンを積んだデスザウラーですよね。
そしてそれらの新顔まで絡んでさらに泥沼化する戦いは一体どうなるのでしょうね?

それと、自分は○パ○ボGCは買おうと思っていましたが資金的問題の為、結局買ってません。
しかも各掲示板の評判を見るとクロスオーバーとかほとんどないらしくて
お金が手に入っても買おうかどうか悩んでいます。

194 :恐怖の亀裂 756:04/12/24 04:09:55 ID:???
耐性ができると言う事は対称との相性が近くなっているという証拠なのでそれ程悪い意味は無いのだが衝撃波等で突っ込みを行うベルウッドにとっては嬉しい事ではない。
一応契約の関係上主となっているファインの脱線率が非常に高いのでそれに対する牽制手段が無くなるのは困るのである。
それはそうと”両方”で仕掛けると言うがそれ程手が有る訳でもないとなれば行動は限られてくる。

「全く…なんつー装甲だ!」レクスは吐き捨てる。相変らず不毛な弾薬消費戦を余儀無くされているキングゴジュラスギガ。
ガトリング砲程度の攻撃ではダメージが与えられても相手の再生スピードには全く追い付けていない。そんな折に有るメッセージが届く。
「何かとても卑怯な気もするが…それが一番だろう。これは戦争だ。それも…生存競争だ。」送り主はファイン。持ちかけられたのは対戦相手の摩り替え。
的が小さくて攻撃が当たらないレクス側に的の大きいアラストールを。そして的の大きさに関係無く戦闘できるファイン側にキングゴジュラスギガに張り付いている2体。
その摩り替え直後で両方を撃破するつもりらしい。

アラストールの攻撃をガードしながらベルゼンラーヴェは戦闘システムを汎用戦闘用から殲滅戦闘用に切り替える。
システム切り替えでベルゼンラーヴェはニュークリアインフェルノの仕様待機状態に移行する。
それと共に極一部のと言っても本人もベルウッドも今の状態では一つ二つしかないのだが強力な呪装兵装と術式を使用できる様になる。
以前の招喚やら十字封剣の精製等の荒唐無稽な用途に使用出来る状態という事になる。

それとなくベルゼンラーヴェとキングゴジュラスギガはお互いの相対距離を縮めて行く。目標はベルゼンラーヴェのアーバレストの使用で跳べる限界距離。
ファインは闇雲な攻撃でアラストールの分離回避を誘発させてアラストール側からの攻撃を押さえ込む。レクスの方は軽火器で牽制して相手の動きを封じる。
カゲヤマとミズキの本格参戦でヴィゾールの剣の本体に対しての牽制は充分。
リディアの機体に改めて付けられて遂にその本領を発揮し始めたツインゼネバスユニットととの連携で3連装の大口径荷電粒子砲も要注意武器となる。しかも光学迷彩隠れていると言う全力で後向きな機体。
調整に時間が掛かっただけの価値は有る。

195 :恐怖の亀裂 757:04/12/24 05:29:44 ID:???
こうしている間にもヴィゾールの剣は要らない物を全て排除する為のゾイドの精製を続けている。
幾度となく発生するエルダー5級の化け物ゾイドを排除するのは相当骨の折れる仕事だ。今はその役目がグウェインのルナルティアマットが勤めている。
火器の使用に制限が掛かってしまい圧倒的にサイズと質量の差が有るルナルティアマットの格闘が最も消費が少ないと言う事だがパイロットの疲労は少しづつ嵩んでいく。
「…少し休憩したらどうだい?動きっぱなしじゃないか。」ロバートが火器管制の最適化を行いながらグウェインに言う。
しかし「忠告はごもっともだが彼処の2体がフリーにならないと正直な所奴が最適化を終えてしまった場合勝ち目は無い。」グウェインはそう言う。
更に加えて「ルナルティアマットはサイズの差とそれに反比例しない機動性が売りだ。残念だが奴の巨体に並べなければ勝利は難しい。」そう言うとまた蠅叩きの要領で相手を潰し始める。

その後ろではグウェインの攻撃を何とか躱しきれた者が戦闘を行っている。しかし結局攻撃の効果は非常に薄い。
その後方にはザクサルやラインハルト等更なる兵が控えているのだ。更にその後方では先程強力な攻撃を苦も無くやってのけるカゲヤマとミズキが控えている。
突破は略無理に近い。結局は球技等のフォーメーションが完成しておりそのディフェンス布陣は略完璧というと言う状態だ。
「…やはり私でないと無理か。しかもあっちも終わるか。」ヴィゾールの剣はアラストールや残りの2体見ながら言う。既に作戦決行距離を大幅に上回った状態になっていた。

先ずはレクスが砲撃で2体を完全に足止めする。これまでの時間の間にオリハルコンの剣をもう準備している為レクス側は跡は仕上げを残すのみと成っている。
一方ファインの方はウィルス精製プラント銭の時のブリュンヒルドをまだ右手に握っている状態なので此方も準備は完了している様だ…。「い〜っち!に〜っ!さぁ〜っん!ごおおおおお!!!」
エルザの掛け声で行動開始となる。
先ずはベルゼンラーヴェが素早くアラストールの攻撃を躱すとアーバレストで跳躍。逃げ場を失ったキングゴジュラスギガ側の2体に攻撃を仕掛ける。
それに気付き後ろを振り向いた2体の前には2本のソードレイ。胴体に直撃を喰らった後にブリュンヒルドで真横に一刀両断される。

196 :恐怖の亀裂の作者:04/12/24 06:56:06 ID:???
鉄獣28号さんへ

ガチの対決にならなくてほっと一安心。

そう言えば今回はサンライズの作品がスーパー系に3作品有るので援護時の台詞が自棄に豪華だったりします。
作品のイベント的なクロスオーバーが無い分そう言う形で同系列会社の者同士の掛け合いが楽しいと思います。
後は捕獲が楽しいです。〇グ〇ムや〇ゴックに小細工無しで乗れるので。リアル系は味方機無しの部隊が作れますw

197 :悪魔の遺伝子 694:04/12/24 08:59:08 ID:???
ビルトとミレイナはハイテンションのままやる気満々な様子だったが、その威容に周囲の皆は黙り込み、逆にテンションが落ちていた。と、その時だった。
「いたぞぉ!!!!野良ゾイドの群れだぁ!!!こっちに真っ直ぐ向かってくる!!」
策敵班の指した方向を皆が向くと、そこにはおぞましい数のレオブレイズの群れがこちらへ向けて駆けてきていた。
「ようし!!早速勝負!!どっちが沢山倒せるかなぁ!!?」
「俺に決まってるだろぉ!?」
「おい!あんま無茶するなよ!」
カンウとRDのゼロは我先にレオブレイズの方へ駆け抜けて行ったが、他の方向からも野良ゾイドの群れは現れており、皆散り散りになって攻撃を仕掛けていた。
「相手がレオブレイズならば俺達の方が有利だぜ!!奴の鈍重な動きじゃ到底追いつけないだろう!!?」
レオブレイズの群れへ駆けて行く際、RDはそう笑みを浮かべながら後ろを向こうとした。彼の脳裏に
は見る見るウチに引き離されて行くカンウの姿が浮かんでいたのだが、現実は甘くなかった。普通に
カンウはゼロの横に付いて走っていたのだ。しかもゼロはちゃんとスピードを出している状態である。
「え・・・・・・。」
「どったの?」
「いや・・・何でも無い・・・。」
即効で予想を裏切られたRDは眉を細めながら黙り込むしかなかった。

一方、後方の基地では、基地の防衛を担当する者や、ダンやスイート、他のチームのメカニックや
マジネージャー等のいわゆる非戦闘員が仲間の無事を祈りつつお留守番をしていた。
「RD・・・、凄く気が立ってたけど大丈夫かしら?こういう時だからこそ冷静に行動しなきゃならないのに・・・。」
「大丈夫大丈夫!RDなら絶対やってくれるさ!」
「だと良いのですけど・・・。」
相変わらず楽観的なダンとは対照的にスイートは心配そうな顔をしていた。

198 :悪魔の遺伝子 695:04/12/24 09:03:42 ID:???
「行くぜ!!ライガーゼロォ!!!」
RDがそう叫ぶと同時にゼロが吼え、猛烈な速度でレオブレイズの群へ跳びかかり、その爪で次々にレオブレイズを叩き落としていった。
「どうだぁ!!!俺とライガーゼロの速攻!!」
RDはマリンにお前とは違うんだぞと言う意味を込め、次々にレオブレイズを叩いて行ったが、
RDがカンウの方を見ると、彼の予想はまたも裏切られる事になる。カンウが猛烈な速度で
レオブレイズの群と群の間を駆け抜けて行ったと思った直後、そのレオブレイズの群が、次々にスッパリと斬れ落とされたのだ。
「これぞ鉄破微塵切りの応用。」
「………。」
RDの予想をことごとく裏切るマリンとカンウの戦いに彼は眉を細めるしかなかったが、それに驚いたのは彼だけではなかった。
「おお!!あれは正しくマオ流格闘術奥義の一つ!!鉄破微塵切り!!」
「何ぃぃ!!?知っているのかライデン!!?」
「うむ…そもそも鉄破微塵切りとは…。」

“鉄破微塵切り”
新興格闘技流派、マオ流格闘術奥義の一つ。料理の微塵切りを技として応用した物であり、肉眼でも
捉えられぬ速度で腕を動かし、さらにその際に放つ手刀で対象を文字通り微塵切りにするのだ。
無論これを行うには超人的とも言える体術だけでなく、相手を迅速かつ正確に手刀を撃ち込む技術が要される。
                          鋼獣書房刊「新時代を担う格闘技」より

「と言う技でござる。」
「おお!!何か良くはわからんがとにかく凄い技って事だな!!?」
などと、名は無いが、妙に博学だったZiファイターを始め、他のZiファイター達も驚いていたが、
マリンとRDの競い合いは続いていた。ライガーゼロはその機動力に物を言わせてレオブレイズを
次々に叩き壊して行き、カンウは(一般的に持たれるイメージとして)パワー系の機体でありながら
その卓越した技と研ぎ澄まされた的確な無駄の無い攻撃で次々にレオブレイズを突き壊して行った。
「そんなトロそうな機体で良く頑張るじゃねーか!!」
「そっちだってそんな弱っちぃ機体で頑張るね〜!」
「言ったなこのぉ!!」
そうしてマリンとRDの勝負はさらにヒートアップしていくのであるが、その光景に他の者達も感心していた。

199 :悪魔の遺伝子 696:04/12/24 09:17:36 ID:???
「アイツ等頑張るな〜…。」
「だが、俺達だって負けてられないぜぇ!!!」
彼等も知らず知らずのウチに2人の勝負に引き込まれ、その彼等も次々にレオブレイズを破壊して
行ったのだ。そうしてレオブレイズの数も徐々に少なくなり、皆も一安心した時だった。
「大変だぁ!!今度はレオストライカーの大軍が現れやがったぁ!!!」
「な!!なんだってぇぇ!!!?」
策敵班の報告に皆は思わず叫び声をあげていた。そして周囲を見ると確かにいつの間にかレオストライカーの大軍が展開されていたのだ。
「お!!おいおい!!レオブレイズの次は今度はレオストライカーかよ!!」
「ったく面倒な事だなぁ!!!」
皆は思わず愚痴を零していたが、それだけでは済まない者が1人いた。それはシグマである。
「これはちとマズイんじゃないかい?何か僕…あのレオストライカーの群と勘違いされて攻撃されそうだ…。」
やはりレオストライカーに搭乗しているシグマにとって、敵も同じレオストライカーと言う事実は
味方による誤射の危機を感じるのは仕方の無い事だった。しかし、焦る彼のレオストライカーの隣にマスクマンのコマンドウルフが近付いたのだ。
「落ち着けシグマ。識別信号さえしっかり出していれば味方に撃たれる事はあるまい。」
「そ…そうだと信じたいけどね…。」
マスクマンに諭されたシグマは何とか気を落ち着かせ、コマンドウルフと共にレオストライカーの
群に砲撃を開始したが、そのレオストライカーの群の数もレオブレイズの群に匹敵できる程の数があった。
「ったく安心したと思ったらこれだからな〜…やってられんぞ…。」
「しかも大火力は使ってはいかんと言われとるからな〜…。」
一応レオストライカーの群もそれなりに落とされて行ったが、皆の愚痴は止まらなかった。
土地が荒れるからと言う理由で大火力の類は使わないとあらかじめ言われている為、火器は小型の物しか使えず、各個撃破していくしか方法は無かったのだ。が…
「アイツ等はまだ頑張ってるぜ…。」
「お疲れさんって言ってやりたいよ。」
マリンとRDは今だに、どちらが多くの敵を倒せるかの競い合いを続けており、それには呆れる者や感心する者など、様々な反応があった。

200 :鉄獣28号:04/12/24 09:39:52 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
共通の敵に対しついに手を組んだベルセンラーヴェとキングギガ
これからが真の反撃みたいな感じですか?

>ガチの対決にならなくてほっと一安心。

RDのファンには悪いですが、例えガチの対決になったとしてもファルコンにユニゾンしないと勝ち目なさそうに思えます。

201 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/24 13:37:38 ID:???
>>200
つーか、RDがなにやっても勝てる気がしないけど…w
凱龍輝&ブレードとゼロファル&RDでやっと互角か、これでも負けると思うw

202 :恐怖の亀裂 758:04/12/25 05:19:31 ID:???
それだけでは足りないので更にその場でベルゼンラーヴェは左手でソードレイ2本を引き抜くと切断面をESBストライクで粉砕する。
それで2体の強固な装甲が砕け散り剥き出しになったコアをすかさずキングゴジュラスギガのロケットブースター加速式クラッシャーテイルが粉砕する。
ベルゼンラーヴェはその時の尾の一撃の乗じてその尾の先を掴みキングゴジュラスギガの後方に消える。

アラストールは瞬時に消えたベルゼンラーヴェを直に見つけ出すがその目に止まったのはカラミティシャドウの銃口より発射された劫火のマズルフラッシュ。
期待値通りの大きさに成る為には多少の距離を飛ばないと成らないのでその火球は小さく分離回避で充分間に合うレベルの物だった。
だがそれは大きな命取りになる。分離回避は一定の距離感覚でマグネッサーの効果範囲内にパーツが存在しなければならずそれを越えれば効果が切れ絵パーツは元に戻って来ない。
それを順守している為それ程パーツ間が離れていないのである。

それを横一文字に振り抜かれたオリハルコンの剣が複数のパーツを切り裂く。それを見て慌てて機体を再構成したアラストールの目の前には先の2体を引き裂いたブリュンヒルドの刃が迫っていた。
「横!」「縦!」「「十文字切り!!!」」物凄く格好悪いが当の本人達にはこれ程まで上手く事が進んだ達成感で胸が一杯になって居り思わず言ってしまっていた状態である。
縦の斬撃に左右がずれるとアラストールの体は更に中心部が横一文字に切断されてバラバラになる。

だが…そのパーツ群はそこら辺の味方の残骸を使用して機能を復旧させる。「「「嘘〜〜〜ん!!!」」」今回はベルウッドの声も同時に重なっていた。随分と現代に毒されて来て居るようだ。
しかも間違った方向に…。それはそれとしても見た目巨大ブロックスだったので統一規格にしか対応していないと誰もが読んでいたのでこれは良い隙が生まれた様だ。
復讐者は更なる同胞の力を得て再構成される。その体躯は獣魔宮殿に並ぶ程の物でその姿は何処かの宗教の神の姿を現すような姿になっていた。

「パオーーーーーン!!!」マンモスの首が吼える。サイズオーバーの鼻と牙が唸りベルゼンラーヴェとキングゴジュラスギガを吹き飛ばす。
キングゴジュラスギガに到っては800tの超重量を叩き飛ばした恐ろしい一撃だ。

203 :恐怖の亀裂 759:04/12/25 06:15:04 ID:???
実際にはもっと重量が有るのだが全備重なので弾薬などが減った今では推定800t程と言う事になる。
何方にせよベルゼンラーヴェの方は遙この空洞の端にまで飛ばされていたりする。壁への激突は避けたものの軽い脳震盪を起していてベルゼンラーヴェの挙動は不審だ。
「…あううううう…。」よろよろとしながら必死になって落下だけは食い止めている状況。対するキングゴジュラスギガは結構近くに居るのでマンモス頭のアラストールと先陣を切って戦闘しなければならない。

機体は砲撃形態をとっており背の強化サイクロンドライバーが使用できる状態だ。
「くそっ!これでも喰らえ!」ハイパーディグブレイザーが発射される。渦巻き先頭がドリル状の高収束ビームがアラストールを貫く。
しかしそこにはパーツが無く全くダメージを与えていない。丁度後方に居る形になってしまったカゲヤマ機はそれを苦も無く回避するが着弾した場所には螺旋状の模様付き小型クレーターが出来上がっていた。
「プルシキですかねぇ〜?それともガネーシャですかねぇ〜?」エルザがそんな事を言っている。

何方でも良いが基本的にはお付き合い願いたくない存在だ。「牙が両方有るのでプルシキでありましょう!」何とか瀕死の蚊のごとく飛んで帰って来たベルゼンラーヴェの中でファインが言う。
「おい…そんなのでやれるのか?」レクスが社交辞令で声を掛けると「イエス!オフコース!」と無駄に答えるファイン。「今度使ったら撃つ!」何故かベルウッドがそう言っているが気にしない。
アラストールの手は6本に増えている他全部に武器を持っている。その全てはサーベルだが大きさの関係上直撃を喰らうと両機とも真っ二つの大きさだ。

「やっぱり駄目でありますね…アレで行きましょう!」どの機体からも離れた位置に着陸したベルゼンラーヴェは突然変な構えをする。
そ手には何も握られてはいないがそこに急速に何かの力が集まって来て居るように見える。「シレナディスッ!マルアクトッ!」突然カラミティシャドウとウェイブレイダーの真の名を叫ぶファイン。
それと同時に股の装甲裏のホルスターカバーより2挺の銃が勢い良くベルゼンラーヴェの両手に収まる。その銃は周囲が見えなく成る程の閃光を放つ。
「ばっ馬鹿者!!!邪神を真の名で2体同時に招喚しようとするだとっ!!!」ベルウッドの声が響く。

204 :恐怖の亀裂 760:04/12/25 08:06:58 ID:???
これにはヴィゾールの剣も驚き「馬鹿なっ!!!邪神を2体同時に招喚だとっ!?貴様脳味噌が焼き切れているのか!?」
2人の言葉からして相当無茶苦茶な事をしているのがはっきりと解る。しかし銃に宿った輝きは消えず更に明度を増す。

無風状態である筈のこの空間に嵐の様な突風が起こりそれ処か行き場を失ったエネルギーが放電を起こして稲妻が周囲を舞う。
発生した力は2挺の銃に流れ込み更なる暴走を開始する。「今直ぐに止めるのだ!このままでは呪術汚染を起してしまうぞ!それ以前にお主の命が危ない!」
そう言うベルウッドに顔を向けにっこり笑ってファインは言う。「それは有りませんよ。何処かで誰かさんが駒遊びをしている間はねっ!!!」
その言葉はエントヴァイエンに対する挑発だ。しかも乗って来ないと大事なゲーム板が壊れてしまうと言う強烈な挑発。
当然そこに彼は出現する。「…何と愚かな。余にこの事態を収集しろと言うのか!?」

「釣りはこう言う時の基本でありますよ?」嫌らしげに答えるファイン。エントヴァイエンの方はこの事態を修正しなければならない。
その為否応無しにファインの目論見に加担せざるを得なくなる。そして…それが姿を現す。

エントヴァイエンは結界を張りその流れ出す力が2挺の銃に集まる様に調整する。「貴公は絶対に良い死に目に遭わない人種だな。」そう言って消えるエントヴァイエン。
「…それをお主が言って如何する!?」ベルウッドは思わず突っ込んでしまう。それはそうと2挺の銃に流れ込んだ力はその大きさこそ変わることは無かったが新たに意匠を施された姿になってその力を全て吸収する。
「他力本願で新たな力を錬金で付加しただとっ!?そんなアホなっ!?」無い口が開いたまま塞がらないヴィゾールの剣。多分それを見ていた他の者もそんな気持ちだろう。
自分の尻を他人に拭かせる反則技で強力な武器を手にしたベルゼンラーヴェ。その銃口がアラストールに向けられる。

やけに大きい予備動作で弾丸を1発づつカラミティシャドウとウェイブレイダーに装填する。「降臨弾!」引き金が引かれ銃より弾丸が発射される。
それは途中で一瞬ベルゼンラーヴェの意識内で現れた姿を取ったかと思うと手をつないだ邪神が姿を変えその名を冠するに値する姿を現す。
しかしまだこれは準備でしかない。この状態からが本番となる。

205 :恐怖の亀裂の作者:04/12/25 08:26:12 ID:???
鉄獣28号さんへ

てっきりシグマが巻き添えをくって生け贄になると思っていた漏れは一体!?

206 :悪魔の遺伝子 697:04/12/25 08:38:18 ID:???
「大変だぁ!!!今度はレオゲーターが出たぞぉぉ!!!!」
「な!!なんだってぇぇぇ!!!!!」
「と思ったら今度はセイバリオンの群だぁぁぁぁ!!!!!!」
「な!!なんだってぇぇぇ!!!!!」
「ってこっちにはシールドライガーの群が出てきたぞぉぉぉぉ!!!!!」
「な!!なんだってぇぇぇ!!!?」
「ブレードライガーまで出て来やがったぁぁぁ!!!!」
「な!!なんだってぇぇぇ!!?って何度言わせれば気が済むんだぁ!!?」
と、レオストライカーの後からも、次々と野良ゾイドの群が現れ、周囲はもはやパニック状態に
なっていた。がしかし、マリンとRDの勝負はまだ続いている様子で、カンウとゼロは今だに次々と野良ゾイドを破壊していった。
「あら〜…。アイツ等まだ頑張ってんよ〜…。」
「本当にご苦労なこった…。」
皆はやはりマリンとRDに呆れたり感心したりしていたが、流石に今度ばかりは彼等とて気を
抜く事は出来なかった。何故なら野良ゾイドの戦力もバカにならない物があったからだ。
「にしても…後から後から…本当キリが無いな〜…。」
と、次々に数の増えて行く野良ゾイドの群に、やや疲れの色が見え始めていたRDが何気無くカンウ
の方を向いた時だった。何とカンウは何十機と言うおぞましい数のブレードライガーに取り囲まれていたのだ。
「お!!おい!!あれは流石にマズイんじゃねーのかぁ!!?」
その時ばかりはRDも勝負の事を忘れてマリンを助けに行こうとしていた。が、その時既に遅く、
ブレードライガーの群は牙や爪、レーザーブレードをきらめかせ、カンウへ跳びかかっていたのだ。
「急げライガーゼロ!!!」
RDはライガーゼロを急がせていたが、距離が離れていた事もあり間に合わない。そして獅子の
咆哮が周囲に響き渡ると共にブレードライガーの群はカンウへ向けて跳んでいた。が、であるにも関わらず、マリンの顔に焦りの表情は無かった。
「閃光瞬撃拳!!!!!!」
それはあっという間の出来事だった。マリンがそう叫び声を上げたと同時にカンウの周囲にいた何十機と言うブレードライガーが一瞬にしてまとめて吹き飛んだのだ。
「へ?」
その光景にRDの目は点になった。が、しかし、それは他の者達にとっても同様であり、ワケが分からないと言う様子であった。

207 :悪魔の遺伝子 698:04/12/25 08:40:06 ID:???
「今…何が起こったの?」
「あの緑色のギガに跳びかかったと思った直後にブレードライガーが一瞬にして全部吹き飛んだけど…何で…?」
皆は開いた口が塞がらないと言う様子であったが、その時に久々にセリフの機会が回って来た
ルナリスはハーデスの加重衝撃テイルで周囲の野良ゾイドの群を弾き飛ばしつつ説明を始めた。
「私もかすかにしか見えなかったが、あれは恐らく肉眼では捉えられない速度で周囲にいるブレード
ライガーの群を一機一機殴ったのだろうな。肉眼では捉えられない速度でそれをやっているから、
常人から見れば一瞬にしてブレードライガーがまとめて吹っ飛んだ様に錯覚されてしまうだろうし…。」
「お…おい…そんな非科学的な事って…アリかよ…。」
「じゃああの光景は他にどう説明できる?」
「…………………。」
皆はまたも開いた口が塞がらずに黙り込んだ。と、その時だった。
「ぬぅ!!あれは西方大陸拳法で言う所の俊速瞬破拳!!」
「何ぃぃ!!?知っているのかライデン!!?」
「うむ…俊速瞬破拳とは…。」

“俊速瞬破拳”
西方大陸拳法総本山、神聖寺奥義の一つ。これは肉眼では到底捉える事の出来ぬ程の速度により、
相手に拳を一瞬にして数発も叩き込んで倒すと言う技である。これを会得するには無論肉眼では
捉えられぬ程の動きを身に付ける為の厳しい修行を要し、その修行法の一つとして自らの身体に
重石をくくりつけ、その状態で、重石を付ける前の状態と変わらぬ動きを行える様に鍛え、それが
完了するとさらに重石を追加して…を繰り返すと言う物がある。無論これは一歩間違えれば己の
筋肉その物を破壊しかねない危険な物でもあり、これを会得できた物は極めて少ないとされている。
                       オリンポス書林刊「超人拳法の秘密」より

「と言う事でござる。恐らくあの娘の行った閃光瞬撃拳とは俊速瞬破拳にさらに改良を加えた技なのでござろう…。恐ろしい娘がいた物でござる。」
「おお!!何か良く分からんが、とにかくスゲェって事だな!!?」
と、妙にこの手の道に詳しいZiファイターがこの様に説明していたが、それは皆をさらに唖然とさせる物であった。

208 :悪魔の遺伝子 699:04/12/25 08:42:39 ID:???
「あいつ…ただの馬鹿力女じゃ無かったのか…。」
「なんっつー事だ…。」
「とにかく…理屈じゃねーんだな…。」
と、皆はなおも唖然としていたが、マリンの強さに恐怖しつつも、これだけ強い奴が今は取り合えず
味方なのは心強いと言う気にもなり、野良ゾイドの群への攻撃を再開していたのだ。
「お…お前…思ったより…やるじゃん…。」
「あんたもね…。」
そして啀み合っていたはずの2人の感情にも変化が起き、互いを認める様になっていた。

こうして、皆は順調に野良ゾイドの群を次々に落として行くが、その様子を近くの岩山から監視する
2体のゾイドの姿があった。それは正しくブレードの愛機であるバーサークフューラーと、バートンが愛機とするロードゲイルである。
「な…何という事だ…。奴等を啀み合わせたと言うのに…、互いに潰し合いを行うどころか共闘しとるでは無いか!!」
自らの予想を裏切られ、焦るバートンに対し、ブレードはバートンをバカにする様な目をしていた。
「下らんな…。もうお前には頼らん。」
「な!!こら!!ブレード!!」
ブレードはフューラーを起動させ、バートンの静止を振り切り、イオンブースター全開で跳び上がった。

「順調順調!!野良ゾイドの増援も今の所は見られないし…、このまま行けばそろそろ終わりかな〜っと!!」
RDとゼロは高速で走り回りつつも次々と野良ゾイドを叩き落として行き、野良ゾイドの数も少なく
なってきた事で彼の心にも余裕が生まれていた。と、そうして彼が勝利を確信した時だった。突如として彼のゼロの足下に二条のビームが突き刺さったのだ。
「な!!何だ!!?」
不意打ちにも似た突然の攻撃にゼロを思わず飛び退のかせ、RDが正面を再確認した時、そこにはブレードの乗るバーサークフューラーの姿があった。
「今日こそ決着を付けに来た…RD!」
「かぁぁ!!!お前なぁ!!もうちょっと場の空気読んでくれよ!!今は別口の仕事中なの!!だからそう言うのは次の機会にしてくんないかなぁ!!」
「問答無用!!!」
何を言っても聞く耳持たないと言った様子でフューラーはバスタークローに内蔵されたビーム砲をゼロに撃ち込み、ゼロは慌てて回避した。

209 :悪魔の遺伝子 700:04/12/25 08:45:38 ID:???
「くそ!!この忙しい時にお前なんかの相手なんかしていられるかよ!!!こうなったら一撃でカタを付けてやる!!」
RDはゼロをフューラーへ突っ込ませた。そしてその前足が徐々に輝き始めて行く。それはライガーゼロ最強の武器、ストライクレーザークローのプレリュードであった。
「何でも突っ込めば勝てると思うなぁ!!!」
フューラーはバスタークロー内蔵ビーム砲でゼロを迎撃する。しかし、ゼロはそのビーム掃射を華麗にかわして行ったのだ。
「何!!?」
「お前たまにはもっと別のこと喋ってくれよな!」
ゼロはあっという間にフューラーに接近戦を挑める距離まで肉薄していた。そして一気に跳びかかったのだ。ブレードは焦る。
「食らえ!!ストライクレーザーク…。」
と、その時予想外の事態が発生した。ゼロがフューラーへ向けてレーザークローを叩き込まんと
していた矢先に、突如として野良ゾイドがゼロの側面から跳びかかってきたのだ。
「うわぁ!!こらぁ!!邪魔すんなぁ!!」
「ハッハッハッハッ!!何処に目を付けている!!」
先程まで焦っていたブレードは打って代わって余裕の表情となり、野良ゾイドの不意打ちによって体勢を崩したゼロをその野良ゾイドもろとも尾で弾き飛ばしたのだ。
「うあああ!!!!」
「形勢逆転だな!RD!」
ブレードは不敵な笑みを浮かべ、フューラーは倒れ込んだゼロへ向けてゆっくりと歩み寄った。
と、そんな時だった。野良ゾイドとの戦いも収束し始めた事により余裕の出来た他のZiファイター達がゼロとフューラーの戦闘を聞きつけ、現場に集まってきていたのだ。
「ん?」
「何だ?何かやってるぞ。」
「こんな時にケンカか?おめでてーな?」
そうして野次馬的ノリで現場に集まってくる各ゾイドであったが、その事実に他のマッハストームのメンバー等が気付かないはずは無かった。
「あ!アイツ…。何でこんな時にサベージハンマーの奴がいるんだ?」
「しかしあれはただ事では無いぞ…。」
と、マッハストームのメンバー等はともかくとして、他の皆は基本的にゼロとフューラーの光景を
他人事の様に眺めているだけだったが、ブレードはなおも不敵な笑みを浮かべていた。

210 :鉄獣28号:04/12/25 09:02:17 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
キングギガの尾の勢いを利用して後ろに下がるベルゼンラーヴェは上手いと思いました。
しかし新たに召還された二体の邪神。それが何かに変形している様子ですが、一体どうなるのでしょうか?

>てっきりシグマが巻き添えをくって生け贄になると思っていた漏れは一体!?

まだ先の話ですが、後々似た様な事が起きます。

211 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/26 11:25:59 ID:???
「…なんつー都合のいい武器だ……自分は核が直撃しても大丈夫です、ってか?」
「そうだねぇ。でも、都合の悪い武器があっては困るだろ?」
 ラグナロクを手に、にじり寄るジークフリート。壁際に追い詰められたオレーグのギガは
反撃の手段さえ考えられない。
「3体目――」
 ジークフリートのカウント数が一つ増えようかと言う寸前で、横手からの
荷電粒子砲がその動きを遮った。
 反荷電粒子フィールドに散らされ、激しく拡散する閃光。それを放っているのは、
先程吹き飛ばしたはずの青いフューラーだ。
「? 無傷…?」
 そちらに気を取られたジークフリートに、一瞬の隙を突いてオレーグが襲い掛かる。
黒い機体はラグナロクを振るおうと構えたが、それよりも速くギガの牙がその腕に食い込んでいた。
 これでは、ラグナロクが使えない。それどころか、ろくに身動きすら取れないだろう。
「よーっし…今だ! ヤツの関節と背中の荷電粒子ファンを狙えーッ!!」
 叫び声に答えるように、青い機体がバスタークローを振り上げてデスザウラーの膝にねじ込んだ。
凄まじい戦いに呆然とするばかりだったオリバーも、遅れてスタンブレードを展開する。
 デスザウラーの膝関節がショートを起こす。非装甲部はBFクラスの攻撃力でも
突破可能と言う事らしい。
 だが――。
「…鬱陶しいッ!」
 デスザウラーが吼えた。バスタークローが突き刺さった方の足が伸び、膝関節の装甲が
回転中のバスタークローを挟む。――回転が止まった。
 そして、そのまま足を持ち上げると、もう片方の足を軸に尻尾で加速をつけ、
その場で急速に一回転する。アームごと振り回されたフューラーは床に叩きつけられ、
バスタークローが衝撃に耐え切れず折れた。ギガは回転の勢いで振り飛ばされる。
「正直…ほめてあげたい所だ。僕にまともなダメージを与えてくるなんて、思ってもいなかった」
 寸前で飛び退くイクスの方を見やり、ジークフリートは嘲笑を浮かべる。
「…ああ、君か。『無謀』という言葉の意味を知っているかな?」
 オリバーは間近に感じる圧倒的な殺気に圧され、口を開く事もできない。
「知っていればこんな所に来るはずは無い、か。……拾った命を軽んじた事を、後悔するんだね」
 ラグナロクが閃いた。

212 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/26 11:30:46 ID:???
 刃の軌道を間一髪で交わしたイクスだが、目の前で刀身が白い光とともに爆発を起こし
衝撃波がコックピットに叩きつけられる。
「くっ…コイツが、騎士の本当の力だってのか!?」
 数百mも吹っ飛ばされ、イクスが床に叩きつけられる。オリバーはまたも、
絶望感がひたひたと迫ってくるのを感じた。
 ――今度負けたら、本当に死ぬ。助けに来てくれるヒーローなんて、もういない。
 リニアは今頃家のベッドで夢を見ている頃だろうし、マキシミンは既に死んでいる。
 オレーグ達の力をもってしても、キズ一つつけるだけで2機の仲間を失っていた。
オリバーを助けてくれる余裕は、残念ながら無い。
「…能力も使えない今の俺じゃ、勝てないってのか……腕も性能もヤツが上、
俺は本当に…ただ能力に頼っていただけなのか?」
 彼は自問する。答えてくれる者などいないと解っていても、そう訊かずにはいられない。
 と、その時――。
「やっと自覚したらしいな、オリバー」
 耳になじんだ声。オリバーが振り返ると、入り口に黒い機体が立っている。
――バーサークフューラー・シャドーエッジ。パイロットは紛れもなく、リニアだ。
「しッ、師匠!? 何で俺がここに…」
「バーカ、夜中にお前が抜け出していくとしたら行き先はここしかないだろうが」
 苦笑しながらも、リニアの黒い瞳は笑っていない。その視線が睨むのはただ一点、
ジークフリートが駆る改造型デスザウラー。
「“処刑人(エグゼキューショナー)” ジークフリート……ここに居るのがお前だとはな」
「おや、やっとスペシャルゲストの登場か。…でもね、君の力を使われては困るんだ」
 ジークフリートが指を鳴らした。(実は、同時に逆の手でスイッチを操作している)すると
数秒の間を置いて、実験場の四方にある扉が開き、無数のジェノザウラーがなだれ込んでくる。
「…『ロストナンバーズ』のコピー品だ。君達の店を襲ったのもこいつらさ」
「! 連中は、お前が差し向けたものか!」
「僕じゃあない、アーサーの指示だ」
 オリバーの胸に、ふつふつと怒りがこみ上げてきた。師匠はあの店をとても
大切にしていた――その魂ともいえる看板を、ぶっ壊しやがったのはこいつらなのか!

213 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/26 11:33:59 ID:???
 その瞬間またも、オリバーの体内に力が戻ってきた。先日の戦いの直後に、
また奪われていた力が。
「師匠…」
 ここは彼女を信じるしかない。――きっと大丈夫だろう。なにしろ、彼女はあのルガールを
越えるゾイド乗りだと言われていたのだから。
「――“ビューティフル・ドリーマー”発動ッ!!」
 イクスが残像を残し、ジークフリートに向かって突進する。薙ぐように振られた
ラグナロクを屈んで回避し、爆風に乗って横をすり抜けつつスタンブレードを叩き込む。
 切れた。核の爆風にも耐える装甲だが、直接の攻撃はやはりある程度通るらしい。
「く…あまり僕を怒らせてくれるなよ……?」
 降り注ぐオレーグのポイズンミサイルを吹き飛ばし、イクスに向けて荷電粒子砲を放つ。
しかしその閃光が貫いたのは残像であり、死角となる粒子砲の下を走ってきたイクスが
そのままスタンブレードを突き刺す。
「俺の必殺攻撃を! 喰らいやがれッ!!」
 下腹部に突き刺さったスタンブレードが激しく放電した。装甲内部で
エレクトロンドライバーが放たれ、コックピットのジークフリートにもその電撃の片鱗が伝わる。
「なッ!? ぐううぅぅぅぅぁぁぁッ!!」
 デスザウラーが一声咆哮を上げ、数秒の後に動きを止めた。

 リニアは周囲を取り囲むジェノザウラーとの間合いを測っていた。
 ビームブレードは届かないが、荷電粒子砲のチャージを始めるには近すぎる。
「…なら、こうする」
 ジェノザウラーの第一波が襲ってきた。同時に、シャドーエッジの背から何かが放たれる。
 “セラフィックフェザー”――ひとたびはルガールをも苦しめた、独立機動兵装。
 ジェノザウラーの伸ばした腕がシャドーエッジに届く前に、それらの機体は
無数のビームに貫かれ、四散していた。
「敵はまだまだ居るな…」
 右手から飛び掛ってきた一機をビームブレードで切り捨てながら、彼女は思案する。
より効率のいい倒し方はないものか?と。

214 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/26 11:37:42 ID:???
 正面の機体が荷電粒子砲を撃ってきた。シャドーエッジが目にも止まらぬスピードで
その一射を避け、同時にセラフィックフェザーがその機体を蜂の巣のごとく撃ち抜く。
「ふう……早くしないと、あのバカ弟子が危ない」
 珍しく他人の心配など本気でしてみるリニアがやがて、一つの答えにたどり着いた。
「…できるかの保障はないが……やってみるしかない」
 シャドーエッジが消えた。
 そしてうろたえる彼らの遥か頭上、空中で静止したシャドーエッジは荷電粒子砲のチャージを始める。
「兄さんは確かにやってのけた。…だが、私にもできるだろうか?」
 空中で荷電粒子砲を放つのは、並の腕前でできる芸当ではない。支えがない以上
頼りになるのは後部スラスターでの姿勢制御だけなのだ。
 そしてそれを、彼女の兄――セディール=レインフォードは実行していた。
 彼女は静かに自答する。
「…やってみせるさ。兄さんにできて、私にできない道理はない」
 やっとジェノザウラーの一機が頭上の脅威に気付く頃には、すでにリニアの指が
トリガーを引く寸前だった。
 そして、逃げる時間も無いまま、密集したジェノザウラーの頭上に荷電粒子砲が降りそそぐ。
 360°回転しながら薙ぎ払うように振られた射線は、その上にある機体全てを塵にしていった。
「今ので2、30機は稼いだな。…残りは?」
 敵はまだまだ残っている。遠めに見るジークフリートの機体は動きを止めていたが、
状況が解らない以上オリバーたちが圧しているかは確かめられない。
 クローを飛ばしてきた5機を切り裂き、蜂の巣にし、リニアはなお焦燥に駆られて操縦桿を握った。

「よーーっし、機能停止しやがったな? うんうんうんうん俺ってやっぱsugeeeeee!!」
 動きを止めたジークフリートの前で悦に入るオリバー。本当にその機体は
ラグナロクをだらりと下げたまま、ピクリとも動かない。
「お前…本性あらわし始めたな」
 自画自賛の乱舞に酔うオリバーを目にし、ある種の尊敬さえ感じかけていたオレーグは
その考えを改めた。――せっかく、凄い奴だと思ったのに。
 そして彼の目はジークフリートの機体へと移り、憎しみに燃えるかのような
赤い目を輝かせるデスザウラーの姿を見た。ラグナロクを振り上げている。
 ――マズい。

215 :Innocent World2書いてる物体:04/12/26 11:48:12 ID:???
中古で買ったRPGに忙しく執筆が手に付かないという物書きにあるまじき醜態w

>>恐怖の亀裂作者氏
800tもあると動かすだけで大変そうな気がするのですが…脚部は大丈夫なのかと?

>>鉄獣28号氏
>“俊速瞬破拳”
 RDがその瞬間に考えていたのはスイートのことでもフェニックスの事でもなかった…
それらの思考は「ある奇妙な疑問」の前に吹っ飛んでしまったからだ。
 『何故数十機ものブレードライガーが、寸分の差もなく同時に吹っ飛ばされたのか?』
「…! あ、あぁ……そういう事だったのか。…『時』だ……ヤツは、時を止め(以下ジャミングにより削除」

 マスクマンはその事実を受け取った。
「そうか…!! あのギガは――『止まった時の中を移動する』ゾイド! ヤバいぞッ!
こんなヤバいゾイドは未だかつてお目にかかった事は無い!!」


↑こういう事ですか?

216 :悪魔の遺伝子 701:04/12/26 17:39:13 ID:???
「どうだRD?お前はこれからこれだけの数のギャラリーに見守られる中で死んでいくのだ。Ziファイターとして本望であろう?」
「ば…バカにするな!!俺は!!俺は死なない!!」
RDは大急ぎでゼロを起こそうとした。しかし、それもまたフューラーのビーム砲によって妨害された。
「うわぁぁぁ!!」
「死ねぇぇぇぇ!!!!!!」
ブレードの顔が一瞬凄い形相になると同時にフューラーの口から集束荷電粒子砲がゼロ目がけて
発射された。ゼロ目がけて真っ直ぐに突き進む高エネルギーの塊はそのままゼロを吹き飛ばす…と思われたその時だった。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突如としてゼロの正面に何かが現れ、そのフューラーの荷電粒子ビームを別の方向へ叩く様に弾き飛ばしたのだ。
「な!!!」
「ちょっとちょっと〜!何処の何方かは存じませんが、人の勝負の邪魔しないでくれないかな〜そこのイケメン坊や?」
突如としてゼロの前に現れ、フューラーの荷電粒子ビームを弾き飛ばした何者かはなんとカンウであった。その手際の良さにはRDとブレードは思わず驚きの声を上げていた。
「く…、邪魔するな!!そこのゴジュラスギガがぁ!!」
「邪魔してんのはアンタの方でしょうが!!!コイツとは今私が勝負してるの!!」
「うるさい!!赤の他人が俺とRDの勝負に水を差すな!!」
「赤の他人って…そりゃ間違ってはいないけどさ!!私言ったでしょ!?コイツとは今私が、何体の野良ゾイドを倒せるか?って勝負をしてる最中だって!!」
「うう!!」
いつの間にかマリンとブレードの口喧嘩が始まっていたが、口先ではマリンの方が達者だったのか、
ブレードはやや押され気味であった。そしてマリンは畳み掛けるつもりでさらに言ったのだ。
「それにさ!!あんた何いきなりコイツに襲撃かけてんのよ!!ただでさえ野良ゾイド退治で忙しい
時に!!そう言う事もうちょっとわきまえて欲しいわね!!そんなにコイツと戦いたいなら正式に
バトル申し込めば済む事じゃないの!!そりゃアンタのそのイケメン顔なら女の子にも持てるかも
しれないけど、だからと言って何やっても良いと思ってたら大間違いだよ!!」
「(何でこんな時に持てる持てないの話が出てくるのだろう…。)」

217 :悪魔の遺伝子 702:04/12/26 17:39:50 ID:???
RDはマリンの説教に内心突っ込みを入れていたが、口に出す事は無く、そのまま黙り込んでいた。そしてブレードはさらにうろたえていたのだ。
「ええいうるさい!!俺とRDにどんな因縁があるかも知らぬ奴が偉そうな口を聞くな!!」
「へ〜…じゃあどんな因縁があるのか聞かせてもらおうかしら?これだけ貴方がコイツにムキになってるって事はさぞかし凄い因縁があるのでしょうね〜…。」
マリンは不敵な笑みを浮かべつつ横目でブレードの顔を見つめた。するとブレードはゆっくりと目を閉じたのだ。
「ならば話そう…。俺と奴の因縁を…。」
その時、誰もが息を呑んだ。何故か周囲の野次馬達やマッハストームのメンバー達まで聞く気満々になっていたのだ。
「……………………。」
周囲は沈黙に包まれ、その空気はとてつもなく重い物となると共に十秒間の時が流れた。しかし、その十秒間ですら皆にとっては十分間にも一時間にも感じられたのだ。
「………。」
「………。」
「………。」
「(あれ…?)」
なおも沈黙は続き、中にはその沈黙に疑問を持ち始める者も出始めていた。そしてブレードは目を瞑ったまま、いたる所から夥しい数の汗を流していたのだ。
「あの〜…一つ質問があります…。」
永遠に続くかと思われた沈黙を破ったのはマリンだった。彼女はカンウごと右手を上に上げ、ブレードに何か話しかけたのだ。
「あの〜…これってもしかしたら凄く失礼な事かもしれないんですが…もしかして貴方…、その因縁とやらを忘れちゃったりとかしていませんか?」
「そ!!そんな事は無い!!そんな事は無いぞぉ!!」
「じゃあどんな因縁か黙っていないで教えて下さいよ。」
「………。」
と、ブレードはまたも黙り込んでしまった。
「やっぱり忘れてるんじゃないの?」
マリンが黙り込んでいるブレードに眉を細めながら睨み付けた時だった。突如としてフューラーのバスタークローに内蔵されたビーム砲がカンウへ向けられたのだ。
「ええい問答無用!!!!」
ヤケクソになったのか、ブレードはバスタークロー内蔵ビーム砲の発射ボタンを連射した。そうして
コックピット中に響き渡る引き金を引く音と共にバスタークローからビームエネルギーが機関銃の
様に矢継ぎ早に撃ち出されて行く。が、それもカンウに全て爪で弾き飛ばされてしまった。

218 :悪魔の遺伝子 703:04/12/26 17:42:55 ID:???
「問答無用ってね〜…。話すとか言っておいて何を言うのよ貴方は…。」
「ぬぅ…。」
ブレードを睨み付けているのはマリンだけでは無かった。もはやブレードの話を期待していた他の皆も彼を軽蔑の眼差しで見つめていたのだ。
「くそ!!!来い!!リュック!!」
ますます不利になったブレードは慌てて何やら通信を送った。そうしてフューラーは後方に跳び、
上を見上げた。すると彼の後方にあった岩山の向こう側から一体の大型飛行ゾイドが現れたのだ。
「あ!!あれはバスターイーグル!!」
マリンの言葉通り、それはバスターイーグルだった。そしてそれは真っ直ぐフューラー目がけて
急降下を始め、さらに何やら変形し、フューラーと重なると同時にそのバックパックに連結されたのだ。
「バスターフューラー!!Ziユニゾン!!」
「何を!!バスターフューラーなんてハイGホエールで腐る程倒して来た…ってZiユニゾン!!?」
マリンの目は一瞬ギャグマンガ的に飛び出しそうになっていた。確かにマリンは以前の戦いで
バスターフューラーの大軍と戦い、勝利している。しかし、それはZiユニゾンシステムを搭載
しない、いわゆる単なるチェンジマイズと同様の代物であり、性能的にもやや向上している程度の
物と考えて良いだろう。しかし、Ziユニゾンシステムを搭載されたゾイドはそれとは根本的に違う
と言う点もマリンは知っていた。ゾイド同士が合体した時、その力が数倍にもパワーアップする
Ziユニゾンシステム。それを考えに入れると目の前のバスターフューラーの性能は想像を絶する物にも思えた。
「ハッハッハッハッハッ!!こうなればこっちの物だ!!死ね!!!」
合体した途端に余裕を取り戻したブレードはバスターキャノンを連射した。高速で射出された重い
超高熱砲弾が空を斬り、そのままカンウに撃ち込まれた。全弾直撃、たちまちカンウを中心に大爆煙が上がった。
「うわぁ!!!」
「ついにやられたかぁ!!?」
天に立ち上る大爆煙に他の野次馬達も驚きの声を上げていたが、それ以上にブレードの笑い声が鳴り響いていた。
「ハッハッハッハッハッ!!これでうるさい奴は消えた!!次はRD!!貴様の番だ!!」
「く!!」

219 :鉄獣28号:04/12/26 17:55:38 ID:???
>>Innocent World2作者さん
大ピンチの時にリニアさんが助けに来るといういわゆる助け船はベタな話かもしれませんが、
それでいてかなり燃えるシーンでもありますよね。
しかし、オリバーさんは成長したのか成長してないのか分からない展開の上、
倒したと思ったデスザウラーがまだ生きていたと言う何か波乱の予感。

あと、“俊速瞬破拳”に関しては時を止める何て大それた事は一切してません。
ただ単純に”凄い速度で一個一個パンチを撃ち込んだので、普通の人にとっては一撃で全部吹っ飛ばした様に見える”
と言うだけの事です。しかしまあ今思ってみると、”数十機”じゃなく、”十数機”に
しておけば良かったな〜と思ったりする今日この頃。

220 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/27 14:40:56 ID:???
「オリバー――ッ!!! 逃げろー――ッ!!」
「え? どうしたオレーg」
 最後まで言う前に、背後で地面に突き立てられた緑色の刃が白い光を発し、
振り返ろうとしたオリバーの機体は床面ごと吹っ飛ばされた。
「どうやら君達は……僕を本気で…怒らせたらしい…」
 爆発の衝撃か、ラグナロクを中心として放射状に床に皹が走る。一瞬の間を置いて、
ひび割れた床が第二の爆発を起こした。
 広がる爆風に照らされ、赤く輝くジークフリートの機体は、先程までの比でない
殺気を滲み出させていた。その圧倒的なオーラに、誰もが動けない。
「この技を使うってのは正直、予想もしなかった…というか、多分実戦でこれを使うのは
今日が……今が初めてだろう」
 先程の間は、機能停止で動けなかった訳ではない。
 “ジークフリートの理性が吹っ飛ぶまでの時間”だ。
「だから…僕が始めて編み出した“必殺技”の、最初の犠牲者になれる事を喜べ!!」
 ラグナロクを振り上げ、再びジークフリートが襲い掛かってくる。回避行動を
取る間もないまま目の前に迫る機体に、オリバーはなす術も無い。
 と、ラグナロクが床に深々と突き刺さった。オリバーの機体ではなく、「床に」だ。
「……地砕ッ! 煉 獄 斬!!」
 そして――床の金属面が一瞬で赤熱し、次の瞬間、剣の突き刺さった場所から
視界を白く灼く閃光とともにめくれ上がり、それが放射状に広がった。
「――地下から核爆発させやがった!!?」
 形容のし様がない光景だ。一瞬で実験場の半分ほどを覆った亀裂から光が射し、
一秒と経たずそれら全てが巨大な爆風へと変わる。オリバーやオレーグに、
逃げ場などあろうはずもない。
 吹き飛ばされながらも、オレーグが舌をかまなかったのは奇跡としか
言いようがなかった。
「……何だよ、これは」

221 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/27 14:45:46 ID:???
 まさかこんな切り札を隠しているなど、誰が考えたであろう。リニアが戻ってきて、
能力を取り戻したオリバーの自信もとうとうその最終防衛ラインを突破された。
 ――今まで、ヤツは遊んでいたのだ。
 通信機越しに、爆発を見たリニアが彼の名を呼んでいる。だが、もはやその声も
遠くから聞こえるような感じがする。
「何をやっている――オリバー! 意識をしっかり持て!」
 ジークフリートの機体が迫ってくる。オリバーはただ、振り上げられる刃を見上げて
回避運動をとる事もしなかった。

「クッ…何をやっているんだ、あいつは!」
 助けに行かなければならないのに、彼女の前には30を越すジェノザウラーが
壁となっている。荷電粒子砲の奇襲も、2度目は通じまい。
 焦燥が、彼女の手を動かす。ビームブレードを展開し、飛んでくる有線クローを
弾き飛ばしながら群れの中に飛び込む。と、左右のスラスターをそれぞれ逆に噴射し
猛烈な勢いでシャドーエッジが回転する。
 9つの光刃が竜巻のようにうなり、一度に10機近いジェノザウラーが真っ二つになった。
 ――私は、どうしてこんなにも急いでいるのだろう。
 ただの民間人でも、騎士に襲われていたなら一応は助ける。だが、自らの命を
危険にさらしてまで助けはしない。リニアはあくまでも、自分にできることの
限界を考えて行動している。
 その彼女が、いま限界以上の力を出そうとしている。他人の為にそうしたのは、
人生で二度目だ。
「…おかしいな。あんなナルシストのヘタレが……どうしてか、ルガールと重なる」
 それは彼女に理解できない無鉄砲さと、時折見せる冷静さのアンバランスさか。それとも…?

 どうしてそんな事を思ったのか、リニアには解らない。だが、確かな事はただ一つ。
 いまこの瞬間自分は、オリバー=ハートネットを助けたいという事だけだった。
「道を切り開け、シャドーエッジ! 兄さんより、もっと速く…!」
 9基のビームブレードを翼のように展開し、すれ違いざまにまた数機のジェノザウラーを
葬るシャドーエッジ。そのまま浮き足立つ敵の群れを尻目に、猛スピードで
『敵』のもとへと飛んでいった。

222 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/27 14:50:21 ID:???
「君の友人は…僕たちに素晴らしい贈り物をしてくれたよ」
 唐突に聞こえたジークフリートの言葉に、オリバーは霞みかけた視界が
急に晴れるのを感じた。
「何…だと…?」
「君なんかのパートナーにしておくにはあまりにもったいなく、そして
あまりに危険だった。でも、もはやその危険も排除した――あとは、
君たちがいなくなれば、僕らは当面の障害を消せる」
 マキシミンの事を思い出した途端、絶望を押しのけて怒りが突き上げてくる。
 そして、その瞬間ジークフリートの機体が後方へ飛び退いた。直後、
その空間を荷電粒子の閃光が薙ぐ。
「…師匠っ!」
 リニアのシャドーエッジが凄まじい勢いで飛んでくる。その頭部が青白く輝き、
同時にラグナロクがその鈍い光を失った。ジークフリートが舌打ちする。
「チッ――また反能力か! 厄介な力だな、いつも!」
 力を封じられても、ラグナロク自体はこの世のどんな物質をも凌ぐ強度を有している。
リニアが叩きつけたビームブレードを、その刀身で弾くと彼は笑った。
「だが! 既にその対策も万全――僕は能力だけに頼ってきた訳じゃあないッ!!」
 爆破の力を封じられても、ラグナロクは長大な実剣としての役割を果たす。
その剣さばきはリニアのそれと互角だった。複数のビームブレードを一本の長剣で受け、
互いに敵の攻撃を防いでは攻めるという応酬が続く。
「機体のパワーはヤツが上…スピードと運動性は私が上……武器の威力は、今のところ互角」
 振り下ろされるラグナロクをビームブレードで受け止める。干渉を受けたビームが
激しく閃光を散らし、両者のモニター全面を眩しく白に染める。
 だがその戦いにも終わりのときは来る。リニアが斬撃を受け止めると、ジークフリートは
そのままパワー差を活かしてリニアの機体を吹っ飛ばした。
「ぐっ…素体のパワーが違いすぎるのか!?」
 一瞬生まれた隙に、荷電粒子砲が飛んでくる。懸命に地面を蹴るも、シャドーエッジは
左足を吹き飛ばされて機能を停止した。
「ク…アハッハハハハハハァッ!! やったね、僕はとうとう最大の敵を倒した!
これでお終い…僕らを止められる者など居はしない……間違いなく完璧に」
 ラグナロクが緑色の光を取り戻す。
 そして、デスザウラーは静かにその刃を振りかぶった。

223 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/27 15:14:43 ID:???
「すぐには殺さない…カニの足を一本ずつぶち切るように、苦しんでもらおう!」
 一撃。小規模な爆発が起こり、シャドーエッジのバックパックが損傷する。
 二撃。中規模の爆発が、右腕を吹き飛ばす。
「師匠っ!! …クソッ、あの野郎…!」
 彼女を助けられるものなら、この身がどうなっても構わない。オリバーには
確かにその覚悟があった――と思っていた。
 しかし、実際はイクスの足一本たりとも動かせない。
 ――どうして俺は、こんなにも臆病なんだ?
 苛立たしい気持ち。だが、その裏で逃げ道を探す自分がいる。
 ジークフリートがとどめの一撃を放たんと、弧を描いてラグナロクを振り始めた。
その刃が次第にオレンジ色の炎を帯び、熱と光の渦巻く巨大な竜巻が形成される。
「……オリバー」
 リニアが自分の名を呼ぶのを聞いて、彼は当然「助けてくれ」という言葉を予想した。
 ――無理だよ、師匠。俺にはできない……どうせ俺は、強がって見せるしかできない奴なんだから。
 しかし、彼女の口をついて出た言葉は、オリバーが全く予想しなかった一言。

「…逃げて、いいぞ。イクスのステルス機能を最大限に活かせば、逃げられない事もないだろう」

 オリバーは一瞬、世界の全てが止まったような感覚を覚えた。どうして?何故?
このままでは彼女は死ぬというのに。どうして他人の心配なんかできる?
 そしてオリバーは気付いた。自分の死よりも、もっと怖い事がある。それは、
生まれてから一度もオリバーが経験した事のない感情。
 ただ認めたくなかっただけで、本当は気付いていた。それを受け入れるのが、
とても怖い事のように思えたのだ。2年前の、あの日――『死』を目前にした時から。
 自分の命が一番大切だと、思い込むことで一人の寂しさを紛らわせてきた。
 だが、もう迷わない。彼は見つけた――命を賭してでも、守るべきひとを。
「…行こうぜ、イクス」

224 : ◆.X9.4WzziA :04/12/27 15:27:30 ID:???
お久し振りです。どうにか年内には間に合った…みたい?
唐突に、次回予告。

「ギルガメスが出会ったゾイドは、永い孤独に耐えかねていたのかも知れない。
 気をつけろ、ギル! ホエールカイザーの鬚(ひげ)、撃破の秘策は我にあり!
 次回、魔装竜外伝第二話『僕のゾイドになれ!』 ギルガメス、覚悟!」

例によって四章構成。四連投稿。DION規制掛かりませんように。
明日の昼頃から、投稿の予定です。今日はこれから夜勤なので、
ちょっと眠っておかないといけませんから。それでは明日〜。

225 :Innocent World2 円卓の騎士:04/12/27 15:32:52 ID:???
 愛機がその思いに応え、そのコアがいっそう強い輝きを放つ。

 傷ついたライガーゼロイクスが目も眩む紅い閃光を発し、エレクトロンドライバーが
デスザウラーの側頭部を直撃する。ラグナロクがリニアの目の前で止まった。
「…死に損ないが……目くらましでもしようってのかなァ、オリバー君!!」
 腹部のビームガンが放たれた。中型ゾイドをも一撃の下に葬る、実は強力な火器。
その射線はあやまたずイクスのコックピットを貫き、一瞬の後にその機体が四散する。
 ――と、なるはずだった。
 しかしビームに貫かれたイクスがかき消すように消え去り、次の瞬間
ジークフリートの目の前に輝く爪が迫っている。
「――何だ!?」
 本来ならばかすり傷程度のダメージであるはずのレーザークロー。
それが、数十発の攻撃を受けたかのごとくデスザウラーの装甲を粉砕していた。
「…! どうやら、また『覚醒』したらしいな」
 リニアに向かって親指を立て、オリバーは高らかに宣言した。
「この凄いパワーを! 俺はこう名付ける! 命名して、この力…
…美しき復讐者、“ビューティフル・リべンジャー”だ!!!」
 わざわざ名前をつけるあたりが彼らしいと言える。リニアは頬を伝う
血を拭って、小さく微笑んだ。
「…絶対、逃げると思ったんだがな。本当、解らんやつだ」

「どこへ消えようが! どんな能力であろうが――この技から逃れられると思うな!!」
 再びラグナロクが床面に突き刺さり、そこから放射状に皹と爆風が広がる。
 イクスが爆炎に飲み込まれた。ジークフリートは今度こそ勝利を確信した…と、
レーダーに光点が現れる。――後ろだ。
「今の俺なら逃れられるんだよなー、これが!」
 ギリギリのところで旋回し、爆風の壁を作ってその突進を防ぐ。だが、彼が受けた
心理的ダメージは大きい。自身の『必殺技』を、容易く避けられた。
「…何だ? さっきまでと能力が違う?」
 ありえない。一人の能力者が2つ以上の能力を使うなど、騎士を除いてはありえない事だ。
 ジークフリートの額を、汗が流れる。彼は今、焦っていた。

226 :Innocent World2書いてる物体:04/12/27 15:41:08 ID:???
>>鉄獣28号氏
_| ̄|○ブレードが…ブレードがァァァァ!!
(:凸)<そこまでヘタレ化されるとちょっと悲しい…

>>魔装竜シリーズ作者氏
お久し振り、です。
ホエールカイザーとはまた意外な物を。というか、挟んでしまって
正直申し訳ない…

227 :悪魔の遺伝子 704:04/12/27 17:52:38 ID:???
バスターフューラーがそのバスターキャノンを今度はRDのライガーゼロへ向けた。思わず身構えるゼロ。が、その時だった。
「ちょい待ちちょい待ち!勝手に人の事殺さんといてや!」
「な!!何ぃぃぃぃぃ!!!!!?」
何と爆煙の中からカンウが何事も無かったかのように現れたのだ。それには誰もが驚き、皆の叫び声が重なる程であった。
「何で生きているんだお前は!!全弾直撃のはずだ…。」
「そりゃカンウはその位の武器じゃビクともしないからでしょ。実際耐えたし。」
「………。」
ブレードは一瞬黙り込むしか無かった。確かに戦闘力のインフレの激しかった三体の古代虎を巡る
動乱の際にはカンウの装甲とて決して優位な物では無かったが、今の相手は例えZiユニゾンで
数倍にパワーアップしている相手であると言っても、その時に戦った相手に比べればまだ可愛い方と言えなくも無かった。そしてブレードは後ろを向く。
「ええい!!こうなったら距離を取れリュック!!奴は所詮頑丈さだけが取り柄の機体だ!!
ましてや奴に火器は無い!!ならば距離を取って砲撃戦に持ち込めば…。」
「ハイ!!ブレードさん!!」
さり気なくバスターイーグルに乗っていた、リュックと呼ばれた少年がブレードの命令に従って操縦桿を大きく後ろに引き、バスターフューラーは大きく後ろに飛び退いた。
「次はしくじらん!!」
綺麗に着地した後、バスターフューラーは再度バスターキャノンをカンウへ向けようとした。が、そこにカンウの姿は無かった。
「な!!何時の間に!!何処へ行った!!!」
「わ!!分かりません!!」
ブレードとリュックは慌てて周囲をキョロキョロと見渡した。しかも彼等の行動に合わせて
フューラーとバスターイーグルの頭部も左右に動いているのだから、端から見ると微笑ましいったらこの上無い。
「ほ〜らね!私のカンウって、頑丈さだけが取り柄なゾイドじゃ無いでしょ?」
「!!!!!!!!」
背後から聞こえてきたその声に、ブレードとリュックはゾイド共々硬直した。そしてゆっくり後ろを向くとそこには紛れもなくカンウの姿があったのだ。

228 :悪魔の遺伝子 705:04/12/27 17:55:23 ID:???
「なぁ!!!い…何時の間にぃ!!」
「う…うっそぉぉぉぉ!!アイツ本当にゴジュラスギガかよ!!」
何時の間にかにバスターフューラーの後ろに回り込んでいたカンウに、ブレードだけで無くRD達マッハストームのメンバーや他のZiファイター達も愕然としていた。
「お…おいおい…夢ならいい加減さめてくれ…。本気でケンカしてゴジュラスギガがユニゾンゾイド
であるバスターフューラーより速く動けるワケ無いだろ…?ゴジュラスギガってのはな〜…、ほら…
その…何だ…治安局が持ってるアレみたいなさ〜…、もっとノタノタしてて…ほら…。」
流石にこれはショックだったのか、ブレードですらもはや半分現実逃避状態となっていた。
が、しかし、だからと言ってマリンが容赦をしてくれるはずが無く、カンウはバスターフューラーの尾をガッチリと掴んだのだ。
「え〜…バスターフューラーとかけまして、本日は晴天なりとかけます。その心は…。天高く飛んで行けやおらぁぁぁぁぁ!!!!!!」
カンウはバスターフューラーの尾を掴んだまま天高く放り投げた。もの凄い勢いとパワーにより、
バスターフューラーはたちまち天高く舞い上がり、そのまま綺麗な放物線を描きつつ、大地に
叩きつけられるのは目に見えていた。が、どうにかバスターフューラーは着地していた。
「くそ!!これはどうした事だ!!」
「あのゴジュラスギガはパワーもスピードも何もかもが我々の持っている予測データを遥かに上回っています!!」
「うろたえるな!!!さっきも言ったが奴には火器は無い!!こうなったらさらに距離を取って砲撃を続ければいつかは…。」
と、そうして体勢を立て直したバスターフューラーはさらに距離を取ってカンウへ向けて砲撃を
再開したのだ。しかし、その光景は端から見ているととても強そうには見えなかった。
「野良ブレードライガーの大軍をまとめて吹き飛ばすだけで無く…、ぶ…ブレードの乗るバスター
フューラーをここまでコケにするなんて…。ライガーゼロをザコ呼ばわりするのもハッタリじゃ無かったんだ…。」
最近影の薄いRDもマリンとカンウにやや驚いていたが、その一方で彼の闘志に火を付ける結果にもなっていたのだ。

229 :悪魔の遺伝子 706:04/12/27 17:57:53 ID:???
「スゲェじゃん!!まだ世の中にはこんなスゲェ奴がいるんだ!!だが、だからと言って俺も負けてはいられない!!何時か…何時か俺は奴を超えてやる!!」
と、RDが妙に内心燃えていた間にもバスターフューラーのカンウへの砲撃は続いていた。
「どうだどうだ!!いかに頑丈な貴様とて何時までも耐えられるワケではあるまい!!」
「まあ確かにそうよね。雨水だって打ち付け続ければ岩に穴を空けると言うし、どんな装甲だって
何時までも耐えられるってワケじゃ無いよね。でもさ、その位の砲撃ならかわす事だってワケ無かったりしますよ。」
それまでは砲撃を受け続けていたカンウであったが、今度はそれを全てかわし始めたのだ。かわすと
言っても、高速ゾイドが行う様な機動力で振り切る回避では無い、体を傾けるなどと言った動作でかわしていたのだ。
「くそ!!何という奴だ!!これ程の砲撃すらかわすか!!しかし、いくらかわそうともこっちへ攻撃出来ない限りお前に勝ち目は無いぞ!!」
「まあ確かに今のカンウに火器は搭載してないからね〜…。でも、遠く離れた相手を攻撃する手段が無いワケじゃないよ。」
マリンが落ち着いた表情でそう言うと、カンウはゆっくりと腰を低くし、右手を左腰に添えたのだ。それは剣術で言う所の“居合い”の体勢であった。
「何だ?何をするかと思ったら…気でも狂ったか?それとも俺に伝統芸能か何かでも見せてくれるのかな?ハッハッハッハッハッ!!」
突如“居合い”の体勢を取ったカンウにブレードは笑っていた。しかし、マリンは表情一つ変える事無く目を瞑り、そして何かを溜めている様子だった。
「ハァァァァ!!!竜王真空横一文字ぃ!!!!!」
その叫び声と共にカンウは左腰に添えていた右手をブンと猛烈な速度で右へ地面と並行に振った。が、それで何か起こると言うワケでも無かった。
「ハッハッハッハッハッ!!あたかも必殺技の様なご大層な名前を叫んで置いてそれか…片腹痛…。」
                    ガシュン!!!
突如巻き起こった音と共にブレードの笑い声は止まった。なんとバスターフューラーの右側にあった岩山が真っ二つに切り裂かれていたのだ。

230 :悪魔の遺伝子 707:04/12/27 18:03:16 ID:???
「チッ!!外したか!!」
「こ…これは…。」
「え…。」
攻撃を外したマリンは舌打ちしていたが、その現象に誰もがワケの分からないと言った表情で硬直するだけだった。しかし…
「ぬぅ!!!あれは正しく竜王真空横一文字!!!」
「何ぃぃぃ!!?知っているのかライデン!!?」
「うむ…竜王真空横一文字とは…。」

“竜王真空横一文字”
中央大陸拳法の総本山である竜王流に伝わる奥義の一つ。物体が音速を超えた時、衝撃波が発生して
他の物をその風圧で吹き飛ばす、もしくは切り裂くと言う事はもはや広く知られている事実であるが、
それを技として応用した物がこの竜王真空横一文字である。居合いの体勢と共に力と気と精神を
一点に集中し、空を斬ると共に衝撃波を発生させ、その衝撃波によるカマイタチ現象で、遠く離れた
相手も切り裂くという恐るべき技である。無論これは目視不可能な技である為、回避は困難であるが、
この技そのものを実践するには並外れた体術や精神力を要するのは言うまでも無い。
                        鋼獣書房刊「恐るべき古武術」より

「と言う技でござる。まさかあの娘…この技まで会得していようとは…。神聖寺や竜王流の奥義を使いこなす娘…あやつは一体何者だ!!!」
「おお!!何か良くわからんがとにかくスゲェって事だな!!?」
またもやこの手の道に詳しいZiファイターが説明をしていたが、それは皆をさらに唖然とさせる
物だった。が、それも何処吹く風と言った様子でカンウは再度竜王真空横一文字の構えを取っていたのだ。
「や!!やばい!!リュック!!急いで飛び上がれ!!」
「ハイ!!ブレードさん!!」
危機を感じたブレードは大急ぎでバスターフューラーを飛翔させた。と、その直後だった。先程まで
バスターフューラーのいた場所の背後にあった岩山がスパッと音を立てて綺麗に斬られたのは。
「あ…あんなの断面が綺麗に残っているとは…。」

231 :鉄獣28号:04/12/27 18:17:17 ID:???
>>Innocent World2作者さん
>リニアさん大ピンチかと思ったらオリバーさんが凄い力を発動させて逆転しましたね。
そこに至るまでの二人の内面の様子とかもかなり感動出来るシーンだと思います。

>_| ̄|○ブレードが…ブレードがァァァァ!!
(:凸)<そこまでヘタレ化されるとちょっと悲しい…

それについては済みませんと言わざる得ません。
これを書いていた当時のブレードはまだ「ライバルなのに余り強くない」と言うのが
作中描写・視聴者からのイメージだった頃なのでこうなったのです。

それと、“俊速瞬破拳”についてもう一つ思った事があるのですが、
さり気なくコマンドストライカーはもっと凄い事をしていませんでしたか?
多分100数は超え、速度は音速を超えてると思われるミサイルの数々を一瞬のウチに全部撃ち落としたではありませんか。
それがマトリクスに瞬殺されたのは悲しかったのですが・・・。

>>魔装竜シリーズ作者さん
今度はホエールカイザーキタァァァァ!!!キングじゃなくカイザーと言う点がカルトな感じがして良いですね。
今回の相手は超巨大機と言う事で、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか?

232 :恐怖の亀裂 761:04/12/27 21:08:33 ID:???
予測不能の出来事を危機と認識してアラストールはマンモスの頭部より牙と鼻を高速振動させて超圧縮衝撃砲を発射する。
超と言う文字が表現に付くのはその予備動作の振動波や射出された衝撃波が空間に陽炎と可視光線の屈折現象を発生させる程の者だった事に有る。
現行サイズのゾイドには搭載不能の超火力。しかしその圧縮率が災いしてか速度の上昇にタイムラグが有る事。衝撃砲全てに共通する弱点だ。
実際には砲門内でそれが終了している事が殆どだがアラストールの様に無砲塔でやると当然その一部始終が丸見えだったりする。

「来るぞ!」ベルウッドはそう言うが速いかファインは斜め後ろに向かって機体をジャンプさせその後アーバレストをアラストールの方向に起動。
始めのジャンプの際の上昇率のまま前方斜め上に跳ぶ事で超圧縮衝撃砲の一撃を躱す。そのベクトルは丁度アラストールの顔面に直撃する位置に向いている。
超圧縮衝撃砲は先程呼び出した合体邪神に直撃するが全く効果は無い。と言うより擦り抜けて壁に当たっている。「あれは如何するのだ?」呼び出しておいてその力を使用しないファインにベルウッドは非難の声を上げる。
「これから…これからであります。」取り敢えずは亜音速ぎりぎりの跳び膝蹴りをアラストールの顔面に決めたベルゼンラーヴェは左足でもう一度アラストールの顔面を回し蹴りして一回転する。

「…直に準備をしろ!?人使いが荒いな。」また指示を受け取りレクスは渋い顔をするが「しょうがない!しょうがない!だって貴方は貴方から彼に指示を出さないからっ!!!」エルザに原因を大音量で指摘されながらもキングゴジュラスギガを素早く移動させる。
その頃アラストールの顔面付近では弾丸ではなく銃の方の新しい力を遺憾なく発揮しているベルゼンラーヴェが居る。

その銃撃に途切れは無かった。新たなる力…それは弾薬のオートリロード。マガジンの交換とスピードローダーを使用せずに弾丸を銃の中へ転送する短距離瞬間移動である。
度重なる劫火に晒されながら光の矢で撃ち抜かれるアラストールの頭部。更なる追い撃ちにESBストライクでの踵落としと爪先蹴りの同時強襲。「シザーストライク!!!」
その一撃で頭部が真っ二つに裂けるアラストール。闇雲に6本の腕を振り回しその手に持つ刃が舞い乱れるが目標を捕らえていない。

233 :恐怖の亀裂 762:04/12/27 22:46:41 ID:???
シザーストライクの反動で後方に跳ぶベルゼンラーヴェは何時の間にか機体の後ろに追い付いていた合体邪神を小脇に抱える。
するとそれに反応してその邪神の二つの頭部が口を開く。それを合図に2挺の銃が合体邪神の各々の部分に有る接続部にセットされる。
「合体邪神砲!リヒトフラムヴォーゲ!」並べ立てた3つの名詞。光(リヒト)フラム(火炎)ヴォーゲ(大津波)並べ立てられた単語は重なり様の無い現象。
しかしそれを実現する為のその二つの口はその力を解放し始めている。何時の間にか実体化している事も邪神自体が機を伺っていた事にも繋がるので呼び出した本人同様狡猾な性癖を持ち合わせている様でもあった。

キングゴジュラスギガは踵のジェットホバーと爪先内蔵のボールローラーで高速機動を行い闇雲に振るわれる刃を掻い潜りアラストールの懐に到達する。
フレイムブラスターと胸部腹部火器の一斉砲撃でアラストールの本体の方も火だるまにする。それで動きが止まったのを見計らって「デュアルインパクト!!!」両手をアラストールに叩き込む。
それと同時に肘の巨大シャフトがピストン運動をして轟音と共にアラストールの巨体を空中に吹き飛ばす。巨大なだけではなく装備もその体に多数内蔵されている。
空中に打ち上げられたアラストールの巨体を重なる筈のない現象と事象が襲う。眩しいばかりの閃光と津波の様に波打って放たれる火炎。

ビームと炎と津波。物理法則を無視して融合された一撃は易々とアラストールの内部に到達。そしてそれが物理法則によって分断された時には…内部の機械等と化学反応を起こして大爆発を起す。
感電に寄るショートと可燃性物質への発火そしてビームの直撃。当り前の結果だろう…そしてそれを以てしても健在だったアラストールのコア。相当しぶとい存在だがもう体の構成に使用できる部品は無い。
当ても無く落ちてきたコアをキングゴジュラスギガが踏み潰す。これで完全にアラストールの排除が終了した。

「…ふう。状況終了だ。良くこんな手を思い付いたな。」レクスはファインに通信を入れる。帝国軍共通の通信チャンネルなので誰にでも通じる物だ。
この言葉は褒め言葉ではない。非難の声だ。幾らあてが有ったとしてもこの場に居る全員の命を危険に晒したので当然の事だ。
しかし「成功率は100%でしたよ。」そう答えるファイン。

234 :恐怖の亀裂 763:04/12/28 03:44:21 ID:???
「そう言う問題じゃない!」レクスはまだ言葉を続けベルゼンラーヴェに突っ掛かる勢いでキングゴジュラスギガを近付けて肉声が聞える距離で言う。
「周りの安全を気遣う余裕ぐらい有るだろっ!!!」間違い無く正論である。しかし何時の間にかキングゴジュラスギガの背にコンビネーションアミガーしていたサーベラスが言葉を切らせる。
「まあまあ…良いじゃないか。よしんば失敗しても我々には被害は無かったのだから。」その言葉にレクスは目を白黒させる。

「こう見えてもね…私は術の類は使えないがそう言う事のできる奴が何を為ているかが目に見えるんだよ。誰も信用しなかったけどね。」
確かに信用する者は居なかっただろう…。取り敢えずレクスは答えを求めるような顔を見せて居るので口で説明する事にするサーベラス。
長文なので要点を掻い摘んで見るとそのエネルギーの通り道は全てベルゼンラーヴェに通じており万一エネルギーが暴走してもその行き先は流れの集結点にしか流れ込まない様に成っていたらしい。
ついでにベルゼンラーヴェの周辺には結集点の2挺の銃に先ず結界。それを突破した際にベルゼンラーヴェを護る薄い結界1枚。
更に外側に対して漏れ出さない様にそれより厚い結界を13枚張っていたらしい。

「ちょっと待て!そう言う事は…もし暴走してたら?」レクスにファインが「そうでありますねぇ…ベルゼンラーヴェは放射性廃棄物よりも酷い呪術汚染物質の塊がここに残っているでしょう。それこそ奴の様に厳重に封印してね。」
「格好良いですねぇ〜〜〜!!!分の悪い方を自分に掛けている何て!痩せ我慢を貫く気概は賞賛物ですよ!ハイ!」折角相手に対して心理的優位に立てそうだと思ったのだがエルザのチャチャでただの道化に早変わりしてしまう。
「…失敗でありますねぇ。全くエルザさんは手厳しいであります。」実は血の涙を流しているファイン。「お主…涙を拭け。その程度で血の涙を流せるのには妾も驚いたぞ…。」思い切り引いたベルウッドがハンカチをファインに渡す。
その後当然の様に鼻を噛み強力な突っ込みを喰らったのは秘密だ。

そんなこんなしている間にも一応邪神砲でヴィゾールの剣の結界に砲撃を仕掛けてはいたが直撃を恐れたヴィゾールの剣の意思で分離された戦力を盾に耐えている。
その様子からもう直ぐ終わると予想される。

235 :恐怖の亀裂 764:04/12/28 05:13:11 ID:???
「何という事だ…間引きを兼ねての者達が…何一つ相手を墜とせず全滅…。」正直唖然としているヴィゾールの剣。
合計すると数十種類数百にも達する戦力が全滅している。特に思わぬ伏兵であったミズキとカゲヤマの存在が恐ろしい。
この科学万能を極めつつある時代に”忍び”が居る等彼も思いもしなかっただろう。その上地球からの伝来とも成れば驚きも一入だ。
今は垂れ流しの邪神砲と数機にもなる荷電粒子砲持ちの機体の攻撃を結界が耐え続けている状況。引き継ぎを重ねながら守護者が結界を維持しているが後続の者はもう居ない。
弾切れ状態である。

「くっ!流石に辛いでありますね…やはりマテリアライズの維持に常に集中と力の収集を行わないと成らないのは…。」遂に周囲の力が邪神砲の維持コストを下回り邪神砲は非物質状態に戻る。
ゴースト…影だったり幽霊だったりする視覚情報が有っても実を結んでいない無力で無敵の存在。毒にも薬にもならない状態である。視覚イメージはファインの趣味に添っているのでベルゼンラーヴェの追加武装らしい姿になっている。
多分その気になればフレキシブルウェポンドライバー同様にどんな状況にも思考が追い付く限り対応できうる装備になるだろう…。その代わり周囲の力を高速で消費する。
その力は何も術的な物ばかりではない。「なっ!?大気中の荷電粒子の残量がゼロ!?」レミントンが叫ぶ。そう…力に変換し得る物は何でも消費してしまうのだ。
「なにかぁ〜寒気がしますぅ〜…。」ルディアの機体からは有り余る電力を使用してしまったらしく一番エネルギーサイクルから遠い暖房が一時的に止まってしまっていたらしい。

「…だから言うて居ろうに。力量に合わぬ力は自らのみでなく周囲にまで影響が出ると。その力は最低でも魔導士(ソーサラー)でないと万全な状態で扱えん。折角使えるのだからと使ってしまえばこう成るのは当り前だ。」
今の周囲は空間その物がエネルギー不足の状態にありこのままではじきに生命活動にすら支障を来たす事にも成りうる。邪神砲を消し残ったエネルギーを返還する。
その途端に「今度はエネルギー過剰!?撃てっ!機体が爆発してしまうぞ!」一斉に荷電粒子砲装備の機体がそれを発射する。
「見てみい…あれ程の力を常に消費していたのだ。普通に扱える力量ならこの様には成らん。」ベルウッドはそう言った。

236 :恐怖の亀裂 765:04/12/28 07:20:00 ID:???
「…でも別の利用方法は有りそうですね。過ぎた力というのは。」その言葉にベルウッドはファインの方に振り向く。「ひぃ!?」
その時のファインの顔は恐るべき程の邪知に道溢れ全ての状況を利用してこれから起こる何かに対しての対抗手段との一つとして利用するつもりらしい。
「気味の悪い悪人面をするなっ!」顔面へ衝撃波ではなく32文ロケット砲を決めているベルウッドの姿がベルゼンラーヴェのコクピットの中に在った…。

状況は悪化の一途を辿っている。後続の存在が出現しないと言う事はヴィゾールの剣は不要部分の排除を終えた状況に在る。
後は分断された体の接続と本体の再構成で彼自身の描く最強の存在へと…望み止まぬ姿へと羽化する。そうなれば後は邪魔者を始末して目的を達成するのみだ。
サイコロステーキ状の本体は臓器の様な触手のような器官で既に接続が終了している。しかし彼等の火力では結界を突破する力は無い。
つくづくパーツの不具合で機体の装備から第4種荷電粒子砲を外してしまった事が悔やまれる。あれなら大小係わらず第3種までの結界なら問答無用で突破できたからだ。
今ヴィゾールの剣の張っている結界は第1から第3までの結界で第4種には対応していない。

遂に結界の維持に必用なエネルギーが付き結界が消滅する。素早く守護者5体を片付けて本体に攻撃を仕掛ける一同。
しかしその攻撃は通用しない処か変異の完了の手助けをしてしまう結果となる。焦らしに焦らし攻撃できるようになった瞬間にそれとなく本能的に弱そうな部位に攻撃を誘われてしまったのだ。
そこにエネルギー吸収の能力を付けておけば簡単にエネルギーを得る事ができる。その読みは外れる事が無かった。

そのエネルギーを利用して一気にその姿を作り上げるヴィゾールの剣。そしてまた誰もが微妙な顔をする。そしてその空気を全く読まずに自慢げに語るヴィゾールの剣。
「これぞ究極のゾイドの姿だ!植物を超え獣を超え龍を超え人すら超えた!これが本来の生物形態から外れてしまったZi人の本来有るべき姿!Ziノイドだっ!!!」
正に全員”ふ〜ん…それで?何?”と言う状況。折角盛り上げておいてそれは無いだろうと言う落ちを平然とやってのける天然物のマイナス方向へのボケ。
だがそれが逆にこの場に居る者に殺る気を奮い起こさせる原因にも成っていた…。

237 :恐怖の亀裂の作者:04/12/28 08:22:54 ID:???
年末恒例の行事と成っていた無制限耐久忘年会(酒+ゲーム同時進行)が終わってやっと落ち着いた状態です。
そして…これから新年へ向けて破格の給料を求めたこれまた長丁場のお仕事が…。生き残れるのかな?来年も…?

鉄獣28号さんへ

ブレードが!ブレードが!ヘタレて居るwRDもゾイドの性能を考えれば如何して駄目なのかを考えていたら…有る事に気付いてw
同じ実力なら…操縦性がAのゼロとBのフューラー。この差だ!この差の所為でブレードタンはヘタレていたのか!?

Innocent World2の作者さんへ

キター!!!ビューティフル・リベンジャー!名前は大切な要素でしょう!気合いを入れるのなら叫べば力が沸くと言う事で。
>800t
実は…あの機体の大半がギガじゃないのであの機体の重さが既に600tオーバーw実は脳内設定で始めは1200tにするでしたw
でも大半が張りぼてモードの機体なので弾薬消費で今の重さになったと言う事にしています。量産したら国が潰れますね…。

◆.X9.4WzziA さんへ

ホエールカイザー登場!髭の意味とは!?やっぱりホエールキング等の類は髭鯨だったのかも!?
でもあの見た目じゃ歯鯨w如何見てもマッコウクジラwとても異質な感じがします。

年の瀬に…。
【人名】
ミズキ=マキハラ:何と惑星Ziに伝来してしまった甲賀流忍術の使い手でありその甲賀衆の頭目候補の1人
階級は少尉で書類を忍び込ませて今の場に居る。当然士官学校等の類は卒業しておらずカゲヤマの手解きで士官としての資格に足りうる教育を受けている
その為ボロ等は無く気付いた者もその程度で手放すのが惜しいと無視している状況…この惑星Zi自体が特殊な状況からかアニメやドラマ、映画張りの忍術を使用できる
ハクゼン=カゲヤマ:同じく甲賀衆の忍者で上忍、嘗てはジークドーベルと忍術で鬼人とまで呼ばれ恐れられたパイロットである
忍術、体術、パイロットとしての腕の全てが全盛期と全く変わりない恐るべき存在だが体力が最近衰え気味らしい他年齢相応の老化で体格が変わってしまっている
ミズキの教育係で彼女の我儘のゾイドに乗りたいと言う願いを叶えるべく士官としての教育を施した、階級は今でこそ中尉だが元は中佐である

238 :悪魔の遺伝子 708:04/12/28 09:14:56 ID:???
「ブレードさん!!一体どうしましょう!!こちらの予測データを大きく凌駕する上、物理法則まで完全に無視してくる奴に勝ち目なんてありませんよ!!」
「うろたえるな!!こっちに出来て奴に出来ない事があるだろうが!!こうなったらこのまま上昇し、空中から攻撃を仕掛ける!!」
「ハイ!!」
ブレードの命令に従い、リュックはバスターフューラーをさらに上昇させて行った。
「くそ!!あそこまで高く飛ばれては手が出せない!!」
「飛行ゾイドは陸戦ゾイドの三倍の戦闘力…とはよく言った物だ。」
「いや、そんな事無いよ。」
マッハストームのメンバー等はうろたえていたが、マリンの顔には緊張感の欠片も無かった。
「奴が飛べるならこっちも飛べば良いじゃない?」
「それは分かる…。しかしどうやって?」
「こうするの。バスターロケット噴射ぁぁぁぁ!!!!!」
             「な!!なんだってぇぇぇぇ!!!!!」
その瞬間、皆は怪奇漫画とかに良く出てくる、俗に言う“驚く人”の様な顔になっていた。
バスターロケットにより、カンウが空を飛ぶと言う事は、マリンとルナリス、そしてビルトと
ミレイナの4人にとってはもはや普通な光景であったが、他の皆にとっては驚愕して当たり前と
言えた。確かに皆が一般的に持つイメージとして、巨大ゾイドが空を飛ぶと言うのはあり得ないと考える傾向にあるのは事実であるのだから…
「ギギギギギギギギギ!!!!!!!ガガガガガガガガガ!!!!がががが!!!ととととと!!!飛んだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
誰もが思わず錯乱してそう叫ぶ。それはブレード等も例外では無かった。そしてブレードは焦り顔でリュックに尋ねたのだ。
「なあリュック…。」
「こんな時に何ですかブレードさん?」
「これさ…やっぱ夢だよな…。だって冷静になって考えて見ろよ…。ご…ゴジュラスギガが空を
飛んでるんだぞ…。それだけじゃない…。奴は普通に考えて無茶とも言える事を他にもやって来たじゃないか…。」
「ブレードさん…。確かにその気持ちは分かります。しかしこれは夢じゃありません。紛れもない現実なんです。」

239 :悪魔の遺伝子 709:04/12/28 09:18:07 ID:???
「イイヤ!!これは絶対に夢だ!!きっとそうだ!!いや、そうで無ければならないんだ!!」
その時、ブレードの目はもはやあっちの世界に行っており、リュックも思わず悪寒を感じた。
「そうだ!!これは夢だ!!悪い夢なんだ!!ゴジュラスギガが変な事しまくる奴だって、実は
夢だからと言う事だし、周りにいる奴等だって全員俺の夢の中の登場人物に過ぎないんだぁ!!」
「ブレードさん!!目を覚まして下さい!!現実から逃避しないで下さい!!」
「うるさい!!これは所詮俺の夢なんだ!!俺の夢の中ではこの俺が全て何だぁぁぁ!!!」
リュックは必死にブレードを説得しようとするも、完全にあっちに行ってしまったブレードは聞く耳を持たなかった。
「あ〜あ〜…。何か今度ばかりはアイツが可哀想になって来たよ…。」
狂うブレードと慌てるリュックの光景は、流石のRDも哀れに思っていたが、それを尻目にカンウはそのまま猛烈な速度でバスターフューラーへ迫っていた。

「お〜い!何時までも遊んでるんじゃないぞ〜!まだ仕事中だぞ〜!」
最近妙に影の薄かったルナリスは、残存する野良ゾイドを各個撃破しつつマリンにそう呼び掛けていたが、その時彼女はある事に気付いた。
「(ん…?そう言えば今まで出てきた野良ゾイドって…ライオン型ばかり…っつーか全部ライオン型な気が…。)」
ルナリスはその場で何か考え込み始め、ハーデスも足を止めた。その事に、やはり影の薄かったジャクシンガルとキルベリアンも心配そうに近寄ってきたのだ。
「ヘ〜イ!どうしたんだ?ルナリスようベイベ〜!」
「そうそう!そんな所で止まったら標的になっちゃうよイエ〜イ!」
「いや…な…。今までにもこれに似たような事があったんだが…。は…、まさか…。」
ルナリスが何かを確信し、同時に悪寒を感じた直後、それは起こった。なんと地平線の向こう側から
皆のいる地点へ向けて夥しい数のミサイルが飛んで来たのだ。
「うわぁぁぁぁ!!!!!何だぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
「わぁぁぁぁ!!!!!ミサイルだぁぁぁぁぁ!!!!」
「しかもすげぇ数だぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突如としてさながら土砂降りの雨の様に降り注いだミサイルに皆はパニックに陥り、その事にブレードも我に帰っていた。

240 :悪魔の遺伝子 710:04/12/28 09:21:52 ID:???
「な!!何だこれは!!一体何が起こった!!」
「そんなの知らないわよ!!」
いきなりの不意打ちに皆は戸惑い、策敵班は情報収集に急いでいた。そしてキルベリアンのレーダーが何かの反応を捉えたのだ。
「みんな気を付けて!!西の方角から何か大勢来るよイエ〜イ!!」
「な!!何!!?」
ミレイナの言葉に、皆は一斉に西の方角を向いた。そして高空にいる為に遠くまで見渡せるカンウとバスターフューラーが西から迫る大軍を確認したのだ。
「まさか今の攻撃は奴等のか…。」
「ブレードさん!!今度はライガーゼロの群ですよ!!その上データに無い機体まで…。」
「って…あれは…。」
野良ゾイド?の新たな増援として現れた群はライガーゼロ軍団と呼べる物だった。そしてその
ゼロ軍団の中心にひときわ巨大なライオン型ゾイドの姿も見えたのだが、それはマリンにとって見覚えのある相手だった。
「そ…そんな…まさか…。ウソでしょ…。」
悪寒が走ったマリンはその場で青ざめ、バスターフューラーとの戦闘を中止し、カンウを降下させつつルナリス等のもとへ合流して行った。
「ルナリスちゃん…。これって…。」
「ああ…間違いない…奴等だ…。奴等がまた出たんだ…。あとちゃん付けするな!」
「奴等って何だベイベ〜!」
やはりハーデスはお約束的にカンウの頭を小突いていたが、ビルトとミレイナはワケの分からないと言う顔をしていた。と、その時だった。
「皆〜さん!よ〜くもや〜ってく〜れまし〜たね〜!!!!!」
「やっぱりそうだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
突如として周囲に響き渡ったミュージカル風の言葉にマリンとルナリスは思わず叫び声をあげていた
が、他の皆はやはり意味不明と言った顔をしていた。そして、地平線の向こう側からライガーゼロの群が現れたのだ。
「うわぁぁぁ!!ライガーゼロがマジで沢山いるぅぅ!!ってこの光景ダンが見たら大喜びだろうな〜…。」
RDは違う意味で驚いていたが、皆の目はそのゼロ軍団の中心にいた巨大なライオン型ゾイドに向かれていた。

241 :鉄獣28号:04/12/28 09:50:02 ID:???
>>恐怖の亀裂作者さん
まあ色々お疲れ様です。
本編ではついにアストラールが倒されましたね。そして伏兵の忍者二人には
流石のヴィゾールの剣もたじたじだったというのが凄いです。
あと、コックピット中でロケット砲を使うのは冗談では済まないですね。
相手だけじゃなく自分も死にます。
さらにヴィゾールの剣の言葉出てきたZiノイドと言う存在。一体どうなるのでしょう?

ブレードがヘタレてしまって済みません問題に関しては
まあこれもカルチャーギャップの一環です。彼は決して弱くありませんし、
マリン等が非常識なだけだと考えてください。
RDやブレード等の持つ常識範囲内でのギガはすなわちガミーの乗るアレになるのですが、
そんな常識を完全に無視した・・・と言うよりむしろ別次元の強さになってるカンウに
驚かない方がむしろ可笑しいのでは無いでしょうか?少なくとも常識範囲内の人から見れば。

ただ、常識を越えた者の中で考えればまだまだ可愛い方だと言う事も付け加えて起きます。
以前の三虎シリーズでは半ば主役なのにヤ○チャ化と言う珍現象が発生してましたし。

242 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:38:04 ID:???
【前回まで】

不可解な理由でゾイドウォリアーへの道を閉ざされた少年、ギルガメス(ギル)。再起の
旅の途中、伝説の魔装竜ジェノブレイカーと一太刀交えたことが切っ掛けで、額に得体の
知れぬ「刻印」が浮かぶようになった。謎の美女エステルを加え、二人と一匹で旅を再開
するが、竜はギルを拒む。正体不明の追っ手を遠ざけはしたが、竜は山をも砕く危険極ま
りない能力の持ち主だった…。

夢破れた少年がいた。愛を亡くした魔女がいた。友に飢えた竜がいた。
大事なものを取り戻すため、結集した彼らの名はチーム・ギルガメス!

【第一章】

 やがて昇りゆく朝日は残酷な、現実よりの使者。
 深き闇夜を空と山とに分断していく朝焼けは、損壊したレブニア山脈の稜線を白日の元
に晒そうとしていた。光の槍を投擲され、傷付いた霊峰の何と無惨なことか。勢いづく強
き陽射しはそのまま闇の住人を狩っていく。標的の中には小型(とは言っても民家一軒程
はある)の金属生命体ゾイドが十匹程もいたようだがよもや誰も気に止めない。夜明けと
いう、この世で最も非情な裁きの前では。
 断罪の光景は、ギルガメスをひどく憔悴させた。全方位スクリーンに囲まれたこの狭い
コクピット内は音も匂いも遮断するが、代わりに彼「ら」の為した所行の顛末を厳しく突
き付けて止まない。未だ十六才に満たぬこの小柄な少年は既に目を背ける気力もなく肩で
息するばかり。輝きを失っていないのは、依然として額で明滅する刻印のみだ。
「…馬鹿野郎」
  項垂れ、か細い声で呻く。両の拳はやり場のない感情と共に、自然とコントロールパネ
ルに叩き付けられていた。何度も、何度も。
「馬鹿野郎、何やってんだよ君は…」
 一方、ギルに「君」と呼ばれた深紅の竜。伝説のゾイド・魔装竜ジェノブレイカーは、
時折その大きな二枚の翼をはためかせつつ、稜線の高さ程にまで浮かんだままじっと傷跡
を見つめている。溜飲を下げたと言わんばかりの表情はまことに太々しい。だが竜の僅か
な充足感はすぐに消失した。原因は、胸元に括り付けられた小さな箱。首を傾け、じっと
様子を伺ったかに見えたがそれも束の間。

243 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:41:03 ID:???
 二枚の翼を大きく羽ばたきつつ、悠然とその場を離れてゆく。
「そ、そっちに行ったらエステル先生とはぐれちゃうよ!」
 胸元の箱の住人は慌てて叫ぶが、深紅の竜はそんなことなどお構い無しだ。
「ギル、ギル、どうしたのよ今度は!?」
 コクピット内に鳴り響いた声の主は、深紅の竜の遥か下方にいた。地表すれすれを浮か
ぶ年代物のビークル。男装の麗人エステルがマイク片手に怒鳴りつけている。
「エステル先生? いや、もう何がなんだか…んっっ、わあぁっ!?」
 既にビークルとは大分距離を引き離した状態で、突如。全方位スクリーン上に描かれる
風景が上に上にと流れていく。…急降下する深紅の竜。背中の六本の鶏冠から弾け出る蒼
炎は、非常識な加速の証し。だが胸元の小箱内に潜むギルには、風は感じられても強い重
力は一切感じられないのが不思議なところ。これも深紅の竜に搭載されたオーガノイドシ
ステムとやらの為せる技なのだろうか。
 そして、その後すぐにエステルは確認した。遥か前方で聞こえた落雷にも似た轟音と、
朝焼けが照りつける大地に舞い上がった巨大な砂埃。
 だが、コクピット内のギルには着陸した実感が湧かない。…高山の頂上程の位置から急
降下したにも拘らず、だ。
「本当に君の身体、一体どういう仕組みなん…」
 呟きかけたところで正面のスクリーンが上下に割れた。コクピットハッチが開いたのだ。
外の眩しさに一瞬片手で目を遮るが。
 ふと、ギルを座席に括り付けた拘束が解かれるや否や。
 体感した、空気のような身軽さ。
 いや、それは錯覚。深紅の竜にコクピットから引き摺り出されていたのだ。サイコロの
ように一転、二転、三転。…呆然たるギル。仰向けに静止した彼を覆わんとする朝焼けに、
我を取り戻すと慌てて立ち上がる。遅れてきた痛みに一瞬たじろぐが、それでも燃え盛る
憤怒の形相。
「な、な、何するんだよ君はーっ!」
 怒声はこの広い荒野に響き渡ったが、相手は全く意に介さない。…それどころか抗議す
る少年に対し、却ってそっぽを向いて無視を決め込んでみせるはないか。

244 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:42:33 ID:???
 ギルの、歯ぎしり。苛立ちは募るばかり。…無理もない、彼はゾイドウォリアーを目指
して研鑽を重ねてきた。そこらの大人よりは余程上手にゾイドを扱えるし、事実今まで扱
ってきた。しかしそんな経験が、直面する深紅の竜の前では全く通用してくれない。
 だがそんな、気難しい竜が表情を覗かせたかに見えた。…軽い、一瞥。おやと表情の変
化に気付くギルだったが、しかしそれも束の間のこと。
 いきなり、辺りが土煙で覆い尽くされる。深紅の竜の力強い蹴り込み。突風と地響きに、
ギルは為す術もなく転倒した。
 彼が慌てて立ち上がった時、既に竜は遥か向こう。レヴニア山脈に向かって疾駆してい
たのである。
「馬鹿ぁーっ! 戻れぇーっ! 勝手に帰るなぁーっ!」
 悪態をつくだけついてみるが、すぐに竜の姿は見えなくなった。へたり込んだギル。肩
で何度も息し、疲れ切った表情を浮かべる。着いた溜め息も殊の外大きい。
「わけ、わかんないよ…」
 ぼやいた、その時。
 後方から近付いてきたエンジン音。深紅の竜のリミッターよりは遥かに静か。…音の主
はビークルだ。
「あっ、え、エステル先生!?」
 立ち上がるギル。彼の左側、やや離れた位置にビークルは止まった。早速相談しようと
近付いていったがそれよりも早く。
 目前に飛び降りた、男装の麗人の右手が伸びる。風船が、割れるような音。…ギルは受
けた。エステルによる張り手の洗礼。余りに唐突な出来事。喰らった本人は目を丸くする
ばかり。
「何で追い掛けてあげないの!」
「え…」
「貴方、あの子の主人になったんでしょう?
 だったらもっと尊重しなさい。ゾイドは道具じゃないのよ?」
 エステルの諭しの口調は努めて穏やかだが、あの蒼き瞳の鋭い眼光とワンセットでもあ
る。相当な迫力に息を呑まざるを得ないギル。

245 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:44:17 ID:???
「で、でも、追い掛けたとしても僕の足じゃ…」
「だからそれが間違ってるの! 走りながら貴方の態度、伺ってるわよあの子は。
 あぁもうしょうがないわね。乗って!」
 言いつつそそくさとビークルに戻ったのである。

 朝焼けは雲海を泳ぐ玄武皇帝・タートルカイザー(ロブノルという名前らしい)にも照
り付けていた。飄々としたこの超巨大ゾイド目掛け、飛んできた網目羽根の竜・プテラス
達。いずれの腹部にも銀色の二足竜・ゴドスが釣り下げられている。いずれの体格も民家
一軒程はある筈だが、目前の玄武皇帝の前では芥子粒程度にしか見えない。
 ゆっくり口を開けたタートルカイザー。その中へ、急減速しつつ我先にと飛び込むプテ
ラス達。…内部はちょっとした滑走路。次々と踏ん張り着地していくのはゴドスの役目だ。
すると瞬く間に天井から伸びるクレーン。プテラスの背中に引っ掛かったと同時に腹部の
連結器が外れ、ゴドスはゆっくり歩きながら、プテラスはクレーンに釣り下げられながら
滑走路の奥へと向かっていく。
 ゴドス達の行き着いた先にはちょっとした団地並みに広大な空間が広がっていた。何と
も非常識な規模の格納庫だ。見渡してみれば、同族を始め幾種類かのゾイドがじっと待機
していることがわかる。その一角の、更地のごとく開いた領域に彼らは順に収まり、伏せ
蹲っていく。
 すると停止した二足竜達の周囲に、いつの間にか青色の作業服で身を固めた者達が群が
っていた。様々な大きさの容器や道具、それらを運搬する台車を用意し、竜達の手足の、
特に爪付近を念入りに観察。何かに気付くとその都度ピンセットで摘み容器に回収してい
る。整備が目的で動いているのでは無さそうだ。
 彼らを余所に、一斉に開かれた頭部・キャノピー。降りてきたパイロットはいずれも疲
労の色が隠せない。只彼らの相棒に群がった男達に関しては、まるで空気のように存在を
全く意識していない。と、その一人のもとに近付く作業服の男。小太りで面皰(にきび)
面。眼鏡の分厚い中年。風貌はぱっとしないが思いのほか機敏。端末や各種工具などを積
んだ台車を軽快に走らせてきた。
 ヘルメットを外したパイロット。眼鏡の中年と敬礼を交わした彼は一回りも若い青年で
ある。

246 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:45:37 ID:???
「よろしくお願いします…」
 先に口を開いたパイロットの青年は沈痛な面持ち。しかし眼鏡の中年はそれを吹き飛ば
すように笑って言い放った。
「任せてくれ。一矢の報いを何倍にもするのが俺達の役目だからな」

 タートルカイザー「ロブノル」の頭部・指令室。ドーム状の室内はプラネタリウム程に
広い。中央は円錐状に盛り上がり、頂上にこの超巨大ゾイドの主人が着席する…筈だが、
今現在、そこには誰も着席していない。
 主人と思しき人物は、この室内の外周付近・通信士達の背後で仁王立ちしていた。馬面
に痩けた頬、落ち窪んだ上に守宮のように瞳が大きい異相の男。そして彼の周囲を数人の
側近が取り巻く。いずれも、水色の軍服と軍帽を折り目正しく着こなしており、その上明
け方であるにも拘らず眠たげな様子を微塵も感じさせない。まことに、精悍。
 室内外周は、その半分程がコントロールパネルや適度な大きさのモニターで埋め尽くさ
れている。通信士やこの超巨大ゾイドの操縦要員が着席しているのだが、彼らの目線より
も上の段には蒲団程も大きいモニターがやはり室内の半分程に渡って幾つも嵌め込まれて
おり、さながらパノラマのようだ。
「追撃部隊は全機帰還。現在『鑑識班』が標本採集を行なっております」
 若い通信士の報告に、大きく頷いた異相の男。
「まず我らにとって不利な要素は…」
 側近のナンバーワンらしき初老の高官が口を開く。それを合図に彼らの視線はパノラマ
モニターの一枚に向けられた。瞬く間に地図の画像が浮かび上がる。
「一つ、敵地であること。迂闊に我らの痕跡を残せば国際問題に発展します。
 二つ、この地の守備隊が早々に動くだろうこと。レブニア山脈は天険の要害。守備隊も
手薄ではありますが、先程確認した荷電粒子砲の一撃までも見落とすとは思えません。
 以上の二点から、電撃的且つ秘密裏に処理せねばなりません
 そして、三つ目ですが…」
 言い掛けたところを異相の男が軽く手を挙げ、遮った。高官は深々と頭を下げ、これに
応じる。

247 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:47:15 ID:???
「それは鑑識班の報告次第だな。有利な要素は?」
「はっ。逆に有利な要素は…」
 今度は別の高官が敬礼し、口を開く。彼も決して年若くは見えない。と言うよりは側近
一同、異相の男よりはひとふた回り程も年が離れたものばかりで構成されている。
「物量戦が可能だということ。当機はレブニア武装蜂起鎮圧作戦のために、ゴドス30匹、
プテラス5匹を輸送しております。
 内、先程帰還した5匹は整備の上休ませるべきですが、鎮圧作戦に使用した20匹は既
に整備完了の上、15時間以上休養しております。そして残りの5匹を加えれば実に25
匹が作戦投入可能です。
 これに総大将操る『マーブル』が加わるのですから、秘密裏はともかく、電撃的な処理
には十分な数でしょう」
「有利な点はもう一つあるかも知れんな」
 口を開いたのは異相の男だ。 
「…と、おっしゃいますと?」
「恐らくゾイドとパイロットの関係は最悪だろう。目立ちたくないのは彼らも変わらぬ筈。
 なのに、あからさまに正反対の立ち回りをしてしまった」
 成る程と、頷く一同。
「いずれにしろ、採れる作戦はごく限られている。
 まず、俺とマーブルが単騎で仕掛ける。その隙に包囲網を完成し、機を見て総攻撃する。
問題は…」
 異相の男の言葉と共に蒲団程のモニター上で赤と青の光点が一つずつ、そして沢山の白
い光点が動いていく。と、その時。
「総大将、皆さん、お待たせしました!」
 右隣のモニターが切り替わる。敬礼するのは青い作業服を着た、あの面皰面に眼鏡の男
だ。一気に流れる一同の視線。
「おお、鑑識班長! 如何であったか?」
 初老の高官が問いかける。

248 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:48:34 ID:???
「…驚くべき、結果ですぞ?」
「勿体ぶらずに早く言わんか!」
「おお、これは失礼しました。
 まず一つ。出撃したゴドスの爪などに付着した細胞を鑑識した結果、千年近く前にガイ
ロス帝国での存在が確認された魔装竜『ジェノブレイカー』のそれと一致しました。…完
全に、です」
 面皰面の鑑識班長の言葉に追随して左隣のモニターにデータが描き出される。
「何と、オリジナルだというのか!?」
「断定は危険ですが、違ったとしても精々二〜三代目程度と推測されます。それ位、遺伝
子に変化の形跡が見られないのですよ」
 地球は日本のゾイドファン各位の間では、ゾイドを兵器と看做すか生物と看做すかにつ
いて、しばしば議論がなされるところだ。只、『金属生命体ゾイドを兵器と看做す』とい
うのであれば、その絶対的長所は自ら進化し、ある程度環境に適応することだと断言でき
よう。それ故に、惑星Ziにおける国家的規模の組織は、いずれも自前でゾイドの特徴や
遺伝子情報をまとめたデータベースを所有している。例え正体不明のゾイドに破れても、
僅かな細胞さえ入手できればそれをもとに正体・能力を割り出し、然るべき対策を導き出
すのである。
「まさか黒騎士伝説の『それ』が生きていたというのではあるまいな…」
「いや、それは幾ら何でも飛躍し過ぎというもの。『北のガイロス』の暗躍を考えるべき
では…」
「静かに。相手の出自を憶測するのは作戦終了後で良い」
 異相の男の重々しい一言に、この場が静まり返る。
「…二つ目。当該ゾイドに関して初遭遇時、最高速度マッハ1以上を観測しております。
ところが出撃した各ゾイドの戦闘記録を調べた限り、最高時速約700キロ。運動能力が
著しく低下しています。パイロットとの相性が必ずしも上手くいってはいないようですな」
 側近一同が頷き合う。異相の男の推測が別の形で裏付けられたからだ。
「そして、三つ目。こちらを御覧下さい」
 鑑識班長の言葉と同時に左のモニターが再度切り替わる。…映し出されたのは、深紅の
竜よりやや離れた位置で浮かぶ年代物のビークルだ。乗り手は、黒い短髪の女性。

249 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:50:12 ID:???
「サポートですな。この人物も、今回の出撃で初めて確認されました」
「成る程。このゾイド本来の飼い主か…」
「三つ目の『不利な要素』、打開できそうですな」
 初老の高官の言葉に大きく頷いて返す異相の男。
「うむ。…時に鑑識班長。ジェノブレイカーは夜行性だな?」
「データ上は、確かに」
「わかった。今現在の調査結果に関して、30分以内にまとめ、提出してくれ」
「了解しました。惑星Ziの、平和のために!」
 右のモニターの電源が、落ちた。元の地図画像に戻ったのは左隣だ。それと共に上がる
異相の男の声。
「作戦は決まった。…現状、当該ゾイドの消息は杳として知れない。あれ程の熱源が嘘の
ように見当たらぬ。まさに三つ目の『不利な要素』だったが、それも鑑識結果によって打
開の糸口が見出せた。
 何しろ、ビークル一台では積める物資もたかが知れている」
「この辺一帯はここ、東リゼリア村以外に…」
 側近の一人が左隣のモニターを指差す。
「村や町がない以上、我々の手から逃れる前に一度ここに補給に訪れるざるを得ないでし
ょう。それも、ごく早めに」
「そこで早速屈強の者を募り、東リゼリア村付近を張り込む。近付いたら仕掛け、潜伏し
た当該ゾイドを引き摺り出す」
「仮に近付かないとしても、当該ゾイドは夜が明けて運動能力が極端に下がるでしょう。
数や装備で優る我らが虱潰しに探せば、潜伏地を突き止めるのは容易いことです」
「そういうことだ。発見できさえすれば、後はさっきも打ち合わせた通り。
 ひとまず張り込み組とマーブルのみ出撃だ。後は待機しつつ探索を続けてくれ。
 …張り込みには俺も合流するからな」
「えっ、総大将もですか!?」
「行かねば不味いかも知れん。胸騒ぎがする」
 一同を緊張が走る。総大将と呼ばれた異相の男の勘は、相当なものらしい。
「それでは作戦を開始する。惑星Ziの!」
「平和の、ために!」


250 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:52:13 ID:???
 暁に彩られ始めたレブニア山脈目掛け、深紅の竜は走る。このゾイドを遮るものなど何
もない。だがこの勇者の、何と寂しげな仕種よ。ずっと、俯き加減。人ならば、涙を零し
ている。
 走りながら、ちらりと後方に視線を傾けてみた。…しかし、密かに期待していた者が影
すら見せぬことに気付くと、溜め息をつき、足を速めた。首を軽く持ち上げ、涙を堪える
ように。
 やがて、足を止めた深紅の竜。行き着いた先には自らの何倍もある岩山が無数に乱立し
ている。その辺一帯をしばらく物色すると、やがて手頃な岩と岩の隙間に入り込んだ。夜
行性であるこのゾイドにとって、今は貴重な就寝時間。裏返せば隙の多くなる時間帯故に、
より安全な場所を見つけて身体を休めるのである。
 身を潜め、身体を丸める。大きな、溜め息。…だが左右の腕の爪だけは、何故か地面に
突き立てられていた。時折、深く握りしめる。まさしく八つ当たりの的。
「…大体この辺よ。運動量を落として熱反応を押さえても、図体を小さくはできないから
ね」
 聞き慣れた…古代ゾイド人の女性の、声。慌てて首をもたげ、尻尾を持ち上げる。
 竜の視界の左から中央へと、迂回してきたビークル。声の主を視認して一瞬嬉しそうに
尻尾を振るが、それも束の間。助手席にはあの忌々しい少年が肩を並べているではないか。
ぷいと横を向き、丸くなる。
 わがままな勇者の前に、早速立ち並んだギルとエステル。それにしても、この男装の麗
人の背丈。隣の少年より頭一つ分も高い。
 先に一歩前に出たのはエステルだ。
「…ギルが、謝りたいそうよ」
 予期せぬ言葉を耳にし、思わず声を上げ掛かるギル。だがエステルの蒼き瞳に横目で睨
まれ、息を呑んでしまった。頭を抱え、仕方無しに彼も一歩前に出る。
「あ、あの…さっきは、ごめ…ん?」
 少年の言葉など耳を貸さない竜がいた。一層丸くなり、何やらわざとらしそうに寝息を
漏らす。見る間に顔を引きつらせていくギル。…だが、ぽんと軽く肩を叩かれた。我を取
り戻した彼の横で、エステルは何故かまじまじと竜の寝顔を見つめていた。そして。
 突如、目頭を押さえる。
 目を丸くするギル。閉ざしていた視線を開放する竜。

251 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:54:28 ID:???
「お別れね。…ギル、この子は独りで一生懸命生きていくんだって。
 今まで楽しかったわ。又何処かで会いましょう」
 踵を返す。…震える肩。それに、啜り泣いているのか。
 エステルの豹変に、竜もギルも、ただただポカンと口を開けるばかりだ。
「え!? ちょ、ちょっと、エステル先生?」
「この子の決意は固いわ…」
 ビークルに向かってとぼとぼと歩いていく。背中に、滲む哀愁。
 足音が一歩、又一歩。
 突如、甲高い声で鳴き出した雛鳥。否、深紅の竜だ。ピィピィと、その体格には凡そ似
つかわしくない愛くるしい鳴き声で哀願する。だがエステルは歩を止めない。咄嗟に身体
を持ち上げた竜。
 ガッシリと、ビークルを両手で押さえる。二人に覆い被さった竜。砂埃に思わずギルは
顔を押さえるが、竜はそんなことなどお構い無しに、エステルの頬に鼻先を寄せ、摺り合
わせる。…暫しの後、求めに応じたエステル。
「うん、うん、わかったわ。じゃあ…」
 くるりと竜の(そしてギルの)正面に向いた彼女。
「仲直り、してね?」
 恐ろしい位晴々とした笑顔。…しかしその瞳。凍てつく程の鋭さに、竜と少年は呆気に
取られた。
 謀られたのだ。思わず抗議の鳴き声を上げに掛かろうとした深紅の竜。だがエステルは、
尚も笑顔で迫る。
「な、か、な、お、り、よ?」
 そう言いつつがっちりと鼻先を押さえる彼女の両手。
 観念した竜。力なくビークルを手放した。

252 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/28 11:55:35 ID:???
 それを確認し、満足げに頷いたエステル。竜の鼻先を手放すと、颯爽とビークルに飛び
乗り、エンジンを吹かす。
「え…? せ、先生!?」
「ちょっと離れたところに村があるわ。色々補給しに行ってくるわ。
 額の『刻印』、私が消すか、貴方が気を失わない限り消えないから。問題なくこの子を
操縦できる筈よ。
 じゃあ、私が戻るまでに仲直りしておいてね〜」
 ポカンと口を開けたままの両者を尻目に、ビークルは去った。運転しながらエステルは
溜め息をつく。
(きっと追っ手は私が補給する隙をついてくるでしょうね。
 でも、今の貴方達では追撃を振り切るのは到底無理。だから、ちゃんと仲直りして。信
じてるから)
 覚悟のアクセルを、踏む。ビークルの速度は徐々に高まっていった。


253 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 11:50:38 ID:???
【第二章】

 雲海を急降下するタートルカイザー「ロブノル」。己が巨体を隠し切れるだろう貴重な
空間を、敢えて離脱してみせる理由は如何に。
 ロブノルの身に纏う鋼の鎧が、うっすらと橙色に輝いていく。やがて朝焼けの輝きに酷
似していき、それと共に起こった変異。…透き通るように消えていくロブノルの巨体。地
球の生物・カメレオンのごとく、体色を周囲に合わせて変化させたのだ。所謂「光学迷彩」
とはこれのことか。
 やがて見渡す限りの荒野に舞い上がった、リング状の土煙。辺り一面を鷲掴みする程大
きなそれに、近くで身を寄せ合っていた二足竜の群れが蜘蛛の子を散らすように逃げまど
う。
 だが、徐々に土煙が収束していくに連れ、彼らはおかしなことに気付いた。辺りには何
も見当たらないのだ。…不審に思った一匹が近付くと、突如。
 空間が、割れた。中から現れたのは、疾駆する水色の小暴君・ゴドスと数台のビークル
だ。見た目には、余りに異常な事態。実際は光学迷彩未使用のタートルカイザーの口内が
開いただけの話しなのだが。しかし二足竜達にとっては理解を超える事態。今度こそ彼ら
はこの場を逃げ去った。
 水色のゴドスは途中手頃な岩場を見つけると、ビークルと別れて自らはそこに隠れた。
 それぞれのビークルに搭乗しているのは屈強な兵士達。いずれも白色と青色に彩られた
鋼鉄の鎧・ヘルメットを身に纏っている。だが一台のみ、水色の軍帽に制服、マントとい
う格好の者が同乗している。総大将と呼ばれる異相の男だ。
「…さて東リゼリアだが、御多分に漏れず貧しそうだな」
「地図の上では高台作りですね。
 今朝の事件直後ですから、おそらく村人が回り持ちで外を巡回していることでしょう」
「でなければ困るな。村に紛れ込まれてはやり辛くなる」
 Zi人は金属生命体ゾイドとの共存を選んで今日に至る。…だが、代償は甚大だ。ゾイ
ドはとにかく巨大な生き物。それ故に、相当な自然環境を彼らに譲る一方、彼らに侵され
る危険が少ない安全な住環境を確保せねばならない。

254 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 11:51:58 ID:???
 富裕層は、平地に城や濠を築いて町を為し、大規模な田畑を確保した。一方貧困層は、
ゾイドに踏み込まれる危険の少ない高台や谷間などを探し、そこに逃げ込まなければいけ
なかった。しかしそういった地域は大概、田畑に割ける面積も限られているもの。ゾイド
との共存は、Zi人に希望を与えた。だが一方ではZi人を限りない貧富の篩(ふるい)
に掛けたのである。
 遠方に、見えた高台。中腹には所々土嚢が積まれているが、これらが必ずしもゲリラ対
策に限らないのは言うまでもない。そして頂上付近には土嚢の間に申し訳程度に取り付け
られた木製の門と、屋根の低い民家が立ち並ぶ。
 異相の男が無言で手をあげる。どのビークルの搭乗者も身を低く屈めたかと思えば、瞬
く間に透明化していくビークル。これらも光学迷彩の恩恵を受けている様子。ビークルは
姿を暁の中に掻き消しながら散開していった。

 ギルの背後には、深紅の竜が一歩下がった位置で首をもたげていた。
 遠方に上がる土煙を、できる限り目で追う両者。だがそれすらも視界から消え去るまで
に時間は掛からなかった。ひとしきりの間の後。
「はぁぁ…」
 ギルの大きな溜め息。だがそれは絶妙なタイミングで竜のそれと重なる。…思わず、左
の肩越しに横目でちらり。
「…!?」
 竜も、右の瞳で覗き込もうとしていた。視線の交差も何故か絶妙のタイミング。慌てて
目を反らす両者。
(どうしよう、本当に…)
 つまらない意地だということは、そろそろ感じていた。要は謝ってしまえば良いのだ。
ゾイドは押し並べてプライドが高い。それこそこちらが「お兄ちゃん」になって、尊重す
べきは尊重し、叱るべきは良く説いてあげれば良い。…だが、相手はちょっと苛立ったか
と思うと、いきなり口から光の槍を吐き出す程に気難しい。生易しい相手でないのは間違
いない。
 一方、深紅の竜。…もう一度、右の瞳を傾けた時、このゾイドは気がついた。ギルの左
の頬が腫れていることを。エステルに引っぱたかれたダメージは思いのほか高く、未だに
手形がくっきり残っている。これが誰の手によるものか、このゾイドにはわかったのか、
どうか。だがいずれにしろ、目前の少年は傷付いている。

255 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 11:54:42 ID:???
「…んっっ」
 ギルの左の頬を走った、ひんやりとした感触。頭のてっぺんまで心地よさが一気に届く。
ゆっくりと振り向いた時、ギルは感触の正体に気がついた。深紅の竜が、寄せてきた鼻先。
いたずらにすり寄せ甘えるのではなく、そっと、あくまで自然に触れてみせる。
 暁を背に、いつしか寄り添う。…刹那の、共有。やがて。
 くすくすと、ギルは笑みを零した。
「エステル先生に、怒られたよ。君を尊重しろって」
 唐突に、頬を離す。一転、真剣な眼差し。
「教えて欲しい。伝説じゃない、ありのままの君を」
 両者の視線が今度こそ重なり合う。
 今一度首をもたげた深紅の竜。徐に、胸のハッチが開く。…乗れと、言うのか。
 だがギルは、おかしなことに気がついた。奥の全方位スクリーンに描かれているのは、
周囲の風景ではない。妖しげにうねる、彩り。水彩絵の具をでたらめにぶちまけたような
映像は、まさしく異次元への扉。
 思わず生唾を呑み込む。…だが、その中に答えがあるというのであれば。額の刻印が、
決意に応じて強く明滅する。
 少年に後ずさりする余地はなかった。竜も又同様に、心を閉ざす余地はなかったのであ
る。

 高台の、麓。土煙を上げてビークル、到着。土嚢の間に取り付けられた木製の門の、丁
度真下辺り。そこへ行き着く坂道の幅は、町中に入れても法には問われない3S級ゾイド
(ゴーレムやバトルローバーなど、牛や馬程度の大きさのもの)が歩ける規模のもの。
 その辺一帯よりやや離れたところ。辺りの岩や地面の亀裂に、潜伏するのは異相の男と
鋼鉄の鎧を纏った者達。物陰からそっと覗き込み、ヘルメットの耳辺りのダイヤルを弄る。

 ビークルから颯爽と降り立つ、男装の麗人。…一歩、前に出ようとしたところでふと、
何かを思い出したかの様子で立ち止まる。
「忘れてたわ…」
 言いつつ懐から取り出したのはサングラスだ。暫しそれをまじまじと見つめた後、軽く
溜め息を着きつつ伏し目で掛けると再び胸を張り、進もうとするが。

256 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 11:59:49 ID:???
「動くな!」
 突如土嚢の影から立ち上がった、ボロ切れを纏った男、数人。手にするのはいずれも型
は古そうだが身なりよりも小奇麗に手入れされた小銃だ。纏ったボロ切れの下は重ね着で
着膨れている。
 サングラスを掛けたエステルの瞳は見えない。だが、ゆっくり手を上げてみせた彼女の
様子からして動揺の色は全く伺えない。
 男の一人が前に出る。線の太い、ガッシリとした体格の持ち主。小銃の構えは解かぬま
ま。
「何のようだ」
 低いがよく通る声で、問い掛ける。
「旅の者です。申し訳ございませんが食料とワインを分けては頂けないでしょうか」
 エステルの声もよく通るが、澄み切ってもいた。因みに彼女が水ではなくワインを求め
たのを奇異に感じる読者はいるだろう。だが生水よりもしっかり殺菌処理の施された酒類
の方が安全且つ安価な地域は、地球でも惑星Ziでも案外珍しくない。
「余所者に分けてやる食料などない。帰れ!」

(おいおい、随分な言い方だな)
(だが良い展開だ。さっさと離脱してもらわねば俺達もやり辛い)

「まあ待て、お主ら」
 男達の後ろから割って入ってきたのは、杖をつき、毛糸の帽子を被った老人だ。
「お、親父!?」
「お嬢さん、まさかゾイドも無しに一人旅ということはないじゃろう?」
 老人に向かい、まずは一礼したエステル。
「私の生徒と共に、遠くで待たせております。いきなりゾイドを伴っての来訪は失礼かと
思いました」
 落ち着いた物腰に、誰もがじっと聞き入る。

257 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:01:24 ID:???
「成る程、よくわかり申した。ワインと数日分の食料、それに朝食程度は御馳走できよう」
「親父、いいのかよ!? 昨日の、今日だぞ!」
「馬鹿者。略奪が目的なら礼など尽くさずさっさと仕掛けておるわ。人を見る目は曇らせ
るな。
 生徒さんとやらとゾイドを、お呼びなさい。貧しい村故、大したものは御用意できませ
んがな」
「ありがとうございます」
 深々と、頭を下げたエステル。

(これはまずいぞ!?)
(総大将、如何なさいますか?)
(…俺が合図するまで、絶対にここを離れるな)
 周囲に視線を送りつつ腕時計型の端末を口元に近付け呟くと、すっくと立ち上がる。
(そ、総大将!?)

「御婦人、茶番はその程度にして頂きたい」
 声の主は、エステルより遥か向こう。ザッ。ザッ。石と砂を一歩又一歩と踏み締めなが
ら近付いてくる。軍帽、軍服、マント、ありとあらゆるものが水色に彩られた男。遠目に
もわかる程に背は高い。そして男の異相。守宮のような瞳は、その場にいる者達全ての心
の奥底を覗き込むような凄みがある。
 半身で振り返ったエステル。動揺の色は全く、見られない。
「さて、どちらさまでしょうか」
「俺も聞きたい。『どちらさまでしょうか』…伝説の、魔装竜の主人殿!」
 エステルはサングラス越しに目を見張った。噛み締めた、唇。村人達を振り返ると再度、
深々と頭を下げる。
 向こうで、飛び散る砂利の音。

258 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:02:52 ID:???
「申し訳ございません。折角無理なお願いをお聞きして下さいましたのに…」
「…危ない!」
 叫ぶ男達。だがそれよりも早く。
 振り向きざまに、軽い助走をつけつつ飛翔。
 怪鳥音。交差する、飛び蹴り。
 着地する、二人。体が入れ替わる。エステルは向こうへ、飛び蹴りを仕掛けた異相の男
は逆に村人達の側へと。
「この余所者がぁっ!」
 小銃を振り上げ、或いは突きつけようとする村人達。老人も杖を構える。異相の男、ま
ずは殴り掛かってきた男達に鉄拳の洗礼。強烈なボディブロウに沈んでいく者、一人、又
一人。その三人目をむんずと捕まえると、小銃を突きつけた男達目掛けて突き飛ばす。仲
間の巨体をぶつけられてたちまちバランスを崩す彼ら。老人も思わずへたり込む。
 暴挙に出た異相の男を止めるべく、後方より放たれた拳。エステルの一撃だ。しかしこ
れを振り向きざまに受け止めると忽ちの連打、連打。しかし、応じるエステルの防御も隙
がない。その上しっかりと受け止めつつ反撃するものだから男の拳も休まらない。
 まさに達人同士の応酬。それを老人以下村人達は声を失ったまま見入るより他ない。
 ぶつかり合う、右の拳。骨のぶつかり合う音が響き、ミシミシと、互いの拳が、腕が、
五体が軋む。
「私を倒したら、お目当てには巡り合えないわよ?」
 この激戦の最中でさえ微笑んでみせるエステルの余裕。だが、それは異相の男も同じこ
と。
「魔装竜とギルガメス君の仲は良くないようだな」
「!」
「このまま只で御婦人を逃し追跡を掛けたとしても、彼らの居場所に案内してはくれぬだ
ろう」
「…中々の推理ね。でも貴方、効率悪いわ。よく周囲を見渡してみればいつの間にかお仲
間が沢山隠れているのに、一人でしか戦えないなんて。その上武器も使わないし」
「迂闊に銃弾を使おうものならそれで出自が割れるご時世なのでな。それに、見知らぬ兵
士が村を襲えば国際問題だが、見知らぬ者が辺境で殴り合うだけなら守備隊も、動かん!」

259 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:04:38 ID:???
 拳が、離れた。
 腰のサーベルに手を掛けた異相の男。
 だが、しなやかな動きで男より大きく離れたエステル。右手でサングラスを外す。と、
忽ち妖しく輝く額の刻印、そして凍てつく程鋭い蒼き瞳。翳された、左手。
 目には見えぬが、得体の知れぬ力が迸ったのは村人達の目から見ても明らかだった。両
者の間で抉れる地面!
 しかしこの見えない打撃を、受け止めた異相の男のサーベル。凄まじい力に全身を震わ
せながらも、遂に、渾身の逆袈裟斬り。
 辺り一帯に拡散した、地面の抉れ。…その時既に、エステルはビークルのすぐ近くまで
走り切っていた。
「追えぇーーーーっ!」
 異相の男、絶叫。待ってましたとばかりに岩場や地面の亀裂から飛び出てきた鋼鉄の鎧
を着た男達。ビークルに搭乗し、光学迷彩を解くと次々と追撃に転じる。
「少々、手の内を明かしてやった。知恵が働くなら罠など掛けず、魔装竜のところへ案内
してくれる筈だ」
「了解! 総大将は如何なされますか?」
「言わずもがな! マーブルと合流し、諸君らを追う!」
 腕時計型の端末で指示を出しつつ、走り去った異相の男。
 村人達は一部始終を、只々呆然と見守るより他なかった。よろめきながらも再び立ち上
がる老人。
「…お、お主ら、大丈夫か?」
 痛む腹を抱えながらも、男達は立ち上がった。
「あぁ…どうにか、な。それより親父…俺、古代ゾイド人なんて初めて見たぞ」
 その言葉に頷く老人。
「おお、そうか、そうだったな。それにしても…」
 顔を見合わせる彼ら。
「伝え聞く『魔女』の風貌にそっくりじゃった」


260 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:06:06 ID:???
「…ここ、は?」
 全方位スクリーンを取り囲む異常な色彩感覚の映像が一転、切り替わった時。ギルは深
紅の竜の過去の記憶を追体験していることに気がついた。今、彼らは水槽の中。温い、培
養液の海を竜は気持ち良さそうに泳ぎ回る。ギルは固定器具で座席に括り付けられた状態
であるにも関わらず、相棒と皮膚感覚を共有していた。これも彼の額で輝く刻印の為せる
技か。
 そう言えば、背中が少々むず痒い。…まだ、翼や鶏冠は生え揃っていないようだ。
「君は、人の手で生み出されたゾイドなのか…」
 ギルの問い掛けに答えるかのごとく、靴の音が聞こえてきた。…水槽の、外。何人かが
立ち止まってこちらを見ている様子だが、暗がりで顔が見えない。
「実験は成功のようだな。順調に成熟したら、早速最前線への投入だ」
「勿論でございます。ジェノブレイカーは『死ぬために生まれたゾイド』でありますれば」
「或いは『殺戮と破壊の使徒』か。如何なる生き物にも相応しい『場』というものがある。
楽しみにしておるぞ、ククク…」

(「死ぬために生まれたゾイド」?「殺戮と破壊の使徒」? 一体、どういうことだろう…)
 意味ありげな彼らの言葉が引っ掛かる。が、その時。
 薄暗い全方位スクリーンが突如、明るくなる。と同時に、前方に映し出されたのはこの
辺りの地図。深紅の竜が備える優れた五感がそのまま反映されるものだ。
「何だ、この光の点。…ビークル、か。ってまさかエステル先生!?」

 爆音を上げて、地表すれすれを飛行中のビークルが一台。やや遅れて、執拗に追尾する
ビークルの群れ。着々と夜明けの階段を踏みはじめる朝日に照らされ始め、やがて地平の
キャンパスに描かれ始めたシルエットは実に眩しい。
(…どうしよう、本当に)
 先行するビークルにて思案するエステルの、何とも渋い顔。折角の美貌が台無しになる
程彼女を悩ませる理由は簡単だ。
 時折後方から放たれる光弾を華麗に避けてはいる。だがその間にも巡らす思考が、早く
も堂々回りに陥っていた。
(彼らを振り切るのは容易ではない。…でも、拳を交えてみたからこそ、私にはわかる。
 今のあの子達では、彼奴には勝てない!)

261 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:08:33 ID:???
 一方、追跡する鋼の鎧を纏った兵士達も必死だ。
「とにかく振り切られるな! 足止めして包囲する方向に持っていくんだ!」
 時折群れの左方が広がり、エステルの愛機を狙い撃ちに掛かる。
「その調子だ! ジェノブレイカーは夜行性。ならば東へ隠れることはない!」
 と、そこへ。右方から轟く咆哮、リミッターの回転音。鎧の兵士達が思わず振り返る。
背中に二枚の翼、六本の鶏冠を生やした二足竜。氷上を滑るように地面を断続的に蹴り、
鶏冠からは蒼炎を吹き出しながら疾走。荒野が土砂の波飛沫を上げている。
「隊長、ジェノブレイカーです!」
 一転、不敵な笑みを浮かべる面々。
「よし、後は総大将とマーブルの到着を待つのみだ!」

「先生! エステル先生っ!」
 コントロールパネルに埋め込まれたモニターに、映し出されたのは不肖の生徒。息せき
切って、馳せ参じてきた。
「貴方達、どうしてここに…!?」
「だってこいつ、先生が追われてるって…」
 しまった。頭を抱えるエステル。自分でも気付かぬ内に、深紅の竜が備えるレーダーの
守備範囲内に入ってしまったのか。
「…仲直りは、済ませたの?」
「え、えっと、一応」
「じゃあ、その子の言い分、全部聞いてあげたのね?」
「…え」
「何なの、その『え』ってのは」
「いや、その…」

262 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/29 12:09:57 ID:???
 想像と、期待を遥かに下回る展開。操縦桿を握る彼女の両手が怒りに震えている。だが、
事態は彼女に罵倒する権利さえも与えない。
「!? 来るわよ、左…いや、上!」
 思わず自らの左方を振り向くギル。その方角に突き立っているのはやけに長い金属棒。
そして、それと平行に上方へ立ち上っていく土煙、一条。…相手は、地を蹴った!
「う、えっ!?」
 暁に照らされ、浮かび上がった影。空を見上げる竜と少年が呆気に取られるよりも早く。
 水色のゴドス、落雷のごとき蹴り一閃!
 慌ててレバーを引き絞ったギル。渾身の蹴撃に対し深紅の竜は顎を引き、堅い頭部で受
け止める。だが破壊力は予想以上。水色のゴドスが着地した時、受け止めた彼らも仰向け
に昏倒。
 コクピット内のギルは、前後或いは上下のシェイクを余儀無くされた。
「な、何だよ、今の…わっ!」
 気が付けば竜の首のそばに、立っている敵。
 全身を、横転。その場を土砂が舞う。
 鋭利な爪が、荒野に深々と突き刺さっていた。水色のゴドスは悠然とそれを引き抜くと
後方に跳ねて下がり、再びあの得体の知れない金属棒を手にして構える。
「昨日の雑魚よりは、できるようだな。心して行くぞ、マーブル!」
 異相の男と呼吸を揃え、水色のゴドス、気合の咆哮。
 辛うじて立ち上がり始める、深紅の竜。コクピット内のギルは頭を何度も振ってダメー
ジを軽くするので精一杯だ。
 彼らの屍が、暁の元に晒されようしていた。


263 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:50:40 ID:???
【第三章】

 爆音。轟音。金属音。咆哮に次ぐ咆哮。
 朱の輝きが眩しいレヴニア山脈の方角から、様々な音が谺してくる。只、これらを組み
合わせたとしても、決して優れた楽曲は完成し得まい。ゾイドが、Zi人が殺し合う音に
間違いないのだから。
 東リゼリア村の麓では、老人以下数名の者達が山脈の向こうを見つめていた。と、遠く
からやってきたのは、人のように二本の手と二本の足を備えたゾイドだ。纏うは白い装甲、
両腕は長く、前屈みになって地に拳を打ち付け、その勢いで身体を前方に進ませる。この
歩き方は地球の生物・サルにそっくりだ。しかし頭部は寸詰まりの上、大きな一つ目は逆
に掛け離れた印象を与える。人呼んで独眼猩機(どくがんしょうき)ゼネバスゴーレム。
惑星Ziでゴーレムといえば大抵これを指す。
 老人の元に馳せ参じたゴーレム。精々人の二倍程度の背丈。腹の部分にまで広がる口を
開けると、中には簡単なコクピットが埋め込まれていた。そこからゴーレム自身の手を借
り、地面に立ったのは先程の戦いで老人を親父と呼んだあの男だ。声を掛ける老人。
「どうじゃった?」
「おっ始まってる。『魔装竜さま』と、水色の、変な棒を持ったゴドスだ。
 まさか生きてる内に『魔装竜さま』が拝めるなんて思わなかったが、大分動きが悪いぜ…」
「そうか…」
 老人以下この場にいた村人達は一様に表情を曇らせる。そうするより他、ないのか。

 深紅の竜と水色の小暴君・マーブルとの戦いは、俄に猛獣使いの調教風景の趣を見せつ
つあった。…目前の敵の何倍もの体格を持つ前者は、きっと、間合いを近付ければ掴み掛
かって力技で引き裂いたり、捻り潰したりできるとでも高を括っていたのだろう。だが後
者の立ち回りは凡そあらゆるゾイドの常識を超えていた。
 地を蹴り間合いを縮めようとすれば、あの金属棒で足首目掛けて正確な突き。
 飛び跳ねて頭上を越えようとすれば、すぐさま上半身を倒し背部の銃器で装甲の薄い股
間や膝・足首など関節部分を狙撃。
 転倒したら渾身の後ろ蹴り・ゴドスキックで襲い掛かる。その度、翼を前方に展開して
どうにか防ぎ凌ぐより他ない。

264 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:51:59 ID:???
「落ち着けよ、落ち着けったら! 突っ込むだけじゃ駄目だ。サイドステップ!」
 だが即席のチームでは、こんなにも動きが悪くなるというのか。どうにかなだめつつも
無理矢理な動きはベタベタと地面を踏み鳴らし、まことにぎこちない。
 ベタ足の間隙を縫って、忽ち襲い掛かるゴドスキック。慌てて後方へ下がろうとするが。
「ん、うわっ! な、何故転んだ!?」
 すぐさま顔を持ち上げて相手を見つめれば、そこには背部を見せるマーブルの姿。しな
やかに曲がる尻尾の先端で、金属棒を括りつけている。
「後ろ蹴りに見せ掛けてリーチの長い棒での一撃…はっ!?」
 澱むことなく再度、身体を回転してみせるマーブル。…転倒した深紅の竜にとって、頭
部や胸部ゾイドコアはゴドスキックの格好の標的だ。間に合わぬ、翼での防御の代替は何
とか、両腕で。だが、この圧力は何だ。全身が、軋む。ギルの脳天から足の爪先まで、一
気に貫通する衝撃。
 その上で、深紅の竜の頭や首目掛けて度重なる踏み付け、棒での突き。マーブルの攻撃
は留まるところを知らない。
「ギル、ギル、聞こえて!? とにかくはね除け、立ち上がりなさい! 間合いを維持し
なければ貴方達は勝てない!」
 こちらは依然、追っ手の猛攻を交わすのが精一杯のエステル。乗り手の腕前は彼女が一
枚上手のようだが、相手は数が違う上に何とも執拗。機を見て包囲を目指し、又激突すれ
すれの交差で撹乱を試みる。取り敢えずギル達に指示を出すことはできても、乗機の武装
やあの得体の知れない能力を使う好機が見出せない。
 だが、彼女の劣勢を気に止める余裕すらないのが今のギルと深紅の竜だ。
「は、はいっ! 軸足、狙うよ! …そうじゃない、軸足だって!」
 ギルの指示とは正反対に、踏み付ける相手の蹴り足を右腕で払おうとする。だが見事に
すり抜けられ、却って右腕目掛けて踏み付けられる羽目に。今まさに、この即席チームは
不馴れな連携から自滅への階段を転げ落ちようとしていた。
(どうしよう、どうすれば良いんだ!?)
 唇を噛み締めるより他ないのか。だが、そんなギルの心の声を耳にしたかのように。
 深紅の竜の、背中。通常は六本の鶏冠が覆い被さっている部分。そこが突如、口のよう
に開くと、眩い光の粒が吸い込まれていく。

265 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:53:39 ID:???
「まさか、又…!?」
「止めさせなさい、ギル!」
 荷電粒子砲だ。止めなければ。止めなければ! 止め…な、かったら?
 悪魔の囁き。己が危機に大きく揺さぶられる少年の心。レバーを握りしめる掌が、僅か
な弛み。
「…しまった!」
 竜の口から放たれた、光の槍。反動で、自らの身長程も後退。踏み締める両手両足の爪
と、槍の破壊力によって、地面に深々と傷跡が彫り込まれる。
 思わず目を背けたギル。レヴニア山脈の向こうで岩盤が砕ける音がする。…やってしま
った、やってしまったのか? 恐る恐る、視線を戻してみれば。
 目前に伸びる大地の傷跡中央に、垂直に突き立ったあの、金属棒。…上!?
「ギル、上ぇっ!」
「はっ!?」
 見上げた時には、既にマーブルのゴドスキックが目前に迫っていた。仰向けに、転倒。
一方、この軽妙な水色のゴドスはしなやかな動きで着地し、何もなかったかのように身構
えてみせる。
 敵機の攻撃をどうにか躱しつつ一連の攻防を横目で睨んでいたエステルの、歯軋り。…
幾ら即席チームとは言え、相手が悪い、悪すぎる。
「成る程。当たれば最強だ。…当たれば、な」
 異相の男が呟く言葉の、何と辛辣なことか。こちらは汗一筋も流してなどいない。
 反面、ギルと深紅の竜は、既に息も絶え絶えだ。
「何でこんなに速いんだ? 重いんだ? それに、あの金属棒! 荷電粒子砲ですら傷一
つ付かないなんて…」
「知りたいか? これは『ホエールカイザーの鬚(ひげ)』。ホエールカイザーの口の中
には無数の鬚が生えている。これを使って餌と空気をこし分けるのだ。只、餌はゾイドだ
からな。その硬さも尋常じゃなく、又弾性も見ての通りさ」
 言いながら、ジリジリと後退りする水色のゴドス・マーブル。

266 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:55:46 ID:???
「『そろそろですな、総大将?』」
 ゴドスのコクピット内は深紅の竜のそれとは違い、非常に狭い。外部視認の手段も全方
位スクリーンではなく、キャノピーによる直接視認と立体映像による補助を使い分ける、
実にオーソドックスなもの。その立体映像が異相の男の左右に浮かんだ。右はタートルカ
イザーで待機する初老の高官。左は鋼の鎧を纏ったビークル部隊の隊長だ。
「頼むぞ。…御苦労!」
 前者の言葉は高官に向けて、後者は隊長に向けてだ。
「ロブノル、口部ハッチを開け! ゴドス部隊、出撃。その後、ビークル部隊を回収」
 高官の合図と共に、再び切り開かれた、空間。依然光学迷彩使用中のタートルカイザー
「ロブノル」が口を開くと、内部からワラワラと銀色のゴドスの群れが隊列を組み、疾走
を開始する。その数、二十五匹!
 一方、突如退却し始めたのがビークル部隊だ。訝しむエステル。
「な、何だって言うのよ…まさか!?」
 コントロールパネルを見遣る。レーダー、範囲を拡大。…辺り一帯を取り囲もうとする
無数の光点。
「包囲網! このままでは、あの子達は!?」
 エステルの瞳に映る大小二匹の激突は、今まさに佳境。後退りするゴドスを見て、仰天。
あの挙動は退却の証などではないからだ。事態は悪化どころの話しではない。
「ギルガメス君、君の素質は中々だが、いかんせんゾイドとの相性は最悪だ。
 今わの際に覚えておくが良い。最強のゾイドも最強のパイロットもない、只々、最強の
チームあるのみ。
 …喰らえっ! 機竜、三段蹴り!」

267 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:57:15 ID:???
 後方へ、一際高く飛び跳ねる。地面に突き刺さった金属棒「ホエールカイザーの鬚」を
壁面代わりにし、高角度の三角飛び! 落下点目掛け、伸びるマーブルの蹴り足。
 轟音。
 どうにか立ち上がった深紅の竜目掛けて、余りに酷な蹴撃。際どいところで展開された
翼。だが蹴りの重みは半端ではない。鈍い金属音。起立早々にふらつく足元。
 後方へ飛び退くマーブル。だが着地点は地面ではない。…バネのように揺れる金属棒。
その反動を頼りに!
 轟音、再び。
 襲い掛かる蹴りは更に重く、しなやか。…深紅の竜が、膝をつく。翼の防御が、解けた。
 再々度後方へ、飛び退くマーブル。
 轟音、三たび。
 とどめの一撃はやはり後ろ蹴り・ゴドスキック。バランスを崩し回復もままならない深
紅の竜の首目掛けて、遂に炸裂。
 ゆらり、仰け反る深紅の竜。そのままゆっくりと、大の字に倒れた。
 マーブルは後方へ見事な宙返りを見せつつ着地。すぐさま背後の金属棒「ホエールカイ
ザーの鬚」を地面から抜き取ると両手で構えてみせる。
 深紅の竜はぴくりとも動かない。その元へ、飛んできたビークル。
「立ちなさい! …立てぇぇーーーーっ!」
 モニターに向かって。或いは目前の本体に向かって。怒鳴るエステル。だが深紅の竜は
ピクリとも動かない。
「御婦人、そこまでだ」
 マーブルから発せられた異相の男の声に対し、機体を真正面に向け、不甲斐無い生徒達
を背負ってみせたのは不退転の決意の現れ。しかし劣勢は、如何ともし難い。
 と、そこへ。彼らを取り囲むように立ち上った土煙。…銀色のゴドス、二十五匹の包囲
網。
「射撃、用意。目標、『魔装竜』ジェノブレイカー」
 抑揚のない声で下された異相の男の指示。波打つように、銀色のゴドス達は腹部の銃器
を一点に向けてみせる。

268 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 00:59:01 ID:???
「…いいの、貴方達?」
 流れゆく、朝焼けに焼かれた鰯雲。エステルは、背後の生徒達に問いかける。
「私は構わない。千年前に一度は捨てた身だしね。
 でも、貴方達。折角の出会いを、可能性を、台無しにしたままこんなところで野垂れ死
んでしまって本望なの?」
 サングラスを、懐にしまう。拘束を解かれた蒼き瞳は真っ赤に充血してはいるが、決し
て涙を流したりはしない。額の刻印を眩く明滅させ、ゴドス達をひと睨みする。
「撃てぇっ!」
 異相の男の容赦ない号令が、谺した。

 深紅の竜のコクピット内で、ギルは惚けていた。眼前に敵は、見当たらない。…視界の
外に、いるだけだ。何しろ彼らは仰向けのまま、立つこともままならぬのだから。
(これ、で、終わり…?)
 視界を、灼けた鰯雲が覆い尽くす。
(…や、だ)
 雲を払い除けようとするが、肝心の右手が持ち上がらない。
(嫌だ、嫌だ、いやだっ、いやだぁっ!)
 無理矢理手を伸ばし、雲を引き裂いた時。突如、切り替わった全方位スクリーンの映像。
 鰯雲の一変。…立ち篭める黒雲。光閉ざされた、頭上は曇天。
 これは如何にと身を持ち上げようとしたギル。意外にも、今までのダメージが嘘のよう
にふわりと持ち上がる。それに合わせて、九十度回転してみせた全方位スクリーンの映像。
 姿勢を戻した時、ギルは状況の激変に初めて気が付いた。
 死屍、累々。人の骸も、ゾイドの骸も。それらが見当たらぬ箇所には流血、或いはどす
黒い油が。不意に、口を押さえたギル。完全密閉されたコクピット内であるにも拘らず、
腐臭が鼻につき、吐き気をもよおさせる。
「ここは…」
 その答えを指し示すものが、曇天を引き裂く雷鳴と共に現れた。稲光りによってシルエ
ットしか見えないが、それだけでもギルには十分だ。…あの四本足、それに巨大な頭部。
所謂高速ゾイド「ライガー系」の仲間か。それが、三、四、五…え、一体どれだけいるん
だ!?

269 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 01:00:52 ID:???
 何度目かの、落雷。それを合図に、一斉に地を蹴った四本足のゾイド達。
 対する深紅の竜。何ら動じるところを見せず、徐に翼を広げたかと思うと。
 一気の、疾駆。土の代わりに骸が舞う。
「ば、馬鹿ぁっ! そんな大軍相手に何しようって…!?」
 慌てて両手を力ませる。ところが。何の手応えもなく、易々と引き絞れてしまったレバ
ー。不意の事態に何度もレバーを動かしてみるが、両手の感触も目前の風景も、何らの変
化も生じてはいない。操縦系統の異変を知らせるエラーメッセージは全く表示されないの
だから、故障では無さそうだ。
 一連の現象は、何だ。この気難しいゾイドが思い描く夢のようなものか。
 いやそれとも、僕自身が夢現つでコクピット内にいるということなのか。
 襲い掛かるライガー達。翼の内側から双剣を展開した深紅の竜。鮮やかな横斬りは宙に
弧を描き、半径に収まったライガー達の足を、尽く薙ぎ払ってみせる。返す刀で、額のキ
ャノピーを、或いは腹部のゾイドコア部分を砕き、貫く。その戦いぶり、まさに残忍。ま
さに狂乱。
「止めろ! そんなことしたら、ゾイドも人も死んじゃうよ! 止めろ、止めろってば!」
 無反応なレバーを、それでも懸命に引っ張った時。不意に視界が、雨で、濡れた。…い
や。
 これは、涙。わけもわからず肩で、腕で拭ってみるが留まるところを知らない。こうも
止め処なく溢れる涙とは一体なんだ。そこに思い至った時、ギルは涙の正体を直感した。
 深紅の竜の、依然伝え得ない気持ち。それを、人の生理を刺激する形で無理矢理にでも
伝えようとしたのだ。つまりこのゾイドの真意は…!
 後方から飛び掛かる、別のライガー。それを振り向き様に口を開けば、放たれたるは光
の槍。忽ち串刺しとなって墜落する。だが追撃は八方、十六方から。それらにはたった今
出来上がったゾイドの骸を投げ付けると、返す刀で光の槍、槍、槍。
 今再び、辺りを覆う静寂。曇天を仰ぐ深紅の竜。雷鳴と、咆哮だけが響き渡る。
 勝鬨であるわけがない。
 これは、慟哭。他に表しようもない、己が真意。ギルの瞼から溢れる涙も勢いを増すば
かり。

270 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 01:03:44 ID:???
「そんなに、辛かったのか…」
 今ここに立ち尽くすのは、激しい気性や優れた身体能力などという、Zi人の勝手な都
合で戦場に駆り出された一匹のゾイドに過ぎない。己が生きていけさえすれば、それ以上
の殺戮を重ねる理由は何もないというのに。
 やがてポツリ、ポツリ。癒しの雨音。傷付いた竜の心を洗い流すかに見えたが。
 落雷と共に、再び浮かび上がったシルエット。今度はライガーか、それともゴジュラス
か。しかしそのようなことなど問題にしない…できない深紅の竜。翼を水平に構え直し、
腰を落として力を溜める。
「止めろよ…」
 骸を踏み散らかして、助走。ギルの呼び掛けなど、最初から聞こえていないのか。
「馬鹿! 止めろってば!」
(馬鹿ゾイド! 父ちゃんを返せ!)
「…え」
 全方位スクリーン一杯に迫る小石。卵。それから…。
(何が「決戦ゾイド」よ! 夫を返して!)
 罵声を浴びせ、物を投げ付けるのは古めかしい民俗衣装を着た女子供だ。皆、顔に入れ
墨をしている。出身部族を表したりするこの風習は、ヘリック共和国の強引な「民主化政
策」の名の元に相当昔、禁じられた筈だ。ではこの映像は…!
(お前なんか、死んでしまえ!)
「ちょ、ちょっと待っ…」
(粉砕、千。大破、五百。素晴らしい。実に素晴らしい。まさに「殺戮と破壊の使徒」)
 いきなり切り替わった映像。
(スリーパーでもこの戦果だ。次の戦闘も期待しているぞ?)
 白衣を着た者、それに、軍服を嫌味な位折り目正しく着こなす者。
(ん〜? 何だ、その顔は? 明日の朝日を拝みたいなら、今まで以上に殺せ!)
「む、無茶苦茶…!」
 言うなよ、と続けようとしたギル。だが怒声は、簡単に掻き消された。
(死ね! 死ね! 死ね! 死ね!)
(殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!)

271 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 01:05:42 ID:???
 全方位スクリーンを、女子供が、軍人や学者共が埋め尽くす。
 激変する映像はギルの口を真一文字に結ぶゆとりすら与えない。これが…これが僕と、
君との間の深い溝、か。あんなに拗ねてみせたのは、僕の無知さ加減に絶望したからなの
だな。君自身の過去を受け止め切れる器じゃないと。
(死ね! 死ね! 死ね! 死ね!)
(殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!)
「止めろ…」
 掻き消される。だがそれでも。
(死ね! 死ね! 死ね! 死ね!)
(殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!)
「だから、もう止めろぉっ!」
 汗で吸い付いた両手のレバーをかなぐり捨て、抱き締めた、上半身の固定器具。
 映像が、止まった。
「自棄(やけ)に、なるなよ…」
 それは愛しい人の慟哭を宥めるかのように、強く、そして優しく。ふとギルの瞼を見れ
ば、断ち切られた涙。
「僕が、全て受け止めてあげるよ。…怒りも、悲しみも。そして、分かち合おう、喜びを。
 ジェノブレイカーの名前は今日限りだ。これからは只の『ブレイカー』、呪われし運命
を共に砕き、切り拓こう!
 だから『ブレイカー』! 僕の、ゾイドになれぇっ!」
 ギルの叫びと共に、全方位スクリーンを光が包んだ。

 解けた光。
 再び、灼けた鰯雲が眼前を覆い尽くす。
 砲声、乱打。…怒濤のサイレンに、我を取り戻したギル。スクリーンの、向こうに映る
人は!

272 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 01:07:46 ID:???
 深紅の竜を守るべく、宙に留まるビークル。その機上ではエステルの仁王立ち。明滅す
る額の刻印。己が持つ超常の力でゴドス二十五匹による一斉射撃を防ぐつもりだ。一か八
か、自らの心身が持ちこたえられる保証もないが、それでも彼女に迷いはない。
 だが、彼女の死を賭した挑戦は、ギリギリのタイミングで回避された。
 乱れ撃つ、金属音。…それはついさっきまで己が肉体に浴びせられるはずだった、あの
砲声の成れの果て。
 深紅の竜は翼を広げ、彼女をビークルごと覆い隠していた。自身は装甲の薄い部分を蹲
って極力庇う。
「ギル…あ、貴方達…!?」
「先生、すみません。たった今、『ブレイカー』と…」
 初めて指し示された相棒の名。不肖の生徒の言葉に彼女の涙腺が緩みかける。しかしそ
れも束の間、更なる銃撃の雨。その度、コクピット内で揺れ動くギル。振り子を逆さまに
見るようだ。
「うわっ!? あ、あれっ!? 一体、どうなってるんだ?」
「ギル…貴方、刻印は?」
「え、刻印? あれ?」
 額に手を当てるがあの妙な熱さはどこへやら。あの不思議な光景を目の当たりにした時、
彼は意識を失い刻印も消失していたらしい。
「…どうやら、本当に死ぬ一歩手前でわかり合えたみたいね。
 OK、ギル。ならば、私の瞳を…」
 美貌の女教師の刻印が、蒼き瞳が光輝を湛える。スクリーンの向こう、導く彼女と視線
が重なった時。

273 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 01:08:47 ID:???
「『例え、その行く先が』」
「『いばらの道であっても、私は、戦う!』」
 二人の声が揃うと、ギルの額にも浮かび上がった刻印。
 不完全な「刻印」を宿したZi人の少年・ギルガメスは、古代ゾイド人・エステルの
「詠唱」によって力を解放される。「刻印の力」を備えたギルは、魔装竜ブレイカーと限
り無く同調できるようになるのだ!
 深紅の竜の、唐突な、跳躍。異相の男にすらまるで動きが読めなかったのは無理もない。
相手の動きからは力の溜めが一切伺えなかったからだ。慌てて「ホエールカイザーの鬚」
を繰り出すものの、虚しく宙を斬る。
 群れの囲みをいとも易々と飛び越えたブレイカー。辺りを骸ではない正真正銘の土煙が
舞う中、その掌からはビークルが悠然と離れていく。
「さあ貴方達。仲直りの証、見せてもらうわよ?」
「はいっ! ブレイカー、行くよ!」
 暁を背に、浮かぶ二十六匹のシルエットは忌わしき死神の葬列。
 片や、暁に照らされ始めた魔装竜ブレイカー。深紅の身体はまさしく地上の太陽。
 目指すは勝利、そして過去との決別。決戦の火ぶたが、遂に斬って落とされた。


274 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:05:24 ID:???
【第四章】

「二十六対一で挑み掛かるとは、お主ら正気か?」
「二十六対一だから、友達を見捨てろって言うのかよ!」
 散開する銀色のゴドス部隊。急進するブレイカー。ビークルが後に続く。
 ゴドス部隊は瞬く間に陣形を整えた。三重の、鶴翼陣。断固として突破を許さぬつもり
だ。
 一方、改めてブレイカーとのシンクロ(同調)を果たしたギル。突き抜ける風は、実に
爽やか。
「ブレイカー? 囲みを突破して、さっさとここをお去らばしよう。エステル先生、どう
ですか?」
「同感ね。この子の決意が鈍る前に…」
 そう彼女が答えた途端、振り向いて抗議の鳴き声を飛ばすブレイカー。深紅の竜の決意
は、本物だ。苦笑し手を上げてエステルは謝罪する。
「おっと、そうはさせるかぁっ!」
 上方からは飛び蹴りの、やや遅れて下方からは横隊で決めるゴドスキック「草刈り鎌」
の雨。だがそれよりも早く。
 翼を前方に展開し、ブレイカー、跳躍。
「飛び蹴りが、伸び切って打点に到達するより前に…!」
 押し返す、渾身の力で。敢え無く吹っ飛ばされるゴドス達。草刈り鎌のゴドス達を飛び
越え、着地したブレイカー。
「おのれ、味な真似をぉっ!」
 振り向き様、再度の草刈り鎌。だがブレイカーも振り向き様。
 長い尻尾を、力まずに旋回。忽ち巻き込まれ、横倒しになるゴドス達。尚も続く草刈り
鎌には、翼での回し打ちで応戦する。技を放つ度、こうも的確に命中するとは一体何が変
わったというのか。
「あれが、あの子本来の力。理解し合える友を得た今、動きにためらいがない…!」
「ええい、遠巻きに銃撃だ!」
 陣形の最後尾が放つ乱れ撃ち。流石にこれは躱し切れず、装甲に守られない首や肩の関
節部分に命中する。途端に、朱に染まった全方位スクリーン。

275 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:06:58 ID:???
「これは…んうぅっ!?」
 首元を走る激痛。一帯を覆うぬるりとした感触。…血だ。ブレイカーが傷付いたと同時・
同箇所にギルも傷付いている。
「怯んだぞ! 今だ…うわっ、ど、どこから!?」
 今度はブレイカーの後方から、ビークルの支援。…長尺の対ゾイドライフル。エステル
の正確な射撃がゴドスの銃身を一門、又一門と粉砕していく。
「ギル、ギル、聞こえて? シンクロが極限まで達すると、ブレイカーの負傷が貴方の身
体にも再現されるわ!」
「そ、そういうことはもっと早めに言って…あ、ブレイカー、シンクロ率は下げなくてい
いよ!」
 ギルの負傷に応じてシンクロ率の低減を示唆したブレイカー。だが肝心のギルがそれを
押し止める。
「約束したじゃないか、『全て受け止める』って。さあ、この調子で…」
「調子に乗るな、この若僧があぁっ!」
 飛翔、空からの猛撃は水色のゴドス「マーブル」の飛び蹴り。翼を交差させて受け切る
ブレイカー。
 着地し早々に「ホエールカイザーの鬚」を構えたマーブル。苛立つ異相の男。対する全
方位スクリーン内。ブレイカーは伝えてきた、己が体内に埋め込まれた武器の名を。
「わかった、じゃあいくよ! 翼のぉっ!」
 水平に広げた翼。内側から双剣、展開。
「刃よぉぅっ!」
 左、右と華麗に薙ぎ払う。しかし敵も去るもの。一撃一撃を確実に捌き、隙あらば突き
技のお返しだ。
 何度目かの突き返しを凌ぎ、間合いを取る。蟹歩きで隙を伺う内に、次第に二匹の周囲
を覆う、近寄り難い雰囲気。
「これで、ようやく五分か…。ブレイカー、あの『ホエールカイザーの鬚』をどうにかし
たいんだけど…」
 そう言った直後、ギルはしまったと思った。荷電粒子砲でさえどうにもならなかったの
に。
 だが、ブレイカーの返事は意外。

276 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:08:25 ID:???
「成功率…50%。五分前だと…値が低すぎて算定不可能って、凹むようなことを言うな
よ…。
 でもいいよ、やってみよう。今の君となら何だってできる気がする」
 じりじりと、足場を固める両者。そして、不意の、助走。
 咆哮する鋼鉄の竜、二匹。
「いい加減に、眠れえぇっ!」
 マーブル、低い姿勢で「ホエールカイザーの鬚」の急所突き。狙うは魔装竜ブレイカー
の胸部コクピット。
「眠るのは、飽きたってさ! エックス!」
 一直線に迫る「ホエールカイザーの鬚」目掛けて、袈裟掛けに斬り付けられた右の「翼
の刃」。飛び交う、火花。
 勢いを殺された金属棒に対し、間髪を置かず。
「ブレイカーっっ!」
 左の「翼の刃」での袈裟掛け。轟音。火花の軌跡。そして、双剣の軌跡と共に。
 叩き折られた「ホエールカイザーの鬚」。後方に吹っ飛んだ片割れ。宙に何度も円を描
きながら大地に突き刺さる。前のめりになったマーブル。
「『エックスブレイカー』だと!? 最速の、二連撃かぁっ!」
「そこだぁぁぁぁっ!」
 腕を振り上げたブレイカー。このまま、奴の首を押さえ付ければ…!
「させるか、たわけぇっ!」
 半分になった「ホエールカイザーの鬚」を両手で水平に翳し、尚も魅せるマーブルの凌
ぎ。力と力の攻防。ミシミシと軋み始める両者の腕。二匹のゾイドの全身のリミッターが
解放され、周囲に火花を巻き散らす。…ギルと、ブレイカーの驚き。如何に体格差がある
とは言え、中型ゾイドの腕力を押し返すなんて。一方異相の男も驚嘆していた。よもやこ
の土壇場で、ここまで成長してみせるとは。
 紅と青、二匹の竜の鍔迫り合いが暁を背にシルエットを浮かべた時、この二十六対一の
決闘は最高潮に達したかに見えた。しかし。
「そこのゾイド! 至急戦闘行為を止めよ!」

277 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:10:45 ID:???
 遂に昇った朝日の向こうから、やってきたのは三匹の四足竜。表皮は赤いが、ブレイカ
ーのそれよりは落ち着いたワインレッド。胴は長く足も短い。とてもじゃないが俊敏な動
きは期待できそうにない。だがその代わりに巨大な兜を被り、鼻先の一本角と錣(しころ)
の四本角が必殺の突撃を、長い背中にありったけ積んだ銃器が鉄壁の守備を暗示する。人
呼んで「紅角石竜」レッドホーン。
 辺りにいた二十七匹と二十八人が一斉に振り向く。
「リゼリア守備隊である! 付近住民から被害届が出ている。双方、退けぇっ!」
 レッドホーン達の傍らには、数匹のゴーレムが随伴していた。開かれた口を見て気付い
たエステル。あの、東リゼリア村の民だ。老人の姿も見える。尽力してくれたであろう彼
と目が合い、女教師は軽く会釈した。
「総大将! 増援はたかがレッドホーン三匹です! このまま…」
「馬鹿もの! そのたかが三匹とぶつかれば立派に国際問題だ!」
 ゴドスパイロットの提案を一言の元に退ける異相の男。
 依然ブレイカーと鍔迫り合いが続く中、不意に開いたマーブルの頭部キャノピー。敢然
と立ち上がった彼は、少しも臆することなく目前の宿敵を睨み付けるとサーベルを引き抜
き、辺りに響く程大喝。
「見事だ、少年。そして忌わしき魔装竜。
 だが、所詮は『殺戮と破壊の使徒』…!」
「『ジェノブレイカー』の名はもう捨てた!」
 怒声と共に、今度はブレイカーの胸部ハッチが開いた。マーブルの頭部よりは低い位置。
だが見上げて睨み返すギルの瞳にも、怯んだ様子は見られない。
「今は『ブレイカー』だ。
 僕らは運命を、砕き、拓く!」
「…その意地、どこまで貫き通せるか見せてもらうぞ。
 我らは『水の軍団』、我が通り名は『水の総大将』!」
 サーベルを鞘に戻し、マントを翻す。途端に閉じたキャノピー。全身のバネを使って後
方に跳ねたマーブル。大地に突き刺さった金属棒の片割れを引き抜き、そして返した踵は
撤退の合図。

278 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:12:41 ID:???
 マーブルを追い掛けるように、銀色のゴドス部隊が続く。それをじっと睨み付けていた
ギル。やがて全方位スクリーンの視界から消え去った時。地平線の向こうでぼんやり点が
浮かんだかと思うと、それは急速に空高く飛び上がっていく。…タートルカイザーだ。遠
ざかっていく座標を暫し見つめていたが、やがて大きな溜め息と共に、全身を脱力。彼は
ようやく、戦闘終了を実感した。
 と、その時彼は、首元が痒くなる感触を覚えた。…そっと、触ってみる。
「瘡蓋〔かさぶた)…? 何でこんな、急に…」
「『ゆりかご機能』よ、ギル」
 声の主は、ビークルでブレイカーの脇に近付いてきた。
「シンクロの負担は大きいけれど、それを減らす能力も持ってるわけよ。
 余りダメージが大きいとパイロットを強制睡眠させてしまうこともあるけどね」
「な、成る程。だから『ゆりかご』…言われてみれば、ちょっと身体が軽くなったよう、
な!?」
 いきなりハッチが開いたかと思うと、固定器具が勝手に外れ、大きな爪に引っ張り出さ
れる。
 ギルは今、ブレイカーの掌中だ。腰の辺りを絶妙な握力で掴まれている。
「え? な、何?」
 まじまじと、主人を見つめるブレイカー。そして、何をするかと思えば。
「…ひゃっ!?」
 冷たい鼻先を、ギルの頬に寄せる。
「わっ、馬鹿っ、ブレイカー冷たいって…あっ」
 狂おしい程に。頬を、首筋を、胸元を。
「ちょっ、ちょっとそこは…あひゃ、あひゃひゃひゃひゃ!
 先生、た、助けて…頼むから…うひゃぁ!」
 なんとも情熱的且つ一方的な愛情表現に暫し口を押さえ笑っていたエステル。だが流石
に不肖の生徒が可哀想に思えてきた。彼らのそばに近付き諭す。

279 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:14:15 ID:???
「ほら、ブレイカー? ギルがもう止めてって言ってるわよ?」
「そ、そ、そうだ! ブレイカー、君はふしだらだ!」
 深紅の竜は、ギルの一言に小首を傾げる。
「そんな難しい言葉、この子にはわからないわよ…」
「えっ、はい…ぶ、ブレイカーの、エッチ!」
 ピィと一声、「我が意を得たり」とばかりに気持ちよく鳴くと、愛撫の再始動。それに
しても、あれ程反発し合っていた彼らが、こうも変わるものなのか。美貌の女教師は不肖
の生徒の資質を確かに感じ取っていた。
「だから、見てないで止めさせて…ぶ、ブレイカー止めて止めて止めて〜!」

 既に陽は、家によっては朝食を済ませているだろう程に高くなっていた。
 東リゼリア村の麓では、地べたに椅子とテーブルを並べたごくささやかな宴席が設けら
れていた。…人に限った宴ならば村の中ですべきだろうが、ゾイドが加わるとなるとそう
もいかないのである。
 だが一方の主役・ブレイカーは宴席の向こうで身体を丸め、気持ち良さげに眠っていた。
無理もない、本来は就寝している時間帯であり、何より先程の戦いはこのゾイドを随分疲
れさせたと推測できる。だが、それでも大いに満たされたらしく、深い寝息は実に静かだ。
 深紅の竜の安眠の原因は、テーブルの上座でゼェゼェと荒い呼吸を依然繰り返していた。
汗びっしょりのギル。疲労感はある意味先程の戦闘以上。着替えは済ませたみたいだが、
大きめのパーカーを肩に、バスタオルを首に掛けて汗を拭い、身体を冷やさぬようにして
いる。いずれもエステルがビークルに積み込んだトランクの中に入っていたものだ。彼女
の準備の良さに、不肖の生徒は舌を巻かずにはおれない。

280 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:15:48 ID:???
 女教師の如才なさはこの宴席でも如何なく発揮されていた。ギルと共に上座に着席した
彼女(この場ではサングラスを掛けている。眼光鋭いあの瞳を彼女は殊の外気にしている
ようだ)に、問いかける者がいた。くたびれた軍服にちょび髭のこの男は守備隊の隊長と
名乗り、入国の経緯について尋ねてきたのだ。驚くべきことに、先程の戦闘に大喝して割
って入ったのはこの男らしい。(そう言えば、僕らはパスポートも無しに民族自治区とは
言えよその国に入国しちゃったのだけれど、どう説明するんだろう)内心ハラハラしてい
たギルだったが、エステルは何ら動じることもなく、トランクから何か取り出した。…二
通のパスポートだ。しかも御丁寧に写真まで張ってある。(偽造!?)思わず声が出そう
になるギルを、目配せして静止しつつ、事情を朗々と語ってみせる。内容は、目前のパス
ポートに掛かる根本的な大嘘と少しの細かい嘘を除けば、周囲を納得させることができる
ものだった。
「成る程、レヴニア山脈で隠遁生活を送っていた貴方とお友達の赤いゾイドは、ジュニア
トライアウトを不当な理由で不合格となったギルガメス君と出会い…」
 メモを書きつつエステルの様子を伺うちょび髭の男。だが微動だにせぬ彼女。
「師弟の契りを交わし、トライアウトに再挑戦すべくリゼリアに入国した、と。それは大
変でございましたなぁ…」
 正直、ギルは良心の呵責に耐えない。そう訴える視線をエステルに投げ掛ける。すると
横目を向けた彼女は囁いた。彼にしか聞こえぬ程の小声で。
(そう思うなら尚更頑張りなさい。胸を張って謝ることができるまで、ね)
 不肖の生徒は腹を括るより他になかったのである。
「トライアウトなら来月中頃にリゼリア近くでやるのじゃろう?」
 老人の言葉に、ちょび髭の男が補足する。
「左様でございます。お二方、リゼリア民族自治区では治安向上の一環としてゾイドバト
ルを推奨しておるのですよ。トライアウトも年間四〜五回行ないます。お察しの通り受験
費用も共和国と比べれば遥かに格安ですから…」
 二人の言葉に顔を見合わせる師弟。急に、道が開けた思いだ。

281 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:18:28 ID:???
「親父! パンが焼けたぞ!」
 ゴーレムの口に乗りつつ高台から降りてきたのは老人の息子だ。両腕一杯の大きな籠に
長尺のバゲットを沢山入れている。当初エステルらへの援助を頑なに拒んでいた彼は、今
度は打って変わって歓迎の姿勢を身体で表してみせたのである。
「息子はリゼリアでも少しは名の知れたパン職人。どうか召し上がってやって下さい」
「『少しは』は余計だって。ささ、お嬢さんも坊ちゃんも沢山食べてくれ」
 焼き立てのパンの香りに腹の鳴る音が二重奏。
「そう言えば、昨日の夕方から何も食べてばかったっけ…」
 ギルの一言に一同、笑みが溢れる。
 エステルは思う。道は、開け始めた。しかしあの得体の知れぬ連中の正体に手掛かりが
ない今、彼らによっていつこの平穏の時が破られるのかも知れない。だが、それでも今は、
この時を祝おう。
「それでは、チーム・ギルガメスの結成を祝って、乾杯!」
 チーム・ギルガメスの戦いは、始まったばかりだ…。

 高度上昇を続けるタートルカイザー「ロブノル」。リゼリアからの退却手段は他に手立
てがなかった。何しろ目前にはレアヘルツに覆われたレヴニア山脈が聳えている。迂回し
ようにも既に日中故、目立ち過ぎる。残るはレアヘルツの影響を受けない遥か上空にまで
逃れた上で、山脈越えを果たすより他ない。
「あ、総大将。お疲れでございました」
「御苦労…」
 頭部・指令室へと向かう通路で初老の高官が出迎え、追随する。上司の口数の少なさ、
それに滲み出る表情から先程の作戦が如何に不本意な結果だったのか、伺い知れた。
 やがて自動ドアをくぐった二人。目前にドーム上の広大な指令室が広がる。
「リゼリアに潜伏中の同志を至急、呼び出せ!」
 怒鳴りつつ、自らは室内中央・円錐状に盛り上がった部分の頂上まで駆け上がる。
 忽ち、緩やかな曲面で構成された天井の壁に、網目模様が張り巡らされる。そのマス一
つ一つに浮かび上がってきたのは…影絵。人の、胸より上のシルエットだ。

282 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:20:54 ID:???
「これは総大将。通信の上でとは言え我らを至急召集とは、如何致しましたか」
 影絵の一人が切り出す。
「水の軍団創設以来の非常事態だ。
 一つ、ジュニアトライアウトを不合格に『処された』少年・ギルガメスがリゼリアまで
逃亡した。
 二つ、ギルガメスは既に『刻印』を発動し、レヴニア山脈に潜伏していた魔装竜ジェノ
ブレイカーを手なずけた。
 三つ、彼らには古代ゾイド人の女が手を貸している。ギルガメスが刻印を自在に操るの
も時間の問題だ」
 「水の総大将」の一言に、ざわめく影達。
「何と。追撃はされなかったのですか」
「…我が『マーブル』を加えゴドス二十六匹がたった一匹に遠ざけられた。実に恥ずかし
い話しだ」
 影達のざわめきは大きくなる一方。それを遮るように怒鳴る「水の総大将」。
「諸君らにはリゼリアに潜伏するテロリストの暗殺という重大な使命が託されていたが、
今やそれどころではない。彼奴を放っておけば後々、惑星Ziの平和を乱す元凶となる。
特定の能力・戦法では俺とマーブルをも凌駕する諸君…『暗殺ゾイド部隊』が適任だ。
 よってここに命じる、『チーム・ギルガメス』を潰せ!」

283 :魔装竜外伝第二話 ◆.X9.4WzziA :04/12/30 13:26:24 ID:???
「ならば一番手は私めにお任せあれ」
 早速名乗りを上げた影の一人。ひどく嗄れてはいるが良く通る声。思いのほか若そうだ。
「おお、毒蠍機ガイサックのジンザ! やってくれるか!」
「必ずやチーム・ギルガメスを潰し、首三つを届けてみせましょう。我に秘策あり」
「頼んだぞ、ジンザ。惑星Ziの!」
「平和の、ために!」
 ジンザと名乗ったシルエットと「水の総大将」が敬礼を交わす。ここに新たな刺客が放
たれた。
 チーム・ギルガメスの戦いは、始まったばかりなのだ!
(つづく)

【次回予告】

「ギルガメスに立ち塞がった戦士は束の間の喜びも許さぬのかも知れない。
 気をつけろ、ギル! 蠍の狙いが踵(かかと)だけとは限らない!
 次回、魔装竜外伝第三話『暗殺ゾイドは地獄の底から』 ギルガメス、覚悟!」

魔装竜外伝第二話「僕のゾイドになれ!」は以下のレス番号で御覧頂ける…筈です。

http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1101864643/242-283n

284 :鉄獣28号:04/12/31 17:21:56 ID:???
>>魔装竜シリーズ作者さん
今色々忙しくてなかなか出来ない状況にあったのですが、今日ようやく拝見させていただきました。
主人公がブレイカーを乗りこなすまでの経緯や敵の作戦や計画などが細かく描写されていて良かったと思います。
”強いが故の苦労”と言う物もありましたし。かつてブレイカーに殺されたであろう人々の怒りとか。
しかし、戦い終わってつかの間、また新たな刺客が放たれた様子ですし、
次回を楽しみに待たせて頂きます。

それと、現在463KBなので、本編書き込みは次スレに持ち込みと言う事で、
次スレを立てようと思います。
ただ、立てられない可能性もあるのでその時は誰か他の人がやってくれると嬉しいかな?

あと残りのわずかな容量分にはおまけ話を書いて見たいとも考えています。

285 :鉄獣28号:04/12/31 17:30:37 ID:???
次スレ立てました。

自分でバトルストーリーを書いてみようVol.18
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1104481409/l50

286 :恐怖の亀裂の作者:05/01/01 00:53:03 ID:???
そ〜っとあけましておめでとうございます。

鉄獣28号さんへ

新スレ乙です。ついでに本文の32文ロケット砲は故ジャイアント馬場氏のドロップキックなので一応安全です?
解りにくい物を引っ張り出して申し訳あありません_| ̄|○

◆.X9.4WzziA さんへ

恐るべしホエールカイザーの髭。髭の癖に重金属の塊は最早反則に近い一品。
何処かのパーツショップに売っているとしてもとても高そうな気がします。ホエールカイザーを捕まえるのも苦労しそうですし。
何とか退けたという状態のギル。次の相手も強力な切り札を持って居そうでガクガクブルブル。

287 :戦えガミーくん:05/01/01 23:08:54 ID:???
ブルーシティーの平和を守る治安局のチーフであり、数少ないゴジュラスギガパイロットでもあるガミーにも悩みはあった。
「最近どうも活躍できない・・・。」
確かに治安局は街の治安を守る事が第一であり、活躍するしないの問題では無い事は間違い
無い。しかし、彼は男として自分に何かが足りないのでは無いかと考えていたのだ。
「どうしましたチーフ?」
「いや・・・何でもない・・・。」
いつになく元気の無いガミーに部下であるチャオがそう声を掛けるが、やはり彼に
いつもの堂々とした態度が見られないのは誰の目にも明らかであった。
「思って見ればここ最近不振続きだよな〜・・・俺って・・・。」
彼は机に寄りかかりつつ、ため息を付いていた。確かにブルーシティー治安局の業績は決して
悪く無いし、検挙率が低下しているワケでは無い。しかし、ガミー自身と彼の搭乗する
ゴジュラスギガの戦果は彼にとってはどうも上手く言ってはいなかった様に思えたのだ。
ここ最近の彼の活躍しなさっぷりは誰もが呆れる程であり、街中を我が物顔で走り回る
ライガーゼロを幾度と無く取り逃がし、犯罪が発生したとしても彼のギガが到着する前に
逃げられてしまう。やっと彼等の活躍する機会が訪れたかと思ってみれば、アイアンコングにすら苦戦すると言う醜態をさらしてしまったのだ。
「ああ・・・、あのブルーシティーにガミーありと言われた頃が懐かしい・・・。」
彼は机に額をこすりつけながらその様に唸っていた。そして彼の頭の中ではかつてブルーシティー一体で大活躍していた頃の自分を思い出していたのだ。

「だぁぁぁもぉぉぉぉ!!!このクソったれがぁぁぁぁ!!!」
「ガミーさんもうその辺にしときなよ・・・。それにしても緑茶で酔っぱらうなんて変わってるね〜・・・。」
「うるぜぇぇ!!!!俺ぁ場の空気と雰囲気に酔ってるんだよぉ!!」
その日の夜、ガミーは一人何故か大衆食堂で飲んだくれていた。しかも緑茶を。
「ったくもうRDと言いサベージハンマーのガキと言い、どいつもコイツもふざけやがってうぉら・・・、俺ぁ治安局のチーフだぞうぉら・・・。」
ガミーは本当に普段のストレスを発散させんがごとく、そう愚痴をこぼしながらふてくされていたが、
店内に設置されたテレビでは治安局について描かれた番組が放送されていた。

288 :戦えガミーくん 2:05/01/01 23:10:10 ID:???
「んぁぁ?そう言えばこんな番組の収録とかあったな〜・・・。」
ガミーは何気無く番組を見入っていたが、その時彼は思わずテーブルの上の食器等が一瞬宙に浮いてしまう程強く殴り付けたのだ。
「何じゃごりゃぁ!!!!こんな物まで流すんじゃねーぞぉ!!」
ガミーが怒るのも無理は無かった。何しろその時流されていた映像はガミーのギガがアイアンコングに
苦戦している映像だったのだ。するとその時、さらに彼の神経を逆撫でする事件が発生した。
「アッハッハッハッハッハッ!!!弱!!弱!!弱ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あれじゃあギガが可哀想だよなぁ!!!」
ガミーが座っていた席の隣側に座っていた四人のウチの二人の若い女性がテレビを指差しながらそう笑っていたのだ。
「何だとこらぁ・・・、弱くて悪かったな〜・・・。」
ガミーは直ぐさま立ち上がり、二人の方をキッと睨み付けた。しかし、その二人は臆する所か逆にガミーの顔を指差したのだ。
「あああ!!!いたぁぁぁ!!!治安局ギガの人ぉぉぉ!!!」
ちなみに時を同じくして、テレビ画面にはガミーの顔がデカデカと映っていたりする。そしてさらに二人はガミーに対してさらに言ったのだ。
「イヤイヤ、この番組拝見させてもらったけどさ!実に大受けでした!面白い番組をありがとうございます!」
「マジぶっちゃけコントかと思ったぞ私は!」
「二人ともあんまり大人をからかうのはやめた方が良いのでは?」
笑っていた二人に対し、もう一方の割と大人しそうな方の二人がそう言っていたが、ガミーの堪忍袋の緒は既に切れていた。
「ふざけるなよクソガキどもがぁ!!ゴジュラスギガのなんたるかもわからんくせに偉そうな事言いやがってぇぇぇ!!!!」
「分かるさ・・・。私もギガ乗りだから。」
「うぇ・・・?」
その時ガミーは一瞬狼狽えた。そして笑っていた二人のウチ、金髪のショートヘアーで、何故か顔に
二つの傷が付いている方の15歳くらいの少女が真剣な目つきでガミーの目を直視したのだ。

289 :戦えガミーくん 3:05/01/01 23:11:30 ID:???
「少し失礼な言い方になると思いますがゴジュラスギガのなんたるかが分かってないのは貴方の方では
無いのですか?少なくとも今さっきテレビ番組でやっていた貴方のギガの戦いを見る限り、とてもじゃ
ありませんが、ギガの性能をしっかり発揮できているのか疑問です。そもそもゴジュラスギガの
持ち味である高い機動力すら発揮できていないのでは話にならないのでは無いですか?」
「う・・・。」
ガミーは言い返す事が出来なかった。その少女の言葉はどれも彼の図星を付いており、しかも彼女自身
から発せられる並ならぬ気迫にもガミーは気圧されていたのだ。また、それ故に彼女の口から出た
自分のギガ乗りであると言う発言に関してもとてもウソとは思えなかった。

それから4人は会計を済ませると共に店を出ていったが、ガミーはすっかり冷えた緑茶の入った湯飲み
を見つめていた。少女から言われた「ギガの性能を発揮出来ていない」と言う言葉が彼の胸に強く突き刺さっていたのだ。
「確かにその通りだな・・・。俺の操縦するギガはあの時見たそれとはとても同じには見えない・・・。そもそも・・・、何で俺は治安局を仕事に選んだのだったか・・・。」
ガミーはゆっくりと目を瞑り、過去を振り返っていた。彼は少年の頃からゴジュラスギガが大好き
だった。それ故に同年代の他の子供が皆ライガーが大好きだった中、一人ギガを好む彼は変わり者
扱いされていた。しかし彼は己の意志を曲げる事は無かった。その理由の一つとして、彼がギガを
好むきっかけとなった一つのビデオ映像が存在する。何故か彼の家にはその昔の大戦の記録映像が
残っており、その映像の中に映し出されていたゴジュラスギガの活躍に惹かれ、彼はギガを愛する様
になったのだ。記録映像の中に映し出されたギガの活躍は当時少年だったガミーの心を胸躍らせる程
だった。自重の倍の相手も圧倒できる圧倒的なパワーとその巨体からは想像も出来ない程のスピードの
競演。ガミーはその映像をビデオディスクがダメになるまで何百回も見直していた。そして数あるギガ
の中でも特に彼を興奮させたのは通常青い部分がメタリックグリーンに塗装されていたギガだった。

290 :戦えガミーくん 4:05/01/01 23:13:09 ID:???
そのギガの戦いはもはやガミーにとって興奮の極みだった。文字通り圧倒的なパワーとスピードが見事
に競演し、次々に現れる敵をバッタバッタと薙ぎ倒していたのだ。そのスピードは高速ゾイド相手に
すらも楽々圧倒し、さらに長時間超スピードで戦闘を行っていながら全く息を切らさないと言う
スタミナも持ち合わせていた。そして驚きだったのがこのギガに乗っていたパイロットは当時わずか
18歳の女性だったと言う事だ。その上さらに女性は誰が見ても美人と思える程であり、さらに
ギガでの凄い戦いっぷりも相まって、当時のガミー少年の目にはとても輝いて見えた。
しかし、所詮その映像は昔に撮られた物でしかすぎず、今生きていたとしてもすっかりお婆さん
だろうな〜などと言う現実も垣間見たりもしていた。とはいえ、この時の体験が彼の後の進路に
大きく影響させ、治安局へ就職するきっかけとなったのだった。治安局へ就職後もガミーは
バリバリ働いて功績を挙げ、チーフの座とゴジュラスギガを手に入れたのだ。
「だがこの俺にあのギガの様な事が出来るのか・・・?」
それが大きな疑問だった。その上さらにまたもあの少女の「ギガの性能を発揮出来ていない。」の言葉が頭の中で蘇り、彼の胸を強く突き刺す。
「くそ・・・。俺は・・・、所詮ここまでの男なのか・・・。」
「どうでも良いけど帰ってくれないかね〜・・・。もう閉店時間よ。」
「あ・・・すんません・・・。」
感傷に浸るガミーを現実に引き戻したのは店の親父だった。しかも時計を見ると既に12時を回っていたのだ。

291 :鉄獣28号:05/01/01 23:22:36 ID:???
皆様あけましておめでとうございます。と言う事で新春早々おまけ話を書かせていただきました。

それと、自分は毎年大晦日はた○しのT○タック○の超常現象特集を見ているのですが、
丁度去年のそれを見ていた時、

「ゾイド世界でもこんなのがあったら面白そうだな〜。」
等と考えてしまいました。例えゾイド世界でもそう言うのありそうですし。
いつかハガネ主役でその話をやって見ようかな〜などと考えてみたり。
もちろん時間軸は大戦終了後と言う事で。
何か偉そうな教授が「貴女自身科学が生み出した存在なのに何で超常現象肯定派なんですか!!?」
何てハガネに怒鳴りつけるとか、「早く古代ゾイド人の住民票見せなさいよ!!」とか叫んでみたり。

で、超能力の関した話ではハガネの紹介によって招かれたマオが気功を披露するのだけど、
これまた教授が何か色々こじつけて全く信じようとしないとか。

ハガネが当時西方大陸の田舎町を震撼させていたフライングオーガノイドの謎に迫るとか。

ただし、これは本当にやるかはまだ未定です。

292 :スレ末不定期物語ZOIDS Hazard:05/01/01 23:37:32 ID:???
「だから…本当だって言ってるだろ!ガミー!貴様の耳は腐っているのか!?」取調室に響くミストの大声。
「だからと言ってな…そんな報告は治安局には届いていない!ミスト!貴様の証拠が本物でも提供者が貴様じゃ捜査令状はおりないんだよっ!!!」
ガミーと呼ばれた大男はデスクを両手で思い切り叩き付ける…恐ろしい事にそのデスクは一撃の下に中破していた。
有る筋で囁かれている”毫腕ガミー”の噂は本物だったようだ…。

ー治安局強襲ー

ミストは今治安局に拘留されている。ホバーカーゴの駐禁で捕まったのだが中身はハイドラ入り。当然の結果であろう。
一応ガミーとは報道関係者と治安局員として極々普通の繋がりがある。しかしZi-ARMSの施設強襲に関しての情報は完全に情報統制が生されていたようだ。
「多分お前の証言と巷の噂は間違い無いだろう。だが俺達は役人だ。御上からの令状無くしては踏み込む訳にはいかん。」そう言って同僚の女性より受け取ったコーヒーを一気に胃袋に流し込むガミー。
一息付いて「そう言う訳だ。これ以上貴様を拘留する理由は無い。どんなに罪の意識が有ろうが公には無罪だ。その情報だけはありがたく受け取ってやるがな。がははははは!!!」

取調室をガミーに追い出されミストは駐禁の罰則金の支払いに窓口へ向かう事にした。
「それにしても…高いな。ホバーカーゴの駐禁は不味かったか?」全財産の1/3を一気に失ったミストは頭を後手で掻いていた。
「よう!おっさんか?ホバーカーゴで駐禁やらかしたっていう間抜けは?」乗りの軽そうな褐色の肌の男がそう言ってミストの方を掴む。
「あ”あ”ん?」思い切りドスを利かせた声と見る者を恐怖心と警戒心に狩り立てる必殺のいかつい顔で睨む。「ぬおうっ!?悪かったって!そんなに怒るなよ!」
慌てて取り繕う男。名札を見るとディドと言うらしい…ディドの慌てた行動で気を紛らわしたミストはホバーカーゴを受け取りに向かう。

「…ちっ!治安局の野郎共。俺を虚仮にした事を後悔させてやるぞ!」彼の名はブロンソン。
嘗てハンマーロックで宝石店強盗を繰り返していた通称グリードモンキーの名で知られていた者である。
しかしガミーのギガに逮捕された後彼の名声は失墜した。今やマスコミからも取り上げられず再起を謀ろうとしているのだ。
盛大な花火を添えて…。

293 :スレ末不定期物語ZOIDS Hazard:05/01/02 02:04:36 ID:???
「それでは案内するわ…。それにしても今日は雑用ばかりね。」彼女はチャオというらしい。
ガミーと同じチームでパトロールや捜査を行うアロザウラーのパイロット。実力はそこそこでブルーシティでは治安局の顔の一つとして有名な存在でもある。
他にさっき睨み付けてやったディドと合せてチームらしい。彼はゴルヘックスに搭乗しているが場合によりシンカー等も扱うらしく見た目通りの腕を持っているようだ。

「もう勘弁して欲しいわ…ホバーカーゴを運ぶの大変だったんだから。」それもその筈。
ハッチ等のロックはミスト自体が行っており何か有った場合にはハイドラが別のコードに差し替える様になっているのでドア一つ開けるので手一杯だったそうだ。
「それと…これを持っていって!もう駐禁は結構よ!2度とこのホバーカーゴを移送したくないから。」チャオに渡されたのは大型輸送機用の駐車場のマップ。
ブルーシティは東方大陸の経済の中心の筈だがこう言った車両タイプゾイドを置けるところは殆ど無い事に気付く。

「これは…駐禁が増えるわけだな。」その場所に行ってみるが既に他のグスタフやホバーカーゴでごった返しの状態だ。
そんな中何故ホエールキングが止まっているのかも気に掛かる。普通なら南の倉庫街に行けば簡単にしかも予算も無しに止められるのだから理解に苦しむ。
早速お世話になった治安局へ通報してみるミスト。

「…ええっ!?ホエールキングが2隻止まっていて駐車できないですって!?」受け取った通報の主がミストである事で頭が痛くなる思いのチャオ。
「どうした?チャオ?事件か?」ガミーが近付くと「不審なホエールキングが2隻直ぐそこの大型輸送ゾイド専用駐車場に居座っているそうです。」
「最近多くないか?そう言う話?」ディドが口を挟む。「そうか…現場を押さえるぞ!」ガミーはそう言うとチャオとディドを引き連れて出動する。

突然の轟音。それはホエールキングからの物でその主砲が治安局に向けて放たれた瞬間だった。「なっ!?奴等戦争でも始める気か!?」
急いでハイドラに飛び乗るミスト。ホバーカーゴのハッチを開き外に出ようとするが…「先ずは様子見だ!治安局を直接狙って来たからには怨恨の可能性も有る。」
ガミーのゴジュラスギガの姿がそこに有りアロザウラーとゴルヘックスもその場に居る。

294 :スレ末不定期物語ZOIDS Hazard:05/01/02 02:53:59 ID:???
「かかかか…。上手くいったぜ!奴等の浮き足立つ姿が目に浮かぶ!きききき…。」ブロンソンは有る機体のコクピットに座ってそれを眺めている。
上手く計画が運んでいるのが余程嬉しいらしい。

彼の計画はこうである。
先ず治安局の証拠品として彼から取り返された宝石がまだ治安局に有る事をそれとなく海賊家業の奴等に漏らす。
そして話に乗ってきた海賊を舌先三寸で丸め込み準備をさせると言う物だ。そして…彼は新しい愛機の力でガミーを蹴散らす。
ここまでは順調であるが問題はギガである。

追撃モードは道路に掛かる負担が大きい為使わないらしいが最近はそれが癖になって格闘モードから追撃モードになったと言う話は聞かない。
その為彼は有る機体を条件付きでZi-ARMSから受領している。アイアンコングエヴォルツォーネ。開発プランは戦争の頃から有ったらしいが結局開発は今まで遅らされて来た物だ。
当然その間に幾つものプラン変更がありその上武装のデータが全て紛失。結局は本体に現行の武装を施されただけの機体に成っている。
しかしそれでもデスザウラーサイズのゴリラ型ゾイド。そうそうギガに遅れを取る事は無いだろう…彼はそう信じていた。

「奴等この近海で強盗行為を行っているツインパイレーツだ!」ディドは早速データベースから情報を引き出し報告している。
「何だと!?奴等が何故治安局を襲う必要が有る?”はく”を付けるにしても無理して捕まる危険を冒して治安局を襲撃する必要は無い筈だ!」
ガミーはその惨状に驚きながらも慎重にホエールキングの様子を伺う。道路事情で追撃モードが使えない今無理に跳び出せば逃がしてしまうだろう。
かと言って防衛の為に多少対ゾイド用の防御装置があるが予算の関係上ホエールキングを落せる程の火力は無い。

「見付けたぜぇ〜!!!ガミィィィィイイイ〜!!!」突然彼らに向かって突進してくる巨大なゴリラ型ゾイド。明らかにアイアンコングでは無い。
左肩にはビームガトリングユニットがレッドホーンの装備と共に付けられ右肩には大型ミサイルポッドがアイアンコング用のビームランチャーとレーザーサーチャーと共に接続されている。
取り付け位置が変わった事でビームランチャーのサイトは取り外されいるのも特徴的である。
目の突き刺さる紅に金の縁取り模様と黒い関節部。異様な姿だ。

295 : ◆.X9.4WzziA :05/01/02 11:58:05 ID:???
あけおめっ! ことよろっ! 今年も「魔装竜外伝」よろしくっ!

フュザ以降の新作が挙がってますけどスレ住人諸氏としてはネタ的に如何ですか?
自分はヤクザライガーとヘラジカに今から目が話せないと言うか。
「主役いじめたい病」が疼いてきました(苦笑)。

296 :恐怖の亀裂の作者:05/01/02 15:43:22 ID:???
◆.X9.4WzziAさんへ

個人的にはダ・パンダのネーミングセンスに脱帽w竹槍ミサイルで更に…w
コング系の機体がアイアンコングのフレーム流用の新型だったら恐ろしくセンスが尖っている流用だと思っています。
賞品としてはブロックス流用のヤクザライガーが楽しい感じ。出ると良いな…。あの顔は大型機体顔に使えそうなので。
ヤクザライガーの小型商品版は3つ買って1機に3枚村雨のトルネードアタックを容易に想像してしまいました_| ̄|○
良く見ると…あのシルエットから想像してヤクザライガーはレイズからの技術流用があるのかもと勝手に予想!

鉄獣28号さんへ

ネタが被ったぁwおっさんが追撃モードを使わない理由を考えると忘れているか道路事情しか無い気がします…。
あのハイウェイでずかずかとRDとマッチレースをしていたら2機とも道路を踏み抜いて墜ちてしまうのではないかと思う程の薄さの道路だったので。
こちらでは癖に成っています。
----------
もう容量が少なそうなので次スレ末に作品は保留の予定です。戦闘が長引きそうなので…。

297 :Innocent World2書いてる物体:05/01/02 17:18:06 ID:???
家のPCが一大カタストロフを起こして4日分の書き溜めが吹っ飛びました…_| ̄|○
次は次スレから書かせていただきます。
それはそうと…魔装竜シリーズ作者氏激しく乙。戦闘シーンの迫力とスピード感は流石の物です。

298 :戦えガミーくん 5:05/01/02 17:59:25 ID:???
「少し失礼な言い方になると思いますがゴジュラスギガのなんたるかが分かってないのは貴方の方では
無いのですか?少なくとも今さっきテレビ番組でやっていた貴方のギガの戦いを見る限り、とてもじゃ
ありませんが、ギガの性能をしっかり発揮できているのか疑問です。そもそもゴジュラスギガの
持ち味である高い機動力すら発揮できていないのでは話にならないのでは無いですか?」

その様な少女の言葉はガミーの胸に強く突き刺さり続けた。しかもこの事は夢にまで出てきて彼は
何日も魘されたのだ。おかげで仕事にもろくに手が着けられず、上司に小言を言われる羽目にもなって
しまった。しかし、だからと言ってガミーの気が何とかなるワケでも無く、彼は心の悩みを克服できぬまま数日間が空しく過ぎるだけだったのだ。

と、そんなある日の事、ガミーがまたも元気なさそうな顔でデスクで項垂れていた時の事だ。突然治安局中にブザーが鳴り響き、彼は思わず飛び起きた。
「何だぁ!!?どうしたぁ!!?」
「大変です!!!B−15地区でテロが発生しました!!」
「何だとぉ!!?」
彼の部下の一人、ディドの報告に彼の顔は豹変した。

テロが発生した現場は凄惨な物だった。あちこちに火の手が上がり、そしてテロリストに立ち向かった
別地区の治安局のアロザウラーやゴルヘックスが残骸と化し、負傷したパイロットは次々にタンカに乗せられて運ばれていた。
「くそぉ!!テロリストとやらはどうしたぁ!!」
ガミーは己のストレスを吹き飛ばさん勢いでギガを前進させ、マイクの音量最大で怒鳴りつけた。
そしてどうにか残存してた一体のアロザウラーが前方の火柱が多数上がっている方向を指差すと、そこには紛れも無くテロリストの所有するゾイド軍団が存在した。
「あ・・・アレがま・・・街を破壊しやがったテロリストか・・・。」

299 :戦えガミーくん 6:05/01/02 18:00:42 ID:???
テロリストのゾイド軍団は相当な異様を誇っていた。そしてガミーの目に最初に飛び込んできたのは
アイアンコング。しかしただのコングでは無い。全身を血の様な真っ赤に塗らており、右肩には
超高出力ビームランチャー、左肩には強化型レーザーセンサー、そして背中には長大な大型ミサイルに
加え、高出力マニューバスラスター。しかもそれら重武装を施されたコングがもはや十数機以上は有に
存在したのだ。さらにその周囲にはコング動揺血のような真っ赤に塗装されたジェノザウラーまでも
存在し、それらが高々と立ち上る火柱の光を浴びて真っ赤に輝いていたのだ。
「お前等がぁ!!!俺の街をぉ!!許せぇん!!!」
「チーフ!!」
ガミーは思わず熱くなり、ギガはテロリスト軍へ向けて駆けだした。が、それもつかの間、
コングの一機がギガの足下にビームランチャーを撃ち込み、ギガは思わず転倒てしまった。
「なぁ!!!」
「アッハッハッハッハッ!!見たか今の転けっぷり!!」
「治安局のゾイドなんぞ所詮あんな物だ。」
「どうせ仕事はほぼ終わったも同然だ。弾やエネルギーの残量もかなり余裕があるし、遊んでやろうじゃないか!」
「そりゃいいなぁ!!」
テロリスト達は倒れ込んでいるガミーのギガをあざ笑うかの様に笑みを浮かべながら見つめ、そしてそれぞれが火器の砲門を向けたのだ。
「うおわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「チィィィィィフ!!」
周囲にガミーの絶叫と大爆発音が響き渡った。テロリスト達は遊ぶようにガミーのギガを滅多撃ちに
していたのだ。ビームが、ミサイルが倒れ込んでいるギガに次々に直撃し、多数の爆煙が上がる。
ガミーを救出する為に止めに入った勇敢な治安局員もいたが、テロリスト軍の前には無謀としか言いようが無く、あっという間に倒されていた。
「ハッハッハッハッ!これだけ撃っても壊れないとは流石に頑丈だな〜!だが・・・いつまでも持つかな〜・・・?」
テロリスト達は笑っていた。彼等は完全に遊んでいたのだ。と、その時だった。テロリスト軍のコングの一機が別所でテロ活動を行っていた別動部隊からの通信を傍受したのだ。

300 :戦えガミーくん 7:05/01/02 18:01:51 ID:???
『うおわぁぁぁ!!!何だコイツはぁぁぁ!!!』
『速い!!速すぎるぅぅ!!!』
『落とせ!!速く落とせうぉわあぁぁぁ!!!』
『隊長!!隊長ぉぉぉぉぉ!!』
「一体どうしたんだ!!おい!!!」
一人のテロリストがそう応答した時には既に通信は切られていた。嫌、何かに機体が破壊された事に酔って強制的に切られたと言う事が正しいのかもしれない。
「一体何がどうしたと言うのだ・・・。」
「・・・?どうした?攻撃がやんだぞ・・・。」
突然の不可解な出来事にテロリスト達の間に動揺が起きていた。それ故にガミーのギガへの袋叩きも
停止し、治安局員達も不思議に思っていたのだ。と、その時だ。一人のテロリストが何かに気付いたのか、ある方向を指差したのだ。
「あ!!アレを見ろ!!!」
「!!!?」
皆がその方向に注目した時、そこには巨大な土煙を上げながらこちらへ向かって物凄い速度で突き進む何かが存在したのだ。
「んん!!!?」
「あれはぁ!!!」
突如としてテロリスト軍の方へ突き進んでいたゾイドはゴジュラスギガだった。しかし同じギガでも
ガミーのそれとは全く違う。その速度はもはや時速250キロを遙かに超えていた。しかもその背中
には大型のロケットブースターが装備され、通常青い部分がメタリックグリーンに塗装されていたのだ。
「何だぁ・・・。何かと思ったらゴジュラスギガじゃねぇか・・・。驚かせやがって・・・。」
「ヘッヘッヘッ!大方何処か別の治安局の機体なんだろ?俺等を驚かせた罰を与えてやろう。」
ほっと胸を撫で下ろしていたテロリストは気を取り直し、コングのビームランチャーをギガへ向けて撃ち込んだ。
「そ〜れ転けろ転けろぉ〜!」
テロリスト達はアイアンコングごと手を叩きながら笑っていた。が、その直後、彼等は驚愕する。何とビームランチャーのビームがギガをすり抜けたのだ。
「オイオイ!外すんじゃねーよ!」
「悪い悪い!次は外さねぇぜ!」
相変わらず楽天的なテロリストは再びコングのビームランチャーを撃ち込んだ。しかしまたも当たらない。
「バカ野郎!!俺に代われ!!」
「俺がやる俺が!!」
今度は全アイアンコングがビームランチャーを発射した。しかし、不思議な事にギガには一発も当たってはいなかったのだ。

301 :戦えガミーくん 8:05/01/02 18:04:08 ID:???
「そんなバカなぁ!!」
テロリストの一人が驚愕の叫び声を上げた直後だった。突如乱入したそのギガはさらにスピードを上げ、
目にも留まらぬ速度でテロリスト軍に肉薄すると数機をまとめて切り刻んだのだ。
「うわぁぁぁ!!!何だコイツはぁぁぁぁ!!!!」
「コイツ滅茶苦茶強いぞぉぉぉ!!!!」
突如として乱入したそのメタリックグリーンのギガは有無を言わせる事も無くテロリスト軍のゾイドを
次々に破壊して言った。その爪はコングの重装甲を豆腐の様に切り刻み、蹴りの一発で数機がまとめて
お空の星にされた。そして尾の一撃は相手をだるま落としのごとく直撃面を丸ごとえぐり取った。
その上高速ゾイドも思わず失禁する程の機動性と、ビームやミサイルを直撃させる事が出来たとしても全く意に介していない程の重装甲を持ち合わせていたのだ。
「・・・・・・・・・。え・・・・何・・・?」
その時代劇の殺陣・大立ち回りにも似たメタリックグリーンギガの大暴れには治安局員も開いた口が
ふさがらなかった。彼等の常識ではギガがあれ程の速度で動けるとは到底考えられなかったのだ。
「くっそぉぉぉ!!!謀ったたな治安局めぇ!!!旧式のゴジュラスで偽装したフェイクのギガを
袋叩きさせて我々を安心させた後で本物のギガを投入して一網打尽にするとはぁぁぁぁぁ!!!!」
「えええ!!!?」
勝手に何か変な解釈をしていたテロリストに治安局員達は驚きの声をあげていたが、その時ガミーのギガにある通信が入ったのだ。そして通信と共に送られてきたパイロットの画像を見た時、ガミーは
思わず我が目を疑った。それは数日前に料理店で会った顔に二つの傷の付いた少女だったのだ。
『貴方のギガがあんまり弱っちぃんだから思わず加勢させてもらいました。まあとりあえず私の戦いをお手本に勉強してね!』
「えええ!!?って事はまさか・・・、お前本当に・・・。」
ガミーはテロリスト相手に大暴れをしているギガの方を見た。そしてギガのキャノピーからその少女がガミーに向けて軽くウィンクしていたのが一瞬見えたのだ。
「・・・・・・・・・・・・・。」

302 :戦えガミーくん 9:05/01/02 18:05:05 ID:???
ガミーは自分が情けなくなった。確かに少女の乗っていたギガは圧倒的なパワーとスピードが見事に
調和した彼にとってギガとしてあるべき理想の戦闘フォームだった。しかし、目の前のメタリック
グリーンギガが敵機を破壊すれば破壊する程、ロクな戦いも出来なかった己に苛立ちを覚えていたのだ。
「畜生!!畜生!!!俺はここまでなのか!!?所詮ここまでの男なのか!!?ゴジュラスギガよぉぉぉ!!!」
ガミーは号泣し、力任せにコントロールパネルを何度も叩いていた。
「あの娘の言った事は本当だった!!俺はゴジュラスギガパイロット失格だ!!何がブルーシティー
治安局チーフだ!!畜生!!畜生!!」
ガミーの号泣は続いた。が、その時彼のギガが軽く鳴いたのだ。まるで彼を慰めるかの様に・・・
「・・・?お前・・・、俺の事を想っているのか・・・?こんな・・・ふがいない俺にか・・・?」
ギガは軽く頷いた。そしてガミーは我に返った。
「そうだ・・・。俺はギガに選ばれたんだ。ギガはパイロットを選ぶ機体・・・。そしてお前はこんな俺不甲斐無いを今でもパイロットとして扱ってくれる・・・。ならば・・・。」
ガミーは涙を拭いた。そしてテロリスト達の方をキッと睨み付けたのだ。
「ならばゴジュラスギガパイロットとして恥ずかしくない戦いを見せるまでだぁぁぁぁぁ!!!
お前達良く聞けぇぇぇ!!!!俺は!!ブルーシティー治安局チーフの!!ガミーだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ガミーの己の魂を込めた叫び声が周囲に響き渡ると共にギガが吠え、その目は強く輝いたのだ。

丁度その頃、たまたま近くをシグマのレオストライカーが移動中だった。が、突然そのレオストライカーが何かの目に見えない力に引き寄せられ始めたのだ。
「うわ!!何だ!!?どうしたんだぁぁぁぁ!!!?」

そしてこれまたその頃、たまたま近くをクラッシャーズのマトリクスドラゴンが移動中だったのだが、そのマトリクスドラゴンも突然何かに引き寄せられたのだ。
「何だ!!?どうした!!?」
「制御不能!!原因不明!!」
「何だとぉぉぉぉ!!?」

さらにその頃、たまたま近くを野良化したキメラドラゴンが移動中だったのだが、これまた急に何かに引き寄せられていた。

303 :戦えガミーくん 10:05/01/02 18:06:26 ID:???
そして有無を言わせず引き寄せられていた3機のゾイドの進行方向には紛れもなくガミーのゴジュラス
ギガの姿があった。そしてレオストライカーは火器を兼ねた剣に変形した後ギガの左腕に装着され、
マトリクスドラゴンとキメラドラゴンはキャノン砲に変形した後、ギガの背中に装着される形で合体したのだ。
       「ゴジュラスギガダブルドラゴンストライカー!!Ziユニゾン!!」
周囲にガミーの叫び声とギガの咆哮が響き渡った。そしてユニゾンしたギガの異様に皆が注目したのだ。
「わ・・・何だぁ!!?」
「ギガがユニゾンしやがったぁ!!」
「10体ユニゾンなんて前代未聞だぞぉ!!」
驚異の10体ユニゾンゾイド、ゴジュラスギガダブルドラゴンストライカーの戦闘力は驚異的であった。
前足を一歩踏み出しただけで地響きが発生し、テロリストのコングは次々に転倒し、左腕に装着された
ストライカーユニットのマルチプルキャノンやザンブレイカー、そして背中のダブルドラゴンキャノンは敵の大部隊を次々に破壊して行ったのだ。
「ギャー!!ワー!!」
「助けてくれぇ!!!」
「もうあんたとはやっとれんは!!」
前門のメタリックグリーンギガ、後門のゴジュラスギガダブルドラゴンストライカー。その二体の
怪物に挟まれたテロリスト達はあっという間に鎮圧されてしまったのだった。しかし、問題が無い
ワケでも無かった。無理矢理ユニゾンさせられたレオストライカーやマトリクスドラゴンの中でも阿鼻叫喚の世界が描かれていたのだ。
「ギャー!!何でこんな事がぁ!!僕を一体どうする気だぁぁ!!!」
「助けてくれぇ!!」
「うぉぉぉぉ!!!」

304 :戦えガミーくん 11:05/01/02 18:07:42 ID:???
翌日、テロ発生のニュースと共にガミーのゴジュラスギガが起死回生のZiユニゾンによる活躍で
そのテロリスト達を鎮圧したと言うニュースが新聞などで大々的に報道させた。しかし突如乱入した
メタリックグリーンのギガに関する事柄は全くと言って良い程書かれる事は無かった。治安局上層部は
この事実が公になる事によって治安局の権威が失われるのでは無いかと恐れたのだ。それ故に
各メディアに圧力を掛け、この事実は完全に封じられた。ただ勘違いして欲しく無い事は、
この件はメタリックグリーンギガに搭乗していた女性Ziファイターの許可も取っていると言う事で
ある。とは言え、テロリスト鎮圧の協力してもらった謝礼金も兼ねて、治安局はかなりの金額を彼女に支払う必要になったのではあるが・・・。

事件が終わった後、メタリックグリーンギガに乗っていた少女は名も名乗らずに仲間の元へ帰って
行ったが、ガミーはその方向をずっと見つめていた。そして彼はある事に気付いたのだ。
「そうか・・・。あの娘の容姿と言い、戦い方と言い・・・、何かに似ていると想ったらガキの頃に見た
大戦記録映像の中にあった緑色のギガと、それに乗っていたマオって女に似ていたんだ・・・。なるほど・・・。奴はその子孫か・・・。」
ガミーは一瞬クスリと笑みを浮かべると直ぐさま振り返り、ギガの方へ歩き出した。これで全てが終わったワケでは無い。また新たな戦いが彼等を待ち受けているのだ。

                終わり

305 :鉄獣28号:05/01/02 18:26:43 ID:???
もうこのスレも容量限界に近付いていたので最後まで書かせていただきました。
ちなみに補足して頂きますが、本作オリジナルユニゾン形態である
ゴジュラスギガダブルドラゴンストライカーの元ネタはBZ時代の箱の写真にあった
レオストライカー・マトリクスドラゴン・キメラドラゴンのギガに装着した状態での
チェンジマイズ例となっております。

>>恐怖の亀裂作者さん
ブロンソン良いキャラしてますw
その上海賊に攻撃させて消耗させた所を一網打尽にするという二段構えの作戦。
そしてアイアンコングエヴォルツオーネの性能は如何に。

>>魔装竜シリーズ作者さん
まあ格好は良いのでは無いですか?レイズとワイツの流用は自分的にはアレですが。
これでほ乳類戦隊で無ければ・・・と言う所です。あと時間軸もまた大幅に飛んだりしませんよーにと叫びたい。
数年単位ならまだ「主人公達はサ○エさんと同じ要領で年を取らない」が通用できるのですが、
また100年後とかなったらもう・・・orz

>>Innocent World2作者さん
まあ・・・それは・・・頑張って下さい。

306 :ナイトメア:05/01/02 23:19:12 ID:???
上の連中は何故事実を受け止めないのであろうか?
クック要塞を敵ブロックスを強奪して命からがら逃げ出したファイン=アセンブレイス少尉とシュミット=エーアスト曹長は思っていた。
ジーニアス=デルダロスの証言は紛れも無い事実であった事を身に染みる思いで映像証拠と共に提出したが未だに上層部は映像解析に掛けているらしい…。
しかも”合成”の可能性が無いかと言う理由でだ…。

「やっていられませんなあ?シュミット曹長?」「そうですね…少尉。」ファインの方は完全に切れているらしくやってられるかコンチクショー状態になっている。
「すまんな。あんな場所に応援として派遣した私のミスだったらしい。」彼等の部隊の纏め約アービン=クラフト大佐も苦虫を噛んだ様な顔をしている。
既に彼等は3日もの間この場に足止めされている。本来なら部隊の宿営地に戻り次の仕事が有るのにも係わらずだ。

実際に彼等の視点で…特にシュミット曹長の視点から語るとこう成る

「少尉!危険です。その機体は貴方が乗っていた機体とは違います!OSの使用度が低いので気を付けてください!」それに返って来る声。
「了解であります!それよりも…そっちの方こそ機体に引き摺られる様な事に成らないで下さい?お願いでありますよ?」そう言われてシュミットは気合いを入れ直している。
ジェノザウラー量産機。ガイロスの初期生産型と違い格段の安定性を誇るがその分性能は低い。彼等は開いてしまった機体にヘルプとして搭乗しているのだ。
「それにしても…今夜辺りでありますか?奇襲が予想されるのは?クック要塞が難攻不落なのは昔の話。兵員に穴が開く様な数ではとてもではありませんが難攻不落を実現する事は無理でありましょうに…。」
ファインがぶつぶつ言っているのは今の配備状況では奇襲をしてくれと言わんばかりだと言うこの状況への対応を迫られているストレスからの言葉だろう。

「どうやらビンゴみたいです!少尉!敵襲です…敵機はアロザウラーと…っ!?新型ゴジュラスタイプです!」
「なんとまあ…始めから相手のジョーカーと相手をしないと成らないとは。とにかくダークスパイナーとキメラ部隊を後退させないと!」言うが速いかファインのジェノザウラーは素早く前線へ踊り出していた。
目標はアロザウラーのみだ。デカブツはデスザウラーの出番だろう。

307 :ナイトメア:05/01/02 23:48:36 ID:???
しかし直に連絡が途絶える。最期の言葉は「曹長!今直ぐ全部隊に最上級警戒た…。」だった。
前線ではアロザウラーを蹴散らしたジェノザウラーが的確にゴジュラスタイプに収束荷電粒子砲を当てていた。
その後にそのゴジュラスタイプが恐るべき速度でファインのジェノザウラーを踏み潰す一連の悪夢の様な流れ。
運の良い事はコクピットブロックが踏み潰される際に先に弾き出された事でファインの無事が略確定していたことぐらいだ。

程なくしてシュミットの機体もアロザウラーに行く手を阻まれ新型の尾の一撃の前に砕け散った。

その後シュミットは捕虜として拘束されていたがファインの助けで脱走。そして試験運用をしていたらしいマトリクスドラゴンを強奪して逃げ帰ったのだ。
シュミットは捕虜となる際に映像を記録した物をコクピットに残していた為スクラップ置き場で運良く回収そして今に到るのだが…。

結局3日も足止めされてえぐい質問攻めの日課。相手は機械的に質問を繰り返すだけ。その内に出撃前に麻薬の類を使用しなかったか?と聞かれる始末。
ファインの顔に有る痣はそれに切れて暴れ出しボコボコにされた名残だ。
相手はその10倍の怪我をしたらしいとの話であると言う事は…幾人かが病院送りになっていると言う事でその為アービンが呼ばれたのだろう。
その後1週間近く無駄な質問攻めを受ける羽目になったが結局クック要塞奪還作戦に投入されたデスザウラーとバーサークフューラーが全機帰って来なかった事を受けてようやくその映像が合成でないと理解したらしい。

本来ならもっと速く気付けば奪還作戦に投入された機体と兵員が失われずに済んだ筈。
そして…真の悪夢(ナイトメア)これから始まるのである。更に甚大なる損害を伴って…。

ーナイトメア 終ー

308 :名無し獣@リアルに歩行:05/01/03 11:35:18 ID:???
次スレ

自分でバトルストーリーを書いてみようVol.18
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1104481409/

309 :名無し獣@リアルに歩行:05/01/03 11:36:08 ID:???
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310 :名無し獣@リアルに歩行:05/01/03 11:36:22 ID:???
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